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「容認できますか、認められますか?」ジョン・カビラが投げかける、沖縄・米軍基地問題と平和への

「容認できますか、認められますか?」ジョン・カビラが投げかける、沖縄・米軍基地問題と平和への"問い"

ジョン・カビラが、父・川平朝清との対話を通じて浮かび上がった沖縄の戦後史と、今も続く基地問題について語った。

ジョンが登場したのは、8月13日(木)放送のJ-WAVE『JAM THE PLANET』(木曜ナビゲーター:武田真一)の「TODAY’S POINT OF VIEW」。旬のニュース&トピックに独自の視点でフォーカスするコーナーだ。

オンエアから1週間はradikoタイムフリー機能で再生可能だ。

武田真一と川平家との不思議な縁

8月13日は周波数の「81.3」にちなんだ「J-WAVEの日」ということもあり、各番組のナビゲーターが前後の番組に出演した。

『JAM THE PLANET』木曜ナビゲーターの武田は『GRAND MARQUEE』(月曜~木曜 16:30-18:50)に出演し、番組でリスナーから募集していた「ラジオが教えてくれたこと」についてトークを展開。音楽を好きになるきっかけとなった佐野元春が出演していたラジオ番組への想いなどを語った。

武田:木曜日の「TODAY’S POINT OF VIEW」は、前週、今週、そして次週と、戦争をどう伝えるかを考える夏にしたいと思っています。今日は8月13日ということもありまして、J-WAVEの顔のおひとり、ジョン・カビラさんがお父様の川平朝清さんと対談した本『沖縄を語りつぐ ある家族の歴史』(岩波新書)について、ジョンさんのインタビューも交えてご紹介したいと思います。

武田は自身とジョン、そして朝清さんとの不思議な縁について語った。

武田:私は1980年代の終わり、大学生のときにジョンさんのJ-WAVEの番組『PAZZ & JOPS』を初めて聴きました。当時まだ珍しい、完全バイリンガルのシルバーボイスにしびれましたね。ときはバブル(景気)で、ワールドミュージックが流行し、目覚ましい経済力を背景に日本が世界に開かれる。ミックスカルチャーの花が開くような感覚をジョンさんの声を聴きながら感じたものです。そんなジョンさんが沖縄出身で、のちに私が勤めるNHKの大先輩でもある、川平朝清さんのご子息であることを知ったのは、ずっとあとのことでした。

その後、武田は2006年から2年間、NHK沖縄放送局に勤務することになる。

武田:当時はまだぎりぎりOHK、沖縄放送協会出身の職員がいらした時代です。OHKというのは、沖縄の本土復帰前に存在した公共放送なんです。NHK沖縄放送局の前身にあたります。そのOHKを設立した立役者であり、初代OHK会長が川平朝清さんで、ジョンさんのお父様にあたるんですね。朝清さんはもともと、沖縄の民間放送局の琉球放送のアナウンサーも務めていらっしゃいました。つまり、私のアナウンサーとしての先輩でもあるわけです。その息子さんが、私が大学生のときに憧れたジョンさんということで、不思議な縁を感じますよね。

家族の物語から浮かび上がる歴史

武田は7年前、2019年にオンエアした特別番組でのジョンと父・朝清による対談、そしてその内容が『沖縄を語りつぐ ある家族の歴史』として書籍化されたことを紹介し、ジョンへのインタビューへと移っていった。

武田:ジョンさんとお父様・朝清さんの対談は、J-WAVEの特別番組『J-WAVE SELECTION GENERATION TO GENERATION ~STORIES OF OKINAWA~』として2019年に放送されました。

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なお、同番組はディレクターズカット版として現在J-WAVE Podcastで配信中。Apple Podcasts、Spotifyなど主要リスニングサービスでも聴くことができる。



武田:そしてその内容が今年、岩波新書として書籍化されたというわけなんです。ジョンさんと朝清さんのファミリー、川平家は琉球王国を統治した宗家の血を引いてらっしゃるんだそうです。通訳や歌舞音曲を司った家柄だったということなんですね。朝清さんが生まれる前、一家は当時、日本の植民地だった台湾に渡り、戦前戦後は台湾で過ごします。朝清さんも台湾で生まれ育ちました。戦後、一家が沖縄へ戻ることを許されたのは、1946年のことでした。この本は、この川平家の物語を軸としながら、戦前アメリカによる統治時代、そして現在のこと、日本全体のことなど、さまざまな角度から沖縄を語っていきます。ジョンさんに川平家の物語をラジオで話すオファーを受けたとき、どんな想いだったかを訊きました。

ジョン:「え? 価値があるんですか? 単なる家族の物語なんですけれども」と、そのプロデューサーの方とのやり取りがありました。だけど考えてみると、父・川平朝清は植民地だった台湾に生まれ、負け戦のあと、沖縄に初めて家族とともに引き上げて。本人にとっては引き上げたわけではなく、生まれて初めてきょうだいの故郷、家族の地・沖縄に足を踏み入れる。その後、戦時中、敵対していたアメリカ軍から奨学金をもらいアメリカに渡り、そこで恋に落ち、妻とともに沖縄にまた帰り、放送の仕事につくわけです。よくよく考えてみると、たしかにそういう人生を送った人は少ないな、と。戦前戦後、そして今、このストーリーはひょっとすると日本の歴史そのものの一端が浮かび上がってくるのではないかと。

