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aikoが「教えて」とお願いした、Saucy Dog・石原慎也の“喉ケア法”とは?

aikoが「教えて」とお願いした、Saucy Dog・石原慎也の“喉ケア法”とは?

J-WAVE(81.3FM)×「MUSIC FUN !」連動企画である、深夜の音楽座談プログラム『WOW MUSIC』。“すごい"音楽をつくるクリエイターが“WOW"と思ういい音楽とは? 毎月1人のクリエイターがマンスリープレゼンターとして登場し、ゲストとトークを繰り広げる。

3月にマンスリープレゼンターはaiko。3月20日(土)のオンエアでは、Saucy Dogのボーカル/ギター・石原慎也をゲストに迎えた。ここでは、石原の音楽ルーツ、aikoがシンガーを目指したきっかけ、石原の喉ケアについて、そしてaikoの歌詞の書き方について話した模様を紹介しよう。

石原のハイトーンボイスが生まれたきっかけはaikoだった!?

3回目となる今夜のゲストは若手注目バンドSaucy Dogのボーカル/ギター・石原慎也。冒頭「やっとお会いすることができて嬉しいです」と話してからスタートした今回も番組恒例の音楽ルーツのエピソードからスタートした。

aiko:これまでどんな音楽を聴いて、そんなに綺麗な声が出るようになったんですか?
石原:いやいや、綺麗な声ではないですけど……。
aiko:めちゃくちゃ綺麗やん!
石原:ありがとうございます。めちゃくちゃ嬉しいです!
aiko:本当に高い声が気張って出してる感じではなく、突き抜けるような清んだ高い声が出るなって。私がSaucy Dogを初めて観たのはフジテレビの深夜の番組で。そこから気になって検索したんですよ。めっちゃよかったです、あのとき。
石原:めちゃくちゃ嬉しいです。僕が高い声を出せるようになったのは、aikoさんの影響が大きくて、うちの姉もアイコって名前なんですけど。
aiko:そうなんや! お姉ちゃんのことはなんて呼んでるの?
石原:アイちゃんって呼んでます……。そのアイちゃんがラジオでかかっているaikoさんの番組をカセットにずっと録ってたんですよ。それを僕がこっそり聴いてたんです。それで中学の頃かな。もともとずっと声は高くて、aikoさんの曲を原曲キーで練習したりしていて。そこからですかね、ほとんど高いキーの歌しか歌ってこなかったんですよ。だから音楽を聴くきっかけになってるのはaikoさんなんです。

音楽を聴くきっかけはaikoだったと話す石原。そんな彼が音楽をやりたいと思ったのは高校受験のタイミング。勉強ができなかったと話す石原は、友人と一緒の高校に行くため泣きながら勉強をしたという。その原動力になっていたのは音楽。彼を音楽の世界へ導いたのは伝説のロックバンドだった。

石原:音楽をやりたいと思ったきっかけは高校受験のときなんです。勉強ができる方ではなかったから受験のときに先生から「おまえは高校には入れんから、たくさん滑り止めを受けとけ」って言われたのが悔しくて、泣きながら勉強したんです。そんなときに聴いてきたのがブルーハーツさんの「チェインギャング」という曲で。
aiko:泣きながら勉強するって初めて聞いたな。
石原:〈僕の話を聞いてくれ/笑い飛ばしてもいいから〉とか〈仮面をつけて生きるのは/息苦しくてしょうがない〉という歌詞がそのときの自分に響いたというか。そのときに人の気持ちや心を動かせるアーティストってすごいな思うようになって高校に入ってからバンドを始めました。

大人になったら歌手になるものだと思ってた

話は石原の音楽ルーツからaikoが音楽を始めたきっかけの話へ。aikoファンを公言する石原の逆取材で見えたのは、歌手を目指す少女時代のaikoの可愛らしい思い出だった。

