ラッパーのSKY-HIが、自身の立ち上げたオーディション企画から得た学びについて語った。
SKY-HI が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」。ここでは、6月15日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。
SKY-HI:彼ら(オーディション参加者)の現在を輝かせるために頑張るっていうことは、自分の過去を輝かせることとほぼほぼイコールだし、結果彼らの未来も自分の未来も繋がっているものなので、自分のために使っているという感覚ですね。
別所:参加者自身が作詞、作曲、振り付けまでを手掛ける合宿クリエイティブ審査も話題になっていますが、そもそも立ち上げられたきっかけっていうのは何だったんですか?
SKY-HI:自分で会社を作って音楽をやるっていうこと自体はずっとイメージであったんですけど、それをいざ実行に移そうと思ったここ2~3年で、昔の自分みたいな悩みとかやるせなさを感じている10代、20代の子の相談をあまりにも多く受けたりして。せっかくここまで頑張ってきたけど、後ろに続いているものが何もないとなったら、俺は何物でもないような気がしてしまいました。ひょっとしたら一緒に仕事をしたことがある後輩に聞くだけでこれだけあるんだから、広く募集したらとんでもないことになるのではと思って、やってみたらとんでもないことになったって感じですね。
別所:作詞、作曲、振り付けの世界観に着目した理由は?
SKY-HI:クリエイティブ審査はもちろん注目していただけてありがたかったしよかったなと思うんですけど、あくまでも今の段階でやっておくのが彼らにとって必要だったことというか。ダンスとか歌って練習すると技術的にはうまくなってしまうけど、ただ与えられたものをなぞるグループっていうのは作るつもりはなかったです。ちゃんと音楽を自分で表現できる、じぶんで鳴らせるみたいな、与えられて初めて生まれるものじゃなくて、生活と密接に、地続きにあるものっていう認識を前提として持ってほしかったので、それでやりましたね。
別所:参加者はどんな方々で、どんな風に見えています?
SKY-HI:やはり日本で歌ったり踊ったりしようとすると、わりとカラーがかたまってしまうことが多いと思うので、すごい才能を持っているけれど、出口が狭いうえに色が限られすぎていてそれに染まれない人、確固たる意志とか確固たるアーティスト性とかを持っている人ほど埋もれがちな状況に今たまたまなっちゃってたんだな、っていうのをすごく感じました。だから「~っぽい」みたいなのがない子が集まっているのは、強いことだと思いますね。
別所:確かに数あるオーディションも何かの企画ありきで、「この企画にはまる人を探す」っていうオーディションは多いけど、その人が持っている才能が花開く、多様でしかも持続可能な世界観を作るって難しかったりもしますもんね。
SKY-HI:それをやる必要が絶対にあったと思います。だからまだオーディション真っ最中ですけど、育成の指針としても、実際の育成プログラムとしてもやってよかったなというか、成功とか正解はもらっている気がします。
【関連記事】SKY-HIが思う、SGDs推進のメリット。「利己的、排他的」な人間の業を考え直す機会に
SKY-HI:まずやってみる空間があるっていうのが大事かなっていう気がします。文化・芸術全般そうかもしれないですけど、どうしても敷居が高いものに、特殊なものに捉えられがちです。でも音楽が鳴っていて体を動かしたらそれはダンスだし、手で持っている石を叩いて鳴らしたらそれはドラムなので。そういう生活と密接なものであるっていう感覚を、教える側というか少しでも年齢を重ねたほうの人が、年齢が下のほうの人に伝えることができたら、状況は全然違うだろうなという気がします。
別所:そうですね、SDGsの目標のなかにも「質の高い教育をみんなに」と入っています。これ、音楽でもダンスでもなんでもそうですよね。
SKY-HI:エクササイズとしてのそういったものと、いわゆる表現としてのそういうものは別物だと思いますが、すごくアスリティックになってしまう側面もあると思います。
別所:確かに教育っていうと、トレーニングを重ねてあるところまで到達することが目標になっちゃうけど、本当は音楽とかカルチャーは楽しむことからですもんね。
