新型コロナウイルスのワクチンに関する情報が、メディアで報じられるようになった。副作用などを不安に感じる人もいるだろう。実際に接種した人の感想は?
ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学 緩和医療科の山田悠史医師が、「接種時の痛み」「同じくワクチンを接種した同僚の様子」などを語った。
山田医師が登場したのは、J-WAVEの番組『JAM THE WORLD』のワンコーナー「CASE FILE」1月25日(月)~28日(木)のオンエア。ここでは26日(火)のオンエア内容をお届けする。
トークは、デジタル音声コンテンツ配信サービス「SPINEAR」でも聞くことができる。
【1回目】専門である老年医学科についてや、老年医学科に興味を持った理由
【2回目】新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた率直な感想
【3回目】山田医師が考える新型コロナウィルスのワクチンの有効性や予防医学の課題について
【4回目】ワクチン接種とリーダーシップについて
昨年12月中旬にアメリカでワクチンの緊急使用が開始。その数日後に病院の方から摂取の順番を知らせるメールが届いたという。優先順位はまず救急(ER)に勤務する医療者、次にコロナの重症患者を扱う集中治療室に勤務する医療者、そして3番目に山田さんの勤務する感染症病棟に携わる医療者が摂取を受けることになった。
山田:接種自体は、本当に細い針を1秒ほどで刺されるだけなので、ほとんど何も感じませんでした。痛みは、その接種の瞬間も接種の後もほとんど感じなかったです。接種後を振り返ってみると、接種の翌朝、起きると打ったところの筋肉の違和感が少し出て、それが2日ほど続きましたが、それ以外は体調の変化として気付けるものは摂取してから1カ月ほど経過しているのですけれど(※オンエア時)、今でも何も感じてはいません。ただ、これは僕個人の話であり、周りの同僚を見渡してみると、38度を超える熱を出している方がいたり、あるいはそれで休みを取らなきゃいけないというような方もいたりしました。
同僚がワクチン接種の副反応によって体調を崩し、山田医師がカバーすることもあったという。
山田:そういった副反応を経験した人もいたんですけども、共通していたことは、みなさんが体調を崩しても、市販薬などを飲んですぐに体調が回復するようなケースが多かったということです。そして、休みを取った人でも次の日にはなんともない顔をして仕事をしている人が多かったというのが印象的でしたね。そういう体調を崩された方に「接種をして後悔してる?」と訊いてみたのですが、そういった副反応を経験した人でも「接種をして本当に良かった」というように話されていたことが印象に残っています。
山田:このワクチンは早く開発されたとはいえ、技術の開発自体は20年以上も前から進んでいたものなんです。20年前から治験が重なり、その集大成がこのパンデミックというような危機に直面して発揮された。そんなふうに考えるといいのかなと思っています。パンデミックが始まってから1年ぐらいでできたワクチンなんですけども、実はその中で安全性や有効性を確かめる臨床試験は、他のあらゆる薬やワクチンと同様に、第1層試験って呼ばれる試験から第3層試験まで確かなステップを踏んでいます。決してどこかのステップをごまかしたり省略したりしてみなさんの元に届けられているわけではなく、しっかりと数万人単位で試験をして、安全で有効であるということを確認してから普及をしている。そういったところにも目を向けていただくといいのかなと思います。
ワクチン接種により「将来、新しいリスクが見つかるのではないか?」という可能性を完全に否定することはできない。しかしその状況は現代の医療のあらゆる薬やワクチンと同じだと話す。
山田:たとえばインフルエンザのときに飲む薬・タミフルにも、今のワクチンと同じように不安視されていた時代があったんですよね。でも、だんだんと世間に浸透して、今は一般的に使われています。新型コロナウィルスのワクチンは、新しいメカニズムを持ったワクチンなんですけども、このワクチンだけが特別やり玉にあげられるという理由はないのかなと思っています。
『JAM THE WORLD』のワンコーナー「CASE FILE」では、時代を映すニュースなキーワードを、リスナーの記憶にファイリングする。放送は月曜~木曜の19時25分頃から。
ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学 緩和医療科の山田悠史医師が、「接種時の痛み」「同じくワクチンを接種した同僚の様子」などを語った。
山田医師が登場したのは、J-WAVEの番組『JAM THE WORLD』のワンコーナー「CASE FILE」1月25日(月)~28日(木)のオンエア。ここでは26日(火)のオンエア内容をお届けする。
トークは、デジタル音声コンテンツ配信サービス「SPINEAR」でも聞くことができる。
【1回目】専門である老年医学科についてや、老年医学科に興味を持った理由
【2回目】新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた率直な感想
【3回目】山田医師が考える新型コロナウィルスのワクチンの有効性や予防医学の課題について
【4回目】ワクチン接種とリーダーシップについて
ワクチンを接種した感想は?
