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草川直弥と学ぶ「ファッションとSDGs」 年間で3,300億着もの服が捨てられている

草川直弥と学ぶ「ファッションとSDGs」 年間で3,300億着もの服が捨てられている

俳優でアーティストの草川直弥とSHELLYがJ-WAVEで対談。ファッションとSDGsをテーマに、専門家の話を聞いた。

トークを繰り広げたのは、“私たちの生活、未来のために、明日からすぐ行動できる身近なアクションのきっかけを作る”というコンセプトで2025年3月23日までお届けしていた『J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』。草川が出演したのは2025年2月23日。

この番組は、SDGsに関する活動を後押しする情報発信・体験の場である、青山のITOCHU SDGs STUDIOから発信。オンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。



・ポッドキャストページ
https://spinear.com/branded-podcasts/itochu-dear-life-dear-future/

日本人は「洗濯の回数」が非常に多い…問題点は?

まず「SDGsで興味があることは?」とSHELLYに質問された草川は、「洋服が好きなので、ファッション業界とSDGsの関係についてもっと詳しく知りたい」と答える。

SHELLY:普段、洋服にはこだわっていたりするの?

草川:そうですね。特に古着が好きなんですけど、古着は誰かが着ていたりするものなので、それが本当にSDGsに関係するのか。それを知ることによって、より古着が好きになれるんじゃないかと思っています。

そこで、今回は人や環境に配慮したエシカルファッション専門のセレクトショップ「Enter the E」の代表・植月友美さんを招き、ファッション業界とSDGsの関係について教えてもらうことに。

Enter the E

植月:ファッションはSDGsの目標12の「つくる責任、つかう責任」にフォーカスしがちなんですけど、実はSDGsが掲げる17の目標すべてに関わっていると言っていいかもしれないくらい深い関わりがある大きな産業なんです。たとえば、目標6の「安全な水とトイレを世界中に」とファッションのつながりだと、デニム1本を作るときに最大10,900リットルくらいの水を使うんです。これは、ひとりが10年で飲む量と同じと言われているくらいなんです。

植月さんは、膨大な水の消費量により、国連からも問題視されていると話す。続いて、目標13の「気候変動に具体的な対策を」とファッションの関係について説明する。

植月:目標13の「気候変動に具体的な対策を」では、ファッション業界は年間10億トンくらいのCO2を排出するくらい巨大な産業で、エネルギー業界の次(に排出量が多い)と言われています。原材料を生産する際にCO2が大量に排出されているのですが、実は洋服を買って着ている最中に出ているCO2もあります。たとえば、洗濯をしたりアイロンをかけたり。日本人はきれい好きでこまめに洗濯しますよね。気候変動とつながりがなさそうで、実は洋服とCO2って身近に関わりあっています。

SHELLY:それで言うと、私たちにすぐできることのひとつは、洗濯の回数を減らすことですよね。日本人って、洗濯の回数が多いんですよね。

植月:年間平均で日本人は512回もの洗濯をしているという調査結果を出しているところもあって、一方で人口の多い中国とかよりも倍くらい多いと言われています。

SHELLY:わかりやすい基準として、体に直接触れて体液が付いたものと汚れが付いたものしか洗わないっていう基準(にするとか)。

草川:僕は冬だと、今おっしゃっていた、肌に触れるものしか洗わないかもしれないですね。

SHELLY:すばらしい。

植月:洗濯の頻度を抑えることで、気候変動に自分は加担しないっていう身近なアクションにつながりますよね。

草川:洗うと生地が縮んだりとかするからケアの意味でしていたんですけど、まさかそこに(SDGsも)つながっているとは思いませんでした。

大量廃棄や労働問題…「安いものには理由がある」

草川は、「売れなくなった洋服が捨てられることが多い」というニュースをよく目にするため、洋服の廃棄にも関心があると話す。

草川:ああいうのも(気候変動などに)関わってくるんですよね?

