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漁師からイラストレーターへ。その歩みを、『POPEYE』表紙などで活躍の松原 光に聞く

漁師からイラストレーターへ。その歩みを、『POPEYE』表紙などで活躍の松原 光に聞く

漁師を経て、イラストレーターに。そんな異色の経歴を持つ松原光さんに、自身のターニングポイントなどをインタビュー。目標に到達するヒントを探った。

松原さんが登場したのは、別所哲也がナビゲーターを務める『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」。オンエアは2月22日(火)。

「自分は何をしたいのか」考えて行動へ

『POPEYE』の表紙や、BEAMS、JOURNAL STANDARD FURNITURE、GEORGIAといったクライアントワークを手がけるなど、イラストレーターとして人気を博する松原さん。2018年に参加したアートフェア「UNKNOWN ASIA」では、2つの賞を受賞した。

そんな松原さんだが、美術系の大学の出身ではなく、実はもともと漁師をしていたという。キャリアの歩みを聞いた。

松原:美大や芸大ではなく、普通の大学に通っていました。就職活動に失敗し、内定が全くもらえなかった状況で、たまたま、知人に漁師がいたんです。その方に紹介していただいて、まず漁師として社会人経験をスタートさせました。ただ、漁師も1年弱くらいで辞めちゃって、フラフラして気づいたら25歳。このままだとすぐに歳を取ってしまうと思って……。その危機感から改めて自分が何をしたいのか、何が好きなのかを考えたんです。考えていく中で、昔からギャラリーとか美術館に行くのが好きだったことに気づき、イラストやアートにかかわる職業につけれたらいいなと思ったんですよね。

別所:じゃあもともと、お好きではあったんですね?

松原:興味はありましたね。母親がアートや音楽が好きだったこともあり、幼少期から家に作品集があったり、音楽が流れていたりしました。その環境も影響しているのかなと思います。

幼少期の原体験が影響していると話す松原さん。別所は、「好きとはいえど、こんなに洗練されたオシャレなイラストは描けない」と松原さんのイラストを称賛し、描き方について聞く。

松原:基本は、鉛筆やペンで下書きの段階は手書きでザッとラフを描いて、それを元にパソコンで形を微調整したり色をつけたりという流れです。

別所:へー。いまチラッとお母さんの話が出てきましたけど、アートが身近にあること、原体験があることが、やっぱり大切なんでしょうね。

松原:そうですね、僕の場合は自分からというよりは無意識というか母親からの影響なので、本当にそれはラッキーだったなというのは思います。

ターニングポイントになった『POPEYE』の仕事

自分が何をやりたいのかと自問自答し、イラストレーターという職に辿り着いた松原さん。彼の名前を一躍広めたターニングポイントは、ある雑誌の表紙を担当したことがきっかけだった。

松原:イラストレーターとしてのターニングポイントは、やっぱり『POPEYE』の表紙を担当させていただいたことですね。それがいちばん大きいと思います。昔から読んでいた雑誌でもあったんで、いつかは絶対表紙をやりたいなというのは思ってはいたんですけど、まさかこんなに早いタイミングでさせていただけるとは思ってもみなかったです。

別所:要するに編集部から「描いてみない?」って言われるわけでしょ? それまではどうしていたのでしょう。コンテストとかがあったんですか?

松原:自分も芸大や美大を出てるわけではないので、そのへんは本当に手探りで。まずは自分ができることで、大きい会場のアートイベントにとりあえず出て、そこでお客さんにまず知ってもらおうと、自分のブースを借りて、そこで名刺を配って、名前を売るっていう作業をずっとしてましたね。

努力が実って、『POPEYE』編集部の目に止まった松原さん。もともとは表紙ではなく中面で使用するイラストの依頼だったが、ラフを提出した段階で気に入られ、表紙に抜擢されたのだそう。

別所:どんなイラストなんですか?

松原:音楽の特集で、「いま、聴きたい音楽ってなんだろう?」という題名だったんですけど、シンプルな顔のイラストでキャラクターの耳の部分に音符のマークを使って、耳と音符を掛け合わせて音楽を聴いてるみたいなイメージのイラストです。
別所:今見てますけど、顔の表情が特徴的ですね!

松原:目はシグネチャーじゃないですけど、特徴はつけてますね。

最終目標を設定し、そこから逆算していく

自分で道を切り開いた松原さん。目標の叶え方について聞くと……。

松原:まずはざっくりと、最終的にどうなっていたいかというのを決めて、そこに辿り着くにはどうしたらいいかと逆算していくことが僕は多いですね。

別所:ということは最終形っていうのが何となく頭の中で思い描かれているということですね。

松原:本当にざっくりですけど(笑)。例えば、海辺に広い家を建ててとか、広い庭で犬と過ごすとか本当にざっくりしたそういうイメージは持っていますね。

別所:それを具現化していくんだ。

松原:それを実現させるためにはどうしたらいいか、どういう仕事に就いていればいいかは考えます。あとは、海外でも仕事がしたいなというのはずっとあるので、そうするためにはどういうことをしたらいいかなということを常に逆算して考えています。

別所:じゃあ、今のイラストレーションのお仕事も最終形というわけではないかもしれないですね?

松原:うーん、どうなんだろう。全く、現時点ではわからないです(笑)。

別所:ライフシフターという言葉がありますけど、自分が過ごしたいライフスタイルをイメージして、それに辿り着くにはどうありたいかという考え方ですね。とても素敵なイラストだからJ-WAVEともいろいろコラボしてくださいよ。

松原:ぜひぜひ、言ってください。よろしくお願いします!

松原さんの手がけた作品などは、公式Instagramまで。

『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の8時35分頃から。

(構成:笹谷淳介)

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