山田さんの専門は「老年医学科」。主な患者が高齢者であることもあり、新型コロナウィルスのワクチン接種をすぐに決めた。昨年12月中旬にアメリカでワクチンの緊急使用が開始。その数日後に病院の方から摂取の順番を知らせるメールが届いたという。優先順位はまず救急(ER)に勤務する医療者、次にコロナの重症患者を扱う集中治療室に勤務する医療者、そして3番目に山田さんの勤務する感染症病棟に携わる医療者が摂取を受けることになった。
山田:接種自体は、本当に細い針を1秒ほどで刺されるだけなので、ほとんど何も感じませんでした。痛みは、その接種の瞬間も接種の後もほとんど感じなかったです。接種後を振り返ってみると、接種の翌朝、起きると打ったところの筋肉の違和感が少し出て、それが2日ほど続きましたが、それ以外は体調の変化として気付けるものは摂取してから1カ月ほど経過しているのですけれど(※オンエア時)、今でも何も感じてはいません。ただ、これは僕個人の話であり、周りの同僚を見渡してみると、38度を超える熱を出している方がいたり、あるいはそれで休みを取らなきゃいけないというような方もいたりしました。
同僚がワクチン接種の副反応によって体調を崩し、山田医師がカバーすることもあったという。
山田:そういった副反応を経験した人もいたんですけども、共通していたことは、みなさんが体調を崩しても、市販薬などを飲んですぐに体調が回復するようなケースが多かったということです。そして、休みを取った人でも次の日にはなんともない顔をして仕事をしている人が多かったというのが印象的でしたね。そういう体調を崩された方に「接種をして後悔してる?」と訊いてみたのですが、そういった副反応を経験した人でも「接種をして本当に良かった」というように話されていたことが印象に残っています。
コロナワクチンは20年にわたる治験の集大成
ワクチン接種への不安や、「どうしてこんなに早くできたのか?」と疑問を感じる人は少なくないだろう。それは、ワクチンに対する知識が不足しているからかもしれない。「怖いという感情は全くなかった」という山田医師も、「それはもしかしたら論文を日常的に読んで、背景を理解していたからということもあるのかもしれません」と話す。山田:このワクチンは早く開発されたとはいえ、技術の開発自体は20年以上も前から進んでいたものなんです。20年前から治験が重なり、その集大成がこのパンデミックというような危機に直面して発揮された。そんなふうに考えるといいのかなと思っています。パンデミックが始まってから1年ぐらいでできたワクチンなんですけども、実はその中で安全性や有効性を確かめる臨床試験は、他のあらゆる薬やワクチンと同様に、第1層試験って呼ばれる試験から第3層試験まで確かなステップを踏んでいます。決してどこかのステップをごまかしたり省略したりしてみなさんの元に届けられているわけではなく、しっかりと数万人単位で試験をして、安全で有効であるということを確認してから普及をしている。そういったところにも目を向けていただくといいのかなと思います。
ワクチン接種により「将来、新しいリスクが見つかるのではないか?」という可能性を完全に否定することはできない。しかしその状況は現代の医療のあらゆる薬やワクチンと同じだと話す。
山田:たとえばインフルエンザのときに飲む薬・タミフルにも、今のワクチンと同じように不安視されていた時代があったんですよね。でも、だんだんと世間に浸透して、今は一般的に使われています。新型コロナウィルスのワクチンは、新しいメカニズムを持ったワクチンなんですけども、このワクチンだけが特別やり玉にあげられるという理由はないのかなと思っています。
『JAM THE WORLD』のワンコーナー「CASE FILE」では、時代を映すニュースなキーワードを、リスナーの記憶にファイリングする。放送は月曜~木曜の19時25分頃から。
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