植月:そうですね。問題は大きく生産時、加工時、消費時、廃棄時と4つに分かれています。廃棄であれば、世界だと9,200万トン、計算すると3,300億着くらいが年間に捨てられています。

SHELLY:これに密接につながっている問題が人権問題ですよね。

植月:ファストファッションと呼ばれる、長くは持たない衣類は早く捨てられてしまう。要するに、大量に生産したあとに早いスピードで捨てられて消費されてしまうところがあり、安く賃金をまかなうために、だいたいはバングラデシュなどの途上国で生産されるんですけど、賃金にして月に8,000円とか、それくらいの低賃金で働かされるといった問題もあります。

SHELLY:賃金の問題もそうですし、そもそも奴隷のように働かされている人たちがいたりとか、休憩も与えられない、トイレもない。

植月:あとは児童労働の問題もありますね。

SHELLY:なので、私たちが覚えておかないといけないことは、「安いものには理由がある」ってことですよね。

そんな状況のなか、植月さんが代表を務めるセレクトショップ「Enter the E」では、地球環境や人権に配慮した取り組みを行っている。

植月:「オーガニックコットン」とか「フェアトレード」と言われるものだけを製造したり販売したりしつつ、どうしてエシカルファッションが大事なのか、ファッションにおいて自分たちの消費や選択によってどういう影響があるのかといったことを説明するために全国をまわっています。

草川:たくさんの問題があるなかで、自分たちが今すぐにできるようなことはありますか?

植月:本当にすぐできることとして、精神論みたいなことになってしまうんですけど、着るものに対して一瞬の幸せよりも長い幸せを考えるとか。「今は欲しいけど、これって一瞬の幸せだよね」と思うのか「自分とさらにほかの未来の幸せを考えて、これはそれにつながるものなのかな」って、まずは洋服に対する意識とどう向き合うかというか。それは誰でもできることですね。

SHELLY:自分が選ぶ側なんだっていう意識をもっと持って、どういうふうに服と付き合っていくかをあらためて考えるっていいかもしれないですね。

洋服をなるべく捨てない心がけ

番組後半では、リスナーから寄せられたSDGsの取り組みを紹介する場面もあった。

リスナー:以前まで寒い日は暖房をつけっぱなしにして寝ることが多かったのですが、雨戸を閉めて冷気を入れないようにしたり、タイマーを使って朝起きる時間に合わせて暖房を付けたりしています。

SHELLY:雨戸を閉めるだけで室温がけっこう変わってくるかもしれないですね。

草川:すぐできそうですよね。

SHELLY:今回の放送で参考になったことはありますか?

草川:さっきのファッションのお話もそうでしたけど、僕が洋服が好きでケアのつもりでやっていたことがSDGsにつながっていたりとか、リスナーさんの暖房の話だと、僕は美容も好きなので、暖房をつけると肌が乾燥するって言われるからあんまりつけないようにしていて、それもSDGsにつながっていたりとか。

SHELLY:結果的にね。

草川:身近にしていることがけっこうSDGsにつながっていることが多いなと思って、面白いですね。

SHELLY:草川さんは学生のときにもSDGsについて勉強していたことがあるんですよね。

草川:3R(Reduce:リデュース、Reuse:リユース、Recycle:リサイクル の総称)とかは教わったことがありますね。

SHELLY:それを日常で取り入れたりしているんですか。

草川:(リサイクルの話で言えば)また洋服の話になるんですけど、僕は洋服をなるべく捨てないようにしていて。売りに行ったり(所属する)「ONE N' ONLY」のメンバーにあげたり、友だちにあげたりとか。僕が着ているものは古着なので誰かが着ていたものとか、どこかの国で誰かがイチから編んだものが売られていて、それを買ってみたいな、そういう出会いとかもあるので、次につなげていけるようには意識していますね。

最後にSHELLYは「10年後はどんな自分になっていたいか。また10年後はどんな社会になっていてほしいか」と、草川に質問した。

草川:これからの10年間は、より有意義に過ごしていきたいなと思って、そっちの思いのほうが強くて、10年後の自分がどうなっているのかなっていうのは正直、全然想像できなくて。ただ変わらず、楽しく活動し続けていけたらいいなと思いますね。あと、社会的にはより一人ひとりがもっと過ごしやすい世の中になったらすごくいいなと思いますね。

SHELLY:今日知ったこととかで、どんどんまわりに伝えていきたいなってことはありましたか?

草川:身近なこと、それこそ洗濯をし過ぎないとか、そういうのはすぐにみんなができることだと思うので、そういう各々がやっている身近なものが実はSDGsにつながっていると思うので、あとは調べることがめちゃくちゃ大事だなって思いました。知らなかったことだらけだったので、これからSDGsについて調べたら、社会的にももっと明るくなるのかなって思いました。

草川は6月に東京・明治座、7月に大阪・新歌舞伎座で開催する舞台『サザエさん』に磯野カツオ役として出演する。また、ダンス&ボーカルユニット『ONE N' ONLY』のメンバーとして活動中。

草川直弥の最新情報は、スターダストプロモーションの公式サイトまで。

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毎月第4日曜
22:00-22:54