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魚の減少に、漁師も危機感。スーパーで買いたい「サステナブル・シーフード」とは

画像素材:PIXTA

魚の減少に、漁師も危機感。スーパーで買いたい「サステナブル・シーフード」とは

日本の食卓で、昔から愛されてきた「魚」。しかし今後、当たり前のように食べられる状況ではなくなってしまうかもしれない。私たち一人ひとりが、未来のために気をつけられることはないのか。

J-WAVEでは6月27日(日)にSHELLYが、一般社団法人シェフス フォー ザ ブルーの代表理事でフードジャーナリストの佐々木ひろこさんを迎え、魚の持続可能な未来についてトークを展開した。

佐々木さんが登場したのは、SHELLYがナビゲートするJ-WAVEの番組『J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』。毎月、第4日曜に「私たちの生活、未来のために。あしたからすぐ行動できる身近なアクションのきっかけ作り」をテーマにお届けしている番組だ。

同番組はオンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。

・「SPINEAR」の番組公式ページ
https://spinear.com/shows/itochu-dear-life-dear-future/

どの漁師も「魚がない」と話す

5月、農林水産省が発表した2020年の統計によると、日本の漁獲量は2年連続手過去最低となった。一方で、6月に政府が閣議決定した2020年版の水産白書によると、新型コロナウイルスの影響で外食が減った影響などから1世帯あたりの魚類の購入量が18年ぶりに増加しているという。この状況が続くと、魚が食べられなくなる日は来てしまう可能性もある。

その状況のなか、サステナブルな海と明るい食の未来を目指して活動するのがシェフス フォー ザ ブルーだ。

代表理事の佐々木さんは大坂出身。地元の大学を卒業後、アメリカの大学で調理やジャーナリズム論、香港で文化人類学を学び、帰国後はフードジャーナリストとして食文化やレストラン、食のサステイナビリティをテーマにさまざまな媒体に執筆。2017年にはシェフス フォー ザ ブルーを立ち上げた。

佐々木:シェフス フォー ザ ブルーは「海のためのシェフ」という意味があります。今は30名くらいの東京のトップシェフが参加していて、彼らと危機にある日本の海の現状をどうにかしていこうという啓発活動を主にしています。

シェフス フォー ザ ブルーはミシュランの星付きレストランのシェフをはじめ、さまざまな食に精通するシェフが、サステナブルな魚介類を使用したレシピや、子ども向けの料理プログラムなどの開発を行っている。

佐々木さんは5、6年前に漁業者などの話にショックを受け、それがシェフス フォー ザ ブルーの立ち上げのきっかけになったという。

SHELLY:何がそんなにショックだったんですか?
佐々木:どの漁師さんも「魚がない」って話すんですよ。あがっている魚もすごく小さい。つまり、大きな魚がいなくなってしまい、小さい魚も獲り始めているところまできているんだなって。研究者の方々にお話を訊くと、30年前に比べて(日本の)総漁獲高が約3分の1を切り込んでしまっているという現状を知りました。

過剰漁獲、地球温暖化、海水汚染…魚が捕れなくなった理由

佐々木さんはトレンドとして、今のペースで総漁獲高が落ちて何もシステムが変わらなければ魚がなくなる可能性があり、また2050年には沿岸漁業がなくなるという話も紹介。魚の未来を危惧した。

SHELLY:なぜこんなに魚が捕れなくなくなってしまったんですか?
佐々木:その理由は複合的なので、ひとつには決められないのですが、いちばん大きな原因としてあげられているのは過剰漁獲です。それに加えて、近年では地球温暖化で海水の温度が上がり海流が変わってしまったことや、水質汚染ですね。他にも、海域の外で外国の人たちが魚を捕るので、日本の海域に魚が入ってこないなど、魚種によってはあります。
SHELLY:過剰漁獲にルールってないんですか?
佐々木:実は最近、漁業法が改正されました。それまでの漁業法は1949年に制定されたもので、当時は戦後で貧しく、たんぱく質不足の日本人に多くの魚を普及させようとしていた時期の内容で続けられてきたんですけれど、ようやく数年前に漁業法が改正されて、持続的に水産物を使っていくような内容に変わりました。

