【J-WAVE『SONAR MUSIC』から最新音楽情報をお届け】
J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。10月20日(火)のオンエアでは、ボーイズグループに着目。SKY-HIとエンタメライターのまいしろさんが、ボーイズグループが世界でヒットする法則を分析した。
19世紀後半には、すでにアカペラでの男性合唱グループがいたというが、この「ボーイズグループ」というスタイルを知らしめる存在となったのが、1969年に結成された5人組グループ「ジャクソン5」だ。
デビューから4曲連続で全米チャート1位を獲得し、初めて白人人気を集めた黒人アイドルともいわれている。画期的だったのは、誰か一人が前に出るのではなく、全メンバーが前に出て歌唱し、全員のキャラクターが明確に分かれキャラ立ちしている点だ。現在のボーイズグループにもつながる、同ジャンルの雛形を作ったといえる。
その後、このジャンルを決定づけたのが、1984年に結成された、これまた5人組のボーイズグループ「ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック」だ。90年に行われた世界ツアーで148億円を売り上げるなど一時代を築いた。このあたりから、「ボーイズグループ=5人組」の定説が囁かれ始める。
あっこゴリラは、世界を狙えるボーイズグループのプロデュースを発表したSKY-HIに質問を投げかける。
あっこゴリラ:SKY-HIさんも、想定してるグループは5人組なんですよね?
SKY-HI:はい。5人組が黄金率である理由っていっぱいあるんですけど、キャラが立つ理由とか、ダンスパフォーマンスをする場合の構成の組みやすさとか、1曲分の分数で“5”が最適なのは、小節数とかもかかわってくると思います。
あっこゴリラ:なるほど~。さすがだね。これはやっぱりやってないとわからないことだよね。
SKY-HI:小節はどうしても偶数節だから、バースがあったりプリフックがあったり、フックの頭で絶対に人が変わることを想定すると、やっぱり奇数である、特に「5」というのは一つの理想的な形だと思います。
90年代にヒットを飛ばしたグループが多かったことから、グループの長期化が進み、ボーイズグループは定番化していく。さらに2000年代、アジアでは東方神起が扉を開いた韓国ブームとともに、BIGBANG、SHINeeらがアジア全域にK-POPの名を知らしめていった。
そして、2010年、現在のボーイズグループ時代の礎を築くグループ「ONE DIRECTION」が結成される。
最高視聴率60%を誇るイギリスの国民的オーディション番組『Xファクター』で見出されたイギリスとアイルランド出身の5人組ボーイズグループ「ONE DIRECTION」。デビューアルバム『Up All Night』が、イギリス出身グループのデビューアルバムとして初めてビルボード初登場1位という快挙を達成。その後も、通算200近い賞を受賞し「ザ・ビートルズの再来」と呼ばれるように。
2015年にはシングル『Perfect』で5枚連続、Billbord Hot 100初登場トップ10入りを果たし、ザ・ビートルズが果たした4枚連続を超えるグループに成長。絶頂を迎えていた5人だったが、その翌年、2016年1月に活動休止を発表。未だ沈黙を守り続けている。
あっこゴリラ:欧米では、今どんなグループが人気なんですか?
まいしろ:最も注目されているのが、アメリカとカナダ出身の5人組「Why Don’t We」です。YouTube総再生回数は2億を超え、サマソニにも出演しています。最近リリースしたシングルは、あのBTSを破り1位を獲得しました。
まいしろさんは、欧米ボーイズグループを語る上で欠かせない3要素(「結成時の年齢と人数」「髪型」「サイモン・コーウェル」)を挙げた。
あっこゴリラ:サイモン・コーウェルとは?
まいしろ:イギリス出身の音楽プロデューサーです。オーディション番組の審査員としても有名で、ONE DIRECTIONが結成された『Xファクター』の製作総指揮も務めている人物です。ラテン系ボーイズグループ「CNCO」やLA発ボーイズグループ「PRETTYMUCH」などもサイモン・コーウェルが関与していて、世界で一番ボーイズの才能を見出せる人だと思います。
あっこゴリラ:全然知らなかったです。
まいしろ:あとはエド・シーランとの関係ですね。
あっこゴリラ:エド・シーランと絡んでおけば間違いないっていうね! あはははは。
まいしろ:本当にそうなんですよ。これはきっと、エド・シーランの曲がボーイズグループと相性が良いからだと思います。ONE DIRECTIONもそうですが、先ほど紹介したWhy Don’t WeやPRETTYMUCHも楽曲提供を受けています。CNCOはまだですが、めちゃくちゃアピールしているので、そろそろかなと思っています。
まいしろ:一番違ってくるのは人数で、かなりバラバラです。気になって調べてみたら、K-POPの人数ってだんだん増えていってるんですよね。80年代は平均3人くらいでしたが、ここ数年は平均7人くらいのグループが増えています。
SKY-HI:これは、ひとえにダンスパフォーマンスのレベルの向上だと思いますね。
あっこゴリラ:なるほど~。では、「ネクストBTS」として注目のグループは?