SKY-HI:目標がそもそも何なのかっていったら、たぶんプロフェッショナルになることでもないと思います。心の部分にいろんな角度で栄養を与えるっていうのは、お金があればあるだけできると思うし、なければないでできることもたくさんあると思うので、「こうでなくてはいけない」を1つずつなくしていく作業は、必要だと感じています。
Twitterのフォロワー数が100万人間近となっているSKY-HI。インフルエンサーとして世にさまざまな影響力を与える彼が、SDGsをはじめとする自身のアクションで心がけていることは。
SKY-HI:今いっていることと逆説的になっちゃうかもしれないんですけど、最終的に直接目に見えていない人にもリーチできたりコミュニケーションが取れたりするのが現代のよさだと思います。でもそのスタートの段階で、目に映る人とかのことを絶対おろそかにしたくないと思いますし、目に見えない人とのコミュニケーションも、目に映る人とのコミュニケーションの延長でやれたらいいと思います。
別所:目の前にいる1人ひとりから始まって、広がっていくものですよね。
SKY-HI:たとえばSDGsみたいな立派なテーマを掲げた話をするときに、不特定多数の方に喋るってなると身構えますけど、たまたまそれが朝で、たまたまいろんな方が聞けるところというだけで、別所さんとお話しているっていうテンションだと話せたりするなとは思うので、それは忘れないでいたいです。
SKY-HIは6月18日(金)大阪、27日(日)は東京で東名阪対バンツアー『SKY-HI 遊戯三昧』を開催予定。また、6月20日(日)にはJ-WAVE主催のオンラインイベント『100万人のキャンドルナイト』にも出演する。
『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の6時30分頃から。お楽しみに!
SKY-HI が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」。ここでは、6月15日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。
注目を集めるボーイズグループオーディションを企画、主催
自身が企画、1億円以上を投じたボーイズグループオーディション『BMSG Audition 2021 -THE FIRST-』が現在開催中のSKY-HI。自費でオーディション企画を行うことにした理由について、「番組の制作費自体にいわゆるスポンサードとかを入れちゃうと邪念が入ってしまうので、結局自費でやらないといけないのは当然」と話したが、「自分のためにお金を使っている感覚」だという。SKY-HI:彼ら(オーディション参加者)の現在を輝かせるために頑張るっていうことは、自分の過去を輝かせることとほぼほぼイコールだし、結果彼らの未来も自分の未来も繋がっているものなので、自分のために使っているという感覚ですね。
別所:参加者自身が作詞、作曲、振り付けまでを手掛ける合宿クリエイティブ審査も話題になっていますが、そもそも立ち上げられたきっかけっていうのは何だったんですか?
SKY-HI:自分で会社を作って音楽をやるっていうこと自体はずっとイメージであったんですけど、それをいざ実行に移そうと思ったここ2~3年で、昔の自分みたいな悩みとかやるせなさを感じている10代、20代の子の相談をあまりにも多く受けたりして。せっかくここまで頑張ってきたけど、後ろに続いているものが何もないとなったら、俺は何物でもないような気がしてしまいました。ひょっとしたら一緒に仕事をしたことがある後輩に聞くだけでこれだけあるんだから、広く募集したらとんでもないことになるのではと思って、やってみたらとんでもないことになったって感じですね。
別所:作詞、作曲、振り付けの世界観に着目した理由は?
SKY-HI:クリエイティブ審査はもちろん注目していただけてありがたかったしよかったなと思うんですけど、あくまでも今の段階でやっておくのが彼らにとって必要だったことというか。ダンスとか歌って練習すると技術的にはうまくなってしまうけど、ただ与えられたものをなぞるグループっていうのは作るつもりはなかったです。ちゃんと音楽を自分で表現できる、じぶんで鳴らせるみたいな、与えられて初めて生まれるものじゃなくて、生活と密接に、地続きにあるものっていう認識を前提として持ってほしかったので、それでやりましたね。
オーディションを通して、自身も学ぶことが多い
SKY-HIはオーディションを通じて、「想像の300倍くらい(自分自身が)すごく勉強させてもらっている感じ」とコメントした。別所:参加者はどんな方々で、どんな風に見えています?
