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今の女子中高生は「将来の夢」にどう答える? トレンドを見続けた元女子高生社長・椎木里佳が語る

今の女子中高生は「将来の夢」にどう答える? トレンドを見続けた元女子高生社長・椎木里佳が語る

株式会社AMFの代表取締役社長 椎木里佳さんが、起業を始めるきっかけや意外だったトレンド、これからのビジョンを語った。

椎木さんが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『ORIENT STAR TIME AND TIDE』(ナビゲーター:市川紗椰)。9月30日(土)のオンエア内容をテキストで紹介する

現役女子中高生は「真面目」傾向?

椎木さんは中学3年生だった2013年のバレンタインデーに“かわいいを社会へ発信”するため、女子中高生をターゲットにした商品やブランドプロデュースを行う会社「AMF」を設立。「女子高校生社長」として、国内外で大きな話題になった。

その後、女子中高生で構成された「JCJK調査隊」を率いて、10代のマーケティング調査やアドバイスをクライアントに提供。また2017年には、そのトレンド・リサーチ力を生かした「JC・JK流行語大賞」を発表し、話題に。 現在も、Z世代を代表する存在として、さまざまなメディア出演や講演活動を通じて彼らの可能性を広げるため、日々、奔走している。

市川:「JCJK調査隊」は具体的にどうやってリサーチするのでしょうか。

椎木:アンケート調査だとするとLINEとかでアンケートを集めていきます。あとは座談会とかもやっているので、その場合は対面でクライアント含めお話をさせていただくことが多いです。

市川:そのメンバーは現役の女子中学生と女子高校生となるわけですが、どうやって集めるんですか。

椎木:SNSから集めているようなかたちで、基本的には自分で応募してもらって面接があります。

市川:面接って何が問われるんですか。

椎木:トレンド調査力というか、どれくらい自分が普段から見てるかっていうところを聞いています。

市川:そういった女子中学生・女子高校生向けのマーケティングがどのように反映されているんですか。

椎木:商品開発で言うと、ステーショナリーの会社と一緒に手帳を作ったり、女子中高生の声を反映して、より使いやすい手帳とかアイテムを作る取り組みとか、CMとかのコンサル業務もしていて、どうやったら女子中高生に違和感なく伝えられるかっていうことをアドバイスさせていただいたりしています。

将来の夢、最も多い回答は

創業10年目を迎えたAMF。2023年現在、現役の女子中高生はどのような傾向があるのだろうか。

椎木:真面目でわりと堅実な子が多いと思います。いろんなアンケートとかを見てみても失敗したくないっていう傾向が強いと思っています。なので事前にリサーチしてから商品を購入する傾向も強いなと思います。あとは推し活とかもすごくする世代なので、いろんなアニメが好きとかアイドルが好きとか、方向性が違う趣味をいろいろ持っていたりする子も多いですね。

市川:10年前の子よりさらに真面目というか、失敗を恐れるような感じですか。

椎木:そうですね。なかなか堅実というか、夢とか訊いても「会社員」っていう回答がいちばん多かったりするので、そこまで自分の夢をがむしゃらに追いかけるみたいなことはあんまりしない世代なのかなと思います。

市川:コロナ禍も関係しているんですかね。

椎木:コロナ禍で自分の将来がどうなるかわからない不安を感じてる子たちも多いと思いますので、あまり無謀な夢は抱かないでおこうっていう可能性はありますね。

3月、AMFはLGBTQコミュニティを支援する団体「一般社団法人レイブリ」を設立した。

椎木:こちらは「JCJK調査隊」だったメンバーの子が高校3年生のときにLGBTQのコミュニティの支援をしたいということで、団体を立ち上げたいのでアドバイスがほしいと私のところに来て、一緒に立ち上げようっていうふうになって、彼女が代表理事、私が理事として、彼女が高校3年生のときに立ち上げました。そのメンバーはZ世代のLGBTQアーティストの子たちが多いので、そのアートを通してZ世代のLGBTQの考え方とか世界を繋ぐような架け橋となれたらいいなと思っています。

