aikoとKing Gnu 新井和輝が、J-WAVEで対談。新井がaikoの創作意欲に迫った。
対談をお届けしたのは、J-WAVEで5月7日(火)に放送された『SPARK』。注目のアーティストが曜日ごとにナビゲーターを務める番組で、火曜ナビゲーターはKing Gnuの新井和輝が担当。ポッドキャストでも配信中だ。
aikoは5月8日に45枚目となるニューシングル『相思相愛』をリリースした。
新井:aikoさんのライブって、どんな意識でやっているんですか?
aiko:ライブをやりながら筋トレをしている感じなんです。家とかで動いたり、それこそ走ったりしていると本当につらくて、「何でこんなことをしないといけないんだろう」ってめっちゃ思うんですけど、ライブ中は来てくれたみなさんがいて、みんながステージの方を向いてくれていて、イキってしまうんですよね。それで気が付いたら筋トレになっていてって……感じで。でもやめたくなくて、歌いたくて、もっとやりたいってなっちゃいます。
新井:すごいな。この間、僕が行かせてもらったライブは追加公演初日でしたよね。ということは、それまでツアーをやってきているわけじゃないですか。毎公演そういう感じになっちゃうんですか。
aiko:なります。だからよく今もホテルに戻って泣いたりしてます(笑)。
新井:ええ、どういうことですか?
aiko:自分の納得いくライブができなかったときとか、歌えなかったときとか、「もうちょっとこういう風にまわせば、もっと皆さんが楽しく聴けることができたんじゃないか」とか「MCでこんなことを言っちゃった」とか。ホテルに戻ってどうしようと思って泣きながら、ホテルのメモ帳に「お前はクソだ。最低だ」って書いて(笑)。いつかの自分が見るようにその紙を手帳に挟んでいます。
新井:すげえ。
aiko:バンドのみなさんってプロじゃないですか。何でも演奏できるし、完璧だし天才だからステージの上でバンドのみなさんが焦るにはどうしたらいいんだろうっていつも考えています。
新井:ハプニングを起こそうというか。
aiko:そうですね。ハプニングを起こしたあとに、バンドのみなさんがやっている姿を見たらすごく楽しそうだから、そこで化学反応みたいなのが起きて、たとえば1ツアー3回来てくれたお客さんがいたとしても全部違うようなライブにしたいなと思って。だからセットリストもどんどん変えちゃいます。この間、日本武道館で新井さんが観に来てくれたライブも、あの日だけのセットリストなんです。だから私たちも初めてやるセットリストで、ビビりながらやるみたいな感じですね(笑)。
新井:それ、どのタイミングでセットリストを組むんですか? バンドは「この曲もやるかもしれない」と思って練習するんですか?
aiko:それもあります。2デイズあったら1日目、2日目でAパターン、Bパターンと大体セットリストが変わるんです。それを決めて、かつアンコールとかでも何曲やるかわからないから、そこは事前に練習をしていただいています。King Gnuのみなさんはリハとかどれくらいの期間入ったりするんですか?
新井:最近はドームとかスタジアムで重たいライブが多かったので、リハもしっかりと入ったんですけど、前は3日くらいでワンマンに行っちゃうこともあったんです。フェスが続いて感覚が残っているままのワンマンだと、そのまま行っちゃうこともありました。King Gnuもちょっとaikoさんと考えが似ているというか、リハーサルでやりきっちゃって、ハプニングがないと脳汁が出る感覚が減るじゃないですか。それをみんな嫌うので、それもあって余白を残してライブに向かっちゃうんですよね。だからMCも決めずに行って、その時々でめちゃくちゃ面白くなかったりもします(笑)。
aiko:なんでこういう方向に行ってしまったんだろうって日もありますよね(笑)。
新井:僕の奥さんがaikoさんの大ファンでございまして、初出しなんですけど、恥ずかしながらその奥さんが、高校の軽音部でaikoさんのコピバンをしていた後輩なんですよね。
aiko:すごいですよね。
新井:ボーカルをやっていて、歌を歌っていました。そこでコピーしていた曲がこの曲なんです。奥さんは僕の1歳下だからそれを聴いていたんですよね。文化祭とかでやっているのも聴いていたし、その彼女のコピバンで最初にコピーした曲だったのかな。聴く度に当時を思い出すというか。奥さんですし、こういう話になるんですよね。
aiko:うれしいです。
新井:当時、彼女は歌を歌うだけなら軽音部に入れるかなって感じで、aikoさん好きだし、「aikoが歌えるんなら」って軽い気持ちで入ってきているんです。僕はそこで奥さんと出会っているので、aikoさんがいなかったら、もしかしたら出会ってなかったのかもしれないんですよ。そういう1つの分岐点になるような曲かなと、個人的には思って選びました。
aiko:これを歌っていた奥さんを見て、「かわいい」って思ったんですか?
