切なくも優しい恋愛譚『ちょっと思い出しただけ』のロングランヒットも記憶に新しい松居大悟監督が再び、切なくも優しい“大人っぽい”傑作を放った。それが日活ロマンポルノ50周年記念企画『ROMAN PORNO NOW』から生まれた一編『手』(9月16日公開)だ。
父親とのギクシャクした関係を抱えながら年上男性とばかり付き合ってきたさわ子(福永朱梨)と同僚・森(金子大地)。そんな二人の距離の変化を、赤裸々な性描写を交えて描き出す。一人の女性の再生を優しく見つめる視点は、男女の性愛をテーマにしたロマンポルノという枠組みを飛び出して、普遍的な人間賛歌の領域にまで達している。さわ子を愛しながらも秘密を抱える同僚・森を演じた金子が、才気溢れる松居監督との念願の初タッグへの思いと多忙な日々の中での癒しタイムを語る。
──『ROMAN PORNO NOW』に参加した経緯を教えてください!松居監督直々のオファーだったそうですね?
色々な監督が元々ロマンポルノ出身であるとか、日本映画史の歴史としてロマンポルノを認識していましたが、実際に作品を観たことはありませんでした。そんな歴史あるロマンポルノに松居さんが挑戦されるというのも意外でしたし、しかもロマンポルノ50周年企画ということで純粋に面白そうだと感じました。
──松居大悟監督とは初タッグですよね?
松居さんはオリジナル脚本も書かれますし、まさに邦画界を代表する若手監督という印象があります。僕と同年代の役者さんたちも松居さんと仕事をしたりしているので、自分も機会があったら是非ご一緒したいという気持ちでした。松居さんも演出に参加された『バイプレイヤーズ』では、僕は松居さん演出回ではなかったので、衣装合わせの際に一度お会いして「どうも……」程度の会話しか交わしていませんでした。周囲からは「松居監督作に出ていそう」と言われることも多かったので、今回初めてご一緒することができて「やっと来たぞ!」という嬉しい気持ちです。
──いちファンとしても松居監督を追いかけていたわけですね!
もちろんです。『ちょっと思い出しただけ』(2022)、『くれなずめ』(2021)、『君が君で君だ』(2018)、『アイスと雨音』(2018)、『私たちのハァハァ』(2015)を観て、映画好きとして、良い作品を作る方だなと思っていました。
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──『手』にはどのような感想を持ちましたか?
ロマンポルノに対する勝手なイメージとして、濡れ場がある、男性が好む映画、というものを持っていましたが、『手』の脚本を読んだとき、確かにラブシーンはあるけれど大人のラブストーリーというか、キャラクターやストーリーに深みを感じました。山崎ナオコーラさんの原作を松居さんがどのように撮るのだろうか?というのも気になったポイントです。僕自身としては「身を削って演じました!」という感覚もなく、楽しく演じさせていただきました。
──撮影の雰囲気はどうでしたか?
松居さんが持っている雰囲気によって不思議と緊張せずのびのびと演じることができました。みんなと親しくできるのが色々な役者さんから松居さんが好かれているところだと思っています。あと、松居さんは自分の理想とする芝居を追求するタイプの監督なのかと思っていたんですが、実際はそうではなくて、役者から出たものを尊重して進めてくださる方でした。今回の作品で松居さんが女性をどのように撮るのかも気になっていましたが、すごくチャーミングなさわ子(福永朱梨)が映っていたので面白かったです。『手』は今まで見たことのない松居さんの新たな映画になっている気がします。
──福永朱梨さんと大胆なラブシーンにも挑戦されましたね!
恥ずかしいです(笑)。やはりラブシーンは照れます。出演作はどんな作品でも毎回冷静に観ることはできません。恥ずかしいと反省の繰り返しです。もちろん「ここいいな!」と思うときもありますが、『手』はラブシーンもあるということで感情の8割「恥ずかしい」が占めています(笑)。作品はすごく面白いんですけどね。『ROMAN PORNO NOW』としてトップバッターの公開なので、松居さんの前作『ちょっと思い出しただけ』同様にロングランヒットを期待しています!
指が細長く、爪もナチュラルな綺麗さがあるのが好みです。しっとりではなくサラサラ系のさわり心地が良い、ついつい握ってしまいそうになるような手が好きです。
──結婚願望は?