まいしろ:なかでも注目なのが「SEVENTEEN」です。13人組のグループで、振り付けから作詞作曲までメンバーが手掛けています。雑誌『anan』でも表紙を飾るなど日本でも人気があります。さらに、先日リリースされたアルバムは、予約だけで110万枚を突破しました。
K-POPボーイズグループを語る上で欠かせない3要素は、「所属事務所」「髪型」「ファンの呼び方」だ。
あっこゴリラ:ファンの呼び方は、もはや必須条件になっているんですね。
まいしろ:そうですね。さらに注目なのは、K-POPではスウェーデン人プロデューサーが作っている曲が多いことです。
SKY-HI:スウェーデンはプロデューサー大国ですからね。J-POPでも多いですよね。
欧米とK-POPで分けてボーイズグループを分析してきたが、今、世界で通用するための条件とは何なのだろうか。
まいしろ:やはり楽曲提供者が豪華だったり、ボーイズグループに興味ないリスナーを取り込めるような楽曲が必要になると思います。そして、ダイバーシティの時代に様々な国の人に親近感を持ってもらえるような工夫、努力が大事ですね。そういう努力をコツコツ積み重ねているグループが結果売れています。
SKY-HI:15年間アーティストとして活動してきた中で見えてきた日本のシーンの問題点や、SNS社会とアーティストの関係を考えたときに、クリエイトに集中できる環境作りが最重要課題であり、最難関だと感じたんですよね。アンダーグラウンド、HIP-HOPからポップスのトップまで見てきた自分なら解決の糸口も見えると思い、後進のために設立しました。
あっこゴリラ:ちなみに、近年のK-POPの勢いをどう感じていますか?
SKY-HI:K-POPに追い付けっていうのは、たぶん間違ってないんだけど、正解でもなくて。シンプルにK-POPがすごいことになっていったのは、内需が無理だったから。世界的にヒットするしかなかったわけですよね。それにはクオリティの高いダンス、パーソナリティーなど、そういうグループを作っていくしかなかった。日本は一回そこに立ち返る必要があると思うんです。
あっこゴリラ:誰かがやらなきゃいけないというか、個人個人でもそういう意識になってきてると思いますね。ボーイズグループでそれをやってくれるのは、SKY-HIさんしかいないと思ってるから。マジで応援する!
J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)では、毎回ゲストを迎え、様々なテーマを掘り下げていく。10月20日(火)のオンエアでは、ボーイズグループに着目。SKY-HIとエンタメライターのまいしろさんが、ボーイズグループが世界でヒットする法則を分析した。
年代別ボーイズグループの歴史
これまでの音楽シーンで、何度も記録を塗り替えてきたジャンルが「ボーイズグループ」だ。今も雨後の筍の如く人気グループが登場し、多くのリスナーを魅了している。19世紀後半には、すでにアカペラでの男性合唱グループがいたというが、この「ボーイズグループ」というスタイルを知らしめる存在となったのが、1969年に結成された5人組グループ「ジャクソン5」だ。
Jackson5 - I Want You Back
その後、このジャンルを決定づけたのが、1984年に結成された、これまた5人組のボーイズグループ「ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロック」だ。90年に行われた世界ツアーで148億円を売り上げるなど一時代を築いた。このあたりから、「ボーイズグループ=5人組」の定説が囁かれ始める。
あっこゴリラは、世界を狙えるボーイズグループのプロデュースを発表したSKY-HIに質問を投げかける。
あっこゴリラ:SKY-HIさんも、想定してるグループは5人組なんですよね?
SKY-HI:はい。5人組が黄金率である理由っていっぱいあるんですけど、キャラが立つ理由とか、ダンスパフォーマンスをする場合の構成の組みやすさとか、1曲分の分数で“5”が最適なのは、小節数とかもかかわってくると思います。
あっこゴリラ:なるほど~。さすがだね。これはやっぱりやってないとわからないことだよね。
SKY-HI:小節はどうしても偶数節だから、バースがあったりプリフックがあったり、フックの頭で絶対に人が変わることを想定すると、やっぱり奇数である、特に「5」というのは一つの理想的な形だと思います。
90年代にヒットを飛ばしたグループが多かったことから、グループの長期化が進み、ボーイズグループは定番化していく。さらに2000年代、アジアでは東方神起が扉を開いた韓国ブームとともに、BIGBANG、SHINeeらがアジア全域にK-POPの名を知らしめていった。
そして、2010年、現在のボーイズグループ時代の礎を築くグループ「ONE DIRECTION」が結成される。
ONE DIRECTION - STORY OF MY LIFE
2015年にはシングル『Perfect』で5枚連続、Billbord Hot 100初登場トップ10入りを果たし、ザ・ビートルズが果たした4枚連続を超えるグループに成長。絶頂を迎えていた5人だったが、その翌年、2016年1月に活動休止を発表。未だ沈黙を守り続けている。
ボーイズグループ、ヒットの統計を分析(欧米編)
ここからはエンタメライターのまいしろさんを迎え、欧米とK-POPに分けてヒットの法則を探っていく。まずは、欧米におけるボーイズグループ人気について解説した。あっこゴリラ:欧米では、今どんなグループが人気なんですか?
