暮らしに有意義な情報を中心に、朝のライフスタイルをシェアするJ-WAVE『KURASEEDS』。月曜~木曜に、朝5時から生放送している。
リスナーの朝時間を、どのように彩っているのか。番組のナビゲーター・山中タイキが、番組の特徴や、印象に残っている回を綴った。
【関連インタビュー】家族は「個々が集まったチーム」として捉える J-WAVE『KURASEEDS』山中タイキに訊く暮らしの話
僕自身が2児の父親でもあるので、子育てや家族というのもひとつのキーワードです。ただ、朝5時は人々がやっと起き出す時間帯。じっくり聴くというよりも、慌ただしく朝の準備が始まる中で、BGM代わりに聴いてくれている方もきっと多いですよね。なので、1時間通して話題は変えず、あえてひとつのことに焦点を当てて、角度を変えながら話をしています。そのどこかで引っかかるポイントがあったら、暮らしの中で取り入れたいものがあったら、嬉しいなと。
放送中には、番組タイトルとともに「暮らしが芽吹く、朝時間」というフレーズを添えています。朝時間からもっと日常が豊かになるように。そして、暮らしの選択肢がもっと広がるようにというのが番組立ち上げ時からのコンセプトです。
食と一言でいっても、料理家さんからおすすめレシピを伺うこともあれば、料理本のご紹介、食材の保存方法、世界の食文化など切り口もいろいろ。結構フットワークの軽い番組かなと!
1回の放送で伝えきれない場合には、急遽2週に分けて構成をしたことも。また1週間に渡り「家族」をテーマにし、異なる角度から家族という存在を見つめ直してみるということも番組として行ってみました。明確な”答え”を提示した訳ではないですが、こんな見方もあるよねと入り口をつくることで、聞いた方が何かを考えたり想いを巡らせるきっかけになったらいいなという形にしてみました。
この「家族」企画では、番組スタッフの実家が北海道でラーメン店を経営しているということで、ディレクター自らが自身の親に取材を敢行。「自宅がラーメン屋さんって、どうだった?」ということを過去の経験や思い出をもとに番組を構成してもらったこともあります。ちなみに番組発足時(2021年春)には番組に関わるすべてのメンバーを紹介する形で、番組パートナーであるkufuraに記事化してもらい、ラジオ番組をどんな人がつくっているのか知ってもらう機会も設けてみました。
そして、今を生きる私たちが直面している社会問題も時折テーマにしています。ジェンダーや環境、社会の形など暮らしに大きく関わることだからこそ見て見ぬ振りをせず、メディアとして何をいま取りあげたらいいのか、時代の少し先を見つめながら番組づくりをしています。
【オンエアの一例】映画やドラマでLGBTQ+が悲劇的に描かれる違和感─雑誌『IWAKAN』編集者が語る
僕個人的には“昔話”について昔話研究者の小澤俊夫さん(指揮者・小澤征爾さんの実兄)にお話を伺った回が、とても印象に残っています。昔話は暮らしに根付いたもので、本ではなく人の話し言葉によって伝えられてきたものであるということ。昔話は子供たちへの応援歌であること。単に昔から伝えられている物語という存在でなく、人を介して育まれてきた豊かな文化なのだと知ることができました。
詳しい取材内容は、2週に渡りInstagramに掲載していますので、もしよかったら読んでみてください。また、僕も佐藤編集長も本に関わる仕事をしているので、本にまつわるトピックも多いかなと思います。読書好きな方はぜひご参考に!
