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よく履いてよく洗うほど、色鮮やかになるスニーカー。「藍染」の魅力やこだわりを聞く

よく履いてよく洗うほど、色鮮やかになるスニーカー。「藍染」の魅力やこだわりを聞く

「藍師・染師」の渡邉健太さんが、藍染師になったきっかけや藍染の魅力、制作過程などについて語った。

渡邉さんが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」。ここでは、9月9日(木)のオンエア内容をテキストで紹介する。

藍染体験での衝撃から、藍染師に

古くから日本の暮らしを彩ってきた藍染。渡邉さんは日本有数の藍染山地である徳島県板野郡上板町に、藍染工房「Watanabe’s」を構えている。上板町はどういった特徴のある地域なのだろうか。

渡邉:上板町には横に大きく吉野川が流れているんです。北と南には山脈がありまして、きれいな水が豊富にあることが特徴の場所です。
別所:やっぱり染め物には水は欠かせないですね。
渡邉:そうですね、畑をするにも染め物をするにも、いちばん大事な部分です。
別所:ご自身は山形県のご出身ということですが、どういったきっかけで藍染の世界に進まれたんですか?
渡邉:就職してサラリーマンをしていたときに東京にいたんですけど、そこで初めて藍染体験に行きました。そこで衝撃的な出会いをしたっていうのが、きっかけになります。 別所:どんな衝撃ですか?
渡邉:液に素手を浸けた感触とか、色が酸化して変わっていく様子とか、発酵している匂いとか、すべてがズバっときたっていう体験をしました。
別所:もうそこで虜になってしまったと。
渡邉:「これをしなきゃいけないんだ」と思いました。
別所:何歳のときですか?
渡邉:25歳です。

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「藍師・染師」の渡邉健太さん

染料作りから制作までを一貫して

我々の生活になじみの深いジーンズをはじめ、「インディゴ」と呼ばれる色は多く使われているが、日本の藍色との違いはどこにあるのだろうか。

渡邉:皆さんに馴染みの深いジーンズは、おおよそ石炭からできている化学染料のインディゴをメインに使っています。対して日本に昔からある藍染は「すくも」という天然染料を使っていまして、まずそこが大きな違いです。あとは色にしても、藍染はすごく彩度が高くて鮮やかで深みのある色っていうのが特徴なんじゃないかなと思います。
別所:古い歴史を持っている藍色ですけど、日本で藍色が親しまれてきたのはいつ頃からなんでしょうか?
渡邉:いま私たちに馴染みの深い「ジャパンブルー」という色がしっかり確立されたのは、江戸時代だと言われています。辿るともっと古くからあるんですけど、まさに庶民の生活に馴染んで、みんなが藍色の衣服を着て生活をしていた、いちばん親しまれた時代は江戸時代かなと。

古い歴史を持つ藍色を現代へと受け継ぎ、進化されている1人である渡邉さんは、藍染はもちろん、染料となる「すくも」(藍の葉を発酵させて製したもの)も自身で手掛けている。染料作りから染色、制作までを一貫して行う渡邉さんに、別所は「原料となる藍はどういった植物か」と質問した。

渡邉:蓼藍(たであい)っていう一年草の植物で、見た目はバジルの葉っぱを分厚くしたような植物です。昔、お刺身とかを食べるときに蓼って小さいのがついていたと思うんですけど、それと同じ植物の種類です。
別所:葉自体はそんなに大きくないんですか?
渡邉:手のひらに乗るくらい大きく育ちますね。

7月から9月の夏ごろが収穫時期だが、よい染色をするには土が重要だという。

渡邉:いい植物を作らないといい色も出ないっていうことで、たどり着いたのが土づくり。そこを今いちばん大事にしてやっています。
別所:どんな風に土づくりをされるんですか?
渡邉:うちの工房の隣に金時豚の養豚場がありまして、そこの社長と提携して出た糞尿を堆肥化させ、それを土づくりに生かすっていうトライを続けています。今4年目なんですけど、年々土が育っていって収穫量も増えてきて、いい調子で育てられるようになりました。
別所:やっぱり手ごたえを感じるわけですね、時間はかかるけど。