何歳までにという具体的なものはありませんが、結婚願望はあります。僕自身が子どもなので、父親になったら子どもと同じ目線で話せそうな気がします。同等になりすぎて威厳を失うかもしれませんが(笑)。小さい子と共演する際は大体向こうから寄ってきてくれます。子どもをあやすのは得意な方ではないですが、「この人は遊んでくれそうだ」と思われているのかもしれません。
──ラジオは聴かれますか?
友だちが出演すると聴きますね。本人から言われていなくても出演情報を目にしたらチェックします。番組を聴いたからといって本人に「聴いたよ」とか報告をすることはないですが、何を話すのか気になってついつい聴いてしまうんです(笑)。
──音楽はどうですか?
音楽はジャンルを問わずに聴きます。アニメを観たらアニメのサントラを聴いたり、気持ちが落ち込んでいたらパンクロックで元気をもらったり。上京してから聴く音楽の幅は広がったような気がします。銀杏BOYZ、竹原ピストルさん、ウルフルズ、エレファントカシマシ……。一人暮らしをして自分一人で生きていかなければならなくなって、色々な音楽に出会いました。最近はPUNPEEさんにハマっています。音楽から勇気をもらいたいときは歌詞重視で、音楽からインスピレーションをもらいたいときはメロディ重視。そうやって聴き分けていますが、僕は音楽に詳しくないのでだいたいが親友からのおススメです。
【関連記事】金子大地、俳優業で「挑戦するときに勇気をもらう」曲は?
──金子さんの癒しタイムとは?
サウナですね。何の趣味もなく、サウナが好きになったのも友だちに無理やり連れていかれたのがキッカケです。それまでは水風呂は絶対に入りたくないと思っていたんですが、いざ入ってみたらすっかりはまって、最近は定期的に一人でサウナに通っています。音楽もそうですが、人に影響を受けやすいんだと思います。
『手』公式サイトはこちら。
(取材・文・撮影/石井隼人)
父親とのギクシャクした関係を抱えながら年上男性とばかり付き合ってきたさわ子(福永朱梨)と同僚・森(金子大地)。そんな二人の距離の変化を、赤裸々な性描写を交えて描き出す。一人の女性の再生を優しく見つめる視点は、男女の性愛をテーマにしたロマンポルノという枠組みを飛び出して、普遍的な人間賛歌の領域にまで達している。さわ子を愛しながらも秘密を抱える同僚・森を演じた金子が、才気溢れる松居監督との念願の初タッグへの思いと多忙な日々の中での癒しタイムを語る。
【J-WAVE出演情報】
金子大地は9月14日、松居大悟監督がナビゲーターを務めるJ-WAVE『JUMP OVER』にゲスト出演。オンエアから1週間、radikoでトークを楽しめる。
【9/14 26:00から再生可能】https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20220915020000
松居大悟監督作への出演は「やっと来たぞ!」
『手』場面写真
色々な監督が元々ロマンポルノ出身であるとか、日本映画史の歴史としてロマンポルノを認識していましたが、実際に作品を観たことはありませんでした。そんな歴史あるロマンポルノに松居さんが挑戦されるというのも意外でしたし、しかもロマンポルノ50周年企画ということで純粋に面白そうだと感じました。
──松居大悟監督とは初タッグですよね?
松居さんはオリジナル脚本も書かれますし、まさに邦画界を代表する若手監督という印象があります。僕と同年代の役者さんたちも松居さんと仕事をしたりしているので、自分も機会があったら是非ご一緒したいという気持ちでした。松居さんも演出に参加された『バイプレイヤーズ』では、僕は松居さん演出回ではなかったので、衣装合わせの際に一度お会いして「どうも……」程度の会話しか交わしていませんでした。周囲からは「松居監督作に出ていそう」と言われることも多かったので、今回初めてご一緒することができて「やっと来たぞ!」という嬉しい気持ちです。
──いちファンとしても松居監督を追いかけていたわけですね!
