
アイスクリーム研究家のシズリーナ荒井さんが、「2025年の春アイス事情」を語った。
この内容をお届けしたのは、4月14日(月)放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)のコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」だ。
シズリーナ:日本の気候は、四季がはっきりしている温暖湿潤気候なのですが、日本の平均気温は年々上昇傾向にあり、35度以上の猛暑日を記録する日もけっこう増えています。同時に極端な大雨が続くなど、ひと言でいえば日本全体が亜熱帯化、つまり沖縄化しているのです。
サッシャ:沖縄よりも東京のほうが気温が高いときもあるくらいですよね。そう考えれば、日本全国“沖縄”だと。
シズリーナ:となると、沖縄で好まれているテイストが、日本全体のニーズとしても高まっていくということが予測されます。実際に、アイス業界の新商品も沖縄の食文化を背景にしたものや、同じく亜熱帯に近い気候エリアを持つ、イタリアのジェラートを模した商品がトレンドとなっています。
ノイハウス:ジェラートは大人気ですが、沖縄の食文化というと、どういうテイストになるのでしょうか?
シズリーナ:まず、きなこぜんざい。沖縄では、ぜんざいといえばかき氷で、そこにきな粉がのっています。続きましてアサイーボウル、アロエ、マンゴー、そしてさんぴん茶。
サッシャ:さんぴん茶、ジャスミンティーですね。不思議なことに、さんぴん茶として飲むと、ジャスミンティーとは違う味に感じるんだよね。
シズリーナ:同じはずなのに、ちょっと違うような気がしますね。これも気候に関係しているかもしれないですよ。
ノイハウス:「ジャスミンの香水なのでは?」というくらい華やかで、味が濃い。もっと上品な感じの華やかさなのかと思ったら、ガツンとジャスミンですね。
サッシャ:ジャスミンって、わりと薄味で柔らかいイメージがありますよね。
ノイハウス:でもこれは、濃く入れたお茶という感じですね。
シズリーナ:香りを強くしすぎると芳香剤みたいになってしまうようで、けっこう試行錯誤されて、この段階になってきているそうです。
ノイハウス:なるほど。クリーミーなバランスとすごく合いますね。香りが高い!
サッシャ:つまり、ある意味、さんぴんミルクアイスということですね。
シズリーナ:そうです!
続いて、サッシャが実食したのは、明治の『明治 エッセル スーパーカップ きなこ』。3月3日(月)発売の商品だ。
サッシャ:本当にきなこを食べているような、粉っぽい感じがする!
シズリーナ:きなこ風味のクッキーが入っています。
サッシャ:クッキーなんだ! きなこの、食べると口のなかでちょっとパサパサする感じがアイスで再現されています。(味は)すごく爽やかですね。
ノイハウス:粉感を残せるのは、すごいですよね。
2種類の春アイスを実食したふたりは、さらにシズリーナさんに話を訊く。
ノイハウス:開発にはすごく時間かかると思いますが、これらはいつから開発が始まったのでしょうか?
シズリーナ:アイスの開発期間は早いところで6カ月、平均して1年から2年ですので、いま出ている商品は1~2年前には材料調達や企画構想が始まっています。また、いまの時点で、来年・再来年のフレーバーが決まっているような感じです。
サッシャ:沖縄というと、僕はブルーシールが大好きなのですが、本家・沖縄のトレンドはどうなっているのでしょう?
シズリーナ:いま、まさに関東への出店ラッシュです。これまでは出店しては閉店して、というのが繰り返されていましたが、最近は千葉や神奈川に常設店も増えています。4月25日(金)には、埼玉のイオンレイクタウンkazeにもニューオープンします。
サッシャ:沖縄フェアも、けっこういろいろなところでありますよね。
シズリーナ:そうですね。スーパーマーケットなどでよくある沖縄フェアでは、沖縄明治乳業の『新垣ちんすこうアイス』や『紅芋タルトアイス』など、沖縄でしか流通しないアイスも出てきますよ。
シズリーナ:シュワシュワ系といえば、ソーダ味とかラムネ味のものや、パチパチするキャンディが入っているものを想像すると思いますが、この商品は氷自体がパチパチするんですよ。
ノイハウス:炭酸は、アイスにすると抜けませんか? どういう形で作られているのでしょうか?
シズリーナ:特殊技術で、弾ける炭酸氷をアイスでコーティングしています。アイスバーの形で売られているのですが、ガリガリ君の“シェル”と呼ばれる、かき氷じゃない周りの部分に、シュワシュワ弾ける氷が詰まっているイメージです。
サッシャ:理論としては、炭酸飲料の水みたいなものがそのまま閉じ込められているから、食べると炭酸飲料を飲んでいるみたいになるということですか?
