元フェンシング日本代表でオリンピック銀メダリストの太田雄貴が8月19日(木)、フェンシングとテクノロジーの融合や、オリンピック委員会当選の裏側、先日のオリンピック大会中に話題となったダンスについて語った。
太田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」。この日は、レギュラーナビゲーターである別所哲也に代わって、RDS代表でWEBメディア「HERO X」編集長の杉原行里と小林麗菜がナビゲーターを担当した。
杉原:エペ団体はずっと勝ちそうでしたよね。シーソーゲームというよりは、「これ、勝っちゃうんじゃない?」って。
太田:前半リードする展開になると日本はそこからひっくり返されることはほぼないので、彼らにとっては1回戦、2回戦が本当に山場でした。そこを抜けて準決勝くらいからは負ける気がしないチーム状態になってましたね。チーム3人とも調子がいい状態だったので、これは強いなと思いました。
杉原:太田さんも2012年のオリンピックで銀メダルを獲得してますよね。
太田:あのときとは全然違うんですよ。あのときは奇跡に奇跡を重ねて銀メダルなんです。いっぱいいっぱいで銀メダルだったけど、彼らは余力を残して金メダルなので、全然違うんですよね。今のレベルの方が圧倒的に高いですよね。
今回のオリンピックは日本全体でメダルラッシュに沸いた大会となったが、日本が飛躍した要因について太田は「1年の延期とコロナの影響が大きい」と分析する。
太田:海外選手たちもこの1年間はなかなか練習できなかったりするなかで、今回はメダルの数以上に参加できたこと、戦えたことに拍手という感じかなと。あと、もうひとつは若手の力ですね。去年だったら出られなかった選手が何人も出てるので。
小林:10代の方々の活躍もすごかったですからね。
先日、太田は国際オリンピック委員会(IOC)のアスリート委員に日本人で初めて当選し、話題となった。
杉原:今後オリンピックをどのように捉えていこうと思っていますか?
太田:アスリート委員なので、やはりアスリートファーストと大切にしつつ、一方でアスリートの権利をどの当たりまで主張するかというバランスもすごく問われるんです。いまはオリンピックではアスリート個人の協賛のロゴは表にだせません。一部出せるものありますけど、基本的にナショナルを背負っていくので、いつもだったら違う競技ウエアを着ていたりするんですけども、当然個人を主張する選手たちもいて。自分のスポンサーを出したいという思いもある反面、オリンピックという莫大なお金をかけてやっているものをマーケティングしているのでそういったところを大事にしていかなきゃいけないですよね。
他にも、ドーピング問題の改善や、オリンピックをどう世の中に広げて行くかを考えることなど、アスリート委員では幅広く活動すると太田は続けた。
杉原:このビジュアライズドってすごくないですか?
太田:僕がすごいというより、ライゾマティクスがすごいんですけど。これは剣をマーカーに付けずにトラッキングして映像で見ると全部剣が光って見えるようになるというものなんですよね。あれは実際の剣が光っているわけでも、剣にセンサーを付けているわけでもなく、マーカーを付けてもない状態でカメラだけで画像解析をして、どこに剣の先があるかを計算式で出した上で実際の映像とはめ込んで光らせています。
杉原:そもそもフェンシング協会とライゾマティクスが一緒にやることになったんですか。
太田:もともとオリンピックを招致するときのプレゼンテーションの中に、その映像を組み込んでいて。テクノロジーと祝祭に溢れたオリンピックにすると言っていたので、いろんな人たちの協力を仰ぎながら、ライゾマティクスだけじゃなくて、クリエイティブの面面も含めて一緒にやっています。
杉原は、以前はフェンシングの点の取り方がよくわからなかったが、このビジュアライズドでそれが一気にわかりやすくなったと言う。
小林:ルールとか詳しくなくても気になっていくというか。
太田:詳しくなくてもいいですよ。ルールは本当に難しくて、僕がわからないこともあるので。
杉原:これからビジュアライズドはどんどん進んでいくんですか。
太田:そうですね。ひとまず今回のオリンピックまでということがあったんですけど、この次は映像の権利関係とかけっこう乗り越えなきゃいけないところがグローバルレベルであるので、もっとみなさんにこの映像をお届けできるようにしていきたいと思っています。
また、オリンピック大会中の選手村で大田が突然、アーティスティックスイミングのスペイン代表の選手たちと一緒に踊る投稿も話題になった。
杉原:あれは応援のダンスですか?
