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「ヘルプマーク」はどんな意味? 見かけたらどうすればいい?

画像素材:PIXTA

「ヘルプマーク」はどんな意味? 見かけたらどうすればいい?

赤地に十字とハートが白で描かれた「ヘルプマーク」を知っているだろうか? 外見ではわからなくても、状況によって配慮や援助が必要なことをまわりの人たちに知ってもらうためのものだ。かばんなどにつけて用いる。

どういった人たちがつけるのか。つけている人を見かけたらどうすればいいのか。ヘルプマークについて、特定非営利活動法人「希少難病ネットつながる(RDneT アールディネット)」理事長の香取久之さんが解説した。香取さんは自身もいくつかの難病を抱えており、ヘルプマークの存在を広める活動をしている。

香取さんが解説をしたのは、J-WAVEの番組『JAM THE WORLD』のワンコーナー「CASE FILE」。ここで紹介するのは、8月17日(月)と18日(火)のオンエア。

健康そうな見た目でも、病気や障がいを持つ人がいる

ヘルプマークは東京都福祉保健局が制作したマークだ。義足や人工関節を使用している人、内部障がいや難病の人、また病気ではないが妊娠初期の人も含めて、外見からはわからないが援助や配慮を必要としている人たちが、周囲に配慮が必要だと知らせるためのもの。この病気なら使っていい、というような指定はない。

香取:あくまでも、見た目ではわからないけれど病気や障がいなどを抱えている人が身につけて援助を受けやすくしましょう、そして優しい社会を作りましょう、というマークです。たとえば、公共交通機関でヘルプマークを着けている人を見かけたら席を譲ってあげるとか、何かあったときにも援助がしやすいですよね。そういう目的で作られました。

たとえば障がいには、突発的な出来事への対応が困難といった症状をもつものがある。そんな人に対し、公共機関で事故や災害などが発生したとき、声をかけて援助しやすくなる。その他に考えられるケースとして、東京都福祉保健局では以下の対処法を掲載している。

電車・バスの中で、席をお譲りください。
外見では健康に見えても、疲れやすかったり、つり革につかまり続けるなどの同じ姿勢を保つことが困難な方がいます。 また、外見からは分からないため、優先席に座っていると不審な目で見られ、ストレスを受けることがあります。

駅や商業施設等で、声をかけるなどの配慮をお願いします。
交通機関の事故等、突発的な出来事に対して臨機応変に対応することが困難な方や、立ち上がる、歩く、階段の昇降などの動作が困難な方がいます。

災害時は、安全に避難するための支援をお願いします。
視覚障害者や聴覚障害者等の状況把握が難しい方、肢体不自由者等の自力での迅速な避難が困難な方がいます。

東京都福祉保健局「ヘルプマーク」ページより)
また、ヘルプマークにはシールが同封され、緊急連絡先や自分の状態を書いてマークの後ろに貼ることができるため、このマークを身に着けている人が倒れたときにも対処しやすい。

香取:しかし、シールにいろいろな情報を書いたヘルプマークをカバンなどに着けていると、不特定多数の人に自分の状態が知られてしまう。それを嫌だと感じる人はシールを張らずにマークだけを着けるだけでもよいです。

ヘルプマークは東京都から全国に広まった

ヘルプマークはもともと人工関節をつけた議員の発案で制作。2012年に都営地下鉄大江戸線で配布が始まり、2013年からは全ての都営地下鉄や都営バス、都電荒川線などでも開始された。その後は民間企業などが普及啓発に協力したことで、徐々に広まっていったという。

香取:都営地下鉄大江戸線はヘルプマークを配布するだけではなく、優先席へのステッカー標示なども始め、それがどんどん普及されています。現在はヘルプマークの他に、緊急連絡先や必要な支援内容が記載された紙製のヘルプカードも制作されています。そのカードは各自治体で作っているのでデザインがバラバラだったりします。

ヘルプマークの著作権は東京都が持ち、商標登録もしているが、一定の要件を満たせば、ガイドラインに添って自由に作成することができるのだ。現在、ヘルプマークは1道2府40県で導入され(2020年8月時点)、各自治体や駅、病院、福祉センターで配布されている。

香取:最近はヘルプマークを身につけてる人を見かけることが多くなってきた印象です。2020年のオリ・パラに向けていろいろな団体や個人がヘルプマークを広げようとした結果だと思います。また、2017年7月にJIS(案内用図記号)に採用されたことも広まった要因としては大きいですね。最初は東京で作ったものですが、JISに採用された段階で、日本国内の統一マークということになりました。さらに国際規格ということで、海外の人にも「これは見た目ではわからないが何か配慮・援助が必要な人が着けるマークなんだな」とわかるようになったので、当たり前に広まってきたように感じています。

ヘルプマークをつけている人を見かけたら、そのときの状況に応じて自分ができることはないか、考えてみよう。

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