もちろんです。『ちょっと思い出しただけ』(2022)、『くれなずめ』(2021)、『君が君で君だ』(2018)、『アイスと雨音』(2018)、『私たちのハァハァ』(2015)を観て、映画好きとして、良い作品を作る方だなと思っていました。
【関連記事】金子大地が共感した、「何者でもない若者」
深みを感じた、大人のラブストーリー
ロマンポルノに対する勝手なイメージとして、濡れ場がある、男性が好む映画、というものを持っていましたが、『手』の脚本を読んだとき、確かにラブシーンはあるけれど大人のラブストーリーというか、キャラクターやストーリーに深みを感じました。山崎ナオコーラさんの原作を松居さんがどのように撮るのだろうか?というのも気になったポイントです。僕自身としては「身を削って演じました!」という感覚もなく、楽しく演じさせていただきました。
──撮影の雰囲気はどうでしたか?
松居さんが持っている雰囲気によって不思議と緊張せずのびのびと演じることができました。みんなと親しくできるのが色々な役者さんから松居さんが好かれているところだと思っています。あと、松居さんは自分の理想とする芝居を追求するタイプの監督なのかと思っていたんですが、実際はそうではなくて、役者から出たものを尊重して進めてくださる方でした。今回の作品で松居さんが女性をどのように撮るのかも気になっていましたが、すごくチャーミングなさわ子(福永朱梨)が映っていたので面白かったです。『手』は今まで見たことのない松居さんの新たな映画になっている気がします。
ロマンポルノ・ナウ『手』主題歌MV。こちらの本編映像の再編集も松居大悟監督が手がけた
恥ずかしいです(笑)。やはりラブシーンは照れます。出演作はどんな作品でも毎回冷静に観ることはできません。恥ずかしいと反省の繰り返しです。もちろん「ここいいな!」と思うときもありますが、『手』はラブシーンもあるということで感情の8割「恥ずかしい」が占めています(笑)。作品はすごく面白いんですけどね。『ROMAN PORNO NOW』としてトップバッターの公開なので、松居さんの前作『ちょっと思い出しただけ』同様にロングランヒットを期待しています!
プライベートな質問「理想とする手は?」
──ちなみに金子さんが理想とする手はありますか?指が細長く、爪もナチュラルな綺麗さがあるのが好みです。しっとりではなくサラサラ系のさわり心地が良い、ついつい握ってしまいそうになるような手が好きです。
──結婚願望は?
何歳までにという具体的なものはありませんが、結婚願望はあります。僕自身が子どもなので、父親になったら子どもと同じ目線で話せそうな気がします。同等になりすぎて威厳を失うかもしれませんが(笑)。小さい子と共演する際は大体向こうから寄ってきてくれます。子どもをあやすのは得意な方ではないですが、「この人は遊んでくれそうだ」と思われているのかもしれません。
音楽のマイブームはPUNPEE。癒やしの時間は
友だちが出演すると聴きますね。本人から言われていなくても出演情報を目にしたらチェックします。番組を聴いたからといって本人に「聴いたよ」とか報告をすることはないですが、何を話すのか気になってついつい聴いてしまうんです(笑)。
──音楽はどうですか?
音楽はジャンルを問わずに聴きます。アニメを観たらアニメのサントラを聴いたり、気持ちが落ち込んでいたらパンクロックで元気をもらったり。上京してから聴く音楽の幅は広がったような気がします。銀杏BOYZ、竹原ピストルさん、ウルフルズ、エレファントカシマシ……。一人暮らしをして自分一人で生きていかなければならなくなって、色々な音楽に出会いました。最近はPUNPEEさんにハマっています。音楽から勇気をもらいたいときは歌詞重視で、音楽からインスピレーションをもらいたいときはメロディ重視。そうやって聴き分けていますが、僕は音楽に詳しくないのでだいたいが親友からのおススメです。
【関連記事】金子大地、俳優業で「挑戦するときに勇気をもらう」曲は?
──金子さんの癒しタイムとは?
サウナですね。何の趣味もなく、サウナが好きになったのも友だちに無理やり連れていかれたのがキッカケです。それまでは水風呂は絶対に入りたくないと思っていたんですが、いざ入ってみたらすっかりはまって、最近は定期的に一人でサウナに通っています。音楽もそうですが、人に影響を受けやすいんだと思います。
『手』公式サイトはこちら。
(取材・文・撮影/石井隼人)
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