太田:あのときは彼女たちの練習を僕が見てたら、コーチに呼ばれて「一緒に踊る?」って言われて。
杉原:あのダンスは中毒性がありますよね(笑)。
太田:僕らってオリンピックになると「勝て、勝て」と言われているんですよ。でも、楽しんでいる海外選手を選手ではない立場で見て、オリンピックを楽しめる人たちってこんなにいるんだって感じました。
オリンピック委員になり世界のスポーツを盛り上げていく一員となった大田は「お客さんを喜ばせてなんぼだと思う」と、今後のビジョンを語る。
太田:会場にいるお客さんのみならず、テレビやインターネットを介して中継を見ている人たちにも新しい見方(で魅力を伝えたいと思っています)。今のカメラはアングルを自由にできると言われていますけど、本当に必要なものって何なんだっけってことを逆算しながら、新しい価値を提供していけたら面白いと思っています。
10月3日(日)には全日本フェンシング選手権大会の決勝大会が渋谷で開催される予定だ。ぜひ選手たちの活躍に注目してほしい。
太田が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」。この日は、レギュラーナビゲーターである別所哲也に代わって、RDS代表でWEBメディア「HERO X」編集長の杉原行里と小林麗菜がナビゲーターを担当した。
日本が飛躍した要因は「1年の延期とコロナの影響」
東京2020オリンピックでフェンシング男子エペ団体は金メダルを獲得。フェンシングで日本が金メダルを獲得するのは初めてのこと。この快挙に太田は「選手が頑張ってくれた。強かった」と称賛する。杉原:エペ団体はずっと勝ちそうでしたよね。シーソーゲームというよりは、「これ、勝っちゃうんじゃない?」って。
太田:前半リードする展開になると日本はそこからひっくり返されることはほぼないので、彼らにとっては1回戦、2回戦が本当に山場でした。そこを抜けて準決勝くらいからは負ける気がしないチーム状態になってましたね。チーム3人とも調子がいい状態だったので、これは強いなと思いました。
杉原:太田さんも2012年のオリンピックで銀メダルを獲得してますよね。
太田:あのときとは全然違うんですよ。あのときは奇跡に奇跡を重ねて銀メダルなんです。いっぱいいっぱいで銀メダルだったけど、彼らは余力を残して金メダルなので、全然違うんですよね。今のレベルの方が圧倒的に高いですよね。
今回のオリンピックは日本全体でメダルラッシュに沸いた大会となったが、日本が飛躍した要因について太田は「1年の延期とコロナの影響が大きい」と分析する。
太田:海外選手たちもこの1年間はなかなか練習できなかったりするなかで、今回はメダルの数以上に参加できたこと、戦えたことに拍手という感じかなと。あと、もうひとつは若手の力ですね。去年だったら出られなかった選手が何人も出てるので。
小林:10代の方々の活躍もすごかったですからね。
先日、太田は国際オリンピック委員会(IOC)のアスリート委員に日本人で初めて当選し、話題となった。
杉原:今後オリンピックをどのように捉えていこうと思っていますか?
