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リトルインディア、チャイナタウン…電車で巡るシンガポールの旅

リトルインディア、チャイナタウン…電車で巡るシンガポールの旅

2023年9月29日までJ-WAVEで放送していた、アジアの国々への「イメージトリップ」に誘うプログラム『RINREI ASIAN SOUNDSCAPE』(毎週金曜 24:00~24:30)。毎回アジアの様々な国をフィーチャーし、その土地の人々や文化などとの触れ合いをストーリーに仕立て、音楽とともにお届けする。

旅の水先案内人となるナビゲーターは、『MUSIX ASIA』に引き続き、シンガポールに縁を持つ俳優・金沢雅美が務める。9月22日の放送で訪れた旅先は、マレー半島の南端「シンガポール共和国」。ここでは、金沢の語りで展開された空想旅行の模様と、イマジネーションの旅に彩(いろどり)を添えた楽曲と併せてテキスト形式にて紹介する。

MRT(電車)でシンガポールの街を巡る旅へ

羽田空港を出発して7時間余り。イマジネーションの旅は、チャンギ国際空港に降り立つところから始まる。今回のシンガポール観光は、MRT(電車)を使って街巡りをすることにした。

近代的で開放的な吹き抜けの通路を進み、MRTの乗り場まで移動する。大きな荷物を持っているとタクシーやバスを使いたくなるが、シンガポールのMRTは段差も少なく利用しやすい。

また、North South Lineは赤色、East West Lineは緑色、North East Lineは紫色、Circle Lineは黄色、Downtown Lineは青色、Bukit Panjang LRTは灰色……といった具合に、路線ごとに色分けされているため、旅行者に優しいのも特徴だ。

改札に到着し、路線図を見て行先を確認すれば、いよいよMRTで巡るシンガポールの旅が幕を開ける。それと同時に、女性歌手IHCHのポップなナンバー「SIMPLE KIND OF LOVE」が流れ、出発時の弾む気持ちを盛り上げる。

美しいプラナカン様式の建物

最初に訪れたのは、パヤ・レバー駅。マレー系住民が多く、独特の空気が流れる街だが、近年は再開発が進み、大型ショッピングモールがオープンするなど、景観が様変わりした。

ただ、少し歩けば懐かしい風景が広がる。「ママショップ」と呼ばれる昔ながらの売店には、お菓子やマレー語の新聞・雑誌が所狭しと並べられ、その中心にはお店のおばさんの笑顔が。のんびりした昔ながらの雰囲気に少しほっとした。

駅からジョー・チアット・ロードを南へ。しばらく歩を進めると、西洋とアジアの文化が融合したプラナカン様式の建築物が見えてきた。ブルー、グリーン、ピンク、ホワイト……。カラフルな建物に心が躍る。それぞれに細かい装飾が施されているのも、この建築様式ならではの魅力だ。インスタ映えするスポットだからだろうか。ガイドブックを持った日本人らしき観光客もちらほら見かけ、皆、思い思いの角度から写真を撮っている。

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文化の交わりを感じさせる美しい伝統建築に見とれるひと時……。ここで、OLIVIA ONGによるカーペンターズの名曲「CLOSE TO YOU」のカバーが、ジョー・チアット・ロードの街角にやさしく吹き抜ける風のようにそっと流れる。

現地の人々の日常が垣間見れるチャイナタウン

パヤ・レバー駅からMRTを乗り継ぎ、チャイナタウン駅へ。老舗料理店から最新の人気ショップまで。新旧のお店が入り混じるこの街は、人気の観光エリアだ。

通り沿いの建物をふと見上げると、洗濯物が干してあった。竿の片側を建物にかけ、反対側が外に突き出ている。観光地の中に生活感のある風景が溶け込んでいて、なんとも新鮮だ。

チャイナタウン中心部にあるショッピングスポット「パゴダ・ストリート」へやってくると、道の両側には、様々な雑貨を取り扱うお店がズラリ。安いもの、ユニークなもの、キッチュなもの、伝統的なもの……。すべてをチェックしていたら時間が足りなくなりそうと思いつつも、掘り出しものはないか目を光らせる。

この通りには気軽に一休みできる屋台や、フルーツジュースのお店、マッサージ店があるのも魅力の一つだ。次の目的地へ向かう前に、ひとまず、カフェで小休止。すると男性シンガーJJ LINのバラード「偉大的渺小」が流れ、そのやわらかな歌声がひとときの安らぎを与えてくれた。

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リトルインディアでインドの魅力を堪能

チャイナタウン駅からMRTのNorth East Lineで3つ目、リトルインディア駅へとやってきた。駅から数分歩くと、スパイスやジャスミンの花の豊かな香りが漂ってくる。ここは、リトルインディア・アーケード。インドの魅力がギュッと詰まった異国情緒溢れる場所だ。

アーケード内には小さなお店がズラリ。カラフルな色のパシュミナ、煌びやかに装飾されたバッグ、小物入れなどが売られており、見ているだけで楽しくなる。

散策していると、どこからともなく聴こえてくる陽気な音楽……。その音がする先にあったのは、CDショップだった。お店の人に聞くと、ディープなインド音楽を取り揃えているという。目力の強い男性が陽気にポーズを取っている姿、キラキラしたサリーを着た女性がダンスをしている写真など、エネルギー溢れるジャケットが並ぶ。

その中で目に留まったのは、黄色いインドサラサを着た恰幅のいいアフロ姿の男性がウィンクをしているジャケット。どんな曲が入っているのか……。少しドキドキするものの、記念に買うことにした。

ここまで来たら、寄りたいところがあった。地元のインド系シンガポール人が行く、美容院だ。雑居ビルの2階。豪華なサロンとは言えないが、インドのポップスが流れる店内で白檀のお香に包まれながら、本場のアーユルヴェーダのシャンプーでこれからゆっくり髪を洗ってもらおうと思う。

今日はマレー系、中華系、インド系。MRTで色んな国を巡った一日。

「さぁ、明日はどこへ出かけよう」

そんな思いとともに、女性シンガーTABITHA NAUSERの楽曲「VICES」が流れ、明日へと続く旅の期待感を高めてくれる。

(構成=小島浩平)

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番組情報
RINREI ASIAN SOUNDSCAPE
金曜日
24:00-24:30