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YOASOBIの音楽ルーツ、「J-POPじゃない感じ」とスガ シカオが思う部分は?

YOASOBIの音楽ルーツ、「J-POPじゃない感じ」とスガ シカオが思う部分は?

J-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。

3月28日(日)の放送では、YOASOBIのAyaseとikuraの2人と「2050年の東京」を空想ドライブする様子をお届けした。ここでは、未来の音楽制作や、故郷の存在が曲作りにどんな影響を与えるか、またスガがYOASOBIの音楽ルーツはJ-POPと違うところにあると感じる理由を語った部分を紹介しよう。

ミックスやマスタリングは、既にAIに任せられる部分がある

この日の空想ドライブのテーマである「2050年の東京」は、どのような世界になっているのか? スガは「Hi, Mercedes」と話しかけるだけで起動する対話型インフォテイメント・システム「MBUX」に尋ねて、未来予想をしてもらった。

MBUX:地球全体では、2050年には人口が94億人から101億人まで増加すると予測されています。ただし、アメリカを除く先進国は減少傾向にあり、日本の人口は1億を割り込むと見られています。未病、予防への取り組み強化やライフサイエンス技術の発達によって、健康寿命は現在よりも7歳延び、本格的な人生100年時代へと突入します。人口光合成を基盤とするシステムがエネルギー事業の3分の1をカバーするようになり、不要なプラスチック製品からエタノールを取り出すリサイクル技術が実現。日本では石油の輸入が必要なくなります。また、ロボット工学の進歩により、家庭での皿洗いや子守りはロボットがするようになり、学校の教師や外科手術などもロボットがおこなうようになります。

スガ:絶対に音楽とかももっとAIだよ。
Ayase:現状でもけっこう、ミックスやマスタリングとかにおいてはAIに任せられたりする部分もあったりするので、あれは驚きました。
スガ:なんかやだよねー! もういよいよさ……「YOASOBI」「Ayase」とか入れて「っぽい作曲」みたいなのを入れると、全部の曲がブワーっと分析されてさ。でもまあ、歌詞は大丈夫だな、AIでは無理だろうな。
Ayase:そうであってほしいですよね。でも、キーワードを入れたらもう組んでくれるみたいな、譜割と合わせて(笑)。
スガ:音符を入れてね(笑)。音符さえ入れたらそうハズれないからね。
ikura:そのうち人がしゃべらなくなっちゃいそうですよね。そんなことが始まっちゃったら。
Ayase:そうなってくるよね。
スガ:そっか、恐ろしいな……。でもなんか、YOASOBIのトラックを聴いててさ、フルデジタルでPCで作ってるんだろうけど、ギターをけっこう大切にしてるよね。
Ayase:これ、正直に言うと、僕のいわゆるDTMのパソコンで楽曲を作る技術がまだまだそんなにうまくない、というのもあるんです。やっぱりギターだけはどうしても、打ち込みでいいものがいまは作れていないので。
スガ:いや、ギターは無理だよね。
Ayase:やっぱり自分の好きな友人のギタリストとかに、いろいろな弾き方やクセも含めてでお願いしているので。
スガ:それだけでフルの打ち込みとは全然テイストが違ってくるよね。

“ふるさと”がうらやましいスガとikura

Ayaseはドライブミュージックとして、RIP SLYMEの『黄昏サラウンド』をセレクトした。地元・山口県に住んでいた際、車を運転するときによく聴いていたのだそう。