武田:ということで、川平家の歴史はまさに沖縄の歴史そのものを反映していると思います。かつて敵として戦ったアメリカに支配される。そのアメリカの経済力によって、沖縄は復興を遂げるということになったわけです。沖縄からは多くの優秀な若者が、アメリカ政府から奨学金をもらい、アメリカへ留学しました。朝清さんもそのひとりでした。朝清さんは同じミシガン州立大学に通っていたアメリカ人女性・ワンダリーさんと恋に落ちて結婚されます。そして、夫婦は沖縄に戻ってくるということになるわけです。ワンダリーさんも基地のなかの学校で教師として働きました。ジョンさんによりますと、お母さんのワンダリーさんは、ずっと「沖縄は日本に戻るべきだ」とおっしゃっていたそうです。「沖縄の置かれている状況は、理不尽だ」と。ただ、その理不尽な体制下でアメリカから給料をもらっている。そこに生活の基盤を置きながら、子育てをすることをどう考えていたのか。ジョンさんは複雑な想いや葛藤があったのではないかと振り返っています。

沖縄の問題は日本全体の問題

沖縄は戦後どのような歴史を歩み、今も何を背負い続けているのか。父との対話を通じて沖縄への想いを深めてきたジョンが、現在の沖縄と日本全体が抱える基地問題について問いかけた。

武田:沖縄はアメリカの占領統治下で目覚ましい復興を遂げてきました。しかし、日本が戦後培ってきた戦後民主主義は、沖縄には存在しませんでした。日本の戦後史を語るとき、本土から切り離された沖縄の戦後史がすっぽりと欠落したままであったのではないかなと、私は思います。沖縄は1972年に本土復帰を果たします。沖縄の人々は基地が本土並みになる、大幅に減ると期待していたわけですけれど、逆に本土から基地がどんどん沖縄に移ってきました。朝清さんは、「これには本当に幻滅を感じた」と記しています。本土からやってきた記者や政治家の発言からは、沖縄を差別するような雰囲気を感じたり、アメリカを代弁しているように聞こえたりすることもあったといいます。私は、その空気は今も続いているのではないかと思うことがあります。

武田は沖縄の問題は日本全体の問題だとして、リスナーへ呼びかけた。

武田:沖縄の基地問題を語るとき、戦後の沖縄が被った歴史をどれくらい踏まえて、私たちは論じているでしょうか。私はこれまでの経緯を無視して語っていいことだとは思えないんですね。沖縄戦で10万人以上の県民が犠牲になって、アメリカに占領され、銃剣とブルドーザーで土地を奪われ、基地ができて。米兵の犯罪や米軍機の事故によって大きな犠牲を払った。それでも真の民主主義を与えられなかった沖縄県民に、私たちは今、報いる責任があるのではないかと思います。ジョンさんに、お父さんとの対話を通じて、今の沖縄が置かれている状況についてどんなことを感じたか、訊きました。

ジョン:沖縄が歴史に翻弄され続けている、という想いはまったく変わりません。逆に今、より強く思うようになっています。明らかに中国の覇権主義的な傾向、警戒しなければならないということは当然、重々承知のうえなんですが、国土の0.6パーセントの面積に米軍の基地の7割以上が存在しているということは、厳然たる事実ですし、それが変わるそぶりすらない。いつまで同じ課題を私たちは沖縄に突き付けているんですか? という想いは変わりませんね。変わらないどころか逆に、父との会話から7年経っているわけですから、より強化されていませんか? その問いに答えてくれる方はいるんですか? という想いです。

さらにジョンは、これは沖縄に限った問題ではないと語る。

ジョン:日米地位協定に関しては、沖縄のみならず、日本全土の問題ですよね。さらに東京の上空を飛ぶ飛行機、誰がコントロールしているんですか? 驚くべきことに、結局、東京の空をコントロールしているのはアメリカ軍ですよね、ほぼ。僕の今いる六本木の森タワーの上も沖縄とどう違うんですか? という問いですね。米軍の基地は日本のそこかしこにあります。なにかトラブルがあった場合、日本の警察は基地内に入れますか? 入れません。さまざまな環境汚染の問題、可能性が基地からにじみ出ているところ、その基地のなかに入って調査できますか? できません。あくまで全部、判断は米軍にゆだねられています。そういったことは、みなさん容認できますか、認められますか、という問いです。

ジョン・カビラが「peace」に込める想い

武田は、ジョンが番組の最後に発した「コール」について言及。ジョンはその言葉の真意について語った。

武田:ジョンさんと朝清さんの本を読みますと、今ジョンさんが仰ったような問題意識、私は深く共感できるんです。胸に響きます。沖縄の歴史というものを知れば知るほど、今の沖縄の現状、日米間に横たわる問題が本当に深刻なものに思えてくる。そういった機会をぜひ、私は多くの方と共有したいなと思っています。ジョンさんはナビゲーターを務める番組の最後に「Have a great weekend, and peace.」とコールします。この最後の「peace」という言葉が、父親の朝清さんは大好きな言葉だと言います。これが世界の柱になるべきなんだと。戦後の沖縄から、戦争と平和について考え抜いてきた人が好きだという「peace」。あらためて、その重みを感じます。最後にジョンさんのメッセージです。

ジョン:もう「peace」ですよ。とにかくそこを思考する、平和を希求する、そしてその平和を実現させることに力を注ぎたいという方々と、一緒に歩んでいきたいなというふうに思います。そういうみなさんをどうやって励ますことができるのか。自分自身を含めてですけれども、そういう想いです。

ジョン・カビラの最新情報は公式サイトまで。

『JAM THE PLANET』のコーナー「TODAY’S POINT OF VIEW」では旬のニュース&トピックに独自の視点でフォーカスする。放送は月曜~木曜の19時38分ごろから。

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2026年8月20日28時59分まで

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番組情報
JAM THE PLANET
月・火・水・木曜
19:00-20:45