燃え殻と漫画家・おかざき真里が、漫画版『あなたに聴かせたい歌があるんだ』(扶桑社)の制作エピソードを語った。
このトークをお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『BEFORE DAWN』(ナビゲーター:燃え殻)。4月12日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。
誰にも“勝ち負け”はない、と伝える物語。燃え殻が『あなたに聴かせたい歌があるんだ』を語る
今回の放送では、作品の漫画を手掛けたおかざき真里をゲストに招き、制作エピソードについて語り合う。まずおかざきは、漫画制作のオファーを振り返った。
燃え殻:2回目にして初のゲストをお招きしております。漫画家のおかざき真里さんです。よろしくお願いします。
おかざき:よろしくお願いします。
燃え殻:先ほど知ったのですが、なんとおかざきさんはラジオに初出演ということで。
おかざき:はい。緊張しています。
燃え殻:僕も緊張しているので大丈夫だと思います(笑)。おかざき真里さんはこれまで、『サプリ』(祥伝社)、『&(アンド)』(祥伝社)、『阿・吽』(小学館)などの人気作品を手掛けてこられた漫画家さんです。先週の放送でもお話しましたけども、僕が原作を書いた『あなたに聴かせたい歌があるんだ』の漫画を描いていただきました。
おかざき:とても光栄でした。
燃え殻:なぜ、お話を受けていただけたのでしょうか?
おかざき:祥伝社の『週刊SPA!』さんは、漫画家憧れの雑誌なんです。
燃え殻:そうなんですか?って失礼な話ですね(笑)。
おかざき:(笑)。話題作の漫画を出し、ヒットさせているんですよ。「いつか『週刊SPA!』で描いてみたいよね」って話を、漫画家友だちとTwitterとかで話をしたことがあります。
燃え殻:なるほど。
おかざき:しかも、燃え殻さんが原作ということで。お話をいただいたとき、「わーい!」と二つ返事で受けさせていただきました。
燃え殻:そうだったんですね。僕自身、ずっと『週刊SPA!』でエッセイをやらせてもらっていたんですけども、そのときも漫画が常に3つか4つぐらい、ずっと連載されていました。たしかに漫画が多い雑誌ですよね。僕自身、漫画の原作の書き下ろしは初めてだったし、最初のお相手がおかざき真理さんとのことでしたので緊張しました。
おかざき:(漫画制作を)全部任せていただいて。
燃え殻:おかざきさんのフィルターを通して、あの原作をどうするのかっていうのを見たかったんですよね。最初の読者になりたかったんです。
おかざき:おお。
燃え殻は、『あなたに聴かせたい歌があるんだ』の原作に対して「素材提供だと思って執筆した」とコメント。
燃え殻:野菜を作って、料理人の人に「好きなように料理してください」みたいな感じです。「自分の作った野菜がこうなるのか!」っていうのを楽しみたいというか。そこでこっちが「ロールキャベツにしてください」って言うと、ちょっと面白くないじゃないですか。
おかざき:そうですよね(笑)。
燃え殻:そして、僕がメニューを考えるよりもプロの考えた料理を食べるという、贅沢なことをやりたかったんですよね。
おかざき:なるほど。
燃え殻:僕はたぶん、おかざきさんに何も言わなかった気がしますし、言うようなことがなかったですね。
おかざき:とんでもないです。お任せしていただいたので「さて、どうしようかな?」と思いました。いただいた原作からものすごく逸脱して描いてもよかったんですけども、燃え殻さんの書かれるものを読むと、読者のみなさんもそうだと思うのですが、映像が次々と思い浮かぶんですよね。なので、その思い浮かんだ映像を、燃え殻さんの書かれた“世界観”を信じてそのまま出してみようと思ったんです。
燃え殻:なるほど。
おかざき:私のなかではいただいた原作をあまり変えていません。あと、燃え殻さんの書かれるものって現在と過去をすごく行ったり来たりしますよね。
燃え殻:そうなんですよ。僕、行ったり来たりしちゃうんですよねえ。
1話16ページという限られた枚数のなか、作中で現在と過去が何度も行き来することは、本来ありえないことだとおかざきは語る。
おかざき:でも、燃え殻さんの書かれているものって“夢のなか効果”というか、読んでいる人に「今、自分はどこの(時間の)位置にいるんだろうな」と思わせるんです。そこが素敵だなと思ったんですよ。
