アジアの国々への「イメージトリップ」に誘う『RINREI ASIAN SOUNDSCAPE』(毎週金曜 24:00~24:30)。毎回アジアの様々な国をフィーチャーし、その土地の人々や文化などとの触れ合いをストーリーに仕立て、音楽とともにお届けする。旅の水先案内人となるナビゲーターは、シンガポールに縁を持つ俳優・金沢雅美が務める。
9月8日の放送で訪れた旅先は、中国西南部に位置する「四川省」。ここでは、金沢の語りで展開された空想旅行の模様と、イマジネーションの旅に彩(いろどり)を添えた楽曲と併せてテキスト形式にて紹介する。 【これまでのイメージトリップはコチラ】
成都市内までは、天府エアポートエクスプレスを使えば45分前後。旅の目的は、世界遺産と四川省の食文化だ。深い渓谷と森に囲まれた秘境や、世界最大級の大仏を見に行ってみようと思う。
そんな旅のプランに期待感を高める電車の中。台湾の男性シンガーソングライター・KENJI WUの軽快なナンバー「TIME MACHINE」が流れ出し、疾走感溢れるメロディーラインで旅の序章を盛り上げる。
本場の味は違うはず――。夕食の時間を早めて、気になるお店へ入ってみる。
お店は100年以上の歴史がある老舗。広い店内には、褐色の重厚な椅子やテーブルが並んでいた。注文するのは、もちろん、麻婆豆腐だ。運真ん中には、花椒がどっさり。その華やかな香りと唐辛子の芳しさが食欲をそそる。ご飯も一緒にオーダーしたが、これはおかわりの必要がありそうだ。
早速、一口食べてみる。ん? ……ただ、辛いのではない。重なり合う刺激的な辛さが口の中いっぱいに広がった。
現地でしか味わえない本場の味。その感動を、中国のガールグループSING女團による楽曲「寄明月」の中華風なイントロが、より一層引き立てる。
九寨溝を後にし、より高所にある湖沼群「黄龍」へとロープウェイで移動する。人気のスポット・五彩池の標高は、日本の富士山と肩を並べる高さ。参道には舗装された階段があるが、なかなか先が見えない。何百段あるのだろうか……。標高が高いので、あわてずゆっくり、景色を肌で感じながら登る。
ようやく辿り着いた先で目に飛び込んできたのは、乳白色の石灰岩層が棚田状に連なった景色。長い歳月を経て溜まった石灰分が、一千枚のお皿のような池を作っているという。
想像を超えた絶景……。疲れが一気に吹き飛んだ。
ここで流れるのは、男性歌手ICE PAPERの「心如止水」。ひそやかな曲調と、ところどころにインサートする水のエフェクト音が、九寨溝の澄んだ水を想起させる。
成都から約3時間のバス旅を経て、現地に到着。階段を上り、まずは大仏が彫られている崖の上から観賞することに。サイズは奈良の大仏の4倍以上で高さが約71mというだけあって、とにかく巨大だ。上からは頭の部分しか見えないが、横の階段を降りると、下からも拝めるという。
しかし、その階段は思いのほか細く急で、しかも長い……。それにしても、今回は登ったり、降りたりと、体力勝負の旅となった。なんとか大仏の足元までたどり着き、ふと見上げる。すると、優しいその表情と包み込むようなオーラが、心を穏やかにしてくれた。
最後を飾るのは、HIPERSON & FAZIのスローなナンバー「YOU TURN MY FACE TO ANOTHER DAY」。けだるく神秘的なメロディーと歌声が、楽山大仏のミステリアスなアルカイックスマイルをイメージさせる。
(構成=小島浩平)
9月8日の放送で訪れた旅先は、中国西南部に位置する「四川省」。ここでは、金沢の語りで展開された空想旅行の模様と、イマジネーションの旅に彩(いろどり)を添えた楽曲と併せてテキスト形式にて紹介する。 【これまでのイメージトリップはコチラ】
再生は2023年9月15日(金)28時ごろまで
旅の始まりは、21年に完成したばかりの空港から
中国国内を経由して日本から約6時間。イマジネーションの旅は、三国志で有名な蜀の首都として知られる成都の国際ハブ空港「成都天府国際空港」から始まる。ここは2021年6月に開港した真新しい空の玄関口で、日本からの直行便はまだ少ないが、今回はアクセスの良さを理由に選んだ。成都市内までは、天府エアポートエクスプレスを使えば45分前後。旅の目的は、世界遺産と四川省の食文化だ。深い渓谷と森に囲まれた秘境や、世界最大級の大仏を見に行ってみようと思う。
そんな旅のプランに期待感を高める電車の中。台湾の男性シンガーソングライター・KENJI WUの軽快なナンバー「TIME MACHINE」が流れ出し、疾走感溢れるメロディーラインで旅の序章を盛り上げる。
本場の四川麻婆豆腐のお味は?