石原:僕も聞きたいんですけど、aikoさんはいつから音楽を始められたんですか?
aiko:歌手になりたいと思ったのは3歳くらいのときかな。それで歌を歌い始めたんだけど、どうしたらいいのかわからなくて。オーディションもどうやって受けたらいいんだろうとかもわからずに高校生になって。そのときに外堀から埋めようと思ったんですよね。だから私は歌手になるって周りに言いまくってた。
石原:そこは一緒かもしれない。僕も夢があると言いまくるんですよ。言霊じゃないですけど。
aiko:そうやんね! 私も絶対に口にした方がいいと思ってて。
石原:ちなみに歌手になりたいと思ったきっかけはあったんですか?
aiko:テレビでいろんな人が歌っていて、それに憧れていたんですよ。沢田研二さんとか郷ひろみさんとかが出てると、画面にキスをしてた。ちょっと高まったときは舐めてたらしい(笑)。
石原:あはは。めっちゃ面白いじゃないですか。
aiko:そうなんですよ。そこからずっと歌手になるものだと思ってた。歯が抜け替わるみたいな感じで、乳歯が永久歯になるみたいに、私も大人になったら歌手になるんやってどっかで勘違いして思っていて。それで高校生になってこれは周りから固めないといけないと思って、私もバンドを始めて歌ってたんです。
石原:最初はバンドだったんですね!
aiko:そうなんです。それで高校を卒業するときに後輩の女の子が「CD出たら買います」って言ったんです。それを聞いてやらなきゃと思って、ヤマハのTEENS' MUSIC FESTIVAL.っていうのがあってそこで優勝して、今があるって感じかな。

幼少期から歌手になると信じて疑わなかったaiko。幼い頃の可愛らしい一面が垣間見られたエピソードはファンにはたまらないもの話題だろう。ここからは石原のバンド結成までの軌跡が語られた。

aiko:石原くんは高校でバンドを結成してから今まではどんな流れだったの?
石原:本当なら高校のバンドで一緒にやっていて後輩2人とやっていくつもりでした。口説いたんですよね、卒業するときに。「俺は、先に大阪の専門学校に行く、2人も来年同じ専門学校に来てくれ」って。「2人の人生を俺に預けてほしい」って。
aiko:すごいね、若いのに!
石原:すごく恐縮なんですけど、音楽をやり始める前から「人前に立つような仕事がしたい」と思っていて、有名になりたいみたいな。
aiko:大事やで、そういう気持ち!
石原:芸人になりたいとか漫画家になりたいとか夢が大きかったので。僕はできるまで諦めたくないっていう人間なので絶対に2人の将来も面倒が見れるようになるからついてきてほしいって言ったんですけど、すぐ断られましたね(笑)。メールがきて、「さっきの話なんですけど」って。
aiko:じゃあ、すぐ断られた感じ?
石原:僕は音楽でと思っていたけど、2人には違う夢があったみたいですね。
aiko: 高校生のとき私も同じような熱量の差を感じてたな。私はそこから1人でやっていこうと思ったんですけど、石原くんは?
石原:専門学校で先輩たちと4人でSaucy Dogを結成したんですけど、引き抜きがあったり、やる気がなくなっちゃって辞めちゃったりで結局1人になってしまって……。そこから6年前くらいかな。今のメンバーを誘って改めてSaucy Dogという名前でバンド活動を再開した感じですね。結成した年の3月に初ライブをして、12月に今の事務所のオーディションを受けてグランプリをいただけて、今に至る感じです。

美声を保つ秘訣はブレスコントロール

リスナーの心を動かす美声の持ち主の石原だが、ライブ前はどのようなケアをしているのだろうか。貴重なライブ前のルーティンにaikoも興味津々。

aiko:私はやっぱり石原さんの声が大好きなんだけど、ライブではどんな感じで最後まで美声を保っているんですか?
石原:声出しをめっちゃします。セスリグスさんというボイトレをしてる方がいらっしゃって、もうおじいちゃんなんですけど、その方のCDが昔売っていて。
aiko:そのCDでボイトレをしてるの?
石原:全部英語なんで、わからないんですけど。たぶんこう言ってるだろうなみたいな(笑)。 あとは吹奏楽部だったのでブレスコントロールはしてますね。
aiko:ブレスコントロール?
石原:息を吸って吐くみたいなのをゆっくり大きくすると、横隔膜が広がってみたいな感じで、それはめっちゃやってます。
aiko:何秒吸って、何秒吐くみたいな?
石原:そうですね。まず吐いて、止めて、吸って、止めて、吸って、止めて、吸って、全部吐くみたいなのをやります。もう入らないってなってからもちょっと吸って吐くんですよ。
aiko:ちょっとあとで教えてもらってもいいですか?
石原:もちろんです! 時間がなくて用意とかが全然できひんライブがあるじゃないですか。でも肺活量を上げるだけで声が違うんですよ。
aiko:そうだよね。安定するし、ちゃんと芯のある強い声が出るというか。
石原:そうなんですよね。だから全然喉に負担がかからなくなったりとか。でもライブ中はそういうことを意識せずにやっちゃうんで、結局次の日声が枯れたりしますけどね(笑)。
aiko:ライブが終わった次の日に起きた瞬間に、終わったって思う瞬間があるよね。
石原:ありますよね。今日もライブなのにってなりますよね。
aiko:なんかわからんけど、そのあとシャワーでスチームみたいなものをする。みんな一緒ですね。

