沖縄出身ラッパー・Awichが、3月4日にリリースされたニューアルバム『Queendom』や自身初の日本武道館公演に込めた想いを語った。
Awichが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『START LINE』(ナビゲーター:長谷川ミラ)のワンコーナー「CITROËN AWESOME COLORS」。オンエアは3月18日(金)。
まずは3月4日にリリースされたアルバム『Queendom』の話題に。『Queendom』はApple Musicトップアルバムランキングで1位を獲得した。
長谷川:おめでとうございます。
Awich:めっちゃ驚きです、ありがたい。ジャンルを超えたランキングでトップの座になるのは、ヒップホップをする人間としては快挙というか、兆しが見えた気がしてうれしかったですね。かすかでも光が見えたなと思っているので、これからの原動力にもつながりました。
長谷川:あらためて『Queendom』というタイトルに込められた想いを教えていただけますか?
Awich:最初は違うタイトルにしていたんです。内容もけっこう違って「かっこいい」ではあったんですけど「かっこいいだけだな」と思って作りなおしました。
長谷川:アルバムを?
Awich:そう、本当にギリギリのところで「もう1回やらせてください」と言って。そこから自分の決意が詰まった曲とか強めのラップの曲が生まれてきて。「私がトップの人間として君臨する王国があるならこれだ!」みたいな(笑)。私だけがかっこよくなって多くの人に見られるアルバムであればいいと思っていたんですけど、それだけじゃダメだと思ったんです。私が「ヒップホップとは、ラップとはかっこいいものなんだよ」ともっとより多くの人に見せられるアルバムにしたいと思って、『Queendom』という名前をつけました。
Awich:もちろんフィメールだしラッパーだし、それはそうだなと思うんです。だけど「フィメールラッパーのなかで一番」とか、そういうくくりで見られることが窮屈だなと思ったときもあります。ラッパーとして男とか女とか関係なしに面と向かって対決できる、そういうくくりをはずした上で勝負できる、そのぐらいのスキルや自信があるって思うときもあるのに、フィメールのなかだけでの勝負しかできないこともあったので。『Queendom』を出すときに「女とか関係ないから」みたいな。
長谷川:最高です。
Awich:そういう女同士でくくるだけじゃなくて「全員ひっくるめたうえで勝負させろ」と言いたくなるときもあります。
長谷川:まだまだヒップホップ界でも、男女差別とまではいかなくても、ステレオタイプな考え方は残ってはいるんですか?
Awich:「女子は女子の枠でやってね」みたいな雰囲気は、いまでもあると思います。
Awich:パフォーマンス中は楽しむことに集中してやっているので、本当にやりきった、楽しかったというのが一番です。終わったあとみんなからの反響を聞いて、初めてそのすごさをちゃんと確認できましたね。やっぱり頑張った甲斐があったというか、努力が報われたんだなって思っているところです。いまちょっとだけホッとしていて、「よし、次も頑張るぞ」と切り替えようとしているところですね。
長谷川:武道館の2階席から吊るされていた故郷・沖縄の旗を指さして「あの島で教えられた精神がいまの私を作っています」とおっしゃっていたのが印象的でした。曲のなかでもたくさん「沖縄」という言葉が出てきます。沖縄出身というのは、Awichさんの人生や音楽活動にどういった影響を与えたんでしょうか。
Awich:私は沖縄で、そしてそこに存在する多様なカルチャーのなかで育ったんだなって沖縄を出てみてあらためて実感しました。いろいろな人の生き方や在り方を受け入れることや、みんな仲間だという考え方、「どうにかなるから大丈夫だよ」という考え方とか、音楽制作だけじゃなくて、生き方として助けられているなって日々思います。
しかしAwichは「沖縄が嫌いなときもあった」と明かす。
Awich:馬鹿にされるときもあるし、暗い過去もある。おじいちゃんやおばあちゃんの話を聞いて悲しんでいるのも見てきたし。経済的、環境的な問題や軋轢とか、問題がいっぱいある島なんです。それが嫌になるときや怖くなるときももちろんあって。だけど「それも全部ひっくるめて私を作っている」「逆に違う環境があるからこそ、絶対に人とは違う特別ななにかを得ることができる」と信じられたときに、いまの自分になれる力をもらえたのかなと思います。
長谷川:武道館公演中にも沖縄出身のほかのゲストラッパーのみなさんとパフォーマンスをされていて、首里城について歌った曲もありましたよね。あらためて「自分のホームはどこなんだろう?」って思ったというか、沖縄や東京だけじゃなくて日本についてもっと知らなきゃいけないなとあの公演で感じました。
Awich:そう思ってほしいと思って私も自分のホームをレペゼンしました。もちろん沖縄の人には届くと思うんですけど、沖縄出身じゃない人にも自分の生まれ育った場所を振り返ってみるとか、「ここにある特別なもの」を探求してみる気持ちが芽生えたらいいなと思っています。
Awichの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。
『START LINE』のワンコーナー「CITROËN AWESOME COLORS」では、自分らしく輝くあの人のストーリーをお届け。放送は毎週金曜日の18時10分から。
Awichが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『START LINE』(ナビゲーター:長谷川ミラ)のワンコーナー「CITROËN AWESOME COLORS」。オンエアは3月18日(金)。
アルバムタイトルに込めた想い
自身の生きざまと感情をリアルに歌う、ヒップホップ界をけん引するクイーン・Awich。「LINE NEWS AWARDS 2021」では「NEXT NEWS賞」を受賞。また、NIKEやAppleの国際女性デーキャンペーンに起用されるなど、多方面から注目を集めている。まずは3月4日にリリースされたアルバム『Queendom』の話題に。『Queendom』はApple Musicトップアルバムランキングで1位を獲得した。
Awich - Queendom (Prod. Chaki Zulu)
Awich:めっちゃ驚きです、ありがたい。ジャンルを超えたランキングでトップの座になるのは、ヒップホップをする人間としては快挙というか、兆しが見えた気がしてうれしかったですね。かすかでも光が見えたなと思っているので、これからの原動力にもつながりました。
長谷川:あらためて『Queendom』というタイトルに込められた想いを教えていただけますか?
