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クリープハイプ・尾崎世界観、朝日を見ながらバンド結成を決意する

クリープハイプ・尾崎世界観、朝日を見ながらバンド結成を決意する

クリープハイプの尾崎世界観(Vo/Gt)と松居大悟が、2月11日(金)から公開の映画『ちょっと思い出しただけ』の制作秘話を語り合った。

尾崎が出演したのは劇団ゴジゲンの主宰である松居がナビゲートする、J-WAVEで放送中の番組『JUMP OVER』。オンエアは2月2日(水)。同番組ではラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を越えた企画を発信し続けている。

尾崎がバンド結成を決意した瞬間

冒頭から軽快なトークで仲のよさをみせた松居と尾崎。クリープハイプの曲『ナイトオンザプラネット』が元になって生まれ、松居がメガホンをとった映画『ちょっと思い出しただけ』の制作経緯についてトークを展開した。



松居:僕に『ナイトオンザプラネット』の曲が2020年の3月に送られてきて「これは絶対松居くんとMVがやりたい。これだと思う曲がついにできた。これなら死ぬ気で殴り合えると思う」って(書いてあった)。

尾崎:いや恥ずかしい恥ずかしい、やめろやめろ。

松居:(笑)。これはうれしかった。それで俺が「おお」ってなったんだよね。そう思ったのも、尾崎くんが高校のときにジャームッシュの『ナイト・オン・ザ・プラネット』を観て、バンドをやろうと思ったと。

尾崎:ちょうど大みそかに観ていたんだけど、新年になった朝がすごく晴れてて。それで思ったんだよなあ。

松居:朝日を見ながら。

尾崎:うん……やめろ! またJ-WAVE NEWSで変なニュースになるから。「朝日を見ながらバンド結成を決意する」みたいに。

松居:1番組で1個しか記事にならないから(笑)。

尾崎:8個ぐらいどうでもいいニュース出ちゃうからやめてよ(笑)。

松居:というのがあったからさ。クリープハイプが『ナイトオンザプラネット』を歌うって、なんかすごい意味があるじゃない。

尾崎:あるね。

松居:覚悟も感じた。聴いたときも「うわあすごい、新しいステージに行こうとしてる」と思ったし、メッチャいい曲だったから。これはもう「書かねば」と、台本を書こうと思って。「台本を書かせて」と言って結局僕、2021年の1月中旬に尾崎くんに送ったよね。

尾崎:意外と1年以内には書けたんだ。でもそんなに気にしてなくて、もともとどうなるかというのもまだ決まってなかったし、やっぱり映像になるってかなりハードルが高いから。キャストの方はもちろんそうだし、スタッフさんもそうだし。あとはお金がかかるでしょ?

松居:そうそう。

尾崎:だから、別にそこが先に決まってたら焦っていたかもしれないけど全然気にしてなかった。ゆっくりやってもらっていいし。

松居:最初に『ナイトオンザプラネット』が送られてきたときにもう1個曲があって、「この2つで映像をやろう」みたいな話をしていたけど、結局もう一曲はどうしても出さなきゃいけないからとなって。最初はその2つで考えていたんだけど「あ、できなかった」と思って申し訳ない気持ちもあった。

尾崎:アルバムがまだ出ると保証や確信もなかったし、アルバムを出すことに対する疑いもあったから、そこは全然気にしてなくて。この映画が形になる、映像作品としてできあがることと同じくらいふわっとしていたから、ちょうどよかったのかもしれないけどな。

【過去記事】また一緒に作品を作りたいと話していた尾崎と松居

ミュージシャンを俳優にする男、松居大悟



尾崎は『ちょっと思い出しただけ』に、俳優としても出演を果たしている。松居がかつて石崎ひゅーいを映画『アズミ・ハルコは行方不明』に出演させた際に、尾崎はアーティストが演技をすることに疑問を呈していたそう。

松居:このあいだ石崎ひゅーいがゲストで来たんだけど、尾崎くんと一緒にライブを観にいったときに尾崎くんが「ひゅーいにちょっと謝らきゃいけないことが。俺、映画に出るんだよね」と。あんなに(自分は)ひゅーいに「映画出るな」って言ったのにって謝ってて(笑)。

