春の改編で、ニュース情報プログラム『JAM THE WORLD』が『JAM THE PLANET』(毎週月~木 19:00~22:00)へとリニューアル。「Whole News Experience」をキーワードに、世界のニュースをリスナーの食卓に届けるべく、トピックも選曲もグローバルな視点で構成されている。
リニューアル後も引き続きナビゲーターはグローバーが担当。日々世界で起きているさまざまなニュースを専門家とともに深掘りし、リスナーの価値観をアップデートするきっかけを作っている。
そんなグローバーはどんな姿勢で番組と向き合っているのだろうか。またラジオの魅力、そして自身が思うレジェンド・ミュージシャンの1曲も訊いた。
【NAVIGATOR'S VOICE】
環境問題、日本に足りない意識は? 『STEP ONE』ナビゲーターのノイハウス萌菜に訊く
「JAM」のスピリットは引き継ぎながら、コンセプトは新しくなりました。ただ、時代の変わり目ということもあって、番組もカチッと決め込んで始めたわけではないんです。世の中に合わせて、番組も柔軟に変わっていけたらと思っています。
番組のテーマは「世界のニュースを食卓に」ということで、食事の場で喋っているような雰囲気が出たらいいなと。ハードなニュースからエンタメまでいろんなトピックを扱っているので、オンエアを聞いて食卓の会話に取り入れてもらえていたら嬉しいですね。カタいニュースでも、リスナーのテーブルトークでは「そういえばこの国、前に旅行をしたよね」と、フラットな方向に話が弾むかもしれない。3時間に拡大して、ニュースの触り方の幅が広がったと思います。
──選曲もグローバルですよね。フランス語、広東語など、さまざまな言語の音楽が流れる印象です。
実は、今回のリニューアルで一番増やしたかったのが音楽なんです。こういう時代、励まし合ってコミュニケーションをするときに、音楽は力があるじゃないですか。自分がミュージシャンということもあって、その力を信じているんです。「聞いたことのない言語だな」「でも今の単語は知っているな」ぐらいの感じで3時間楽しんでもらって、知らないうちに何か感じてもらえるといいですね。
──番組では、センシティブな社会問題を扱うこともあります。そういった話題のとき、伝え方で注意していることはありますか。
聞いているうちに自然と気づきが得られた、という番組にしたいと思っていて。RPGでたとえるなら「レベルアップのために敵をいっぱい倒すぞ」ではなく、オンエアを聞いているうちに自然と強くなっていた、というような。みなさん、考えることが毎日たくさんあるから、すべての物事に「知識を得よう」という意識で向き合うと疲れてしまうじゃないですか。
だから、ゲストの話をしっかり聞くという基本的なことを大事にしています。僕が「気をつけなくちゃ」と身構えすぎると、その雰囲気は絶対リスナーに伝わるし、メールでコメントを送りにくくなってしまうかもしれない。リラックスして聞いてもらえるように、僕も会話を楽しむことを意識しています。
──ちなみに、グローバーさんは普段どういったところから情報収集をしているんですか?
僕が番組を始めてから、知り合いや家族が面白いニュースを送ってくれるようになったんです。
──へぇ! それはすごいシステムですね。
特に兄貴はバンドマンの僕を心配していて(笑)。彼は今シカゴにいるんですけど、いろんな国の人と話して、いろんなニュースもケアしている。だから、「こういうニュースが面白いよ」って教えてくれて「面白いね」と言っていたら、それが定期便みたいにたくさん来るようになりました。
──リスナーにとっても、番組がそういう存在なのかもしれないですね。
たしかに! 『JAM THE PLANET』でも、僕が兄貴から聞いたニュースを面白いって思っているみたいに、リスナーが感じてくれていたら一番うれしいですね。家族から聞いたちょっと面白い話、みたいな番組でありたいなと思います。
「魅力しかない!」と思っています。僕は音楽が好きだから、知らない音楽や、好きだったけどちょっと忘れかけていた音楽を教えてくれるところが好きです。ラジオで聴こえてくる音楽ってもう、そこにしかないよさがあるんですよね。曲の合間のトークもすごく楽しい。自分の人生を支えてくれる、忘れられない言葉がたくさんあります。
あと、ラジオは自分の居場所みたいな感じがするんです。友だちがいて楽しくても、ふと自分の居場所が見つからない気持ちになっちゃうときってけっこうあるじゃないですか。でも楽しいときも、寂しいときも、どんなときでも自分の居場所でいてくれるのがラジオですよね。
──日々リスナーの方とコミュニケーションしているときは、どんなことを感じていますか?