Awich:最初は違うタイトルにしていたんです。内容もけっこう違って「かっこいい」ではあったんですけど「かっこいいだけだな」と思って作りなおしました。
長谷川:アルバムを?
Awich:そう、本当にギリギリのところで「もう1回やらせてください」と言って。そこから自分の決意が詰まった曲とか強めのラップの曲が生まれてきて。「私がトップの人間として君臨する王国があるならこれだ!」みたいな(笑)。私だけがかっこよくなって多くの人に見られるアルバムであればいいと思っていたんですけど、それだけじゃダメだと思ったんです。私が「ヒップホップとは、ラップとはかっこいいものなんだよ」ともっとより多くの人に見せられるアルバムにしたいと思って、『Queendom』という名前をつけました。
性別は関係ない
長谷川は「フィメール(女性)ラッパーと呼ばれることをどう考えているか」と質問を投げかけた。Awich:もちろんフィメールだしラッパーだし、それはそうだなと思うんです。だけど「フィメールラッパーのなかで一番」とか、そういうくくりで見られることが窮屈だなと思ったときもあります。ラッパーとして男とか女とか関係なしに面と向かって対決できる、そういうくくりをはずした上で勝負できる、そのぐらいのスキルや自信があるって思うときもあるのに、フィメールのなかだけでの勝負しかできないこともあったので。『Queendom』を出すときに「女とか関係ないから」みたいな。
長谷川:最高です。
Awich:そういう女同士でくくるだけじゃなくて「全員ひっくるめたうえで勝負させろ」と言いたくなるときもあります。
長谷川:まだまだヒップホップ界でも、男女差別とまではいかなくても、ステレオタイプな考え方は残ってはいるんですか?
Awich:「女子は女子の枠でやってね」みたいな雰囲気は、いまでもあると思います。
武道館公演で表現したこと
Awichが3月14日に開催された自身初の日本武道館公演「Welcome to the Queendom at 日本武道館」を振り返った。Awich:パフォーマンス中は楽しむことに集中してやっているので、本当にやりきった、楽しかったというのが一番です。終わったあとみんなからの反響を聞いて、初めてそのすごさをちゃんと確認できましたね。やっぱり頑張った甲斐があったというか、努力が報われたんだなって思っているところです。いまちょっとだけホッとしていて、「よし、次も頑張るぞ」と切り替えようとしているところですね。
長谷川:武道館の2階席から吊るされていた故郷・沖縄の旗を指さして「あの島で教えられた精神がいまの私を作っています」とおっしゃっていたのが印象的でした。曲のなかでもたくさん「沖縄」という言葉が出てきます。沖縄出身というのは、Awichさんの人生や音楽活動にどういった影響を与えたんでしょうか。
Awich:私は沖縄で、そしてそこに存在する多様なカルチャーのなかで育ったんだなって沖縄を出てみてあらためて実感しました。いろいろな人の生き方や在り方を受け入れることや、みんな仲間だという考え方、「どうにかなるから大丈夫だよ」という考え方とか、音楽制作だけじゃなくて、生き方として助けられているなって日々思います。
しかしAwichは「沖縄が嫌いなときもあった」と明かす。
Awich:馬鹿にされるときもあるし、暗い過去もある。おじいちゃんやおばあちゃんの話を聞いて悲しんでいるのも見てきたし。経済的、環境的な問題や軋轢とか、問題がいっぱいある島なんです。それが嫌になるときや怖くなるときももちろんあって。だけど「それも全部ひっくるめて私を作っている」「逆に違う環境があるからこそ、絶対に人とは違う特別ななにかを得ることができる」と信じられたときに、いまの自分になれる力をもらえたのかなと思います。
長谷川:武道館公演中にも沖縄出身のほかのゲストラッパーのみなさんとパフォーマンスをされていて、首里城について歌った曲もありましたよね。あらためて「自分のホームはどこなんだろう?」って思ったというか、沖縄や東京だけじゃなくて日本についてもっと知らなきゃいけないなとあの公演で感じました。
Awich:そう思ってほしいと思って私も自分のホームをレペゼンしました。もちろん沖縄の人には届くと思うんですけど、沖縄出身じゃない人にも自分の生まれ育った場所を振り返ってみるとか、「ここにある特別なもの」を探求してみる気持ちが芽生えたらいいなと思っています。
Awichの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。
『START LINE』のワンコーナー「CITROËN AWESOME COLORS」では、自分らしく輝くあの人のストーリーをお届け。放送は毎週金曜日の18時10分から。
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