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若手社員が「微妙に上から目線」に感じる…どうしたらいい?

若手社員が「微妙に上から目線」に感じる…どうしたらいい?

新入社員が入ってくるシーズン。このごろの若手社員にはどんな特徴があるのか、人材開発コンサルタントで「ツナグ働き方研究所」所長の平賀充記さんが、「Z世代若手社員のトリセツ」というテーマで語った。

平賀さんが登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)。ここでは3月30日(水)のオンエア内容をテキストで紹介する。

Z世代に見られる3つの特徴は?

1996年から2000年代に生まれた人を「Z世代」と呼ぶ。それまでの世代とは異なる価値観や言動で上の世代をモヤモヤさせることも少なくないそうだ。

平賀さんは著書『イライラ・モヤモヤする 今どきの若手社員のトリセツ』(PHPビジネス新書)を上梓したばかり。まずはZ世代と呼ばれる若手社員の3つの特徴を教えてもらった。

1:超現実的

平賀:まず1つは超現実的ということですね。平成不況に生まれて育ってきた世代です。生まれたときはバブルの名残もあって経済的には豊かな感じだったんですけど、そこから右肩上がりの経済成長がないので、未来への期待感が薄いというか、現実的な考え方をします。

2:反抗的ではないが、従順でもない

平賀:2つ目は教育制度の変革とかもあって、反抗的ではないんだけども、従順ではないという思考が強いです。そもそも少子化で競争が少なくなってきているということと自主性を重んじる、「個性が大事よ」とか「あなたらしくていいんだよ」っていうことを強く言い過ぎているから、「いうことを聞かなくていいんだ」という感じもちょっとあったりしますね。

3:デジタルネイティブ

平賀:3つ目がよく言われるデジタルネイティブ。生まれたときからインターネットがあったくらいの感じですよね。ちょうどGoogleとかが1999年、2000年くらいのサービスインだったりするので、まさにネット、SNSとともに育ってきた時代の人たちだといえます。

平賀さんの解説を聞いたサッシャは、「上の世代の人たち、特に上司は、Z世代の若手社員の行動や振る舞いにどうイライラ・モヤモヤしているんですか?」と質問。

平賀:たとえば最近、テレワークが広がっているなかで、上司は出社していて若手が在宅であることが、テレビ会議をやって初めてわかるとか。あとはすごい細かい話なんですけど、オフィスのエレベーターとかで操作盤のところでボタンを押すのは、わりと若手の役割だった感じがあるんですけど、最近は部長さんとか上役の方がボタンを押して人が降りるのを待っているだとか。「絶対にお前がボタンを押せよ」ってこともないんだけど、「ちょっと気が利かないのかな」っていう小さいモヤモヤとかですね。

板挟みのモヤモヤも

また、中間管理職である先輩や上司がさらに上の役職に忖度をするなか、自由に振る舞い忖度をしないZ世代に寂しさを感じる人もいるという。サッシャは「昔の昭和の慣習を上から引き継いできたのに、下はそういうわけじゃない、板挟み」だと40代の立場について語る。

平賀:自分たちはけっこうぐっとこらえてやってきたのに、今の若手にそれを押し付けることは難しいよねって。自分でもわかってるから、飲み込んでしまうじゃないですか。そうすると発散できないイライラやモヤモヤが脳内に蓄積されていくんですよね。

サッシャ:これ昔、部活でもありましたよね。理不尽なルールを次に受け継ぎたくないけど、みたいな。

平賀:そういうのが今の職場にけっこうあるんだと思いますね。

サッシャ:まとめていうと、健全化してきているっていうことですよね。

平賀:そうなんですよ。押しつけることもイマイチだなと思っているが故の板挟みのストレスは、すごく大きくなっていると思いますね。

サッシャ:サラリーマン川柳の悲哀みたいになってきましたね(笑)。こっちの気持ちもちょっとはわかってねって、おじさんとしては思いたいってことですよね。

平賀:そんなに嫌われたくもないから、ちょっと合わせにいくんですよね。若者に寄せにいくのに、それも分かってもらえないみたいな感じ。(著書を)読んでもらった人から「中間でした」とか「真ん中ですごく板挟みにあってます」というご意見もけっこう多いです。

「言えばわかるよね」ではなく、きちんと指導を

Z世代がよくわからないと思う人に、平賀さんがシチュエーション別のワンポイントアドバイスを教えてくれた。「微妙に上から目線」だと感じてしまう若手社員の言動がある場合、彼らが育ってきた環境に目を向けることが大切だと平賀さんは話す。

平賀:もともと今の若者って、昔の閉ざされた縦社会みたいなのはすごく大嫌いで、SNSの世界で生きているからオープンな横社会、誰とでも友だちになるみたいなね。その友だちには役職とか肩書はあんまり関係ないじゃないですか。だからフラットなんですよね。上の世代に求めているのも仲間感覚。

若手社員の言動が少し上から目線だと感じた場合、本人に悪気はなく、フラットであるがゆえかもしれない。平賀さんは「マナーとかをちゃんと教えてあげていない、というところもあると思うんです」と指摘する。

平賀:こっち側からすれば「これくらい言えばわかるよね」という感じなんだけど、向こうからすると意識がそもそもフラットだし、けっこうきっちり教えてあげないといけません。

平賀さんは「オフィスの電話が鳴っても出ない若手社員がいる」など、「なぜできないんだ」と考えるのではなく、相手目線に立ってアドバイスをすることが重要だとも話した。

平賀:考えてみたら今はもう、家の固定電話ってほとんど鳴らないじゃないですか。怪しい勧誘とかそういうのばっかりだから、彼らは固定電話を取るのが怖いんですよ。その背景もわかったうえで、電話を取る方の大事さとか、取り方自体を教えてあげないと「当たり前だから電話くらい出るよな」と思っているとわからないんで。彼らの目線に立った上のアドバイスとか教育は大事なんじゃないかと思います。

「いいね」が良好な関係を築く

「たくさん褒めて育てることが大事」とはよく言われるが、わざとらしいのでは……と気にかかる人もいるだろう。どう褒めるとよいかも、平賀さんに教えてもらった。

平賀:今はSNSの時代で「いいね」を押しまくっているわけですよね。だから逆に、職場で「いいね」っていうのは挨拶みたいなもので、それがないと「悪いことをしたかな」とか「自分はダメだったのかな」みたいに思ったりするぐらいになっています。「いいね」がないと、マイナスだから、ライトでもいいので、スピーディにちょっと褒めるとかちょっと感謝してあげるとか、そうすると、自分の居場所を感じて「この職場で大丈夫なんだ」という心理的安全性を感じ始めます。自分をさらけ出しやすくなると本音も見えてきて、(上司も)「このくらいのところまで言ってもいいんだ」という距離間がわかりやすくなると思います。

ノイハウス:安全性があったうえで、Z世代と他の世代のあいだに「何がお互い必要なのか」という会話が生まれると、そこでもっともっとフラットな関係性になれそうですね。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。

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2022年4月6日28時59分まで

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