【その週の取材内容を読む】
・1週目の取材内容
https://www.instagram.com/p/Cbi9o-oP5QA/
・2週目の取材内容
https://www.instagram.com/p/Cb3d7noBnrn/
もちろん番組のウェブサイトはありますが、もっと気軽に多くの方がアクセスできるようにするにはどうしたらいいのか。やはり、いまの時代はInstagramだなと。全体のイメージや雰囲気を統一するためにも誰かひとりが担当したほうがいい、じゃあ番組メンバーで誰がやる?という話になった時、毎日スタッフが変わるなか4日間通して番組に関わっている自分がいいだろうという話になりました。出し惜しみせず、放送後記という形で番組内容丸ごと載せています(一部ではなくほぼ丸ごとです!)。 ”読むラジオ”と言ってもいいかもしれません。 通勤通学中や家事の合間のちょっとした時間に読めるような長さなので、ラジオを聴いたあとに振り返りとして見ていただいてもいいですし、それこそInstagramだけ見てもらっても。番組自体が『kufura』というメディアとクロスしているのだから、発信の仕方も広げていく。kufuraでは1週間に1回のペースで番組内容を取り上げた記事がアップされています。
このようにラジオの生放送だけに留まらないことで、多くの方に触れてもらう機会にしていきたいという狙いがありました。それをきっかけにラジオに飛び込んでもらえたら、放送では音楽も楽しんでもらえる。ひとつの番組でいくつもの楽しみ方やレイヤーがあったらどうだろう……ということにチャレンジしています。
また、放送時にはInstagram Liveも行っていて、驚くことに海外からもInstagaramを通して聴いてくれている方がいらっしゃいました! また、毎日の放送用に僕山中タイキがイラストを描いています。主にツイッターでの番組告知用にはなりますが、Instagramの写真としても時々使用していますので見てくれたら嬉しいです。
アルバム『Family Songs』より
2011年にリリースされたアルバムで、番組で取り上げた1枚でもあります。単に楽曲をON AIRをしたというわけではなく、児玉さんに当時のことを振り返っていただきながら、どうしてこのアルバムを制作することになったのか伺いました。「家族」が番組にとってもひとつの切り口でもあり、音楽を通して家族の形を考えることができたらなぁという想いからでした(先述した、1週間通して行った「家族」企画のひとつです)。
大体ラジオ番組でアルバムを取り上げるとなると新譜を紹介することが多いですが、素晴らしい音楽に新譜も旧譜も関係ないぞ!と。所属事務所の方に趣旨を説明してアプローチしてみたところ、出演へのご快諾をいただけました。こちらの取材内容もInstagramに掲載されているので、ぜひチェックしてみてください。選んだ1曲は『パタパタママ』。1970年代にリリースされ、テレビ番組『ひらけ!ポンキッキ』で使用されていた曲なので「懐かしい!」というリスナーさんからの声もありました。僕自身はリアルタイムで知っていた世代ではないのですが、オリジナルのリズム感は保ちつつ優しいアレンジがとても素敵です。そして、思わず口ずさんでしまうような印象的な歌詞。朝に心地よいペースを刻んでくれるところがあり選んでみました。聴いていると自然とウキウキしてきますよ。(子供のころは後継番組である『ポンキッキーズ』を観て学校に行っていました!)