新井:そうですね(笑)。まあ、当時の景色は今でも浮かびますね。
aiko:何年前ですか?
新井:14、15年前ですね。付き合ったのはもっと後になってからなんですけど、出会いっていう意味で。
aiko:この曲を作ってよかったです。
aiko:この曲を何度も聴いています。それこそツアー前で頑張らないといけないと思って、この曲を聴きながら夜中の2時くらいにジムに行ってました。
新井:ええ!
aiko:最初に曲から入ったので、King Gnuのみなさんがどんな方々なのかを知ったのは後からでした。だからKing Gnuの正体を知らないまま、King Gnuをずっと聴いて、その後にYouTubeで探して、この方たちがKing Gnuなんだっていうのを知りました。最初に聴いたとき、曲の衝撃が強すぎたので、バンドが何人なのかも何にもわからない状態でした。
新井:音だけだと判断しづらいですからね。
aiko:(曲の雰囲気が)全部違うから「プロジェクトなのかな」って思って聴いていました。私も『Vinyl』を聴くとすごくあの当時を思い出します。
新井:曲ってそういう力があるというか、当時に戻りますよね。
aiko:だからもう1回頑張らなきゃいけないって思ったときは、『Vinyl』を聴いて今の自分と昔の自分をちゃんと向き合わせて頑張ろうって思える1曲なんです。
新井:45枚目のシングルってハンパないですね。
aiko:出せてうれしいけど、CDは出せば出すほどプレッシャーを感じます。
新井:45枚出されていてもそう思われるんですね。
aiko:どんどんCDが出せるって、すごいことなんだなって思いながら。
新井:『相思相愛』はどんな思いで書かれた曲なんですか。
aiko:前回、『星の降る日に』っていう曲がシングルで出たんですけど、その曲のデモを家で録っているときに、私はアナログなので弾き語りをiPhoneで録るのをまずやるんです。ピアノは間違えるし歌もうまくいかないしで、気付いたら30回くらいやり直していて。疲れてリビングにお水を取りに行って、自分の部屋に戻ろうとした廊下でパッとサビの部分を思いついたんです。それでそのまま曲にしようと思いました。いつでも曲が生まれますようにと思って毎日を過ごすのって大事だなと思っています。
昨年デビュー25周年を迎えたaikoに、新井は「創作意欲は尽きないのか?」と質問する。
aiko:今のところまだ宿題みたいに感じたことはないです。やらなきゃっていうのは言っているんですけど、それを嫌なものだと思っていなくて。自分が驚くようなものを作りたいっていうのがずっとあって、それを続けていけたらいいなと思います。25年経ったけど自分が精神的にあんまり25年に追いついてない感じがするので、だからこれからもみんなにイジられるような変な歌手になりたいですね。
新井:aikoさんはみんなに愛されている感じがしますよね。ライブでもすごく感じたし。
aiko:みなさんと一緒に年を重ねていきたいですね。
新井:King Gnuも頑張ります。
aikoのニューシングル『相思相愛』の初回限定盤には、昨年9月に東京・NHKホールで開催した「aiko Live Tour『Love Like Pop vol.23』」を収録した映像も収録されている。
aikoの最新情報は、公式サイトまで。
J-WAVE『SPARK』では、月曜から木曜まで日替わりのアーティストがナビゲーターを務める。放送は月曜~木曜の24時00分から。
対談をお届けしたのは、J-WAVEで5月7日(火)に放送された『SPARK』。注目のアーティストが曜日ごとにナビゲーターを務める番組で、火曜ナビゲーターはKing Gnuの新井和輝が担当。ポッドキャストでも配信中だ。
aikoは5月8日に45枚目となるニューシングル『相思相愛』をリリースした。
「ライブをやりながら筋トレをしている感じ」その意味とは?