燃え殻:ありがとうございます。
おかざき:漫画としてはありえない構成なんだけども、「現在と過去を行き来するフォーマットを崩さないようにしよう」と思ったんですよね。私の描く漫画もそうなんですけども、燃え殻さんの作品も「主人公が何かに勝つ」「主人公が何らかのテーマに気付く」「大きな敵を倒す」といった、起承転結があるものではないじゃないですか。
燃え殻:そうですね。
おかざき:ストーリーがどうのっていうよりは、現在と過去を行ったり来たりして「延長線上に未来があるんだろうな」と思わせる感じだけが描ければいいんだろうなと思ったんですよ。
燃え殻:すごく嬉しいし、僕もそういう風にしたいと思っていました。今こうしておかざきさんとお話しているときも、どこか昔の何かを思い出しながら話しちゃっています。
おかざき:(笑)。
燃え殻:(昔のことを思い出すのは)おかざきさんと話すためではないんです。突然いきなり出てきちゃうんですよ。小説やエッセイだと、そうやって思い浮かんだことをけっこう書いちゃいます。そうやって、行ったり来たりさせちゃうんですよ。ノイズのように過去のことが入ってくるのって、自分にとっては“リアル”なんですよね。
おかざき:わかります。
燃え殻:普通だったら線を引かれるところですよね。「これ、関係ないですよね?」って。でも、関係ないことがたくさん入っていることは、おかざきさんに今こうやって伝える上ですごく必要な気がしています。
おかざき:私は広告代理店出身でCMを作っていましたし、燃え殻さんはテレビ局で美術製作をされている。お互い、映像畑で育ってここにいるじゃないですか。映像畑の言葉で言うと、「インサートカット」ですよね。メインの絵、お芝居はあるんだけども、インサートカットで短く過去やイメージが差し込まれたりする。
燃え殻:なるほど。そうですね。
おかざき:インサートカットをすることで、一本の筋道が通っていく。その感じが(原作を読んで)めちゃくちゃわかりました。
おかざき:原作では、もともと違う曲(The Beatlesの『Let It Be』)が使われるはずだったんですよね?
燃え殻:そうです。
おかざき:ただ、洋楽だったので交渉に難航しているっていう話は聞いていました。
燃え殻:難航どころの話じゃないですよ。
おかざき:(笑)。私は元広告代理店なので、みなさんB案C案を出しているものと思っていたんですね。
燃え殻:実は、B案C案も難航したんですよ。
おかざき:そうなんだ!? (難航している話を聞いて)「燃え殻さんの小説を読んでいると頭のなかで流れてくる曲があるんです」と、キリンジの『エイリアンズ』を提案したら、「それはいい!」と反応してくださったんですよね。
燃え殻:そうですね。
おかざき:とっくに候補として出ていると思っていました(笑)。
燃え殻:まず、邦楽が候補に1つも出てしませんでした。おかざきさんに言ってもらってから、(Hulu版を手掛けた)萩原監督にも伝えて、堀込泰行さんにも正式にお伝えして、OKをいただけることとなりました。
おかざき:ね。いい功績でしょう(笑)?
燃え殻:ありがとうございます。
おかざき:ふふふ。漫画的な話ですと、肝になるシーンに歌詞が載ってくるわけですけども、洋楽だと英語が横文字で表示されるから読めないんですよ。
燃え殻:たしかに!
おかざき:漫画的にも「できれば日本語に助けてもらいたい」という気持ちがちょっとありました。もちろん『エイリアンズ』が大好きでしたし、燃え殻さんの小説を読んでいると、必ずと言っていいほど頭のなかで流れてくる曲ですしね。
燃え殻:僕、正直に言いますけども、あまりにも『エイリアンズ』が好きなんですよ。堀込さんのアルバム『馬の骨』の収録曲『燃え殻』から、名前をいただいているので。自分の名前に加えて『エイリアンズ』の使用許可ですから「どこまでおんぶに抱っこなんだ」という気持ちはありました(笑)。でも、本当に作品と音楽が合ったなと思いましたね。僕、映像版も観させてもらったんですけども、ぴったりでした。そこも含めて、おかざきさんには本当に感謝しています。
おかざき:それだけは残した功績として、声を大にして言いたい(笑)。
燃え殻:いやあ、でか過ぎますね。
燃え殻:映像化されることを前提に漫画を描かれるっていうことで、何か意識した点はありましたか?
