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結婚=人生の最高のゴールではなく、繋がりの形は多種多様。武井 壮×藤原しおりが考える

結婚=人生の最高のゴールではなく、繋がりの形は多種多様。武井 壮×藤原しおりが考える

武井 壮が藤原しおりが、J-WAVEで対談。「結婚」をテーマに、その概念やさまざまな結婚の在り方について語り合った。

ふたりがトークしたのは、J-WAVEの番組『HITACHI BUTSURYU TOMOLAB. ~TOMORROW LABORATORY』。オンエアは11月27日(土)。 同番組はラジオを「ラボ」に見立て、藤原しおりがチーフとしてお届けしている。「SDGs」「環境問題」などの社会問題を「私たちそれぞれの身近にある困りごと」にかみ砕き、未来を明るくするヒントを研究。知識やアイデア、行動力を持って人生を切り拓いてきた有識者をラボの仲間「フェロー」として迎えて、解決へのアクションへと結ぶ“ハブ”を目指す。

結婚はなんにでもなり得る「素材」

10月に小室 圭さんと眞子さんが結婚したことが大きな話題となった。11月には、史上最年少でノーベル平和賞を受賞したマララ・ユスフザイの結婚や、吉田栄作と内山理名がおよそ4年間の交際を経た結婚、菅田将暉と小松菜奈が結婚を発表したことなどが記憶に新しい。

2021年4月に有吉弘行と夏目三久、5月に星野 源と新垣結衣も結婚を発表した。有吉、星野、菅田は、それぞれパーソナリティを務めるラジオで結婚を報告したことも話題となった。

藤原:私も武井さんも現在独身ではありますが、「結婚」と聞いて、武井さんはまず何を思い浮かべますか?

武井:僕にとって「結婚」とは「素材」です。なんにでもなり得るなと思っていて。「結婚したからこうでなければいけない」というものがあるべきじゃないと僕は思っているんです。たとえば「家族」というと「家」がついてるじゃないですか。人のおうちってみんな違う。同じデザインの部屋でも内装や家具も使い方も違うじゃないですか。そういうものだろうなと思っています。だから結婚という素材を使ってどういう毎日を暮らすかという、そういうスパイス的なこと、料理の素材的なものだなと思っています。

藤原:ちょっと意外でした。武井さんは結婚に対して窮屈なイメージを持っているんじゃないかなと思っていました。

武井:そう思われがちだけど、「結婚して落ち着いた生活を」というのもひとつだし、「結婚して落ち着いていない生活をしよう」というのもひとつ。なんでもいいわけだから、どんな味付けをしたっていいし、どんな皿に盛ったっていいし、どんな箱に入れたっていい。結婚した後も前も自由だなっていうイメージです。

結婚後に不満…「社会の刷り込み」が背景に?

リスナーからこんな悩みが寄せられた。

「私は今年26歳ですが、最近では30代になることの不安から落ち込んでしまう自分がいます。(不安の原因は)メディアや周りの声から蓄積された結婚や出産のタイムリミットみたいなものがあることです」

武井:確かに日本で暮らしていると、雑誌にしてもメディアにしても、結婚に対してある程度かたまった価値観が我々の意識のなかに醸成されている気がするんですね。20代後半で「女の子は結婚適齢期ですね」みたいな感じになって「そろそろかな?」みたいなことを言われだして、30代になると「どうしよう、ちょっとあせる」みたいな。たとえば結婚をすごく幸せなものとしてPRして、結婚式をより豊かなものにしようとか、そういう世の中のビジネスが絡んでいて、結婚のイメージをより幸せで人生の最高のゴールみたいに醸成しすぎている。そこに対して、逆に不安を感じている人が意外と多いなと僕は感じています。なので「もうちょっと表面的な概念を崩せばいいのにな」と。

藤原:たしかに、結婚と年齢に関する悩みはありますよね。

ニッセイ基礎研究所人口動態シニアリサーチャー・天野馨南子さんが、婚姻件数が最も多い年齢を「結婚のピーク」と定義する統計学上の最頻値をリサーチした。2018年のデータによると、初婚男性の婚姻件数が最も多いのは2万8789件の27歳、初婚女性は3万2884件の26歳という結果になった。