シズリーナ:はい。炭酸をそのまま氷にしたものが入っています。
ノイハウス:パッケージにも「食べる炭酸」と書いてありますね。
注目の商品を実食した、サッシャとノイハウスの感想は……?
ノイハウス:おっしゃるとおり、キャンディのパチパチではなく、口のなかで溶けて本当に炭酸水を飲んでいるみたいです。
サッシャ:すごい! 後味も、炭酸飲料を飲んだあとののどごしと同じで、不思議です。
ノイハウス:喉が乾いているときに食べると、超リフレッシングですね。
シズリーナ:そうですね。やはり沖縄化しているというのがポイントで、この気候で食べるからこそ(のよさがあります)。
ノイハウス:周りのレモン味のコーティングのなかに、炭酸水を凍らせたものが入っているという感じですね。
サッシャ:よくこんなことができますね。難しそう。
シズリーナ:これまでも同じ技術は確立されていましたが、商品化は困難でした。袋状の密閉されたパッケージに炭酸を含ませた氷を入れると、水分に触れたときに膨張して袋が破裂してしまいます。丸永製菓さんが、特殊技術によってそうさせないようにしたというのは、苦労話としてありますね。
最後に、シズリーナさんが考える「今後のアイス事情」を語ってもらった。
シズリーナ:亜熱帯化していることによって働きバチが働けなくなり、果実がなりづらくなってきています。みかんなどの柑橘系のフレーバーや、りんごの果汁が不足気味になってくるので、そういったフレーバーがちょっと少なくなってくるのではないかと予想されます。また、アイス業界を定点観測していると、世界の食品業界全体の事情も見えてくるので、ぜひみなさんも注目してください。
ノイハウス:気候変動で新しいアイスが生まれるというのは、うれしいような悲しいような気分ですが、おいしいですね。いろいろとご紹介いただいて、ありがとうございました。
番組公式X、Instagramでは、『弾けるしゅわしゅわアイスバー レモン』のASMR動画を公開中。 J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、ニューノーマル時代のエッジにフォーカス。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
この内容をお届けしたのは、4月14日(月)放送のJ-WAVE『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)のコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」だ。
気候変動がアイスのトレンドに影響?
2024年夏には、「夏アイスはサッパリ系が主流だったが、今年はリッチな気分が味わえる濃厚テイストがトレンド」だと話していたシズリーナさん。季節も変わった2025年、今年の春アイスのキーワードは“沖縄”だという。シズリーナ:日本の気候は、四季がはっきりしている温暖湿潤気候なのですが、日本の平均気温は年々上昇傾向にあり、35度以上の猛暑日を記録する日もけっこう増えています。同時に極端な大雨が続くなど、ひと言でいえば日本全体が亜熱帯化、つまり沖縄化しているのです。
サッシャ:沖縄よりも東京のほうが気温が高いときもあるくらいですよね。そう考えれば、日本全国“沖縄”だと。
シズリーナ:となると、沖縄で好まれているテイストが、日本全体のニーズとしても高まっていくということが予測されます。実際に、アイス業界の新商品も沖縄の食文化を背景にしたものや、同じく亜熱帯に近い気候エリアを持つ、イタリアのジェラートを模した商品がトレンドとなっています。
ノイハウス:ジェラートは大人気ですが、沖縄の食文化というと、どういうテイストになるのでしょうか?
シズリーナ:まず、きなこぜんざい。沖縄では、ぜんざいといえばかき氷で、そこにきな粉がのっています。続きましてアサイーボウル、アロエ、マンゴー、そしてさんぴん茶。
サッシャ:さんぴん茶、ジャスミンティーですね。不思議なことに、さんぴん茶として飲むと、ジャスミンティーとは違う味に感じるんだよね。
シズリーナ:同じはずなのに、ちょっと違うような気がしますね。これも気候に関係しているかもしれないですよ。
おすすめ! 2種の春アイスを実食
この春、シズリーナさんがおすすめする“沖縄”テイストのアイスクリームを、サッシャとノイハウスもスタジオで実食する。まず紹介したのは、3月24日(月)に発売された森永乳業の『MOW(モウ) 華やぐジャスミンミルクティー』だ。口に入れたノイハウスは、思わず「ワオ!」と声を上げた。ノイハウス:「ジャスミンの香水なのでは?」というくらい華やかで、味が濃い。もっと上品な感じの華やかさなのかと思ったら、ガツンとジャスミンですね。
サッシャ:ジャスミンって、わりと薄味で柔らかいイメージがありますよね。
ノイハウス:でもこれは、濃く入れたお茶という感じですね。
シズリーナ:香りを強くしすぎると芳香剤みたいになってしまうようで、けっこう試行錯誤されて、この段階になってきているそうです。
ノイハウス:なるほど。クリーミーなバランスとすごく合いますね。香りが高い!
サッシャ:つまり、ある意味、さんぴんミルクアイスということですね。
シズリーナ:そうです!
