音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
一口食べたら止まらない韓国式かき氷やテジクッパ…「釜山」を味わい尽くす旅

一口食べたら止まらない韓国式かき氷やテジクッパ…「釜山」を味わい尽くす旅

2019年にJ-WAVEのアジア専門音楽番組として誕生した『MUSIX ASIA』が、2023年春から、アジアの国々への「イメージトリップ」に誘う新プログラム『RINREI ASIAN SOUNDSCAPE』(毎週金曜 24:00~24:30)へとリニューアル。毎回アジアの様々な国をフィーチャーし、その土地の人々や文化などとの触れ合いをストーリーに仕立て、音楽とともにお届けする。

旅の水先案内人となるナビゲーターは、『MUSIX ASIA』に引き続き、シンガポールに縁を持つ俳優・金沢雅美が務める。8月25日の放送で訪れた旅先は、アジア有数の港湾都市として知られる韓国「釜山」。ここでは、金沢の語りで展開された空想旅行の模様と、イマジネーションの旅に彩(いろどり)を添えた楽曲と併せてテキスト形式にて紹介する。

【これまでのイメージトリップはコチラ】

20230830_BUSANasian_01.jpg

<ナビゲーターの金沢雅美>



釜山のご当地ゆるキャラに思わずほっこり

成田空港から約2時間。イマジネーションの旅は、金海国際空港に降り立つところから始まる。到着ロビーでは、カモメをモチーフにした釜山コミュニケーションキャラクター「ブギ」が出迎えてくれた。心の中で「アニョハセヨ」と挨拶。気持ちが通じたのか、ちょこんとした可愛いくちばしが微かに動いたような気がした。

20230830_BUSAN_asian_02.jpg
空港から電車乗り場に向かう途中、交通カードを忘れたことに気付く。そこで、自動発券機で切符を買うことにしたのだが、韓国語のアナウンスにあたふた。しかし、よく見るとタッチパネル式の画面には「日本語」と、案内言語を変更できるボタンがあることに気付く。

「な~んだ」

ほっとするとともに、切符を買うだけで焦ってしまった自分に苦笑する。とはいえ、こういうこともあるから旅は面白い。

こうしてゆるっと始まった釜山旅行。JUNG KOOK & LATTOのダンサブルなナンバー「SEVEN」が、旅の高揚感を徐々に高めてくれる。

韓国式かき氷「ピンス」に舌鼓

ここ西面は、地下鉄一号線と二号線が交差する釜山の中心に位置する繁華街だ。今回の旅はふと思い立って決めたものだった。1泊2日のショートトリップ。なぜ釜山にしたのか――。買い物をしたかったわけではないし、友人が暮らしているわけでもない。正真正銘、あてのない小旅行だ。

「まぁ、こういう旅もたまにはいいかもしれない」

そんなことを考えていたら、若い女の子のグループとすれ違った。彼女たちが入ったお店の看板には「釜山発祥 ピンス」の文字。韓国式かき氷のお店だ。

ピンスといえば、思い出すのは以前見た韓国ドラマのワンシーン。男性俳優が小豆の乗ったピンスを頼む姿がなんともお茶目で印象的だった。

「どれにしようか」

たくさん種類があってどれも美味しそうだが、お餅にきなこをまぶした韓国の伝統菓子「インジョルミ」が乗っているものを選んだ。提供されたピンスは想像以上にボリューミーだったが、一口食べたら最後。止まらなかった。

そんな「ピンス」にちなんだ楽曲、 BILLIE & YOON JONG SHINの「PATBINGSU(パッピンス)」が流れ、弾むようなサウンドで、甘美なスイーツを口にした時の満足感を盛り上げる。

早起きして韓国最大の水産物市場を散策

翌日は早起きして、韓国最大の水産物マーケット・チャガルチ市場へ。タイ、アワビ、タコ、サザエ……。新鮮な魚介類が所狭しと売られている。また、水槽が並ぶ中で、目に留まったのはカニとロブスター。お店のおじさんが「ここで捌いてあげるよ。すぐに食べるなら二階で調理してくれるからね」と言ってくれたが、一人だと食べきれそうにない。どうしたものかと考えていると。「干物も美味しいよ。お土産にどう?」とさらに満面の笑みで一押しされた。
pixta_54297612_M.jpg

画像:PIXTA

ならば……。「サゲヘジュセヨ(安くしてください)」と、地元気取りで応戦した。

次に向かったのは、釜山発祥の豚肉のスープご飯「テジクッパ」のお店。待っている間、出された小鉢のおかずをつまもうか迷う。キムチやナムルはもちろん、メインに匹敵しそうな一品もある。メインディッシュを食べる前にお腹がいっぱい……なんてことは避けたかった。ということで待つ間、テジクッパを食べる過程を脳内でシミュレーションして時間を稼ぐことにする。

まずは素朴なスープの味をゆっくり楽しむ。次に、大根のキムチを入れて一口。外せないのは、アミの塩辛だ。満腹になる手間で投入する。これを入れると、今まで食べた分がリセットされて、また食欲が出てくるから不思議だ。

「テジクッパ イムニダ(テジクッパです)」

お腹が鳴ったと同時に、目の前に湯気が立ったアツアツのテジクッパが置かれた。

ここで流れるのは、6人組女性アイドルグループ・APINKのポップなナンバー「D N D」。賑やかで耳馴染みの良いサウンドが、テジクッパを堪能するひと時に彩を加える。

360度の展望台で見る、個性豊かな街並み

旅の締めくくりに、釜山タワーの展望台へのぼることにした。夜景も素敵だが、今回は明るいうちに釜山の街並みを見たくなった。賑やかな街の中にタワー入口へ通じるトンネルのエスカレーターがある。トンネルを抜けると、真っ白な釜山タワーと真っ青な空。そのコントラストに一瞬目がくらんだ。
pixta_44740387_M.jpg

画像:PIXTA

タワーには、デジタルアートを楽しめるスペースがある。見る人の動きに合わせ、映像が変化したり、釜山の街をイメージしたエリアでは四季折々の街の風景が楽しむことができる。ほかにも、買い物心をくすぐる雑貨屋さんなど、展望台以外にも楽しめるところがたくさん。寄り道しようかと思ったが、ここは初志貫徹。まずは展望台へ登ろう。

「南はプサン港。ロッテホテルがあるのが東で……北は?」

展望台で360度ぐるっと回りながら、東西南北、趣の違う釜山の街をゆっくり望む。目を引いたのは、カラフルな屋根の家々が並んだ街。一つひとつがオモチャの宝箱のようで、手を伸ばして空けて見たくなる。どんなものが飛び出してくるのか。まるで子どもに還ったようにワクワクさせてくれる。

釜山は古い街並みを残しながらも、町全体で若い芸術家を応援しているという。一面に広がる釜山の景色は、時間と人が作り上げたアート作品、といったところか。

ふと思い立ちやってきた釜山。気付けば、この街のエネルギーにたくさんの元気をもらった。海鮮もスイーツももっと食べたいし、おしゃれな雑貨も見て回りたい。次はもっと長くここに滞在したいと思う。--来てよかった。

そんな感慨とともに、男性シンガーLIM YOUNG WOONGのバラード「GRAIN OF SAND」が流れ出し、しっとりと心地よい歌声&ギターの音色が旅のエンディングを飾る。

(構成=小島浩平)

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン
radikoで聴く
2023年09月01日28時59分まで

PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

番組情報
『RINREI ASIAN SOUNDSCAPE』
毎週金曜
24:00-24:30