佐々木さんは流通過程において非食用にまわされたりするなどして、市場に出回らずに捨てられる未利用魚の存在も紹介した。

SHELLY:未利用魚って食べられるんですよね?
佐々木:もちろん。ちゃんと処理すればおいしく食べられるものでも、みんな知らないから売れない、売れないから手をかけない、保存用の氷代をかけるものもったいないということで捨てられることもあります。
SHELLY:なるほど。未利用魚にはどんなものがありますか?
佐々木:ウスバハギとかウマヅラハギとかあります。
SHELLY:ウマヅラハギは知ってます! 釣りをするとときどき釣れる魚ですよね。
佐々木:きっちり処理すれば本当においしいのですが、なかなか市場で使われることはないですよね。

未利用魚を活用することで、これまで過剰になっていた漁獲の頻度を少し下げられるかもしれない。今後はそういう可能性も考える必要があると佐々木さんはコメントした。
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佐々木ひろこさん(左)、SHELLY(右)

サステナブル・シーフードって何?

佐々木さんは、私たちの食卓に魚が消えないようにするために欠かせないものとして、サステナブル・シーフードを紹介した。

佐々木:直訳すると持続可能な魚介類となり、それには天然魚と養殖魚があります。天然魚に関してはたくさん取り過ぎないで、かつ漁業が環境に負荷をあたえないとか、管理システムがちゃんとしているなどを評価の基準において認証を出しているシステムが多くあります。養殖魚に関しては、水質を汚染しすぎないとか、抗生物質を使いすぎないとか、乱獲したエサを使わないなどを(基準に認証を出しています)。

日本で普及するサステナブル・シーフードには、天然魚の認証システム・MSCや養殖魚の認証システム・ASC認証などがあげられる。



SHELLY:最近行ったスーパーでASCのラベルが貼られていました。ただ、金額は少し高いですよね。
佐々木:そうですよね。天然魚の場合は漁獲を絞っているわけでし、管理システムもあるので、当然単価はあがりますよね。養殖魚も病気にならないように密にして飼わないなど管理しているのでどうしても単価は上がりますね。
SHELLY:この番組でよく「セルフ・リスペクト」と言っているんですけど、こういう環境にいいことをすると、結果食べながらちょっとだけ自分を好きになるような部分のお金ですよね。
佐々木:トレーサビリティーもちゃんとしているので、生産者とのつながりもより感じられるので、そういった部分もすごくいいと思います。

サステナブル・シーフードは日本でも少しずつ増えてきているが、ドイツやイギリスではこのラベルがついていないものを探すほうが難しいと佐々木さんは付け加えた。

佐々木:日本人は魚のおいしさのこだわりにかけては世界一だと思います。でもその後ろのストーリーはもう少し頑張ったほうがいいかなと思います。

「週1回だけ買う」でもいい。一歩踏み出すことが結果に繋がる

サステナブル・シーフードは一般のものより少し高めな価格なので、なかなか手が出しづらいかもしれない。佐々木さんは「すべてをサステナブル・シーフードに切り替えるのは無理だと思うから、たとえば1週間に1回はこういったものを買うなど、自分でルールを決めて少しずつ手を出すことも方法のひとつ」と提案した。

SHELLY:ポールマッカートニーが「ミート・フリー・マンデー」 と言って、月曜日だけ肉を食べないみたいな(提唱をしましたね)。そういうのはいいかもしれないですよね。サステナブル・マンデーみたいな。家族で話すきっかけにもなりますしね。
佐々木:たとえば、みんながサステナブル・マンデーをしたら、週の7分の1は(食の持続可能が)進むじゃないですか。そうすればマーケットにそういう魚は増えるんです。今、スーパーに話をすると、「サステナブル・シーフードなんて出しても売れないから」って言うんです。でも、消費者と話をすると「だって、売ってないから」って言うんです。それって堂々巡りですよね。それだったら、できることから、一歩じゃなくても、0.1歩でもいいんです、何かはじめたらきっと大きなつながりに後々なっていくと思います。
SHELLY:そうですよね。

他にも、佐々木さんは、今では幼魚など小さいサイズの魚でも漁獲して市場にならぶことも多いので、そういった魚を買わないことや、未利用魚を食用として活用することも魚の未来にとって大切だと語った。

シェフス フォー ザ ブルーの情報は、公式サイトまで。

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