この夏に行きたい動物園・水族館や、おすすめの動物園のまわり方に注目した。
この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・ノイハウス萌菜)のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」。8月2日(水)のオンエア内容をテキストで紹介する。
田井さんは2009年に世界初の動物園・水族館専門の雑誌『どうぶつのくに』を企画発行人として創刊。イタリアの「ナポリ水族館」やドイツの「ベルリン動物園」世界中で多くの動物園や水族館の新設・リニューアルプロジェクトに携わっている。国内では現在「高知県立のいち動物公園」でアドバイザーとして活動中だ。
サッシャ:コンサルタントはポピュラーな仕事なのでしょうか?
田井:海外では比較的よく見られる仕事かなと思います。ある程度のキャリアを水族館や動物園で積まれたディレクターやキュレーターの方が、お持ちの実績を活かしてコンサルタントをされます。
ノイハウス:動物園・水族館コンサルタントでは日々どんな作業をされているのでしょうか?
田井:多種多様なことをやっています。広報的なことを支援したり、海外の動物園・水族館とのコミュニケーションをヘルプしたりします。具体的なプロジェクトでいうと、ベルリンの動物園でパンダの放飼場を作るプロジェクトに参加したときに、動物たちが暮らすエリアのデザインを作ったり看板のデザインをしたり、エントランスに置くパンダのでっかいフィギュアを作ったりとか(笑)。
ノイハウス:幅広い!
田井:植栽だったりフェンスだったりガラスの厚さだったり、いろんなところで情報を集めつつ策定していきます。
サッシャ:今までの環境よりいいものにするには、どういったところを意識するのでしょうか?
田井:生き物たちの生活環境をどう整えるか、いかにナチュラルな形で生活できるのかを第一に考えていますね。そして、来場者の方にどういう風に楽しんでいただけるかを多面的に作るようにしています。
サッシャ:内容としてはどういったことが書かれているのでしょうか?
田井:生き物を相手にする仕事なので、想定外のことばかりが起きるんですね。本で書かせていただいたのは、世界の旅先でのトラブルだったり、動物園・水族館をつくるうえでの裏話的なことだったりです。あとは、一般の方がよく気にされることって、日本と海外の動物園の違いなんですね。そういったところにも触れさせていただいております。
サッシャ:何が違うのですか?
田井:いろんな違いがありますね。飼育係の場合ですと、ドイツだと飼育係になるには、そもそも国家資格が必要な仕事なんですよ。
サッシャ:そうなんですか!?
田井:国家資格を何度もパスしないと飼育係になれません。そこから研修を受けたうえで現場に出て動物の世話をすることが許されます。
ノイハウス:日本はそうではない?
田井:日本の場合はきちんとしたルールがありませんので、それぞれの動物園で決めた範囲の研修があります。
田井:今は夏休みなの、でいろんな動物園・水族館で企画をやってお客さんを楽しませようと頑張っていらっしゃいます。私がおすすめするとしたら、やっぱり北海道の「旭山動物園」ですね。
サッシャ:有名な動物園ですね。何がおすすめなのでしょうか?
田井:旭山動物園はコンセプトが非常にしっかりされているんですね。「伝えたいのは命」というスローガンがあります。最近、ヒグマの幼獣を新たに保護して展示をスタートしたんですよ。ヒグマの赤ちゃんってめちゃくちゃかわいいんですけども、単純にかわいいってことだけではないんです。北海道における野生動物との距離感だったりとか、人間と自然がどういう風に関わり、どういった軋轢が生まれてヒグマの赤ちゃんが保護されるようになったのかという“経緯”をみなさんに知っていただくためきっかけとして、旭山動物園が話題を提供していらっしゃるんです。そこが旭山動物園らしさですね。
サッシャ:展示にはその経緯が文面として記されているのでしょうか?
