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成田 凌、前田敦子との共演で感じた「懐の深さ」 ロケバスで練習したことは?

成田 凌、前田敦子との共演で感じた「懐の深さ」 ロケバスで練習したことは?

俳優の成田 凌と、映画監督・松居大悟がJ-WAVEで対談。成田主演の映画『コンビニエンス・ストーリー』の話題や、「ブレイクっ!」のコーナーで盛り上がった。

成田が登場したのは劇団ゴジゲンの主宰である松居がナビゲートする、J-WAVEで放送中の『JUMP OVER』。オンエアは8月10日(水)。同番組ではラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を越えた企画を発信し続けている。

【radikoで聞く】https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220811020504

※再生は2022年8月17日まで

「いい芝居」をなぞると、うまくいかない

成田は6月に初舞台となる『パンドラの鐘』に出演。この作品を東京・Bunkamuraシアターコクーンで観たリスナーから成田にこんなメッセージが届いた。

「この舞台の演出がとても印象的でした。開場して場内に入るとステージにびっくり。セットがなにもなく舞台袖から天井まで丸見えになっていて、体育館を見ているよう。この状態からどうなるんだろうと思っていると、進行していく中で幕が下りて袖が隠れて、なるほど、と思いました。そしてなんと言ってもラスト。搬入口の扉が開いて外の道路まで見えてたのは仰天しました。これは最初から決まっていたのでしょうか」

成田:初舞台、やらせていただきました。

松居:千秋楽に行かせていただきまして。面白かったですね。役者が全員よくって、照明もめちゃくちゃきれいだし。

成田:観てもらったあとに丁寧な感想をいただいて。

松居:このラストの演出って決まっていたの?

成田:今回は蜷川(幸雄)メモリアルってことで舞台をやらせてもらったんですけど、蜷川さんがよくやられてた演出ということで。今回演出をされた杉原邦生さんが本当に蜷川さんが大好きで演劇を始めたらしくて、この演出は決まってました。

松居:へえ。

成田:搬入口を開けるから、それどうするかって。自分は最初の稽古で外に向かって歩いて行くっていうのを提案したんですよ。ああ、それもいいねと。もうひとつ、舞台の真ん中の地面に耳を付けて暗くって終わる、どっちかかなっていう提案をしたら、毎日違うことをやってみたんです。

松居:ラストシーンの稽古を。

成田:それで本当に開幕直前に決まりましたね。搬入口が空くのは決まっていて、それで自分が何をするかっていうのは本当にギリギリでしたね。

松居:面白かった。俺が観に行ったときは、おじさんがちょうど搬入口の奥で普通にいて、搬入口がいきなり開いたからびっくりして立ち尽くしていて。何百人がそっちを見てるから(笑)。あれもすごく面白かったですね。街の中で劇をやってるんだって。

成田:時代をさかのぼるようなことで、今やるお芝居としてそれを見せたかったっていう。今の渋谷ということで。

初舞台を踏んだ成田に、松居はこんな質問をする。

松居:映像はその瞬間にいい芝居をするってことだけど、舞台は毎日同じことをするから、それが結構難しいなってなったりとかしなかった?

成田:自分にイラつくときがあって、そういうときって意外と呼吸ができなくなるなってことはありました。なんでここまでいけないんだろう。いつもいけたのにって。

松居:感情が高ぶるやつを。

成田:いい芝居っていうのもあれだけど、ここまでいけるんだって気付いた次の日がやっぱりよくない。なぞると。

松居:へえ。

成田:映画でもあるじゃないですか。

松居:ある。

成田:テストで結構いききっちゃって、なぞろうとすると全然いけないみたいな。あれなんなんだろうなっていう。

松居:その瞬間を生ききれてないってところだよね。

成田:本当にそうです。本当に生きられてない瞬間はあるんで。いやあ、舞台っていろんなハプニングが起こるので。

松居:面白いよね。

成田:面白かったな。俺はもう演劇だけずっとやって生きていたいかもって思っちゃう瞬間とかもあって。

松居:お芝居をやるっていう意味では舞台がいちばん純粋だもんね。
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令和にこういう邦画ができると思わなかった