おかざき:元々、会社員時代にCMを作っていたので「自分の描いた絵コンテが映像になる」っていうのは、もう慣れているというか。慣れているっていう表現はおかしいかな? 自分の頭のなかにあるものを、演出家が違うものにしてくださる。自分が思ってもいないイメージをどんどん超えていくみたいな経験もあるので、とても期待しています。
燃え殻:そうなんですね。
おかざき:でも、映像を観たら絶対に“悔しい”。
燃え殻:悔しい?
おかざき:悔しいよ(笑)。だって映像は役者さんもいて、曲もちゃんと流れるじゃないですか。スタイリストさんもいて、カメラマンもいて、照明さんもいますから。
燃え殻:もはや総合芸術ですよね。
おかざき:私は一人で漫画を描いているのに、向こうは総合芸術だよ(笑)?
燃え殻:じゃあ、僕も小説を書かなくてもいいでしょうか(笑)。
おかざき:だめです(笑)。これからも小説を書くことを期待してる。
燃え殻:おかざきさんの漫画を読んで、ちょうど昨日とか一昨日とかに映像を全部観させてもらったんですね。「ここがこう違うんだ」みたいなところも含めて、一視聴者として楽しめました。
おかざき:漫画を読んでくださった方も楽しめる内容ということですね。
燃え殻:絶対に面白いと思う。ぜひ、みなさんもドラマ版を期待して待っていてください。
ドラマ版の詳細はこちらから。
このトークをお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『BEFORE DAWN』(ナビゲーター:燃え殻)。4月12日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。
『あなたに聴かせたい歌があるんだ』のオファーを受けた理由
『BEFORE DAWN』は4月よりスタートした新番組。夜明け前の時間、ナビゲーター・燃え殻が心地のよい言葉・音楽を届けるプログラムだ。初回放送では燃え殻が原作を担当した漫画『あなたに聴かせたい歌があるんだ』の執筆で意識したポイント語った。誰にも“勝ち負け”はない、と伝える物語。燃え殻が『あなたに聴かせたい歌があるんだ』を語る
今回の放送では、作品の漫画を手掛けたおかざき真里をゲストに招き、制作エピソードについて語り合う。まずおかざきは、漫画制作のオファーを振り返った。
燃え殻:2回目にして初のゲストをお招きしております。漫画家のおかざき真里さんです。よろしくお願いします。
おかざき:よろしくお願いします。
燃え殻:先ほど知ったのですが、なんとおかざきさんはラジオに初出演ということで。
おかざき:はい。緊張しています。
燃え殻:僕も緊張しているので大丈夫だと思います(笑)。おかざき真里さんはこれまで、『サプリ』(祥伝社)、『&(アンド)』(祥伝社)、『阿・吽』(小学館)などの人気作品を手掛けてこられた漫画家さんです。先週の放送でもお話しましたけども、僕が原作を書いた『あなたに聴かせたい歌があるんだ』の漫画を描いていただきました。
おかざき:とても光栄でした。
燃え殻:なぜ、お話を受けていただけたのでしょうか?