太田:アスリート委員なので、やはりアスリートファーストと大切にしつつ、一方でアスリートの権利をどの当たりまで主張するかというバランスもすごく問われるんです。いまはオリンピックではアスリート個人の協賛のロゴは表にだせません。一部出せるものありますけど、基本的にナショナルを背負っていくので、いつもだったら違う競技ウエアを着ていたりするんですけども、当然個人を主張する選手たちもいて。自分のスポンサーを出したいという思いもある反面、オリンピックという莫大なお金をかけてやっているものをマーケティングしているのでそういったところを大事にしていかなきゃいけないですよね。
他にも、ドーピング問題の改善や、オリンピックをどう世の中に広げて行くかを考えることなど、アスリート委員では幅広く活動すると太田は続けた。
テクノロジーを使ってフェンシングがより面白くなる
これまで太田はフェンシング界を盛り上げるために、競技を視覚的に見せるビジュアライズ化にも取り組んできた。太田:僕がすごいというより、ライゾマティクスがすごいんですけど。これは剣をマーカーに付けずにトラッキングして映像で見ると全部剣が光って見えるようになるというものなんですよね。あれは実際の剣が光っているわけでも、剣にセンサーを付けているわけでもなく、マーカーを付けてもない状態でカメラだけで画像解析をして、どこに剣の先があるかを計算式で出した上で実際の映像とはめ込んで光らせています。
杉原:そもそもフェンシング協会とライゾマティクスが一緒にやることになったんですか。
太田:もともとオリンピックを招致するときのプレゼンテーションの中に、その映像を組み込んでいて。テクノロジーと祝祭に溢れたオリンピックにすると言っていたので、いろんな人たちの協力を仰ぎながら、ライゾマティクスだけじゃなくて、クリエイティブの面面も含めて一緒にやっています。
杉原は、以前はフェンシングの点の取り方がよくわからなかったが、このビジュアライズドでそれが一気にわかりやすくなったと言う。
小林:ルールとか詳しくなくても気になっていくというか。
太田:詳しくなくてもいいですよ。ルールは本当に難しくて、僕がわからないこともあるので。
杉原:これからビジュアライズドはどんどん進んでいくんですか。
太田:そうですね。ひとまず今回のオリンピックまでということがあったんですけど、この次は映像の権利関係とかけっこう乗り越えなきゃいけないところがグローバルレベルであるので、もっとみなさんにこの映像をお届けできるようにしていきたいと思っています。
選手村で毎日IOCの選挙活動をしていた
先日、大田のツイッターの投稿が話題に。オリンピックでもフェンシングのビジュアライズ化を進めていたが、それは実現しなかったという。太田:これは権利関係を持っているところに届けるようにと思って(笑)。レターなんですけど(笑)。試合映像のリプレイは世界中にこうやって、流れるはずでした。
— 太田雄貴 YUKI OTA (@yuking1125) August 17, 2021
残念ながら、交渉も含めて難航し、
なんとか会場内に流せたら、無観客
東京オリンピックの競技イノベーションの代表として世界中の人に見て欲しかった pic.twitter.com/1Hx8vP8PvJ
また、オリンピック大会中の選手村で大田が突然、アーティスティックスイミングのスペイン代表の選手たちと一緒に踊る投稿も話題になった。
太田:アーティスティックスイミングのスペインチームのコーチは日本人の方がやられているんですよ。僕はうそみたいに毎日IOCの選挙活動をしてたんです。食堂近くで突っ立って、毎日外国人の選手を中心に話しかけていて。そうしたらある日、アーティスティックスイミングが来て、そのコーチに話しかけられてそこからすごく仲がよくなって「じゃあ(太田)雄貴を応援しようよ」って話になって。突如始まったウォーミングアップに参加することに!
— 太田雄貴 YUKI OTA (@yuking1125) August 3, 2021
指名された人が音に合わせて振り付けをする。
突然の事だったので事情も分からないままの参加でしたが、、楽しかった!
悲壮感なくオリンピックすらも楽しむ彼女達が眩しかった。
色々固定概念を突かれる。
ご笑納ください。笑 pic.twitter.com/W8awyLEavI
杉原:あれは応援のダンスですか?
太田:あのときは彼女たちの練習を僕が見てたら、コーチに呼ばれて「一緒に踊る?」って言われて。
杉原:あのダンスは中毒性がありますよね(笑)。
太田:僕らってオリンピックになると「勝て、勝て」と言われているんですよ。でも、楽しんでいる海外選手を選手ではない立場で見て、オリンピックを楽しめる人たちってこんなにいるんだって感じました。
オリンピック委員になり世界のスポーツを盛り上げていく一員となった大田は「お客さんを喜ばせてなんぼだと思う」と、今後のビジョンを語る。
太田:会場にいるお客さんのみならず、テレビやインターネットを介して中継を見ている人たちにも新しい見方(で魅力を伝えたいと思っています)。今のカメラはアングルを自由にできると言われていますけど、本当に必要なものって何なんだっけってことを逆算しながら、新しい価値を提供していけたら面白いと思っています。
10月3日(日)には全日本フェンシング選手権大会の決勝大会が渋谷で開催される予定だ。ぜひ選手たちの活躍に注目してほしい。
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2021年8月26日28時59分まで
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番組情報
- J-WAVE TOKYO MORNING RADIO
-
月・火・水・木曜6:00-9:00
-
杉原行里、小林麗菜<代演>