(執筆:山中タイキ)
■プロフィール
1988年6月16日生まれ、東京都出身。専門学校卒業後、ニューヨーク州立アルスター校に留学。ロンドンでは美術学校でイラストレーションを学び、アートを通じたコミュニケーションを体感。現在は、ラジオナビゲーター・イベントMC・ナレーションのほか、アート関連の仕事も行いながら暮らしを彩る音楽や芸術等を発信。また、絵本専門店「yack yack books」を立ち上げ、世界中から集めた絵本の紹介や絵本制作も行っている。
J-WAVE『KURASEEDS』は、月曜~木曜の朝5時から。公式サイトはこちら。
リスナーの朝時間を、どのように彩っているのか。番組のナビゲーター・山中タイキが、番組の特徴や、印象に残っている回を綴った。
【関連インタビュー】家族は「個々が集まったチーム」として捉える J-WAVE『KURASEEDS』山中タイキに訊く暮らしの話
「暮らしが芽吹く、朝時間」をコンセプトに
『KURASEEDS』では、小学館のウェブメディア『kufura』の佐藤明美編集長をパートナーに“暮らし”をキーワードにしたトピックを日替わりで取り上げています。1時間に1トピック。リスナーの方からメッセージもいただきつつ、事前取材やゲストの方のコメントも交え、種を蒔いていくように暮らしの中の選択肢が増える内容でお届けしています。僕自身が2児の父親でもあるので、子育てや家族というのもひとつのキーワードです。ただ、朝5時は人々がやっと起き出す時間帯。じっくり聴くというよりも、慌ただしく朝の準備が始まる中で、BGM代わりに聴いてくれている方もきっと多いですよね。なので、1時間通して話題は変えず、あえてひとつのことに焦点を当てて、角度を変えながら話をしています。そのどこかで引っかかるポイントがあったら、暮らしの中で取り入れたいものがあったら、嬉しいなと。
放送中には、番組タイトルとともに「暮らしが芽吹く、朝時間」というフレーズを添えています。朝時間からもっと日常が豊かになるように。そして、暮らしの選択肢がもっと広がるようにというのが番組立ち上げ時からのコンセプトです。
番組で印象的だったエピソードは?
番組では、暮らしに役立つ情報が満載のウェブメディア『kufura』の記事をベースにしたものから、食やライフスタイル、カルチャーを中心に日々の生活で気になった様々なトピックを取り上げています。食と一言でいっても、料理家さんからおすすめレシピを伺うこともあれば、料理本のご紹介、食材の保存方法、世界の食文化など切り口もいろいろ。結構フットワークの軽い番組かなと!
1回の放送で伝えきれない場合には、急遽2週に分けて構成をしたことも。また1週間に渡り「家族」をテーマにし、異なる角度から家族という存在を見つめ直してみるということも番組として行ってみました。明確な”答え”を提示した訳ではないですが、こんな見方もあるよねと入り口をつくることで、聞いた方が何かを考えたり想いを巡らせるきっかけになったらいいなという形にしてみました。
この「家族」企画では、番組スタッフの実家が北海道でラーメン店を経営しているということで、ディレクター自らが自身の親に取材を敢行。「自宅がラーメン屋さんって、どうだった?」ということを過去の経験や思い出をもとに番組を構成してもらったこともあります。ちなみに番組発足時(2021年春)には番組に関わるすべてのメンバーを紹介する形で、番組パートナーであるkufuraに記事化してもらい、ラジオ番組をどんな人がつくっているのか知ってもらう機会も設けてみました。
そして、今を生きる私たちが直面している社会問題も時折テーマにしています。ジェンダーや環境、社会の形など暮らしに大きく関わることだからこそ見て見ぬ振りをせず、メディアとして何をいま取りあげたらいいのか、時代の少し先を見つめながら番組づくりをしています。
【オンエアの一例】映画やドラマでLGBTQ+が悲劇的に描かれる違和感─雑誌『IWAKAN』編集者が語る
僕個人的には“昔話”について昔話研究者の小澤俊夫さん(指揮者・小澤征爾さんの実兄)にお話を伺った回が、とても印象に残っています。昔話は暮らしに根付いたもので、本ではなく人の話し言葉によって伝えられてきたものであるということ。昔話は子供たちへの応援歌であること。単に昔から伝えられている物語という存在でなく、人を介して育まれてきた豊かな文化なのだと知ることができました。
【その週の取材内容を読む】
・1週目の取材内容
https://www.instagram.com/p/Cbi9o-oP5QA/