成田は8月5日公開の映画『コンビニエンス・ストーリー』に出演。前田敦子と共に主演を務めた。監督は三木 聡。
<あらすじ>
スランプ中の売れない脚本家、加藤(成田凌)は、ある日、恋人ジグザグ(片山友希)の飼い犬“ケルベロス”に執筆中の脚本を消され、腹立ちまぎれに山奥に捨ててしまう。後味の悪さから探しに戻るが、レンタカーが突然故障して立ち往生。霧の中のたたずむコンビニ「リソーマート」で働く妖艶な人妻・惠子(前田敦子)に助けられ、彼女の夫でコンビニオーナー南雲(六角精児)の家に泊めてもらう。しかし、惠子の誘惑、消えたトラック、鳴り響くクラシック音楽、凄惨な殺人事件、死者の魂が集う温泉町……加藤はすでに現世から切り離された異世界にはまり込んだことに気づいていなかった。
映画『コンビニエンス・ストーリー』公式HPより

松居:初日に観てきました。

成田:ありがとうございます。

松居:めちゃくちゃ面白かった。これ面白かったって言う人もいれば、面白くなかったって言う人もいていい、正直、令和にこういう邦画ができると思わなかったっす。

成田:いやあ、その言葉がいちばんうれしくて、いちばん俺も思っていたことで。デビュー前から、10代の何もしてないときから三木さん大好きで。

松居:何が好きだったの?

成田:いちばん好きな作品って言われると難しいけど。

松居:俺は『転々』だな。

成田:俺もそう言おうと思ったけどやめて、『図鑑に載ってない虫』にする。あれをやりたくて、この仕事を始めましたから。

松居:表現って自由だし。

成田:事務所入るときに三木 聡さんとご一緒したいですっていうスタートだったんですよね。

松居:じゃあ、念願だ。

成田:念願です。

松居:しかも三木さんテイストがっつりだから。

成田:最近の三木さんの感じじゃなく、もちろんイズムはありますけど、がっつり。現場行ったら美術があれだし、照明があれだし、カメラワークがあれだしっていう。

松居:あれって三木さんの中で正解があるのか、照明の色使いとかも、一瞬で「これは三木 聡さんの映画だ」ってわかる。あれ何なんだろうね。今って説明できる映画とか言葉にできるものが多いから、これこれこうで面白かったから観に行こうとかSNSで観に行きなよとかっていうなかで、これは本当に説明できないから面白い。

成田:不思議な異世界で。

前田敦子と5度目の共演。印象の変化は?

番組ではリスナーから松居と成田に、前田敦子にまつわる質問が届いた。

「成田さんは前田敦子さんと『コンビニエンス・ストーリー』で5度目の共演をされていますが、思えばおふたりの共演の始まりは松居さんが監督・脚本を務めた映画『くれなずめ』でしたね。成田さんと前田さんが共演した元祖でもある松居さんから見て、『コンビニエンス・ストーリー』はどうでしたか。また成田さんは『くれなずめ』のときから前田さんの印象が変わりましたか」

松居:『パンドラの鐘』でも一緒にやってますしね。前田さんと成田くんの安心感はすごいあったし。『くれなずめ』とごっちゃになって、学生時代に前田さんにすごいいじめられた成田くんがコンビニで再会してって(笑)。ストーリーが混ざるけど、並んでるとすごく安心感ありますね。きっともっとこのふたりの物語を見たくなるから、いろんな話が来るんだろうなって思う。前田さんは最初の印象と変わった?

成田:だいぶ変わりましたね。

松居:『くれなずめ』のときは成田くんは若葉(竜也)とか高良(健吾)くんとかこっち側にいて、前田さんは遠くにいたから。

成田:全然距離があって、それこそほとんど会話がなく、前田さんも撮影が終わっていって、俺たちを遠くでお母さんのように眺めていたんで。そこから『コンビニエンス・ストーリー』を撮ってるときに仲良くなったかな。

松居:へえ。

成田:やっぱり待ち時間がすごくあったので、いろんな話をして。面白い、変わった人なのでずっと話してられるというか。前田さんもおしゃべりなので。

松居は「共演が続く人ってやりやすいの、それともやりにくいの?」と質問を投げかける。

成田:若葉くんとも4回連続だったりして、そのときは緊張感あるみたいな。

松居:どっちかが主演でどっちかがフォローするとかね。

成田:頑張らなきゃってことはあったけど、前田さんと共演したときは、懐が広いというか、なんでもどうぞの感じで、異性ってことはあると思うんですけど、本当にリラックスして好きなこと言って。俺もガンガン言うし。「このイントネーションだと意味変わってこない?」とか。イントネーション苦手女優なので。

松居:そうなの(笑)。

成田:ロケバスで「やってみて」「違う」って(笑)。お互い言いたいこと言えるくらいにはなってますね。

松居:それが監督だと緊張しちゃうみたいなことはある?

成田:違う種類の経緯があるので、変わってきますね。何度も自分を使ってくれる監督も緊張する。

松居:確かにね。映画『ちょっと思い出しただけ』(監督・脚本:松居、成田が出演)は大丈夫だったでしょ?