まいしろ:最も注目されているのが、アメリカとカナダ出身の5人組「Why Don’t We」です。YouTube総再生回数は2億を超え、サマソニにも出演しています。最近リリースしたシングルは、あのBTSを破り1位を獲得しました。
Why Don't We - Air of the Night (Smooth Step)
あっこゴリラ:サイモン・コーウェルとは?
まいしろ:イギリス出身の音楽プロデューサーです。オーディション番組の審査員としても有名で、ONE DIRECTIONが結成された『Xファクター』の製作総指揮も務めている人物です。ラテン系ボーイズグループ「CNCO」やLA発ボーイズグループ「PRETTYMUCH」などもサイモン・コーウェルが関与していて、世界で一番ボーイズの才能を見出せる人だと思います。
あっこゴリラ:全然知らなかったです。
まいしろ:あとはエド・シーランとの関係ですね。
あっこゴリラ:エド・シーランと絡んでおけば間違いないっていうね! あはははは。
まいしろ:本当にそうなんですよ。これはきっと、エド・シーランの曲がボーイズグループと相性が良いからだと思います。ONE DIRECTIONもそうですが、先ほど紹介したWhy Don’t WeやPRETTYMUCHも楽曲提供を受けています。CNCOはまだですが、めちゃくちゃアピールしているので、そろそろかなと思っています。
PRETTYMUCH - Summer on You
「ボーイズグループ、ヒットの統計を分析! K-POP編」
現在世界中を席巻するボーイズグループ・BTS。K-POPアーティストと欧米アーティストでは、やはり定義が変わってくるのだろうか。まいしろ:一番違ってくるのは人数で、かなりバラバラです。気になって調べてみたら、K-POPの人数ってだんだん増えていってるんですよね。80年代は平均3人くらいでしたが、ここ数年は平均7人くらいのグループが増えています。
SKY-HI:これは、ひとえにダンスパフォーマンスのレベルの向上だと思いますね。
あっこゴリラ:なるほど~。では、「ネクストBTS」として注目のグループは?
まいしろ:なかでも注目なのが「SEVENTEEN」です。13人組のグループで、振り付けから作詞作曲までメンバーが手掛けています。雑誌『anan』でも表紙を飾るなど日本でも人気があります。さらに、先日リリースされたアルバムは、予約だけで110万枚を突破しました。
SEVENTEEN - AH! LOVE
あっこゴリラ:ファンの呼び方は、もはや必須条件になっているんですね。
まいしろ:そうですね。さらに注目なのは、K-POPではスウェーデン人プロデューサーが作っている曲が多いことです。
SKY-HI:スウェーデンはプロデューサー大国ですからね。J-POPでも多いですよね。
欧米とK-POPで分けてボーイズグループを分析してきたが、今、世界で通用するための条件とは何なのだろうか。
まいしろ:やはり楽曲提供者が豪華だったり、ボーイズグループに興味ないリスナーを取り込めるような楽曲が必要になると思います。そして、ダイバーシティの時代に様々な国の人に親近感を持ってもらえるような工夫、努力が大事ですね。そういう努力をコツコツ積み重ねているグループが結果売れています。
SKY-HIの考えるボーイズグループとは
最後にSKY-HIの考えるボーイズグループについて訊いてみた。SKY-HIは9月、マネジメントとレーベル機能を持つ新会社「BMSG」を設立した。SKY-HI:15年間アーティストとして活動してきた中で見えてきた日本のシーンの問題点や、SNS社会とアーティストの関係を考えたときに、クリエイトに集中できる環境作りが最重要課題であり、最難関だと感じたんですよね。アンダーグラウンド、HIP-HOPからポップスのトップまで見てきた自分なら解決の糸口も見えると思い、後進のために設立しました。
あっこゴリラ:ちなみに、近年のK-POPの勢いをどう感じていますか?
SKY-HI:K-POPに追い付けっていうのは、たぶん間違ってないんだけど、正解でもなくて。シンプルにK-POPがすごいことになっていったのは、内需が無理だったから。世界的にヒットするしかなかったわけですよね。それにはクオリティの高いダンス、パーソナリティーなど、そういうグループを作っていくしかなかった。日本は一回そこに立ち返る必要があると思うんです。
あっこゴリラ:誰かがやらなきゃいけないというか、個人個人でもそういう意識になってきてると思いますね。ボーイズグループでそれをやってくれるのは、SKY-HIさんしかいないと思ってるから。マジで応援する!
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