田井:はい。飼育係一人ひとりが担当する動物に対して自分で手書きでつくるのが旭山動物園の伝統です。なので、それぞれに個性がありますね。ポップや看板などで情報発信されているのが魅力の1つだと思います。
サッシャ:「ここに来るのは奇跡的なことなんだな」という思いに繋がっていけばいいと。
田井:学びのきっかけですよね。動物のことを知ろうと思ったときに何もないと「かわいいな」で終わっちゃうんですよね。見て「?」から「!」に繋がるクリエイティブが旭山動物園はしっかりしています。
サッシャ:水族館のおすすめはどちらでしょうか?
田井:この夏は本当に暑いので、やっぱり鴨川シーワールドですね。シャチに水をバシャバシャかけられるサマースプラッシュというイベントがありますし、いろいろ楽しめるところがあります。シャチの持っているインパクトは特別なものがありますので、お子さんに楽しんでいただけたらなと思います。
サッシャ:実際に触れてみないとわからないことっていっぱいありますよね。
田井:五感を駆使して生き物たちの魅力を感じていただけるきっかけは、やっぱり動物園・水族館でしか得られないものだと思います。
田井:動物園に行こうと思っている方は朝イチでぜひ、ということですね。動物たちは基本的に夜は室内で飼育されていて、寝小屋で寝て過ごしているわけです。開園時間に合わせて扉が開いて自分たちのエリアに出てくるので、寝ているあいだ縄張りに何かなかったチェックするんですよ。当然朝ごはんも置いてありますので、それを楽しみに出てくる動物もいます。総じて言えることは、動物にとって朝が一番アクティブだということですね。
サッシャ:たしかに。昼、人間が暑いと感じているなら動物も暑いってことですもんね。
田井:動物にはさまざまな生態がありますので、朝元気な子もいれば夕方になって元気になってくる子もいます。お客さんがどの動物を見たいかを事前にイメージしていただくといいですね。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・ノイハウス萌菜)のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」。8月2日(水)のオンエア内容をテキストで紹介する。
動物園・水族館コンサルタント…その仕事は?
今回は、動物園・水族館コンサルタント・田井基文さんをゲストに招き、夏休みに行きたいおすすめ施設や動物園・水族館の現状を伺う。田井さんは2009年に世界初の動物園・水族館専門の雑誌『どうぶつのくに』を企画発行人として創刊。イタリアの「ナポリ水族館」やドイツの「ベルリン動物園」世界中で多くの動物園や水族館の新設・リニューアルプロジェクトに携わっている。国内では現在「高知県立のいち動物公園」でアドバイザーとして活動中だ。
サッシャ:コンサルタントはポピュラーな仕事なのでしょうか?
田井:海外では比較的よく見られる仕事かなと思います。ある程度のキャリアを水族館や動物園で積まれたディレクターやキュレーターの方が、お持ちの実績を活かしてコンサルタントをされます。
ノイハウス:動物園・水族館コンサルタントでは日々どんな作業をされているのでしょうか?
田井:多種多様なことをやっています。広報的なことを支援したり、海外の動物園・水族館とのコミュニケーションをヘルプしたりします。具体的なプロジェクトでいうと、ベルリンの動物園でパンダの放飼場を作るプロジェクトに参加したときに、動物たちが暮らすエリアのデザインを作ったり看板のデザインをしたり、エントランスに置くパンダのでっかいフィギュアを作ったりとか(笑)。
ノイハウス:幅広い!
田井:植栽だったりフェンスだったりガラスの厚さだったり、いろんなところで情報を集めつつ策定していきます。
サッシャ:今までの環境よりいいものにするには、どういったところを意識するのでしょうか?
田井:生き物たちの生活環境をどう整えるか、いかにナチュラルな形で生活できるのかを第一に考えていますね。そして、来場者の方にどういう風に楽しんでいただけるかを多面的に作るようにしています。
動物園・水族館コンサルタントの日常を綴った書籍を発売
田井さんは7月18日に書籍『世界をめぐる動物園・水族館コンサルタントの想定外な日々』(産業編集センター)を発売した。サッシャ:内容としてはどういったことが書かれているのでしょうか?
田井:生き物を相手にする仕事なので、想定外のことばかりが起きるんですね。本で書かせていただいたのは、世界の旅先でのトラブルだったり、動物園・水族館をつくるうえでの裏話的なことだったりです。あとは、一般の方がよく気にされることって、日本と海外の動物園の違いなんですね。そういったところにも触れさせていただいております。
サッシャ:何が違うのですか?
