猫が抱えている痛みを画像で判定するウェブアプリ「CPD(Cat Pain Detector)」を紹介した。
この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・ノイハウス萌菜)のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」。8月14日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。
今回は、株式会社Carelogyが開発したウェブアプリ「CPD」に注目。アプリを使えば、AIが猫の画像を読み取って、猫が痛みを感じているかどうかを判定することができるという。Carelogyの代表取締役・CEOの崎岡 豪さんから、アプリの仕様について聞いた。
「CPD」(猫の痛み検知AI)
https://cpd.carelogy-japan.com/
サッシャ:崎岡さんは猫を飼っていらっしゃるんですか?
崎岡:私自身は飼っていないんですけども、会社のメンバーが大の猫好きなんですね。いろいろ経緯はあったんですけど、猫の画像のデータセットを大量に入手することができたので、AIを開発しました。
サッシャ:データをたくさん手に入れられも、その画像の猫が痛みを感じているのかどうか符合する必要がありますよね?
崎岡:そうですね。ですので、日本大学の獣医学科の先生と動物のいたみ研究会と共同研究しています。
サッシャ:なるほど! 痛みの判定ができるわけですね。
崎岡:はい。プロの獣医師さんから痛みがあるかないかを判断していただいて、画像のデータセットを作っていきました。
ノイハウス:CPDは「Cat Pain Detector(猫の痛み発見機)」の略称なんですよね。実は、番組のプロデューサーが実家で猫を飼っておりまして、CPDを使ってみました。結果、さいわい痛みの表情はなしとのことでした。それでも痛い可能性があると、注意書きにはあります。
AI開発にあたり、Carelogyではモントリオール大学が発表した猫の痛み指標(Feline Grimace Scale)をAIに学習させたという。
崎岡:猫の耳、目の開き方、ひげの張り方、マズル(口元・鼻先)が緊張しているかどうかをAIが判定します。
ノイハウス:では、写真のなかにそういった部分は必ず入れないといけないんですね?
崎岡:そうですね。顔が収まっているものがいいです。かつ、AIは目を判定するので、目が閉じている(寝ている状態)写真を使っちゃうと「痛みあり」と判定してしまいます。あと、近すぎると耳が映らないので、全体が映っているものを使ってください。
サッシャ:写真全体を見てスコアリングするということですか?
崎岡:そうですね。5項目をスコアリングして、総合的に判断する指標です。
崎岡:動物病院で撮影された、ケガをしたり手術の直後といった、「絶対に痛みを感じているであろう」データを使ってテストしたんですね。その結果、90パーセント以上の精度は出ました。
サッシャ:1回で9割ということは、猫の様子がおかしいときは時間をあけて何枚か写真を撮ってみて、複数回判定させればさらに精度が上がるということですね。
崎岡:はい。1枚の写真を使う場合、映り方で結果がちょっと変わってしまう部分がありますね。
サッシャ:逆に、痛みありという結果が出ても、慌てずに何枚か撮ってみることも大切ですね。獣医師さんが判断つかないところでも、「こういう判定が出ているんですけどどうですか?」と調べてもらう一押しになりそうです。
崎岡:そうですね。実際、病院に行くかどうかの判断が今までお家でできなかったのですが、AIを使えば判断できます。かつ、CPDを出してから獣医師の先生からもすごく注目していただいていて、知っている方は知っているっていう状況になるんじゃないかなと思います。
サッシャ:獣医師さんもCPDのことがわかっていれば、診てくれる可能性が高くなりますね。
5月から始動したCPDでは、これまで約11万匹の判定がおこなわれたそうだ。
ノイハウス:みなさん、今までわからないなかで不安を抱えていたんでしょうね。
サッシャ:そのなかで痛み判定はどれぐらい出ているんですか?
崎岡:割合のなかで言うと、45パーセントが「痛みあり」と出ています。寝ている写真を使っている可能性を加味しても、高いなと思っています。
サッシャ:痛みがありそうだと思うなかで使う方は多いはずですが、思ったよりも高いですね。
崎岡:11万匹の猫ちゃんにAIを使ってもらったので、大量のデータセットが集まってきている状況なんですね。なので、そこからさらにAIの精度を引き上げていけます。また、ユーザーの方から「こんな機能がほしい」という意見をいただいているので、いろいろな機能を搭載した有料版を開発する予定です。
ノイハウス:みなさんはどういった機能を求めているのでしょうか?
崎岡:たとえば、複数の猫ちゃんを飼っている方からは、それぞれの猫ちゃんの記録を管理したいという要望が出ています。
ノイハウス:プロフィール的な機能ですね。
CPDは日本のみならず、46ヵ国で使用されているそうだ。
サッシャ:アプリではいろんな言語が選べますよね。
ノイハウス:今後は犬やほかの動物のAIもお考えですか?
崎岡:そのままの技術を転用することはできるんですけども、より意味のあるAIの活用方法として、レントゲンの画像解析AIの犬バージョンを作っています。獣医師さんはいろいろな動物を診ますので、レントゲンで見逃しがある場合もあるんですね、そこをAIで診てくれるものを開発しています。
サッシャ:AIは動物だけですか?