aikoのシャワースチームの話から、石原が聞いた噂話へ。

石原:噂で聞いたんですけど、aikoさんはホテルの部屋が真っ白になるまで加湿するみたいな話を聞いたんですけど。
aiko:しましたね……。それこそTEENS' MUSIC FESTIVAL.のオーディションのときに初めて東京にきてホテルに泊まったんですけど、加湿しなきゃと思ってシャワーの熱湯でバーってやったら、警報機がなっちゃった。
石原:えー!?
aiko:なんかも全然わからなかったから、シャワー出してました……ってフロントに謝って。そこからは気をつけるようにしてるんですけど。
石原:でもホテルは乾燥しますもんね。
aiko:石原さんはどうしてます? 加湿器を使いますか?
石原:僕は加湿器とタオルにハッカ油を垂らして枕元に置いたりしてますね。

石原も影響を受ける、aikoの歌詞の書き方とは?

トーク内でaikoの『ずっと』のワンフレーズが大好きだと話した石原。情景の浮かぶ彼女のリリックを参考にしているようだ。そこで石原が聞いたのはaikoの歌詞の書き方について。

石原:aikoさんの歌詞は情景が浮かぶ歌詞だと思うんですけど、どういうところを切り取って歌詞にしているんですか?
aiko:私は、日常で起こったこととかこうして石原さんと話している状況が写真のように頭に残るんです。アホだから難しい言葉は出てこないんですけど、自分のわかる、忘れない言葉でその風景を切り取っているというか。あとは、外出や旅行もするタイプではないので、家の中で見えるもの、例えば加湿器の白い湯気だったり。でも白い湯気でも全部違うんですよね。タバコの煙や外で吐く白い息、お湯を沸かしたときに出てくる湯気とかそのとき自分の目に見えたものを言葉にしてる感じです。
石原:なんかすごく腑に落ちました。

日常のワンシーンを切り取り歌詞にするaiko。そんな彼女に憧れる石原の作詞法はどのようなものなのだろう。

aiko:私も聞きたいんだけど、音楽をやっていく上で影響されたものが家族だったり付き合ってた人ってアンケートでお伺いしたんですけど。付き合ってた人……?
石原:うわー、なんか地雷みたいな感じで恥ずかしい(笑)。
aiko:それがちゃんと書けるってすごいなって思ったんです。
石原:それは全曲違う人とかではないですよ?
aiko:もちろんもちろん。でもその欠片がちゃんといろんな歌詞というかどこかにあるということですよね。あのときこうだったなというところから派生して曲が生まれたりしてる?
石原:そうですね。例えば「コンタクトケース」って曲は空のコンタクトケースを置いたままにしてたんですよ。そこでおまえも置いていかれたんやなと思ったら歌詞が派生していって。これ、わかります? 
aiko:わかります。
石原:なんかそういうのが多いですね。歌詞の作り方が尊敬してるからだと思うけどaikoさんに近づいているのかなと思います。
aiko:嬉しいな。でもそういう風に日常で思うってことだよね。
石原:そのときはたまたま曲を作らなきゃとなっていたからかもしれないですけど、日常で思ったことはなるべく口に出したり、心に留めておいたりはするようにしてます。aikoさんはどうですか?
aiko:歌詞は一気にワンコーラス書くんですよ。ハッと思いついたり、悲しいことや何かが起こったら歌詞にしちゃう。そこでワンコーラス書いて置いておいて素に戻ったときに曲にして。また時間が経ってそれがよかったらスタッフの方に聴いてもらって制作していく感じかな。

『WOW MUSIC』はJ-WAVEで土曜24時-25時。また、『MUSIC FUN !』のYouTubeページには、同番組のトーク動画のほか、ミュージシャンやプロデューサーによる音楽の話が数多く配信されている。

・『MUSIC FUN !』のYouTubeページ
https://www.youtube.com/c/musicfun_jp

(構成:笹谷淳介)

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2020年3月27日28時59分まで

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