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猫が愛されるのは、ねずみのおかげ? 『ざんねんないきもの事典』の著者が解説

画像素材:PIXTA

猫が愛されるのは、ねずみのおかげ? 『ざんねんないきもの事典』の著者が解説

2020年はねずみ年。今回は「猫が人間と仲良くなったのはねずみのおかげ?」と題して、日本動物科学研究所の所長で累計350万部を突破した大人気書籍『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(高橋書店)の著者・今泉忠明さんが、誰かに話したくなるような「ねずみの豆知識」を紹介した。

【1月2日(木)『JAM THE WORLD』の「CASE FILE」(ナビゲーター:グローバー)】

■なぜ、ねずみは嫌われ者になってしまった?

愛らしい姿のねずみだが、衛生面から嫌われることも多い動物。感染症・ペストが大流行したことが原因だ。流行以前は、人間とねずみは仲良しだった。

今泉:江戸時代は、独楽鼠(こまねずみ)などねずみはペットとして飼われていました。独楽鼠は遺伝的な欠陥があるハツカネズミです。代々飼っていると突然変異が起こり、耳の奥の三半規管が異常な個体が時々生まれます。その個体は真っすぐに歩いているつもりだけど方向感覚がなくクルクル回ってしまい、その様子は駒が回るようにみえるため、独楽鼠と呼ばれました。江戸時代はゲームなどないため、そういったねずみを飼ってみんなで楽しんでいました。

しかし、ヨーロッパで人口の3分の1が亡くなるほどペストが流行し、日本に病気が入ってくると状況は変わる。

今泉:ドイツから来日した医者は「猫を飼いなさい」と伝えたそうです。そのあと、猫のおかげかはわからないですが、ペストは治まりました。しかしそれ以降も、ドブネズミを代表として、「ねずみは危ない」とされてきたのです。

ペストが移るのはねずみに付いたノミが原因。ノミが人間にも食いついて、ペストを発症するのだ。猫はペストにかからないのだとか。


■猫が人間と仲良くなった理由

今泉によると、「そもそも猫が人間のもとへ来たのは、ねずみが増えたから」だという。

今泉:人間が農業をするようになった頃に、西アジアでねずみが増え、ハツカネズミという種類ができたそう。それを狙って野生のリビアヤマネコが人間の集落に寄ってきて、一緒に住むようになりました。家畜の中で動物から寄ってきたのは猫だけですね。農業を始めたばかりの人間が食糧倉庫に保管する種などをねずみに食べられては困るので、それを防ぐ猫は「いい動物」となりました。だから、猫と仲良くなったんでしょうね。

また、今泉さんは「猫がいると健康になる」とも話す。

今泉:ドブネズミなどは夜な夜な台所の残り物にオシッコなどを引っかけてしまい、それを人間が食べると病気になることが多い。猫を飼うとそのネズミを退治するから人間は健康になるんです。つまり「猫がいれば幸せ」となる。その考えが、招き猫などにつながっていったわけですね。

ねずみと猫、そして人間との関係。ねずみ年の豆知識として、話題にしてみては?

『JAM THE WORLD』のワンコーナー「CASE FILE」では、時代を映すニュースなキーワードを、リスナーの記憶にファイリングする。放送は月曜~木曜の19時30分頃から。お楽しみに!

【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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