リスナーによって個性が違うから、本当に面白いです。特に『JAM THE PLANET』になってから番組で扱うトピックスが増えたり、放送時間が拡大している分、メッセージを送ってくれるリスナーの世代がすごく広がったんですよ。2行ぐらいのクイズの答えをわざわざメールで送ってくれる人もいて、「この人Twitterやってないのかな?」とか、そんなことを考えるのも楽しいんです。リスナーの立場としても、よく聞くラジオネームの人って、すごく親しみを感じますよね。直接の友だちじゃないけど、よく聞くあの人がいるとホッとするみたいな。そういうところも踏まえて、ラジオは本当に魅力的なメディアだと思います。
僕のレジェンド・ミュージシャンはボブ・マーリーです。なかでも、『LIVE!』というライブアルバムが好きです。ラジオの生放送もそうですけど、ライブには生でしか起こらない魔法がありますよね。すごく興奮したり、癒されたり……そういったライブのよさを感じられるアルバムなんです。全体を通して、人と人が一緒にいるときの美しいものが全部詰まっているアルバムでもあるので、ラジオが好きな人は絶対好きだと思います。とくに好きなのは、『No Woman, No Cry』。「泣くなよ」と声をかけてくれる曲です。
──コロナ禍でなかなかライブができなくなってしまったので、ライブが恋しいですよね。
そうなんです、ライブをもっとやりたいですね。コロナの影響でライブハウスがどんどん無くなってきてしまって、本当に悲しい。僕もそうですけど、ライブハウスが自分の居場所だと思うアーティストって絶対たくさんいるじゃないですか。そういったアーティストたちが行き場をなくしてしまうことにものすごく危機感を感じています。だから僕も、このライブ文化を守るためにオンラインで何かできることはないかといろいろ動いているところです。
(取材・文=J-WAVE NEWS編集部、撮影=竹内洋平)
■グローバープロフィール
1978年生まれ。神奈川県横浜市出身。桐蔭学園(小・中・高)卒業。高校在籍時、フィリップス・アカデミー・アンドーヴァー校(米ボストン)に短期留学。東京大学文学部(美術史学)卒業。
ミュージシャンとしての活動を主に、ラジオナビゲーター、テレビなどでも活躍。"名画×名曲"をテーマに立ち上げた、全く新しい美術鑑賞YouTubeチャンネル【日めくり3分間名画】では、出演、企画、プロデュースを務める。文化芸術を幅広く盛り上げるため、日々奔走中。
リニューアル後も引き続きナビゲーターはグローバーが担当。日々世界で起きているさまざまなニュースを専門家とともに深掘りし、リスナーの価値観をアップデートするきっかけを作っている。
そんなグローバーはどんな姿勢で番組と向き合っているのだろうか。またラジオの魅力、そして自身が思うレジェンド・ミュージシャンの1曲も訊いた。
【NAVIGATOR'S VOICE】
環境問題、日本に足りない意識は? 『STEP ONE』ナビゲーターのノイハウス萌菜に訊く
「楽しみながら気づきが得られた」番組を目指して
──4月から番組がリニューアルしましたね。日々どんな気持ちで番組を届けていますか?「JAM」のスピリットは引き継ぎながら、コンセプトは新しくなりました。ただ、時代の変わり目ということもあって、番組もカチッと決め込んで始めたわけではないんです。世の中に合わせて、番組も柔軟に変わっていけたらと思っています。
番組のテーマは「世界のニュースを食卓に」ということで、食事の場で喋っているような雰囲気が出たらいいなと。ハードなニュースからエンタメまでいろんなトピックを扱っているので、オンエアを聞いて食卓の会話に取り入れてもらえていたら嬉しいですね。カタいニュースでも、リスナーのテーブルトークでは「そういえばこの国、前に旅行をしたよね」と、フラットな方向に話が弾むかもしれない。3時間に拡大して、ニュースの触り方の幅が広がったと思います。
──選曲もグローバルですよね。フランス語、広東語など、さまざまな言語の音楽が流れる印象です。
実は、今回のリニューアルで一番増やしたかったのが音楽なんです。こういう時代、励まし合ってコミュニケーションをするときに、音楽は力があるじゃないですか。自分がミュージシャンということもあって、その力を信じているんです。「聞いたことのない言語だな」「でも今の単語は知っているな」ぐらいの感じで3時間楽しんでもらって、知らないうちに何か感じてもらえるといいですね。
──番組では、センシティブな社会問題を扱うこともあります。そういった話題のとき、伝え方で注意していることはありますか。
聞いているうちに自然と気づきが得られた、という番組にしたいと思っていて。RPGでたとえるなら「レベルアップのために敵をいっぱい倒すぞ」ではなく、オンエアを聞いているうちに自然と強くなっていた、というような。みなさん、考えることが毎日たくさんあるから、すべての物事に「知識を得よう」という意識で向き合うと疲れてしまうじゃないですか。
だから、ゲストの話をしっかり聞くという基本的なことを大事にしています。僕が「気をつけなくちゃ」と身構えすぎると、その雰囲気は絶対リスナーに伝わるし、メールでコメントを送りにくくなってしまうかもしれない。リラックスして聞いてもらえるように、僕も会話を楽しむことを意識しています。
──ちなみに、グローバーさんは普段どういったところから情報収集をしているんですか?