・2週目の取材内容
https://www.instagram.com/p/Cb3d7noBnrn/
公式Instagramは「読むラジオ」
ラジオは生放送のリアルタイムだけでなく、radikoで好きな時間に聴くことが出来るようになりました。『KURASEEDS』は早朝の番組ではありますが、紹介した内容はその時間帯に限らず、きっといつ聴いても暮らしに役立つトピックになっているのではないかと常々感じていたところがあります。もちろん番組のウェブサイトはありますが、もっと気軽に多くの方がアクセスできるようにするにはどうしたらいいのか。やはり、いまの時代はInstagramだなと。全体のイメージや雰囲気を統一するためにも誰かひとりが担当したほうがいい、じゃあ番組メンバーで誰がやる?という話になった時、毎日スタッフが変わるなか4日間通して番組に関わっている自分がいいだろうという話になりました。出し惜しみせず、放送後記という形で番組内容丸ごと載せています(一部ではなくほぼ丸ごとです!)。 ”読むラジオ”と言ってもいいかもしれません。 通勤通学中や家事の合間のちょっとした時間に読めるような長さなので、ラジオを聴いたあとに振り返りとして見ていただいてもいいですし、それこそInstagramだけ見てもらっても。番組自体が『kufura』というメディアとクロスしているのだから、発信の仕方も広げていく。kufuraでは1週間に1回のペースで番組内容を取り上げた記事がアップされています。
このようにラジオの生放送だけに留まらないことで、多くの方に触れてもらう機会にしていきたいという狙いがありました。それをきっかけにラジオに飛び込んでもらえたら、放送では音楽も楽しんでもらえる。ひとつの番組でいくつもの楽しみ方やレイヤーがあったらどうだろう……ということにチャレンジしています。
また、放送時にはInstagram Liveも行っていて、驚くことに海外からもInstagaramを通して聴いてくれている方がいらっしゃいました! また、毎日の放送用に僕山中タイキがイラストを描いています。主にツイッターでの番組告知用にはなりますが、Instagramの写真としても時々使用していますので見てくれたら嬉しいです。
朝に聴きたい、さわやかな一曲
パタパタママ / 児玉奈央と青柳拓次アルバム『Family Songs』より
2011年にリリースされたアルバムで、番組で取り上げた1枚でもあります。単に楽曲をON AIRをしたというわけではなく、児玉さんに当時のことを振り返っていただきながら、どうしてこのアルバムを制作することになったのか伺いました。「家族」が番組にとってもひとつの切り口でもあり、音楽を通して家族の形を考えることができたらなぁという想いからでした(先述した、1週間通して行った「家族」企画のひとつです)。
大体ラジオ番組でアルバムを取り上げるとなると新譜を紹介することが多いですが、素晴らしい音楽に新譜も旧譜も関係ないぞ!と。所属事務所の方に趣旨を説明してアプローチしてみたところ、出演へのご快諾をいただけました。こちらの取材内容もInstagramに掲載されているので、ぜひチェックしてみてください。選んだ1曲は『パタパタママ』。1970年代にリリースされ、テレビ番組『ひらけ!ポンキッキ』で使用されていた曲なので「懐かしい!」というリスナーさんからの声もありました。僕自身はリアルタイムで知っていた世代ではないのですが、オリジナルのリズム感は保ちつつ優しいアレンジがとても素敵です。そして、思わず口ずさんでしまうような印象的な歌詞。朝に心地よいペースを刻んでくれるところがあり選んでみました。聴いていると自然とウキウキしてきますよ。(子供のころは後継番組である『ポンキッキーズ』を観て学校に行っていました!)
(執筆:山中タイキ)
■プロフィール
1988年6月16日生まれ、東京都出身。専門学校卒業後、ニューヨーク州立アルスター校に留学。ロンドンでは美術学校でイラストレーションを学び、アートを通じたコミュニケーションを体感。現在は、ラジオナビゲーター・イベントMC・ナレーションのほか、アート関連の仕事も行いながら暮らしを彩る音楽や芸術等を発信。また、絵本専門店「yack yack books」を立ち上げ、世界中から集めた絵本の紹介や絵本制作も行っている。
J-WAVE『KURASEEDS』は、月曜~木曜の朝5時から。公式サイトはこちら。
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