おかざき:祥伝社の『週刊SPA!』さんは、漫画家憧れの雑誌なんです。
燃え殻:そうなんですか?って失礼な話ですね(笑)。
おかざき:(笑)。話題作の漫画を出し、ヒットさせているんですよ。「いつか『週刊SPA!』で描いてみたいよね」って話を、漫画家友だちとTwitterとかで話をしたことがあります。
燃え殻:なるほど。
おかざき:しかも、燃え殻さんが原作ということで。お話をいただいたとき、「わーい!」と二つ返事で受けさせていただきました。
燃え殻:そうだったんですね。僕自身、ずっと『週刊SPA!』でエッセイをやらせてもらっていたんですけども、そのときも漫画が常に3つか4つぐらい、ずっと連載されていました。たしかに漫画が多い雑誌ですよね。僕自身、漫画の原作の書き下ろしは初めてだったし、最初のお相手がおかざき真理さんとのことでしたので緊張しました。
おかざき:(漫画制作を)全部任せていただいて。
燃え殻:おかざきさんのフィルターを通して、あの原作をどうするのかっていうのを見たかったんですよね。最初の読者になりたかったんです。
おかざき:おお。
燃え殻は、『あなたに聴かせたい歌があるんだ』の原作に対して「素材提供だと思って執筆した」とコメント。
燃え殻:野菜を作って、料理人の人に「好きなように料理してください」みたいな感じです。「自分の作った野菜がこうなるのか!」っていうのを楽しみたいというか。そこでこっちが「ロールキャベツにしてください」って言うと、ちょっと面白くないじゃないですか。
おかざき:そうですよね(笑)。
燃え殻:そして、僕がメニューを考えるよりもプロの考えた料理を食べるという、贅沢なことをやりたかったんですよね。
おかざき:なるほど。
“映像畑で育った”という共通点を持つ2人
燃え殻は『あなたに聴かせたい歌があるんだ』の連載中、おかざきに要望や指摘などを伝えなかったそうだ。燃え殻:僕はたぶん、おかざきさんに何も言わなかった気がしますし、言うようなことがなかったですね。
おかざき:とんでもないです。お任せしていただいたので「さて、どうしようかな?」と思いました。いただいた原作からものすごく逸脱して描いてもよかったんですけども、燃え殻さんの書かれるものを読むと、読者のみなさんもそうだと思うのですが、映像が次々と思い浮かぶんですよね。なので、その思い浮かんだ映像を、燃え殻さんの書かれた“世界観”を信じてそのまま出してみようと思ったんです。
燃え殻:なるほど。
おかざき:私のなかではいただいた原作をあまり変えていません。あと、燃え殻さんの書かれるものって現在と過去をすごく行ったり来たりしますよね。
燃え殻:そうなんですよ。僕、行ったり来たりしちゃうんですよねえ。
1話16ページという限られた枚数のなか、作中で現在と過去が何度も行き来することは、本来ありえないことだとおかざきは語る。
おかざき:でも、燃え殻さんの書かれているものって“夢のなか効果”というか、読んでいる人に「今、自分はどこの(時間の)位置にいるんだろうな」と思わせるんです。そこが素敵だなと思ったんですよ。
燃え殻:ありがとうございます。
おかざき:漫画としてはありえない構成なんだけども、「現在と過去を行き来するフォーマットを崩さないようにしよう」と思ったんですよね。私の描く漫画もそうなんですけども、燃え殻さんの作品も「主人公が何かに勝つ」「主人公が何らかのテーマに気付く」「大きな敵を倒す」といった、起承転結があるものではないじゃないですか。
燃え殻:そうですね。
おかざき:ストーリーがどうのっていうよりは、現在と過去を行ったり来たりして「延長線上に未来があるんだろうな」と思わせる感じだけが描ければいいんだろうなと思ったんですよ。
燃え殻:すごく嬉しいし、僕もそういう風にしたいと思っていました。今こうしておかざきさんとお話しているときも、どこか昔の何かを思い出しながら話しちゃっています。
おかざき:(笑)。
燃え殻:(昔のことを思い出すのは)おかざきさんと話すためではないんです。突然いきなり出てきちゃうんですよ。小説やエッセイだと、そうやって思い浮かんだことをけっこう書いちゃいます。そうやって、行ったり来たりさせちゃうんですよ。ノイズのように過去のことが入ってくるのって、自分にとっては“リアル”なんですよね。
おかざき:わかります。
燃え殻:普通だったら線を引かれるところですよね。「これ、関係ないですよね?」って。でも、関係ないことがたくさん入っていることは、おかざきさんに今こうやって伝える上ですごく必要な気がしています。
おかざき:私は広告代理店出身でCMを作っていましたし、燃え殻さんはテレビ局で美術製作をされている。お互い、映像畑で育ってここにいるじゃないですか。映像畑の言葉で言うと、「インサートカット」ですよね。メインの絵、お芝居はあるんだけども、インサートカットで短く過去やイメージが差し込まれたりする。
燃え殻:なるほど。そうですね。
おかざき:インサートカットをすることで、一本の筋道が通っていく。その感じが(原作を読んで)めちゃくちゃわかりました。
楽曲『エイリアンズ』を起用したのはおかざき真理のアイデア
前回の放送で、燃え殻は原作の漫画化にあたって変更して点があったことを語った。おかざき:原作では、もともと違う曲(The Beatlesの『Let It Be』)が使われるはずだったんですよね?