父の助言が起業のきっかけに

幼い頃の椎木さんは読書好きで、1週間で14冊の本を読むような子どもだったと当時を振り返る。

椎木:そこから中学に進学してものすごくはじけて(笑)。中学を代表するいちばんの問題児になりました。すごく疑い深いというか。制服が暗黙の了解で中学3年生と2年生でちょっとアレンジできる幅が違ったんですよ。その意味がわからないとか不毛だなと思って、クラスの子たちに働きかけて、中学2年はリボンを着けちゃいけなかったんですけど、みんなに着けてもらって、先輩に「いやいや、それはダメだよ」って怒られて、みたいなことがあったり。そういうことを各方面でやっていました。

市川:その後、中学3年で起業するわけですが、それはどういったきっかけがあったんですか。

椎木:起業したいと思ったのが中学1年の12歳のときなんですけど、そのときは夢が13個くらいあって。芸能事務所を作りたいとかアプリを作りたいとかいろいろ。その夢を全て叶えるのってすごく時間がかかるから、どうしたらいいんだろうって父に相談したら「起業っていうものがある。それは1つ1つ事業としてできるから、いろんな夢を叶えられるかもね」と教えてもらって、それで起業しようと思いました。でもそのときは大人になってからやればいいなと思ってたんですけど、中学生活を普通に3年間過ごして、すごく自分の中で夢から逃げてるような気がして。

市川:ストイック。

椎木:それで中学3年のクリスマスに、このままじゃダメだっていうふうに思って起業することになりました。

実際に起業を始めた椎木さんには、いろいろな困難があったという。

椎木:高校生のときとかは先生に起業することを理解してもらうことが結構大変で。「高校生で何千万円とか何億円とか動かすのってちょっと違うんじゃないか」って先生からのお話もあったり。今だったらその考えもわかるんですけど、反発したりして大変だったかもしれないです。最初の頃は実績もないので「部活感覚でやってるんでしょ?」みたいなことを直接言われたりしたこともよくありました。そうじゃないってことを証明するために、一生懸命に頑張って実績を作っていくしかないんだなっていうふうに思って、いろいろと営業を頑張っていました。

今注目するトレンドは?

10代からいろいろなトレンドを見てきた椎木さんが、「これが流行るとは思わなかった」という意外なトレンドを明かした。

椎木:タピオカブームは意外というか、日本特有だったなと思います。タピオカってもとあったものじゃないですか。90年代に流行ってみんな飲んではいたけど、当時は爆発的ヒットまではいかず。でもゴンチャとかブランドが出てきて、それを女子中高生たちがいち早くキャッチして「これが今のイケてる飲み物だ」って“タピ活”し始めたときから「あれ、今までの時流と変わってきたな」と。それまではリバイバルは少なかったんですけど、リバイバルの最初というか、その流れを作ったのがタピオカだったんじゃないかなって思います。

市川:今、注目されているものは何ですか?

椎木:キンダーカルトっていう、それこそ大人たちがガチャガチャだったりいわゆる今までだったら子どもがやっていたようなゲームに真剣に取り組むっていうことがすごく流行しているので、それを今までは小ばかにするような風潮があったんですけど、それが大きな時流としてこれからは流行っていくんじゃないかなと思います。

最後に、今後についての話題に。さまざまな活動を行う椎木さんは、この先どのような活動のビジョンを描いているのだろうか。

椎木:もちろん今やっている会社を大きくしていきたいというのはあるんですけど、自分よりも若い子世代の子たちのサポートもしたいなと思っています。自分が見られる世界って限りがあるなって思っていて、私のリソースを活用して、その他の若い世代の子たちが自分の見られない世界を代わりに見て来てほしいなと思っています。

市川:今って起業しようと思う子たちって増えてるんですかね。

椎木:徐々に増えてきてはいると思うんですけど、圧倒的な増加はいろんな面で厳しいところがあったりするので、もっと成功事例というか、いろんな事例を増やしたいなと思っています。

市川:今後、仕事を通してやってみたいこととか、チャレンジしてみたいことはありますか?

椎木:投資はまだやったことがなくて。なので、投資家として若い世代をサポートしていくことには興味があります。

椎木さんは自身の活動を通して伝えていきたいメッセージを語った。

椎木:自分の活動が、若い人たちや女性が、自分の人生の可能性を広げる選択肢として起業を選んだり何かしらビジネスを始めたりするきっかけになればいいなと思って活動をしています。

ゲストの過去・現在・未来に市川紗椰が迫る、J-WAVEの番組『ORIENT STAR TIME AND TIDE』。放送は毎週土曜日の21時から。

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番組情報
ORIENT STAR TIME AND TIDE
毎週土曜
21:00-21:54