SKY-HI:やはり日本で歌ったり踊ったりしようとすると、わりとカラーがかたまってしまうことが多いと思うので、すごい才能を持っているけれど、出口が狭いうえに色が限られすぎていてそれに染まれない人、確固たる意志とか確固たるアーティスト性とかを持っている人ほど埋もれがちな状況に今たまたまなっちゃってたんだな、っていうのをすごく感じました。だから「~っぽい」みたいなのがない子が集まっているのは、強いことだと思いますね。
別所:確かに数あるオーディションも何かの企画ありきで、「この企画にはまる人を探す」っていうオーディションは多いけど、その人が持っている才能が花開く、多様でしかも持続可能な世界観を作るって難しかったりもしますもんね。
SKY-HI:それをやる必要が絶対にあったと思います。だからまだオーディション真っ最中ですけど、育成の指針としても、実際の育成プログラムとしてもやってよかったなというか、成功とか正解はもらっている気がします。
エンタメを高い水準で学ぶために大切なこと
2021年1月オンエアの『J-WAVE SELECTION』では、SDGsの教育問題についても触れていたSKY-HI。音楽などのエンターテインメントを高い水準で学んでいくためには、どんなことが大切だと考えているのだろうか。【関連記事】SKY-HIが思う、SGDs推進のメリット。「利己的、排他的」な人間の業を考え直す機会に
SKY-HI:まずやってみる空間があるっていうのが大事かなっていう気がします。文化・芸術全般そうかもしれないですけど、どうしても敷居が高いものに、特殊なものに捉えられがちです。でも音楽が鳴っていて体を動かしたらそれはダンスだし、手で持っている石を叩いて鳴らしたらそれはドラムなので。そういう生活と密接なものであるっていう感覚を、教える側というか少しでも年齢を重ねたほうの人が、年齢が下のほうの人に伝えることができたら、状況は全然違うだろうなという気がします。
別所:そうですね、SDGsの目標のなかにも「質の高い教育をみんなに」と入っています。これ、音楽でもダンスでもなんでもそうですよね。
SKY-HI:エクササイズとしてのそういったものと、いわゆる表現としてのそういうものは別物だと思いますが、すごくアスリティックになってしまう側面もあると思います。
別所:確かに教育っていうと、トレーニングを重ねてあるところまで到達することが目標になっちゃうけど、本当は音楽とかカルチャーは楽しむことからですもんね。
SKY-HI:目標がそもそも何なのかっていったら、たぶんプロフェッショナルになることでもないと思います。心の部分にいろんな角度で栄養を与えるっていうのは、お金があればあるだけできると思うし、なければないでできることもたくさんあると思うので、「こうでなくてはいけない」を1つずつなくしていく作業は、必要だと感じています。
Twitterのフォロワー数が100万人間近となっているSKY-HI。インフルエンサーとして世にさまざまな影響力を与える彼が、SDGsをはじめとする自身のアクションで心がけていることは。
SKY-HI:今いっていることと逆説的になっちゃうかもしれないんですけど、最終的に直接目に見えていない人にもリーチできたりコミュニケーションが取れたりするのが現代のよさだと思います。でもそのスタートの段階で、目に映る人とかのことを絶対おろそかにしたくないと思いますし、目に見えない人とのコミュニケーションも、目に映る人とのコミュニケーションの延長でやれたらいいと思います。
別所:目の前にいる1人ひとりから始まって、広がっていくものですよね。
SKY-HI:たとえばSDGsみたいな立派なテーマを掲げた話をするときに、不特定多数の方に喋るってなると身構えますけど、たまたまそれが朝で、たまたまいろんな方が聞けるところというだけで、別所さんとお話しているっていうテンションだと話せたりするなとは思うので、それは忘れないでいたいです。
SKY-HIは6月18日(金)大阪、27日(日)は東京で東名阪対バンツアー『SKY-HI 遊戯三昧』を開催予定。また、6月20日(日)にはJ-WAVE主催のオンラインイベント『100万人のキャンドルナイト』にも出演する。
『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の6時30分頃から。お楽しみに!
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番組情報
- J-WAVE TOKYO MORNING RADIO
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月・火・水・木曜6:00-9:00
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別所哲也