崎岡:それだけではなく、表情分析は言葉を話せない方、赤ちゃんや意識がはっきりしない入院されている方にも転用はできると思っています。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
【編集部よりお詫び】
初出時、タイトルに誤りがございました。お詫び申し上げますとともに、訂正させていただきます。(2023年8月25日)
この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・ノイハウス萌菜)のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」。8月14日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。
猫の写真で痛みの有無をAIが判定
猫は「痛み」を感じていても隠してしまい、飼い主がそれに気付けないまま症状が悪化するケースがある。今回は、株式会社Carelogyが開発したウェブアプリ「CPD」に注目。アプリを使えば、AIが猫の画像を読み取って、猫が痛みを感じているかどうかを判定することができるという。Carelogyの代表取締役・CEOの崎岡 豪さんから、アプリの仕様について聞いた。
「CPD」(猫の痛み検知AI)
https://cpd.carelogy-japan.com/
サッシャ:崎岡さんは猫を飼っていらっしゃるんですか?
崎岡:私自身は飼っていないんですけども、会社のメンバーが大の猫好きなんですね。いろいろ経緯はあったんですけど、猫の画像のデータセットを大量に入手することができたので、AIを開発しました。
サッシャ:データをたくさん手に入れられも、その画像の猫が痛みを感じているのかどうか符合する必要がありますよね?
崎岡:そうですね。ですので、日本大学の獣医学科の先生と動物のいたみ研究会と共同研究しています。
サッシャ:なるほど! 痛みの判定ができるわけですね。
崎岡:はい。プロの獣医師さんから痛みがあるかないかを判断していただいて、画像のデータセットを作っていきました。
ノイハウス:CPDは「Cat Pain Detector(猫の痛み発見機)」の略称なんですよね。実は、番組のプロデューサーが実家で猫を飼っておりまして、CPDを使ってみました。結果、さいわい痛みの表情はなしとのことでした。それでも痛い可能性があると、注意書きにはあります。
AI開発にあたり、Carelogyではモントリオール大学が発表した猫の痛み指標(Feline Grimace Scale)をAIに学習させたという。
崎岡:猫の耳、目の開き方、ひげの張り方、マズル(口元・鼻先)が緊張しているかどうかをAIが判定します。
ノイハウス:では、写真のなかにそういった部分は必ず入れないといけないんですね?
崎岡:そうですね。顔が収まっているものがいいです。かつ、AIは目を判定するので、目が閉じている(寝ている状態)写真を使っちゃうと「痛みあり」と判定してしまいます。あと、近すぎると耳が映らないので、全体が映っているものを使ってください。
サッシャ:写真全体を見てスコアリングするということですか?
崎岡:そうですね。5項目をスコアリングして、総合的に判断する指標です。
アプリが痛みを判定する精度は約9割
AIはどれほどの精度をもって、猫の痛みを検出することができるのだろうか?崎岡:動物病院で撮影された、ケガをしたり手術の直後といった、「絶対に痛みを感じているであろう」データを使ってテストしたんですね。その結果、90パーセント以上の精度は出ました。
サッシャ:1回で9割ということは、猫の様子がおかしいときは時間をあけて何枚か写真を撮ってみて、複数回判定させればさらに精度が上がるということですね。
崎岡:はい。1枚の写真を使う場合、映り方で結果がちょっと変わってしまう部分がありますね。
サッシャ:逆に、痛みありという結果が出ても、慌てずに何枚か撮ってみることも大切ですね。獣医師さんが判断つかないところでも、「こういう判定が出ているんですけどどうですか?」と調べてもらう一押しになりそうです。
崎岡:そうですね。実際、病院に行くかどうかの判断が今までお家でできなかったのですが、AIを使えば判断できます。かつ、CPDを出してから獣医師の先生からもすごく注目していただいていて、知っている方は知っているっていう状況になるんじゃないかなと思います。
サッシャ:獣医師さんもCPDのことがわかっていれば、診てくれる可能性が高くなりますね。
5月から始動したCPDでは、これまで約11万匹の判定がおこなわれたそうだ。
ノイハウス:みなさん、今までわからないなかで不安を抱えていたんでしょうね。
サッシャ:そのなかで痛み判定はどれぐらい出ているんですか?
崎岡:割合のなかで言うと、45パーセントが「痛みあり」と出ています。寝ている写真を使っている可能性を加味しても、高いなと思っています。
サッシャ:痛みがありそうだと思うなかで使う方は多いはずですが、思ったよりも高いですね。
さまざまな機能を搭載した有料版を開発中
アプリは無料で使用できるが、どのような形で収益を得ているのだろうか?崎岡:11万匹の猫ちゃんにAIを使ってもらったので、大量のデータセットが集まってきている状況なんですね。なので、そこからさらにAIの精度を引き上げていけます。また、ユーザーの方から「こんな機能がほしい」という意見をいただいているので、いろいろな機能を搭載した有料版を開発する予定です。
ノイハウス:みなさんはどういった機能を求めているのでしょうか?
崎岡:たとえば、複数の猫ちゃんを飼っている方からは、それぞれの猫ちゃんの記録を管理したいという要望が出ています。
ノイハウス:プロフィール的な機能ですね。
CPDは日本のみならず、46ヵ国で使用されているそうだ。
サッシャ:アプリではいろんな言語が選べますよね。
ノイハウス:今後は犬やほかの動物のAIもお考えですか?
崎岡:そのままの技術を転用することはできるんですけども、より意味のあるAIの活用方法として、レントゲンの画像解析AIの犬バージョンを作っています。獣医師さんはいろいろな動物を診ますので、レントゲンで見逃しがある場合もあるんですね、そこをAIで診てくれるものを開発しています。
サッシャ:AIは動物だけですか?
崎岡:それだけではなく、表情分析は言葉を話せない方、赤ちゃんや意識がはっきりしない入院されている方にも転用はできると思っています。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
【編集部よりお詫び】
初出時、タイトルに誤りがございました。お詫び申し上げますとともに、訂正させていただきます。(2023年8月25日)
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