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冨田ラボが「よく歌えるなあ」と感じるほど難しい、4人のボーカルが光を放つ新作の秘話を語る

冨田ラボが「よく歌えるなあ」と感じるほど難しい、4人のボーカルが光を放つ新作の秘話を語る

冨田恵一が、新体制となった冨田ラボの活動や、UAとのコラボ曲の制作エピソードを語った。

冨田が登場したのは、4月12日(土)放送のJ-WAVE『BLUE IN GREEN』(ナビゲーター:甲斐まりか)のコーナー「SENSE OF ROOM」。音楽、アート、スポーツ、フードといったジャンルを通じて、アーティストの魅力や活動内容、イベント情報、そこから広がるカルチャーを、GREENROOMのセンスを交えて紹介するコーナーだ。

冨田ラボに4人の新メンバーが加入!

冨田恵一は、冨田ラボとしてこれまでに7枚のアルバムを発表。2022年には活動20年目に突入し、20組の豪華アーティストが参加したオリジナルアルバム『7+』をリリースした。2025年3月には、新たなメンバーとしてシンガーソングライターの北村 蕗、ガールズユニット・Natsudaidaiのヨウ、R&BシンガーのArche、オルタナティブクルー・S.A.R.のsantaの4名が加入。新体制の冨田ラボがスタートした。

甲斐:オフィシャルコメントでは「2023年に計画されていた」と書かれていましたが、これまであったフィーチャリングというかたちではなく、メンバーとして4名を迎え入れた理由は何でしょうか?

冨田:フィーチャリングをけっこう長いことやってきて、もちろん、あのかたちは僕も好きで楽しかったんですけど、1曲ごとにシンガーが変わるわけじゃないですか。それよりも、同じ人と「今回はよくできたね。次はどうやろうか」というふうに、どんどん変化とか進化を楽しみたい気分になってきたんですよね。

甲斐:なるほど。

冨田:それってたぶん、長くフィーチャリングをやってきたからだと思うんです。そういうことを『7+』が出たあとぐらいから考え出して、メンバーを探し始めた感じですかね。

甲斐:そこから若く才能あふれる4人のリードシンガーになった決め手はあったのでしょうか?

冨田:今後、一人ひとりをフィーチャーした曲を作っていこうと思っているんですね。残りの3人はバックグラウンドボーカルをやるっていう形式を中心に作っていきたかったので、4人必要だったんですよ。コーラスグループではなくリードシンガーと言っているのは、4人の声それぞれに個性があって、僕が(個性に合った)曲を書きたいと思っているからです。ポイントとしてはそこですね。

甲斐:リードシンガーの方々の、これまでとは違うテイストの曲も出していくのでしょうか?

冨田:そうですね。彼ら自身の活動もあるので、そことは違うものになると思います。長く続けているので冨田ラボの色というのもありますし、そこに彼らの個性が混ざってきて、何曲か続けるうちにまた新しいテイストができると思っています。そのためのメンバー加入というかたちではありますね。

甲斐:これからいろんなケミストリーが起きそうですね!

リードシンガーの個性とハーモニーを活かした楽曲を制作

新体制発表と同時にリリースとなった『the birds of four』は、新メンバーを紹介する思いを込めて作ったものだと冨田は説明する。

冨田ラボ - the birds of four (Music Video)

甲斐:『the birds of four』はどんなところをポイントにして制作されたのでしょうか?

冨田:この曲は今後作るものとはパターンが違って、1曲のなかでソロパートが入れ替わる、ちょっと特殊な曲なんですよね。新しく入った4人のリードシンガーを紹介する気持ちで作りました。

甲斐:まさに歌詞にもある「斬新なフォーメーション」だと思います。

作詞は冨田の盟友である、KIRINJIの堀込高樹が担当。新メンバーを4羽の鳥に見立て、冨田ラボの新たなプロジェクトに対する、これからの大きな飛躍への期待が込められている。

甲斐:4人の歌声に個性があって、コーラスで重なるときはそれぞれの歌が聴こえてくるんですよね。

冨田:そうなんですよね。それぞれの個性だけでなく、4人でハーモニーしたときに溶けすぎず、でも一体になれる声になるといいなと思ってリードシンガーを選びました。うまくできてうれしかったですね。

甲斐:リードからコーラスになったりと、どんどんフォーメーションが変わる曲ですけれど、4人からどんな声があがりましたか?