田井:いろんな違いがありますね。飼育係の場合ですと、ドイツだと飼育係になるには、そもそも国家資格が必要な仕事なんですよ。
サッシャ:そうなんですか!?
田井:国家資格を何度もパスしないと飼育係になれません。そこから研修を受けたうえで現場に出て動物の世話をすることが許されます。
ノイハウス:日本はそうではない?
田井:日本の場合はきちんとしたルールがありませんので、それぞれの動物園で決めた範囲の研修があります。
夏休みに行きたい動物園・水族館を紹介!
続けて田井さんは、この夏におすすめしたい動物園・水族館を紹介した。田井:今は夏休みなの、でいろんな動物園・水族館で企画をやってお客さんを楽しませようと頑張っていらっしゃいます。私がおすすめするとしたら、やっぱり北海道の「旭山動物園」ですね。
サッシャ:有名な動物園ですね。何がおすすめなのでしょうか?
田井:旭山動物園はコンセプトが非常にしっかりされているんですね。「伝えたいのは命」というスローガンがあります。最近、ヒグマの幼獣を新たに保護して展示をスタートしたんですよ。ヒグマの赤ちゃんってめちゃくちゃかわいいんですけども、単純にかわいいってことだけではないんです。北海道における野生動物との距離感だったりとか、人間と自然がどういう風に関わり、どういった軋轢が生まれてヒグマの赤ちゃんが保護されるようになったのかという“経緯”をみなさんに知っていただくためきっかけとして、旭山動物園が話題を提供していらっしゃるんです。そこが旭山動物園らしさですね。
サッシャ:展示にはその経緯が文面として記されているのでしょうか?
田井:はい。飼育係一人ひとりが担当する動物に対して自分で手書きでつくるのが旭山動物園の伝統です。なので、それぞれに個性がありますね。ポップや看板などで情報発信されているのが魅力の1つだと思います。
サッシャ:「ここに来るのは奇跡的なことなんだな」という思いに繋がっていけばいいと。
田井:学びのきっかけですよね。動物のことを知ろうと思ったときに何もないと「かわいいな」で終わっちゃうんですよね。見て「?」から「!」に繋がるクリエイティブが旭山動物園はしっかりしています。
サッシャ:水族館のおすすめはどちらでしょうか?
田井:この夏は本当に暑いので、やっぱり鴨川シーワールドですね。シャチに水をバシャバシャかけられるサマースプラッシュというイベントがありますし、いろいろ楽しめるところがあります。シャチの持っているインパクトは特別なものがありますので、お子さんに楽しんでいただけたらなと思います。
サッシャ:実際に触れてみないとわからないことっていっぱいありますよね。
田井:五感を駆使して生き物たちの魅力を感じていただけるきっかけは、やっぱり動物園・水族館でしか得られないものだと思います。
おすすめの時間帯は「朝イチ」
そんな田井さんに「動物園に行く際に、おすすめの時間帯は?」と訊くと、「朝イチがおすすめ」との返答があった。田井:動物園に行こうと思っている方は朝イチでぜひ、ということですね。動物たちは基本的に夜は室内で飼育されていて、寝小屋で寝て過ごしているわけです。開園時間に合わせて扉が開いて自分たちのエリアに出てくるので、寝ているあいだ縄張りに何かなかったチェックするんですよ。当然朝ごはんも置いてありますので、それを楽しみに出てくる動物もいます。総じて言えることは、動物にとって朝が一番アクティブだということですね。
サッシャ:たしかに。昼、人間が暑いと感じているなら動物も暑いってことですもんね。
田井:動物にはさまざまな生態がありますので、朝元気な子もいれば夕方になって元気になってくる子もいます。お客さんがどの動物を見たいかを事前にイメージしていただくといいですね。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
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2023年8月9日28時59分まで
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番組情報
- STEP ONE
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月・火・水・木曜9:00-13:00
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サッシャ、ノイハウス萌菜