まずはライブの話題に。先日、aikoのライブを観に行った新井は「あのパワーはすごい」とそのパフォーマンスを絶賛する。新井:aikoさんのライブって、どんな意識でやっているんですか?
aiko:ライブをやりながら筋トレをしている感じなんです。家とかで動いたり、それこそ走ったりしていると本当につらくて、「何でこんなことをしないといけないんだろう」ってめっちゃ思うんですけど、ライブ中は来てくれたみなさんがいて、みんながステージの方を向いてくれていて、イキってしまうんですよね。それで気が付いたら筋トレになっていてって……感じで。でもやめたくなくて、歌いたくて、もっとやりたいってなっちゃいます。
新井:すごいな。この間、僕が行かせてもらったライブは追加公演初日でしたよね。ということは、それまでツアーをやってきているわけじゃないですか。毎公演そういう感じになっちゃうんですか。
aiko:なります。だからよく今もホテルに戻って泣いたりしてます(笑)。
新井:ええ、どういうことですか?
aiko:自分の納得いくライブができなかったときとか、歌えなかったときとか、「もうちょっとこういう風にまわせば、もっと皆さんが楽しく聴けることができたんじゃないか」とか「MCでこんなことを言っちゃった」とか。ホテルに戻ってどうしようと思って泣きながら、ホテルのメモ帳に「お前はクソだ。最低だ」って書いて(笑)。いつかの自分が見るようにその紙を手帳に挟んでいます。
新井:すげえ。
「ハプニング」がライブで化学反応を起こす
「私ひとりだけ部活のリーダーでめちゃくちゃ熱い人がいるみたいな感じになったら嫌だなと思って、バンドのみなさんもそれくらいでやってほしくなってしまう」と語るaikoは、あることを考えながらライブに挑むという。aiko:バンドのみなさんってプロじゃないですか。何でも演奏できるし、完璧だし天才だからステージの上でバンドのみなさんが焦るにはどうしたらいいんだろうっていつも考えています。
新井:ハプニングを起こそうというか。
aiko:そうですね。ハプニングを起こしたあとに、バンドのみなさんがやっている姿を見たらすごく楽しそうだから、そこで化学反応みたいなのが起きて、たとえば1ツアー3回来てくれたお客さんがいたとしても全部違うようなライブにしたいなと思って。だからセットリストもどんどん変えちゃいます。この間、日本武道館で新井さんが観に来てくれたライブも、あの日だけのセットリストなんです。だから私たちも初めてやるセットリストで、ビビりながらやるみたいな感じですね(笑)。
新井:それ、どのタイミングでセットリストを組むんですか? バンドは「この曲もやるかもしれない」と思って練習するんですか?
aiko:それもあります。2デイズあったら1日目、2日目でAパターン、Bパターンと大体セットリストが変わるんです。それを決めて、かつアンコールとかでも何曲やるかわからないから、そこは事前に練習をしていただいています。King Gnuのみなさんはリハとかどれくらいの期間入ったりするんですか?
新井:最近はドームとかスタジアムで重たいライブが多かったので、リハもしっかりと入ったんですけど、前は3日くらいでワンマンに行っちゃうこともあったんです。フェスが続いて感覚が残っているままのワンマンだと、そのまま行っちゃうこともありました。King Gnuもちょっとaikoさんと考えが似ているというか、リハーサルでやりきっちゃって、ハプニングがないと脳汁が出る感覚が減るじゃないですか。それをみんな嫌うので、それもあって余白を残してライブに向かっちゃうんですよね。だからMCも決めずに行って、その時々でめちゃくちゃ面白くなかったりもします(笑)。
aiko:なんでこういう方向に行ってしまったんだろうって日もありますよね(笑)。
「もしaikoさんがいない世界だったら…」
番組では新井がaikoのフェイバリットソングを紹介。思い出の曲として『雲は白リンゴは赤』をセレクトした。新井:僕の奥さんがaikoさんの大ファンでございまして、初出しなんですけど、恥ずかしながらその奥さんが、高校の軽音部でaikoさんのコピバンをしていた後輩なんですよね。
aiko:すごいですよね。
新井:ボーカルをやっていて、歌を歌っていました。そこでコピーしていた曲がこの曲なんです。奥さんは僕の1歳下だからそれを聴いていたんですよね。文化祭とかでやっているのも聴いていたし、その彼女のコピバンで最初にコピーした曲だったのかな。聴く度に当時を思い出すというか。奥さんですし、こういう話になるんですよね。
aiko:うれしいです。
新井:当時、彼女は歌を歌うだけなら軽音部に入れるかなって感じで、aikoさん好きだし、「aikoが歌えるんなら」って軽い気持ちで入ってきているんです。僕はそこで奥さんと出会っているので、aikoさんがいなかったら、もしかしたら出会ってなかったのかもしれないんですよ。そういう1つの分岐点になるような曲かなと、個人的には思って選びました。
aiko:これを歌っていた奥さんを見て、「かわいい」って思ったんですか?