武井:こういうデータを見ると「26、27歳ぐらいで結婚する人が多いんだな」と、ぼんやり感じるじゃないですか。「最も多いのは」と書いてあるということは、2番目はもしかしたら全然違う年齢かもしれないし、3番目も数万件あるだろうし、いろいろな歳に何万件もあるけど、「もっとも多いのが27歳でした」という発表しかしないから、結局こういうのにぼんやりした概念を植え付けられるじゃない。

そうしたことから「ふんわりと結婚しちゃう」と武井は指摘する。

武井:だから結婚したあと意外と不満が多いじゃないですか。世の中、離婚も多いし、結婚していても配偶者の不満を述べる人も多い。だから本当に結婚というかたちがそぐう関係性になって結婚している割合が少ないだろうなと僕は思っています。親に扶養されて22歳まできて、そのあとまだ少ないお給料で働いて4、5年で結婚しちゃう人が一番多いってことでしょ? そんなので社会のことが本当によくわかって、子どもを育てることを理解していて、自分たちの人生がそれによって疲弊しないかたちを作れているかということをきちんと準備できている人なんて、本当に少ないと思うんです。

結婚後の不満を防ぐために、「婚前契約(プリナップ)」をする方法もある。海外セレブのニュースで耳にしたことがある人もいるのでは。

弁護士・後藤千絵さんのコラムから抜粋によると、本来の目的は、離婚した場合の金銭トラブルを避けるだけでなく、結婚生活のルールについて契約を交わして書面にしておくことで日常のトラブルを防止し、円満な関係を維持することにある。海外のセレブばかりでなく、最近では日本でも若いカップルを中心にプリナップの作成を弁護士に依頼するケースが増えているそうだ。

「別居婚」「友情婚」「ポリアモリー」…多種多様な繋がり方

番組ではほかにも、お互いの家を行き来するというスタイルで結婚生活を送る「週末婚」や「別居婚」、恋愛感情はないが人間的に尊敬している相手との「友情婚」、結婚していたとしても当事者たちが合意の上で複数のパートナーと恋愛関係を持つライフスタイルを指す「ポリアモリー」など、さまざまな結婚のかたちを紹介した。

藤原:武井さんはどれも納得いくトピックですか?

武井:そうですね。何を否定することもありません。ただ、日本の枠組みからすると「それはちょっとどうなの?」というのがあったりするじゃないですか。たとえば「ポリアモリー」は、日本で婚姻をするということは貞操義務が発生しているので、日本の法律だと不具合が生じるわけです。でも地球人全体で見たら、どのエリアに生まれたかで結婚の概念が変わるから、どれも「そういうふうに考える人もたぶんいるだろうな」と思えるぐらいです。

藤原:わざわざ「婚」というかたちをとらざるを得ない、生命の危機があったときに親族じゃないと入れない、結婚していないと入れないとなったときに大変だからとか、社会的制度をくぐるために結婚しなければいけないというのも、国によって違うと思います。結婚によってできることが変わってくる。

武井:これは0から100まであると思う。同じ友情婚でも、絶対的に相手を必要として決めた友情婚もあるし、「縛られるのは嫌だよね、プライベートは別々がいいよね、でも結婚したいよね」という友情婚もある。そういうレベルが各カップルで違うと思う。0から100までみんなかたちが違うしレベルも違うから。

藤原:「婚前契約(プリナップ)」をするって、日本人がめちゃくちゃ苦手だけど、やっておいたほうがいいと思う。水を差すようなことじゃないですか。「結婚だ、やったぞ!」と浮足立っているときって、無理なことがあっても頑張れる気持ちがあるんですけど、やっぱり冷静になるときがやってくるので、そのときになって話し合っていく、話し合わずに壊れるところまでいっちゃうことが多いと思うんです。だから事前に決めておくのは、本当にやっておくべきことかもしれないなと私はこのトピックを見て思いました。

武井:優秀なシステムだと思います。プリナップをすることが幸せの一部になるように我々の意識が醸成されたらいいなと思います。

J-WAVE『HITACHI BUTSURYU TOMOLAB. ~TOMORROW LABORATORY』は毎週土曜20時から20時54分にオンエア。

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2021年12月4日28時59分まで

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番組情報
HITACHI BUTSURYU TOMOLAB.〜TOMORROW LABORATORY
毎週土曜
20:00-20:54