成田:『ちょっと思い出しただけ』のほうが『くれなずめ』より緊張した。

松居:へえ、そっか。2回目だから。

成田:作り込めない怖さってあるじゃないですか。

松居:確かに俺も役者さんとか2回目とか3回目の人のほうが緊張する。

成田:監督的にも。へえ。

松居:池松壮亮とやるときも緊張したし。初めての人のほうが野面で一生懸命やるぞってなるから。

成田「シビれあがっちゃいました」

番組後半では、ふたりで「ブレイクっ!」のコーナーをやることに。これは、リスナーから届いた、曲の中で一瞬演奏が止み、声だけになる瞬間=ブレイクを楽しむコーナーで、もともと『成田凌のオールナイトニッポン』(ニッポン放送)でやっていた企画だったが、成田がこの番組にゲストで出演した際に公認をもらい、『JUMP OVER』でやることに。

現在94曲まで紹介。今回は6曲を紹介し、トータル100曲をふたりで迎える。

1曲目:Ado『私は最強』

「歌詞に出てくる私は最強というところいプチ・ブレイクが何カ所がありますが、極めつけは3分45秒前後の私は最、のブレイクポイントにシビれます」
成田:うわー、いい。いいです。

松居:あはは(笑)。

2曲目:藤井 風『きらり』

「藤井 風さんの『きらり』のリミックス集の『きらり』オリジナルリミックス、藤井 風・Yaffleの3分19秒あたりのブレイクがヤバいです。年齢問わず女子は倒れます。男子もかも」
成田:めちゃくちゃ鳥肌立った。

松居:そういうことね、女子が倒れるって。

成田:いやあ。

松居:耳元に藤井 風がいるかと思った(笑)。

成田:いましたね。キョロキョロしちゃったもん。めちゃくちゃよかったですね。

3曲目:SMAP『シャレオツ』

「実は私は以前、『成田凌のオールナイトニッポン』のブレイクのコーナーでSMAP『オレンジ』の投稿を読んでいただいた者です。今回も大好きなSMAPの曲から紹介させてください。SMAP『シャレオツ』の3分2秒頃に木村拓哉さんのソロのブレイクあり、まさにシャレオツなブレイクです」

成田:なるほど。

松居:このリスナー、ブレイク職人かもしれない。

成田:あはは(笑)。この曲もよかったです。

4曲目:坂口有望『おはなし』

「この曲の3分34秒あたりのオチサビから大サビにつながる部分のブレイクです。FIRSTインディーズシングルでもあるこの曲は坂口さんが中学生の頃に作曲して路上ライブで歌っていた曲だそうです」
成田:うわー!

松居:気持ちよい。

成田:最高(笑)。気持ちいいな。サウナ入ってるみたいな。

5曲目:きのこ帝国『猫とアレルギー』

「この曲の4分30秒あたりの最後の最後で来るブレイク。ときが止まるようなブレイクに鳥肌ものです」
成田:俺、今日これ持って来たんですよ。

松居:はあ。

成田:いいよな。

松居:優しいほうのブレイク。

成田:この完全に演奏を消すってブレイクってあんまりないけど、きのこ帝国ってすごく似合いますよね。

6曲目:indigo la End『素晴らしい世界』

「この曲の4分から曲の最後まで約1分間のブレイクになります。ライブ映像を観ると、この曲をライブの最後に演奏して、ブレイクゾーンにさしかかったところでボーカル以外のバンドメンバーは次々とステージからいなくなり、最後はボーカルだけがステージ上に残って歌う演出も含めて素晴らしいブレイクです」
松居:はあ、緊張した。

成田:すごいなこれは。やばかったですね。ここのスタジオから東京タワー含めた東京の景色を見ながら、シビれあがっちゃいましたね。

松居:あはは(笑)

6曲聴き終えた成田は、今回のベストブレイクに坂口有望『おはなし』を選んだ。

成田:めちゃくちゃいいっす。

松居:聞くところによると、坂口さんはチャットモンチーに影響を受けてるみたいですね。

成田:なるほど。ブレイクの手土産として、チャットモンチーの『ヒラヒラヒラク秘密ノ扉』も持って来てますからね。

松居:あはは(笑)。

次週、8月17日の同番組でも、成田がゲストで登場。この1年8カ月で発掘してきたベストブレイクの中からベストオブベストを選ぶ。オンエアは26時から。

【radikoで聞く】https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220818020000

※再生は17日の放送から一週間後まで。

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2022年8月17日28時59分まで

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番組情報
JUMP OVER
毎週水曜
26:00-27:00