Ayase:21歳、いまから5年前に東京に出てきたんですけど。それまではずっと山口県でバンドをやってました。車に乗る機会が圧倒的に多くて山口県の港町の辺りに住んでいたので、海沿いをバーッと走るときにこの曲をメチャメチャかけていました。
スガ:いいねえ。
Ayase:あと僕が高校生のときにコピバンをやったときに1回コピーをしたことがあったりとかで、思い入れがあるんです。夕暮れどきのドライブで聴きたい曲ということにフォーカスをして選びました。
スガ:山口はなんだっけな……チキータ!
Ayase:周南TIKI-TA(※2016年に閉店したライブハウス)ですね。
スガ:ライブでよく行ったなあ。あとはなんだっけ? チキータがなくなってから、ライブハウスができたよね。ちょっと小さめの。
Ayase:周南で言うと、周南riseというライブハウスは、僕はずっとバンドでお世話になってました。
スガ:やっぱりそうなんだ。あそこぐらいしかないものね。
Ayase:正直そうですね。ツアーバンドをしっかり迎え入れてイベントをやるってなると、なかなかに田舎なので。

ikuraは東京出身で、3歳まではアメリカで暮らしていた。ikuraが「ふるさとがあまりない感じ」が悩みだと話すと、スガは「それがコンプレックスになる」と共感した。

スガ:「山口がふるさとなんすよ」みたいな、帰る場所がある的なのに、ちょっと憧れるんだよね。
ikura:そうそう。
Ayase:(笑)。
ikura:でも、ないものねだりなところはあるのかな?
スガ:やっぱりシンガーソングライターって歌詞を書くじゃない? それで田舎から出てきた人たちというのは、最終的に結論の部分に自分の生まれ育った山とか空とかが、一番正しいものとして出てきたりするわけ。俺たちはそういうのがないんだよね。
ikura:そうなんです、なんか東京の山に行ってもちょっとピンと来ない感じが(笑)。

音楽制作のスタンスでバンドメンバーからクレーム!?

スガはAyaseに音楽制作において、メロディはなにから影響を受けているのかと質問。Ayaseは松任谷由実や、小学校高学年のときに聴いていたaiko、スキマスイッチといったJ-POPを好んで聴いていたと回答したが、スガはほかにも要素があるのではないかと分析をした。

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スガ:なんだろうな……そういうJ-POPと全然違うところのルーツが聴こえてくるんだよね。
Ayase:クラシックのピアノをずっとやっていて。クラシックはいまでも普通にすごく好きですね。
スガ:鍵盤はやっぱりやってたんだ、そっかなるほどね。コードの取り方とかも、同じループでいいじゃんて思うんだけど、ちょっとずつ変えるじゃない?
Ayase:変えますね。
スガ:気付かないんだけど、そこを同じにしちゃうと聴いてるほうは飽きちゃうんだよね。「また同じ景色が出てきたな」と思うんだけど、歌詞が違ったり、ほんのちょっとメロディのアプローチが違ったりとかすると、うしろのトラックも一緒に変えていくんだよね。
Ayase:確かに多いかもしれないです。
スガ:そういうところってJ-POPじゃない感じがすごくするんだよね。兎角、J-POPは同じ譜面を回すからさ。だけど細かくコードを変えていくんだって、聴いててすごく思うんだよね。

Ayaseはコード理論を「1ミリもわかっていない」と話し、それゆえにバンドメンバーとのコミュニケーションで困ることがあるのだとか。

スガ:あ、やっぱりコードで作っているんじゃないんだね。
Ayase:ピアノを1個1個単音で打って作っているので、ドレミでしか音を感じられないんです。逆にいい風に言うと、柔軟になにかをとらえられているのかもしれない。だからライブでバンドのメンバーとかとやっているときに……。
スガ:けっこう困るでしょ?
Ayase:そうなんですよ。
ikura:(笑)。
Ayase:ギターの人とかにも「ここのコードってAyaseどうだっけ?」って言われても「いや、レファシじゃない?」とか。
スガ:(笑)。
Ayase:「コードで言われてもな」みたいな(笑)。
スガ:共通言語がね。
Ayase:だからメンバーたちからすごいクレームが入ってます(笑)。
スガ:(笑)。そういうところが面白いから残したほうがいいんだよね。

YOASOBIの最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。

スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。

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2021年4月4日28時59分まで

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番組情報
Mercedes-Benz THE EXPERIENCE
毎週日曜
21:00-21:54