尾崎:それはだって謝らないといけなくなったんだよ、流れのせいだからね。松居大悟のせいなんだよ、いろいろな人をさらって。鬼みたいなものだから。ミュージシャンの人さらい。イメージでいうとデッカイ松居大悟が空からドーン!って出てきて、人差し指と親指でつまんで引き上げていくみたいな感じ。

松居:映画の現場にファーって連れてって(笑)。

尾崎:(笑)。

松居:歌ってたのに(笑)。

尾崎:そうそう、ひゅーいもビックリしちゃって「え? ここどこだ!?」って。そんなイメージ。
松居:最初は(尾崎に)「自分が出るのは違うんじゃないか」と言われたこともあった。台本もいいしキャストもいいのに自分が出るのが申し訳ないみたいな感じだったんです。だけど僕は台本書いているときに尾崎くんに芝居をしてもらうつもりだったんです。

尾崎のリアルな声を脚本に反映

『ちょっと思い出しただけ』では、尾崎の発言が元になったセリフもあるのだとか。

尾崎:松居くんが電話で俺が喋ったことを反映してくれたんだよね。

松居:そうそう。2020年の春に尾崎くんが、ホールツアーがけっこう中止になったりしていくなかで……。

尾崎:ホールツアーじゃないかな、10周年のツアーでかなり大規模な。

松居:10周年のツアーか。あのときぐらいに、グッズも全部作っちゃったし、払い戻しも金かかるし、本当にこのままだと事務所潰れるかもしれないから、松居くんなんか撮ってくれない?みたいなことを言ってくれて。あんまり尾崎くんからそういうの言われたことなかったから。でも俺が『くれなずめ』の撮影があってどうしても参加できなくて。けど、すごく気になっていて、そのあとに『ナイトオンザプラネット』を聴いたから、なんか尾崎くんのあの言葉をすごく覚えていて書いたな。コロナ禍のミュージシャンの感じってわからないから。

尾崎:なかなかね。「払い戻しってヤバい」といっても、あまり伝わらないよね。「大丈夫だろ、もっと苦しんでいる人いるだろ」ってなるけど。普段ミュージシャンって楽しんでいるイメージあるじゃん。

松居:華やかなところしかね。

尾崎:うん。「大変なときに大変って言っていいんだろうか」って気持ちもあるし。でもまあ大変だからなっていう。

松居:「払い戻しに金かかるし」っていうのが一番説得力ある。

尾崎:すごいんだよね、何百円とかなのかもしれないけど、(販売数が)3万とか4万とかだから。

噛み合わないLINE

映画の完成披露試写会では、初めて2人で登壇したそう。しかし尾崎はその後松居からきたLINEのメッセージが非常に「面倒くさかった」と振り返った。

尾崎:「うれしいな、うれしいよ」ってきて。こっちはレコーディングのミックスという作業があって、ずっと忙しかったから。昼からずっと取材受けて、夜に完成披露試写会があって、またレコーディングのミックスに行っているというときにそれがきて「また始まった」と思って。「酔ってるだろ?」って言ったら「好きだよ、レコーディングお疲れ様」ってきて、「おい、酔っ払い、おーい、酔っているかどうか答えなさい」って俺が返したのね。そしたら「舞台挨拶初めて一緒にしたのヤバいよ、うれしいよ、10年越しだよ」って。

松居:恥ずかしいわ、恥ずかしい(笑)。

尾崎:いや、喜んでもらえてメチャクチャうれしいし、俺もうれしい。ただ「大ちゃん酔ってるんだよね? 酔ってるってことでいいんだよね?」って返したら、「祐介(尾崎の本名)に酔ってるよ、ありがとうこの野郎」って返ってきて。

松居:ちょっと勘弁して、勘弁して(笑)!。

尾崎:それで「やっと認めてくれてありがとう」って俺が送った。なんかもう、本当に噛み合ってないのよ全然これが。

松居:恥ずかしいな。

尾崎:だから、いまの松居くんのLINEがすべてですよ、そういうことだって。

松居:いやでも、うれしかったです。

【翌週の記事】尾崎世界観 「新しいことに挑戦するのが怖い」相談に回答

松居大悟がナビゲートするJ-WAVE『JUMP OVER』では、ラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を越えた企画を発信。放送は水曜の26時から。

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