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疲れた…回復のため“ほぐすべき部位”は? アスリートを指導するトレーナーが伝授

(画像素材:PIXTA)

疲れた…回復のため“ほぐすべき部位”は? アスリートを指導するトレーナーが伝授

日常的に実践できる疲労・体力回復術を、アスレティックトレーナーの西村典子さんが紹介した。

西村さんが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『KURASEEDS』(ナビゲーター:山中タイキ)。ここでは、5月11日(水)のオンエアをテキストで紹介する。

血流をよくして疲労物質をなるべく早く体の外に出す

西村さんは日本スポーツ協会公認のアスレティックトレーナーで、1999年から2018年にかけては、東海大学硬式野球部のトレーナーを務めた。読売ジャイアンツの菅野智之選手や広島東洋カープの田中広輔選手など、現在プロ野球で活躍する選手を、学生時代に健康面で支えてきた、コンディショニング維持のスペシャリストだ。

現在は、現場で培った知見をメディアで広く発信している西村さんが、家族とのお出かけや仕事などでたまった日々の疲れが抜けない方に向けて、アスリートが実践している疲れを翌日に残さない疲労回復術を紹介する。

まずは、アスリートが実践する疲労回復術の基礎となる考え方について語ってくれた。

西村:体を酷使すると疲労物質が体内に溜まってきて、それがたくさん溜まることによって体の疲れや不調を感じることにつながってくるので、血流をよくして疲労物質をなるべく早く体の外に出す、代謝や排出のサイクルを早めることをやってもらいたいです。そのために、まず血流をよくすることをメインに考えています。血流がよくなるということは体温も少し上がり、食事から摂った栄養素は体の必要な部分に取り込まれていきますし、疲労物質も肝臓などにいって代謝して排出されるというような形になります。そのサイクルが早くなると、体の中から疲労物質が少なくなると考えています。アスリートでも体を酷使したあとにケアをするのとしないのとでは変わってくると思うので、そういったことを実践してもらうように話をしています。

ふくらはぎの筋肉を動かし、回復力アップ!

どうしても溜まりやすい疲労物質を、血流を促すことでなるべく早く排出するとよいと語る西村さん。そのためには、ある筋肉を積極的に動かすとよいとレクチャーしてきたそうだ。

西村:メインの運動で体力的に疲労した状態をそのままにしておくと、柔軟性が低下したり筋肉が硬くなったり、そこから血流が悪くなったりする可能性があるので、運動後には必ずストレッチをして、疲れがなるべく早く回復するように実践してもらっています。特に、ふくらはぎの筋肉をほぐしたり少しそこを動かしたりすることで、ふくらはぎの筋肉のポンプ作用によって血流が促されるといわれているので、そこをメインに考えてやるようにしています。

動いた直後やお風呂のなか、布団に入る前に、ふくらはぎを手でマッサージするだけでも、翌日のコンディションに違いが期待できるという。また、日常生活のなかで張りがちな太ももを動かす具体的な方法について、西村さんは次のように語る。

西村:学校でやった長座体前屈のように体を前に倒すと、太ももの後ろ側がよく伸びます。息を吐きながらゆっくり伸ばして、その状態を10秒~20秒くらいキープするのがいいかなと思います。歩いたりするとお尻や太ももの前側、裏側がかなり張ってしまい、そのままの状態で過ごしてしまうと翌日、もしくは翌々日に筋肉痛が出てしまうことにもなります。ストレッチをしたから筋肉痛が出ないわけではありませんが、和らげるという意味ではぜひ実践してもらいたいと思います。

立ち仕事や歩くことが多い方だけでなく、長時間の運転やデスクワークのように体を動かさないのに疲れている人も少なくない。「不活動」が続いて疲れが抜けにくい状態におすすめのストレッチは床やいすに座り、片方の膝にもう一方の足首を乗せ、前にゆっくり体を倒すものなのだとか。これを交互に行い、太ももやふくらはぎのポンプ機能を動かすのもよいそうだ。寝る前に数回行うことで、翌朝の疲れに違いが出るかもしれない。

自宅でできるサウナ効果で血流アップ

続いて西村さんが紹介したのはお風呂でできる疲労回復術、その名も「温冷交代浴」だ。自宅でサウナ効果が期待できる温冷交代浴で「整う」生活を実現してみては。

西村:普通の温かいお湯につかるのも大事ですが、お風呂に入るときに湯船にどれくらい浸かっているかを考えてみてください。20分くらい浸かるとよいといわれていますが、熱いお湯には長く浸かれないと思います。そこで、なかなか浸かれないときには温かいお湯と冷たい水を使って交代浴をすると、血管を収縮させて広げて、収縮させて広げてと血流を促すことができます。

サウナと水風呂のようなイメージの温冷交代浴を自宅で実践する場合の方法は、次の通りだ。

西村:まずコップ1杯程度の水分補給をして、脱水にならないようにします。それから40度から42度くらいの温かいお湯に3分から5分ほど浸かります。熱くて大変だという方は、半身浴でもかまいません。そのあとに、冷たいお水。おうちだと湯船2つは難しいので、冷たいシャワーで10~30秒ほど体を冷やします。全身冷やすのが大変という方は、足元や手元を冷やすといいかなと思います。洗面器にお水を入れ、手や足を浸けてもかまいません。この温かいのと冷たいのを3~5回くらい繰り返し、最後はなるべく冷たいもので終わると湯冷めもせず、体がポカポカした状態を保つことができます。

温冷交代浴は急激に温かい、冷たいを繰り返すもので体に負担がかかるため、子どもや高齢者、体調が優れない方、体に疾患がある方は控えたほうがよいといわれている。また、血管の動きを活発にするものなので、子どもや高齢者、体調が優れない方、体に疾患がある方はこのあとに激しい運動をするのもNGだ。

呼吸法で緊張を緩和

疲労時にあえて体を軽く動かすアクティブレスト(積極的休養)を実践しているアスリートも多いが、これを日常生活に落とし込むことも可能だ。たとえば平日は仕事、土日が休日という方の場合、土日まるまる休養を取るのではなく、土曜日にウォーキングや買い物で少し体を動かすだけでも、疲労の蓄積は変わってくるという。体力面はもちろん、気分転換の意味でも、積極的な疲労回復効果が期待できるそうだ。

最後に、西村さんに伺ったアスリートが実践している疲れを減らす呼吸法を、山中が紹介した。これは筋肉が緊張している交感神経優位の状態から、緊張を和らげる副交感神経にスイッチするための呼吸法だ。

1、膝を立てた状態であおむけになり、手を胸とお腹に置く
2、鼻から息を吸い、お腹が膨らむのを確認する(胸はあまり動かないことを確認)
3、お腹の力を抜き、口からゆっくり息を吐く(お腹がへこむように意識)

これを1セット15秒で、寝る前に1分ほど行うと、良質な睡眠実現に貢献する。また、子の呼吸法を座った状態でできるようにトレーニングすることで、精神的なストレスの緩和や緊張した筋肉を緩める作用を期待することもできるのだとか。

よりスポーツの視点で書かれたマネジメントについて知りたい方は、西村さんの著書『基礎から学ぶ スポーツセルフコンディショニング』(日本文芸社)もぜひチェックしてみてほしい。

あなたの今日が最高1日になるように、暮らしを豊かにしてくれるヒント=種をあなたと一緒に見つけて育てていく番組『KURASEEDS』の放送は、月曜から木曜の朝5時から。

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2022年5月18日28時59分まで

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5:00-6:00