僕が番組を始めてから、知り合いや家族が面白いニュースを送ってくれるようになったんです。
──へぇ! それはすごいシステムですね。
特に兄貴はバンドマンの僕を心配していて(笑)。彼は今シカゴにいるんですけど、いろんな国の人と話して、いろんなニュースもケアしている。だから、「こういうニュースが面白いよ」って教えてくれて「面白いね」と言っていたら、それが定期便みたいにたくさん来るようになりました。
──リスナーにとっても、番組がそういう存在なのかもしれないですね。
たしかに! 『JAM THE PLANET』でも、僕が兄貴から聞いたニュースを面白いって思っているみたいに、リスナーが感じてくれていたら一番うれしいですね。家族から聞いたちょっと面白い話、みたいな番組でありたいなと思います。
楽しいときも、寂しいときも。ラジオは「居場所」になる
──グローバーさんが思う、ラジオの魅力はどんなところだと思いますか?「魅力しかない!」と思っています。僕は音楽が好きだから、知らない音楽や、好きだったけどちょっと忘れかけていた音楽を教えてくれるところが好きです。ラジオで聴こえてくる音楽ってもう、そこにしかないよさがあるんですよね。曲の合間のトークもすごく楽しい。自分の人生を支えてくれる、忘れられない言葉がたくさんあります。
あと、ラジオは自分の居場所みたいな感じがするんです。友だちがいて楽しくても、ふと自分の居場所が見つからない気持ちになっちゃうときってけっこうあるじゃないですか。でも楽しいときも、寂しいときも、どんなときでも自分の居場所でいてくれるのがラジオですよね。
──日々リスナーの方とコミュニケーションしているときは、どんなことを感じていますか?
リスナーによって個性が違うから、本当に面白いです。特に『JAM THE PLANET』になってから番組で扱うトピックスが増えたり、放送時間が拡大している分、メッセージを送ってくれるリスナーの世代がすごく広がったんですよ。2行ぐらいのクイズの答えをわざわざメールで送ってくれる人もいて、「この人Twitterやってないのかな?」とか、そんなことを考えるのも楽しいんです。リスナーの立場としても、よく聞くラジオネームの人って、すごく親しみを感じますよね。直接の友だちじゃないけど、よく聞くあの人がいるとホッとするみたいな。そういうところも踏まえて、ラジオは本当に魅力的なメディアだと思います。
“生でしか起こらない魔法”を感じるアルバム
──グローバーさんは、『MITSUBISHI JISHO MARUNOUCHI MUSICOLOGY』もご担当されているということで、ご自身が思う「レジェンド・ミュージシャン」の1曲を教えてください。僕のレジェンド・ミュージシャンはボブ・マーリーです。なかでも、『LIVE!』というライブアルバムが好きです。ラジオの生放送もそうですけど、ライブには生でしか起こらない魔法がありますよね。すごく興奮したり、癒されたり……そういったライブのよさを感じられるアルバムなんです。全体を通して、人と人が一緒にいるときの美しいものが全部詰まっているアルバムでもあるので、ラジオが好きな人は絶対好きだと思います。とくに好きなのは、『No Woman, No Cry』。「泣くなよ」と声をかけてくれる曲です。
──コロナ禍でなかなかライブができなくなってしまったので、ライブが恋しいですよね。
そうなんです、ライブをもっとやりたいですね。コロナの影響でライブハウスがどんどん無くなってきてしまって、本当に悲しい。僕もそうですけど、ライブハウスが自分の居場所だと思うアーティストって絶対たくさんいるじゃないですか。そういったアーティストたちが行き場をなくしてしまうことにものすごく危機感を感じています。だから僕も、このライブ文化を守るためにオンラインで何かできることはないかといろいろ動いているところです。
撮影では、こんなお茶目な一面も。
■グローバープロフィール
1978年生まれ。神奈川県横浜市出身。桐蔭学園(小・中・高)卒業。高校在籍時、フィリップス・アカデミー・アンドーヴァー校(米ボストン)に短期留学。東京大学文学部(美術史学)卒業。
ミュージシャンとしての活動を主に、ラジオナビゲーター、テレビなどでも活躍。"名画×名曲"をテーマに立ち上げた、全く新しい美術鑑賞YouTubeチャンネル【日めくり3分間名画】では、出演、企画、プロデュースを務める。文化芸術を幅広く盛り上げるため、日々奔走中。
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