冨田:「難しい!」とすごく言っていましたね(笑)。基本的には頭から最後まで、コーラスとソロを行ったり来たりしながら録りました。自分で書いておいてなんですけど、「よく歌えるなあ」って思いましたね(笑)。彼らはすごいです。

『the birds of four』のMVはゴルフ場で撮影。冨田が運転する大型のゴルフカーにメンバー全員が乗り込み、ゴルフ場を疾走する様子が描かれている。

冨田:カートを初めて運転したんですけど、全然スピードが出ないんですよね(笑)。監督から(アクセルは)常にベタ踏みでいいと言われました。

甲斐:ぜひ、みなさんもチェックしてください!

今年30周年を迎えるUAとの初コラボが実現

4月9日、冨田ラボは新体制第2弾シングル『あはは feat. UA』を配信リリースした。

冨田ラボ - あはは feat. UA (Official Audio)

甲斐:意外にもUAさんとのコラボは初なんですね。

冨田:実はレーベルも一緒なんですけど、初めてなんですよね。

甲斐:オファーの際は、冨田さんがUAさんに向けてお手紙を出されたということで。ロマンチックですね!

冨田:僕は、お会いしたことはないけれど曲を聴いていいなと思った方にお声がけすることが度々あるんです。UAさんはまさにそういった方で。事務的にマネージメントを通して依頼するより「ぜひ歌っていただきたいです」という気持ちを伝えたほうが、やってくださる確率が高いだろうなと思いました。

冨田が感じる、シンガーとしてのUAの魅力は何だろうか?

冨田:UAさんは、時期によって音楽性が変わるところがすごく面白いなと思っています。1990年代、2000年代前半くらいのブラックミュージックに寄ったようなものから、かなりジャズに近い時期もあり、面白いなと思って聴いていたんですよ。もともと、UAさんの歌声が大好きなんですけど、僕のイメージとして段々とポップミュージックに戻ってきている印象があって、「もしかしたら冨田ラボのユニットで歌ってもらうことも可能かもしれない」と思ったのがオファーのきっかけです。

甲斐:UAさんはカナダにお住まいですが、制作はリモートでしたか?

冨田:いえ、UAさんが日本に戻ってこられるタイミングで最初に顔合わせをして、レコーディングも日本のスタジオで対面でやりました。

UAならではの歌詞を冨田が称賛

『あはは feat. UA』の作詞はUAが担当。春の門出に寄り添うように、UAの優しくも芯のある歌声が紡ぐ楽曲は、聴く人の心を温かく包み込むナンバーとなっている。

甲斐:歌詞もすごく素敵ですよね。リリースのタイミングが春ということもあり、新しいスタートで不安な気持ちを包み込んでくれる感覚があります。

冨田:僕は作詞に関して、特にリクエストをしていないんですけど、UAさんのいろんな面があるなかの“母性”のような部分が描かれると、とてもいい曲になるんじゃないかと思っていた曲調だったんですよ。そうしたら、パーソナルな母性という部分も表現されているし、今の世界情勢とも捉えられる歌詞だったんですよね。そういったダブルミーニング的な歌詞になったのは、率直に言って最高だなと思いました。

甲斐:そして、『あはは feat. UA』では4人のメンバーがコーラスに加わっております。

冨田:数は少ないんですけど、外部ゲストのフィーチャリングの曲もやろうと思っていて、その場合はこの曲のように、メンバーのシンガーはバックグラウンドボーカルをやる形式になります。

甲斐:これからもいろんなかたちで冨田ラボの音楽が聴けるというお話を、今日はたくさん伺いました。新メンバーの新曲も楽しみにしております!

冨田ラボの最新情報は、公式サイトまで。

J-WAVE『BLUE IN GREEN』のコーナー「SENSE OF ROOM」では、MUSIC・ART・SPORTS・FOODを通して、アーティストやその活動、イベント、そしてそれらが生み出すカルチャーなどGREENROOMのセンスと重ね合わせたトピックスを紹介する。オンエアは毎週土曜12時55分ごろから。

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2025年4月19日28時59分まで28時59分まで

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