最近の映画業界の動向や、今後のビジネス展開について注目した。
この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・大島真帆)のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」。5月3日(水)のオンエア内容をテキストで紹介する。
島村:全体的にはコロナ禍前の水準に戻りつつあります。2022年の年間興行収入は約2,130億で、コロナ禍前の5年間の平均の1割減まで迫ってきています。2020年と2021年は3、4割減だったので、2022年はかなり好調だったと言えます。好調の主な要因としては、『ONE PIECE FILM RED』だったり『THE FIRST SLAM DUNK』『すずめの戸締まり』といった邦画アニメーションのヒットが連発したことです。あとは、洋画も少し回復しつつありますね。とは言っても、課題はまだまだあります。年齢層が上の人は、まだ映画館に戻ってきていません。
サッシャ:若い世代が映画館に行っているんですね。
島村:邦画アニメーションで言うと、若い層を中心にもっと幅広い世代に受け入れられたのが大ヒット連発になったと思います。ただ、全体的に見るとまだまだ上の世代は戻りきっていないというのが映画業界の現状です。
島村:数字で言うと、3,648スクリーンから3,634スクリーンなので、14スクリーン減ったことになります。
サッシャ:大幅に減ったわけではないんですね。
島村:原因は、オープンした映画館が極端に少なかったからですね。コロナ禍の影響で閉館した映画館もいっぱいあります。
サッシャ:コロナ禍で新規出店ができなかったのと、インフラ的にシネコンが行き渡ってきたのもあるのでしょうか?
島村:増えなかったところはそういったところも考えられますね。2023年はいろんな映画館がオープンする予定です。
島村:邦画アニメーションが日本を飛び越えて海外でも評価されてきているのがすごく興味深いです。
サッシャ:『THE FIRST SLAM DUNK』もそうですもんね。
島村:中国や韓国でも大ヒットしていますね。あとは、新海 誠監督の『すずめの戸締まり』は21年ぶりにベルリン国際映画祭のコンペに入るなど、権威のあるところから評価されるようになったのも1つの流れですね。
サッシャ:あとは『RRR』が社会現象となっていますよね。
島村:コロナ禍が落ち着いたことによって、応援上映がだんだんと盛り上がってきています。『RRR』は2022年10月から上映した作品なんですけども、まだ公開されているんですよ。『RRR』の現場を取材したことがあるんですけど、あるファンの方は50回以上観たそうです。
動画配信サービスと映画館との立ち位置は、今後どのようになっていくのだろう?
島村:共存していけると思いますし、すでにしているんじゃないかなと思います。大ヒット作品の裏で、思うようなポテンシャルを発揮できない作品の受け皿に配信はなっていると感じています。最近、映画館で上映してから配信までの期間が短くなってきているじゃないですか。映画館で観られなかった人たちのニーズを、動画配信サービスは満たしていると思いますね。
サッシャ:Netflixは映画製作スタジオを立ち上げていますけども、逆にDisney+やHBOといった、映画会社が作っている配信サービスもありますよね。映画会社としてはどのような思いがあるんでしょうか?
島村:コロナ禍では「配信ファースト」という流れがありましたから、そういった経営判断をする会社はたくさんありましたね。ただ、今年はディズニー100周年記念作品の『ウィッシュ』や『リトル・マーメイド』が映画館で公開する方針だと聞いていますし、映画館上映してから配信という流れに戻っていくかなと予想しています。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・大島真帆)のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」。5月3日(水)のオンエア内容をテキストで紹介する。
邦画アニメーションの快進撃が続く
今回は、映画業界の現状と今後の動向をチェック。ゲストに文化通信社の映画記者・島村卓弥さんが登場した。コロナ禍を経て、映画業界はどのように変化したのだろうか?島村:全体的にはコロナ禍前の水準に戻りつつあります。2022年の年間興行収入は約2,130億で、コロナ禍前の5年間の平均の1割減まで迫ってきています。2020年と2021年は3、4割減だったので、2022年はかなり好調だったと言えます。好調の主な要因としては、『ONE PIECE FILM RED』だったり『THE FIRST SLAM DUNK』『すずめの戸締まり』といった邦画アニメーションのヒットが連発したことです。あとは、洋画も少し回復しつつありますね。とは言っても、課題はまだまだあります。年齢層が上の人は、まだ映画館に戻ってきていません。
サッシャ:若い世代が映画館に行っているんですね。
島村:邦画アニメーションで言うと、若い層を中心にもっと幅広い世代に受け入れられたのが大ヒット連発になったと思います。ただ、全体的に見るとまだまだ上の世代は戻りきっていないというのが映画業界の現状です。
スクリーンの数が減少
2021年から2022年にかけての劇場のスクリーン数は、10年ぶりに減少したという。島村:数字で言うと、3,648スクリーンから3,634スクリーンなので、14スクリーン減ったことになります。
サッシャ:大幅に減ったわけではないんですね。
島村:原因は、オープンした映画館が極端に少なかったからですね。コロナ禍の影響で閉館した映画館もいっぱいあります。
サッシャ:コロナ禍で新規出店ができなかったのと、インフラ的にシネコンが行き渡ってきたのもあるのでしょうか?
島村:増えなかったところはそういったところも考えられますね。2023年はいろんな映画館がオープンする予定です。
動画配信サービスと映画館は共存関係にある?
島村さんは、近年の映画業界で盛り上がったトピックスを取り上げた。島村:邦画アニメーションが日本を飛び越えて海外でも評価されてきているのがすごく興味深いです。
サッシャ:『THE FIRST SLAM DUNK』もそうですもんね。
島村:中国や韓国でも大ヒットしていますね。あとは、新海 誠監督の『すずめの戸締まり』は21年ぶりにベルリン国際映画祭のコンペに入るなど、権威のあるところから評価されるようになったのも1つの流れですね。
サッシャ:あとは『RRR』が社会現象となっていますよね。
島村:コロナ禍が落ち着いたことによって、応援上映がだんだんと盛り上がってきています。『RRR』は2022年10月から上映した作品なんですけども、まだ公開されているんですよ。『RRR』の現場を取材したことがあるんですけど、あるファンの方は50回以上観たそうです。
動画配信サービスと映画館との立ち位置は、今後どのようになっていくのだろう?
島村:共存していけると思いますし、すでにしているんじゃないかなと思います。大ヒット作品の裏で、思うようなポテンシャルを発揮できない作品の受け皿に配信はなっていると感じています。最近、映画館で上映してから配信までの期間が短くなってきているじゃないですか。映画館で観られなかった人たちのニーズを、動画配信サービスは満たしていると思いますね。
サッシャ:Netflixは映画製作スタジオを立ち上げていますけども、逆にDisney+やHBOといった、映画会社が作っている配信サービスもありますよね。映画会社としてはどのような思いがあるんでしょうか?
島村:コロナ禍では「配信ファースト」という流れがありましたから、そういった経営判断をする会社はたくさんありましたね。ただ、今年はディズニー100周年記念作品の『ウィッシュ』や『リトル・マーメイド』が映画館で公開する方針だと聞いていますし、映画館上映してから配信という流れに戻っていくかなと予想しています。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
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