二千万近い人が暮らしているという成都市は、想像以上に活気に溢れている。日本でも見たことのあるコーヒーショップや飲食店、食料品店や生活雑貨店の名前も見られる。そんな街の中でも目立つのが「四川料理」の文字だ。本場の味は違うはず――。夕食の時間を早めて、気になるお店へ入ってみる。
お店は100年以上の歴史がある老舗。広い店内には、褐色の重厚な椅子やテーブルが並んでいた。注文するのは、もちろん、麻婆豆腐だ。運真ん中には、花椒がどっさり。その華やかな香りと唐辛子の芳しさが食欲をそそる。ご飯も一緒にオーダーしたが、これはおかわりの必要がありそうだ。
早速、一口食べてみる。ん? ……ただ、辛いのではない。重なり合う刺激的な辛さが口の中いっぱいに広がった。
現地でしか味わえない本場の味。その感動を、中国のガールグループSING女團による楽曲「寄明月」の中華風なイントロが、より一層引き立てる。
世界遺産・九寨溝は「想像を超えた絶景」
二日目は早起きして四川省北部の山奥に向かう。まずは、世界遺産の美しい峡谷「九寨溝」へ。ここは1970年代に発見されるまで知られることのなかった秘境。Y字型の峡谷に沿って、100以上の湖や沼、大きな滝が点在しているため、ハイキングも楽しめる。中でも人気なのは、標高三千メートルの場所にある長海、青く透き通った湖、そして山々に囲まれた景色だ。壮大な絵画の前に立ったようで、一瞬にして虜になった。(画像:PIXTA)
ようやく辿り着いた先で目に飛び込んできたのは、乳白色の石灰岩層が棚田状に連なった景色。長い歳月を経て溜まった石灰分が、一千枚のお皿のような池を作っているという。
想像を超えた絶景……。疲れが一気に吹き飛んだ。
ここで流れるのは、男性歌手ICE PAPERの「心如止水」。ひそやかな曲調と、ところどころにインサートする水のエフェクト音が、九寨溝の澄んだ水を想起させる。
楽山大仏のオーラに癒される
三日目の朝。旅気分を高めてくる目覚めの筋肉痛に少し苦笑いしつつ、世界最大級の大仏「楽山大仏」へ参拝するための準備を始める。成都から約3時間のバス旅を経て、現地に到着。階段を上り、まずは大仏が彫られている崖の上から観賞することに。サイズは奈良の大仏の4倍以上で高さが約71mというだけあって、とにかく巨大だ。上からは頭の部分しか見えないが、横の階段を降りると、下からも拝めるという。
(画像:PIXTA)
最後を飾るのは、HIPERSON & FAZIのスローなナンバー「YOU TURN MY FACE TO ANOTHER DAY」。けだるく神秘的なメロディーと歌声が、楽山大仏のミステリアスなアルカイックスマイルをイメージさせる。
(構成=小島浩平)
この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。
radikoで聴く
2022年9月15日28時59分まで
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
番組情報
- 『RINREI ASIAN SOUNDSCAPE』
-
毎週金曜24:00-24:30
-
金沢雅美