続いて、サッシャが実食したのは、明治の『明治 エッセル スーパーカップ きなこ』。3月3日(月)発売の商品だ。
サッシャ:本当にきなこを食べているような、粉っぽい感じがする!
シズリーナ:きなこ風味のクッキーが入っています。
サッシャ:クッキーなんだ! きなこの、食べると口のなかでちょっとパサパサする感じがアイスで再現されています。(味は)すごく爽やかですね。
ノイハウス:粉感を残せるのは、すごいですよね。
2種類の春アイスを実食したふたりは、さらにシズリーナさんに話を訊く。
ノイハウス:開発にはすごく時間かかると思いますが、これらはいつから開発が始まったのでしょうか?
シズリーナ:アイスの開発期間は早いところで6カ月、平均して1年から2年ですので、いま出ている商品は1~2年前には材料調達や企画構想が始まっています。また、いまの時点で、来年・再来年のフレーバーが決まっているような感じです。
サッシャ:沖縄というと、僕はブルーシールが大好きなのですが、本家・沖縄のトレンドはどうなっているのでしょう?
シズリーナ:いま、まさに関東への出店ラッシュです。これまでは出店しては閉店して、というのが繰り返されていましたが、最近は千葉や神奈川に常設店も増えています。4月25日(金)には、埼玉のイオンレイクタウンkazeにもニューオープンします。
サッシャ:沖縄フェアも、けっこういろいろなところでありますよね。
シズリーナ:そうですね。スーパーマーケットなどでよくある沖縄フェアでは、沖縄明治乳業の『新垣ちんすこうアイス』や『紅芋タルトアイス』など、沖縄でしか流通しないアイスも出てきますよ。
まるで炭酸を“飲んで”いるかのような衝撃食感!
さらに、シズリーナさんは2025年の春アイスに“衝撃食感”の新商品が登場したと語る。シズリーナさんが紹介したのは、3月31日発売の丸永製菓『弾けるしゅわしゅわアイスバー レモン』だ。シズリーナ:シュワシュワ系といえば、ソーダ味とかラムネ味のものや、パチパチするキャンディが入っているものを想像すると思いますが、この商品は氷自体がパチパチするんですよ。
ノイハウス:炭酸は、アイスにすると抜けませんか? どういう形で作られているのでしょうか?
シズリーナ:特殊技術で、弾ける炭酸氷をアイスでコーティングしています。アイスバーの形で売られているのですが、ガリガリ君の“シェル”と呼ばれる、かき氷じゃない周りの部分に、シュワシュワ弾ける氷が詰まっているイメージです。
サッシャ:理論としては、炭酸飲料の水みたいなものがそのまま閉じ込められているから、食べると炭酸飲料を飲んでいるみたいになるということですか?
シズリーナ:はい。炭酸をそのまま氷にしたものが入っています。
ノイハウス:パッケージにも「食べる炭酸」と書いてありますね。
注目の商品を実食した、サッシャとノイハウスの感想は……?
ノイハウス:おっしゃるとおり、キャンディのパチパチではなく、口のなかで溶けて本当に炭酸水を飲んでいるみたいです。
サッシャ:すごい! 後味も、炭酸飲料を飲んだあとののどごしと同じで、不思議です。
ノイハウス:喉が乾いているときに食べると、超リフレッシングですね。
シズリーナ:そうですね。やはり沖縄化しているというのがポイントで、この気候で食べるからこそ(のよさがあります)。
ノイハウス:周りのレモン味のコーティングのなかに、炭酸水を凍らせたものが入っているという感じですね。
サッシャ:よくこんなことができますね。難しそう。
シズリーナ:これまでも同じ技術は確立されていましたが、商品化は困難でした。袋状の密閉されたパッケージに炭酸を含ませた氷を入れると、水分に触れたときに膨張して袋が破裂してしまいます。丸永製菓さんが、特殊技術によってそうさせないようにしたというのは、苦労話としてありますね。
最後に、シズリーナさんが考える「今後のアイス事情」を語ってもらった。
シズリーナ:亜熱帯化していることによって働きバチが働けなくなり、果実がなりづらくなってきています。みかんなどの柑橘系のフレーバーや、りんごの果汁が不足気味になってくるので、そういったフレーバーがちょっと少なくなってくるのではないかと予想されます。また、アイス業界を定点観測していると、世界の食品業界全体の事情も見えてくるので、ぜひみなさんも注目してください。
ノイハウス:気候変動で新しいアイスが生まれるというのは、うれしいような悲しいような気分ですが、おいしいですね。いろいろとご紹介いただいて、ありがとうございました。
番組公式X、Instagramでは、『弾けるしゅわしゅわアイスバー レモン』のASMR動画を公開中。 J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、ニューノーマル時代のエッジにフォーカス。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
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