新井:そうですね(笑)。まあ、当時の景色は今でも浮かびますね。
aiko:何年前ですか?
新井:14、15年前ですね。付き合ったのはもっと後になってからなんですけど、出会いっていう意味で。
aiko:この曲を作ってよかったです。
King Gnuを聴きながら夜中のジムへ
一方、リスナーから「好きなKing Gnuの曲は?」とメッセージをもらったaikoは、「初めて聴いたのは『Vinyl』だった」と明かす。aiko:この曲を何度も聴いています。それこそツアー前で頑張らないといけないと思って、この曲を聴きながら夜中の2時くらいにジムに行ってました。
新井:ええ!
aiko:最初に曲から入ったので、King Gnuのみなさんがどんな方々なのかを知ったのは後からでした。だからKing Gnuの正体を知らないまま、King Gnuをずっと聴いて、その後にYouTubeで探して、この方たちがKing Gnuなんだっていうのを知りました。最初に聴いたとき、曲の衝撃が強すぎたので、バンドが何人なのかも何にもわからない状態でした。
新井:音だけだと判断しづらいですからね。
aiko:(曲の雰囲気が)全部違うから「プロジェクトなのかな」って思って聴いていました。私も『Vinyl』を聴くとすごくあの当時を思い出します。
新井:曲ってそういう力があるというか、当時に戻りますよね。
aiko:だからもう1回頑張らなきゃいけないって思ったときは、『Vinyl』を聴いて今の自分と昔の自分をちゃんと向き合わせて頑張ろうって思える1曲なんです。
自分が驚くようなものを作りたい
aikoは5月8日に45枚目となるニューシングル『相思相愛』をリリースした。新井:45枚目のシングルってハンパないですね。
aiko:出せてうれしいけど、CDは出せば出すほどプレッシャーを感じます。
新井:45枚出されていてもそう思われるんですね。
aiko:どんどんCDが出せるって、すごいことなんだなって思いながら。
新井:『相思相愛』はどんな思いで書かれた曲なんですか。
aiko:前回、『星の降る日に』っていう曲がシングルで出たんですけど、その曲のデモを家で録っているときに、私はアナログなので弾き語りをiPhoneで録るのをまずやるんです。ピアノは間違えるし歌もうまくいかないしで、気付いたら30回くらいやり直していて。疲れてリビングにお水を取りに行って、自分の部屋に戻ろうとした廊下でパッとサビの部分を思いついたんです。それでそのまま曲にしようと思いました。いつでも曲が生まれますようにと思って毎日を過ごすのって大事だなと思っています。
昨年デビュー25周年を迎えたaikoに、新井は「創作意欲は尽きないのか?」と質問する。
aiko:今のところまだ宿題みたいに感じたことはないです。やらなきゃっていうのは言っているんですけど、それを嫌なものだと思っていなくて。自分が驚くようなものを作りたいっていうのがずっとあって、それを続けていけたらいいなと思います。25年経ったけど自分が精神的にあんまり25年に追いついてない感じがするので、だからこれからもみんなにイジられるような変な歌手になりたいですね。
新井:aikoさんはみんなに愛されている感じがしますよね。ライブでもすごく感じたし。
aiko:みなさんと一緒に年を重ねていきたいですね。
新井:King Gnuも頑張ります。
aikoのニューシングル『相思相愛』の初回限定盤には、昨年9月に東京・NHKホールで開催した「aiko Live Tour『Love Like Pop vol.23』」を収録した映像も収録されている。
aikoの最新情報は、公式サイトまで。
J-WAVE『SPARK』では、月曜から木曜まで日替わりのアーティストがナビゲーターを務める。放送は月曜~木曜の24時00分から。
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