燃え殻:そうです。
おかざき:ただ、洋楽だったので交渉に難航しているっていう話は聞いていました。
燃え殻:難航どころの話じゃないですよ。
おかざき:(笑)。私は元広告代理店なので、みなさんB案C案を出しているものと思っていたんですね。
燃え殻:実は、B案C案も難航したんですよ。
おかざき:そうなんだ!? (難航している話を聞いて)「燃え殻さんの小説を読んでいると頭のなかで流れてくる曲があるんです」と、キリンジの『エイリアンズ』を提案したら、「それはいい!」と反応してくださったんですよね。
燃え殻:そうですね。
おかざき:とっくに候補として出ていると思っていました(笑)。
燃え殻:まず、邦楽が候補に1つも出てしませんでした。おかざきさんに言ってもらってから、(Hulu版を手掛けた)萩原監督にも伝えて、堀込泰行さんにも正式にお伝えして、OKをいただけることとなりました。
おかざき:ね。いい功績でしょう(笑)?
燃え殻:ありがとうございます。
おかざき:ふふふ。漫画的な話ですと、肝になるシーンに歌詞が載ってくるわけですけども、洋楽だと英語が横文字で表示されるから読めないんですよ。
燃え殻:たしかに!
おかざき:漫画的にも「できれば日本語に助けてもらいたい」という気持ちがちょっとありました。もちろん『エイリアンズ』が大好きでしたし、燃え殻さんの小説を読んでいると、必ずと言っていいほど頭のなかで流れてくる曲ですしね。
燃え殻:僕、正直に言いますけども、あまりにも『エイリアンズ』が好きなんですよ。堀込さんのアルバム『馬の骨』の収録曲『燃え殻』から、名前をいただいているので。自分の名前に加えて『エイリアンズ』の使用許可ですから「どこまでおんぶに抱っこなんだ」という気持ちはありました(笑)。でも、本当に作品と音楽が合ったなと思いましたね。僕、映像版も観させてもらったんですけども、ぴったりでした。そこも含めて、おかざきさんには本当に感謝しています。
おかざき:それだけは残した功績として、声を大にして言いたい(笑)。
燃え殻:いやあ、でか過ぎますね。
ドラマ版ならではの“発見”に期待
5月20日(金)に『あなたに聴かせたい歌があるんだ』のドラマ版がHuluで一挙独占配信される。燃え殻:映像化されることを前提に漫画を描かれるっていうことで、何か意識した点はありましたか?
おかざき:元々、会社員時代にCMを作っていたので「自分の描いた絵コンテが映像になる」っていうのは、もう慣れているというか。慣れているっていう表現はおかしいかな? 自分の頭のなかにあるものを、演出家が違うものにしてくださる。自分が思ってもいないイメージをどんどん超えていくみたいな経験もあるので、とても期待しています。
燃え殻:そうなんですね。
おかざき:でも、映像を観たら絶対に“悔しい”。
燃え殻:悔しい?
おかざき:悔しいよ(笑)。だって映像は役者さんもいて、曲もちゃんと流れるじゃないですか。スタイリストさんもいて、カメラマンもいて、照明さんもいますから。
燃え殻:もはや総合芸術ですよね。
おかざき:私は一人で漫画を描いているのに、向こうは総合芸術だよ(笑)?
燃え殻:じゃあ、僕も小説を書かなくてもいいでしょうか(笑)。
おかざき:だめです(笑)。これからも小説を書くことを期待してる。
燃え殻:おかざきさんの漫画を読んで、ちょうど昨日とか一昨日とかに映像を全部観させてもらったんですね。「ここがこう違うんだ」みたいなところも含めて、一視聴者として楽しめました。
おかざき:漫画を読んでくださった方も楽しめる内容ということですね。
燃え殻:絶対に面白いと思う。ぜひ、みなさんもドラマ版を期待して待っていてください。
ドラマ版の詳細はこちらから。
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