さまざまなコラボレーションで藍染の伝統を守る

渡邉さんによると、10年ほど前は藍の栽培から一貫して手掛ける染師はほとんど聞いたことがなかったというが、最近になって徳島県内でも同じような染師が増えてきた印象があると語った。

渡邉:正確に把握できていなんですけどここ2~3年で徳島県内でも増えてきたって話も聞きますし、日本全国でも栽培から始めるって方はちらほら増えてきたっていうお話を聞きます。
別所:自ら(栽培から)作るところから始めることに意味があるんでしょうか。
渡邉:そうですね。あとは「すくも」を作る藍師さんの生産量が減っているので、藍染をしたいってなったときに「すくも」が手に入らないという現状もあります。

伝統を受け継ぎながら、今の時代に藍染の魅力を伝えるために、渡邉さんはさまざまなコラボレーションも展開している。

渡邉:たとえば徳島県産の杉で作った糸を使ったハンドタオルを一緒に作ったり、日本に古くからある縮織(ちぢみおり)の生地を使って、それで製品を作ってみたり、他の産地とのマッチアップっていうのも積極的にしています。
別所:藍染と相性のいい素材ってどんなものなんですか?
渡邉:基本的には綿とか麻とかウールとかの天然素材になります。
別所:いまリモートで画面越しにお話していますけど、爪が真っ青ですね。手を洗っても爪のところには藍色が残るんですね。
渡邉:爪がいちばん染まるんじゃないかってくらい染まりますね。
別所:渡邉さんの藍染は、長く使えば使うほど鮮やかな色が生まれるという魅力があると伺っています。渡邉さんだけの藍色があるんですか?
渡邉:いっぱい藍色があるんですけど、特徴が出ますね。鮮やかだなとか色がきれいだなとか、深いなとか特徴はあります。
別所:それは原材料、水、工程、時間、どこの影響ですか?
渡邉:けっこう出るのは葉っぱが育ったときの良し悪しです。染料を作るときには「すくも」を発酵させるんですけど、発酵日数や水の加減っていうところでも違いが出てくるのかなとは思います。
別所:ちなみに渡邉さんは何日ぐらい発酵させるんですか?
渡邉:だいたい120日間ぐらいかけて、4か月間。
別所:そんなに!? 120日?
渡邉:はい、夏に刈り取った葉っぱを発酵させます。
別所:何か加えるんですか、そこに?
渡邉:いいえ、もともと葉っぱのなかに藍色があって、酸化することで青に発色するっていう特殊な植物なんですよ。
別所:じゃあそこに酢を入れたり塩を入れたりってことではないんですね。発酵することでその色が導き出されるわけですか。

Allbirdsとのコラボスニーカーを発売

そんな渡邉さんの天然藍と「Allbirds」がコラボレーションした作品が、この度発表された。渡邉さんが一足ずつ丁寧に染めた「Wool Runner Watanabe’s Japanese Indigo」は、9月17日より数量限定で発売する。

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渡邉健太さんとAllbirdsがコラボレーションしたスニーカー

別所:(スニーカーは)ウール素材ですけど、ウールとの相性はいかがでした?
渡邉:すごくよかったですね、発色もきれいですし。生地がよかったです。
別所:僕、画像を見ましたけどすごくきれいな色ですね。びっくりした。
渡邉:アッパーの上に見えているところと、インナーのかかとの部分っていうのも素材が若干違っていて、同じ回数染めているんですけど、色合いがちょっと違うんですよ。それもまた細かく見ると面白いところです。
別所:長く使えば使うほど味が出るというか、色も深まるんですかね。
渡邉:だんだん彩度が上がっていく、鮮やかになっていきます。(スニーカーは)色落ちするんじゃないかっていうことで洗わない方も多いんですけど、これに関してはよく履いて、よく洗ってっていうことを繰り返すことで、逆に色が長持ちして使えるっていう染料なので、育てていく、メンテナンスしていくってことをしながらどんどん履いてほしいです。極論、最後に色があせたら染め直しもできますので。長く使っていただきたいというところで、今回の開発、制作に至りました。

伝統ある藍染と履き心地抜群なAllbirdsのスニーカーのコラボレーションを、ぜひ楽しんでみては。商品の詳細や購入方法は、Allbirdsの公式サイトまで。

・Allbirdsの公式サイト
https://allbirds.jp/

『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の6時30分頃から。お楽しみに!

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