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「老けない習慣」はメンタルから。心の老化度をはかる8項目を、精神科医が紹介

「老けない習慣」はメンタルから。心の老化度をはかる8項目を、精神科医が紹介

精神科医の和田秀樹さんが、感情の老化の原因や、老けないための習慣について解説した。

和田さんが登場したのは『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)。ここでは9月5日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。

感情の「老い」は、前頭葉の萎縮から

老い、老化と聞くと「物忘れ」や「体が思うように動かなくなった」ということをイメージすることも多いが、和田さんによると積極性や「よし、やろう」という気力が失われたままでいると、体も見た目も急速に老け込んでいくそうだ。

積極性や、やる気を失うことは年齢には関係ないと語る和田さん。一体、どのようなメカニズムで、感情と「老い」は連動するのだろうか。

和田:体力や知的機能というのは、70代くらいまでけっこう保たれるものです。ところが感情が衰えたときには、たとえば「歩くのがだるいな」「頭を使うのもだるいな」と、だんだん意欲が落ちるんですよ。意欲が衰えたときには、やっぱり年を取れば取るほど歩かなくなったときの衰え方、頭を使わなかったときの衰え方がひどくなるし、いろんなことにかまわなくなると、見た目の老け込みも激しくなるんですよね。だから、意欲が衰えている人のほうが、体力や知力、そして見た目が老け込んでいく、ということです。

意欲や感情を司るのは、脳の前頭葉と呼ばれる部分。40~50代になると次第に頭蓋骨と前頭葉の間に隙間ができてきて、感情の老化が少しずつ激しくなってくるという。

和田:若い頃から意欲がない人もいるんですけど、年を取るとより意欲がなくなってくる。「出世や恋愛はどうでもいい」「食べ物も食べられればなんでもいい」「ファッションも気にならない」とかっていうことが、40~50代でちょっとずつ始まってくるのです。

サッシャ:隙間ができるということは、前頭葉が萎縮しているということですか。

和田:おっしゃるとおりで、神経の細胞が縮んでくるんですけど、それがいちばん最初に目立ち始めるのが、前頭葉という場所です。

「心の老化度」をチェック

年齢を問わず、感情の老化はあり得ることだ。それを判断する基準として、和田さんは8つのポイントを提示。以下の項目で当てはまる数が多ければ、感情の「老い」が激しい、ということになるそうだ。

1:自分から友だちを遊びに誘わなくなった
2:失敗すると引きずるようになった
3:新しいことを始めようと思わなくなった
4:以前と比べてフットワークが重くなっている
5:音楽や映画、マンガなど、ジャンルを問わず新しい作品に触れる機会が減った
6:人にものを訪ねることを億劫に思うようになった
7:昔よりイラッとすることが増えた
8:仕事で「こうしたほうがよい」と思うことがあっても面倒なので提案しない


テストの結果、サッシャが3個、ノイハウスが2個という結果に。和田さんによると当てはまるものが多いほど感情年齢が高く、少なければ少ないほど感情が若々しいということだそう。

和田:今日はざっくり版ですが、私の著書には正式版のテストが出ています。1個あたり10歳と考えれば、萌菜さんが20歳、サッシャさんが30歳。自分の歳よりもそれが若ければ、感情が若々しいということになります。

当てはまる項目は2つだったノイハウスだが、「日によって全部当てはまることもあるので、気をつけなければいけないのか」と、和田さんに質問する。

和田:おっしゃる通り日によることもありますし、鬱状態ってありますよね。鬱状態は気分が落ちこんで何もやる気がしないとか、食欲が落ちるとかってことになるんですけど、人間は鬱なときには感情年齢が一気に老け込みます。反対に、割とハイなときは感情年齢が若返るので、確かにそのときの体調や気分にも影響されます。しかし、やはり老け込んでるなと思った方は気をつけたほうがいいし、感情の老化はなるべく防いだほうがいいですね。

感情の老化を防ぐには?

見た目や運動機能などの老化にもつながる感情の老化。意欲が湧かない、新しいことに挑戦する気持ちがなくなったなど、感情の「老い」が始まっている場合には、具体的にどういった行動を取っていけばよいのだろうか。ノイハウスは「インプットが大切なのか」と質問した。

和田:「インプット」が意外性のあるものや積極性を増やしてくれるものだったらいいですけど、ただ本を読んでいれば賢くなれるだろうとか、わりと無批判的にテレビを観るのは、あまり脳にとっていいインプットではありません。むしろ感情の老化ということを考えたときには、前頭葉を使いたいわけですから、「入力」より「出力」が大事なんですよ。

難しい本を読んでいたとしても、そのときに使われているのは前頭葉ではなく側頭葉と呼ばれる場所。インプットを増やすために勉強をする人は多いが、感情面を若返らせるという意味では効果がないのだそう。感情を若返らせるためには、どういうアウトプットが必要なのだろう?

和田:本を読んでそれがどう面白かったとか、それに対する反論みたいなものをSNSに書き込むみたいな「出力」としての更新頻度を増やすとか(がおすすめです)。あとはお金って、実は稼ぐときより使うときのほうが頭を使うんですね。稼ぐときはほとんどの人が職業で稼ぐので、これまで通りのやり方をすることが多いんですよ。使うときのほうが「これを試してみよう」ということが多いので、少額でいいからお金を使うのも大事です。

ノイハウス:何を買おうとか値段を比べるとか、いろいろ考えますね。

和田:たとえばビルゲイツさんとかは稼げるだけ稼いだあと、いろいろなところに寄付をします。それをあれこれ考えながらやるから、わりと若々しいんですね。あと、前頭葉は想定外なことが起こったときに使って、予想通りのことではあまり使わないので、たとえば少額でもいいから投資をしてみる。あるいは人間関係で、あまり職場ではできないかもしれないけど、恋愛をしているときは思い通りにいかないことが多いですから、けっこう前頭葉を使います。

感情が老けてくると、前に観てよかった作品や、原作を知っている作品を選びがちになって、冒険をしなくなってしまうと話す和田さん。「想定外の経験をすることが前頭葉を刺激することに繋がります」と語った。

和田:たとえばラーメン屋に入るにしても、「まずかったらどうしよう」と考えるんじゃなくて、「それも実験なんだ」と思っていろいろと経験できると、脳は若々しいし、若々しい人だねっていわれるようになると思います。

今回紹介した内容をより詳しく知りたい方、感情の「老い」に関する正式なテストに挑戦したい方は、和田さんの著書『医者が教える 50代からはじめる 老けない人の「脳の習慣」』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)もぜひチェックしていただきたい。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。

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2022年9月12日28時59分まで

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月・火・水・木曜
9:00-13:00