J-WAVEで放送中の番組『JAM THE WORLD』（ナビゲーター：グローバー）のワンコーナー「UP CLOSE」。10月22日（月）のオンエアでは、月曜日のニュース・スーパーバイザーを務める津田大介が登場。アイドル業界に精通するプロインタビュアーの吉田 豪さんをお迎えし、「アイドルの過酷な労働実態」をテーマにお届けしました。
■アイドルグループの運営は「誰でもできるようになった」
愛媛県を拠点とするアイドルグループ「愛の葉Girls」の16歳のメンバー、大本萌景さんの自殺をめぐり、大本さんが強いられてきた過酷な労働環境が問題になっています。夢を持ってアイドルになったにも関わらず、なぜ、自殺という選択をしなければならなかったのでしょうか。
吉田さんは以前からツイッターや番組などを通じて、地下アイドルの過酷な労働環境を訴えてきました。
吉田：地下アイドルと呼ばれる人と実際に仕事で共演したときに、「これ絶対お金がまわってないでしょ」という現実と、運営の胡散臭さを目の当たりにしました。最初に仕事をした運営の人が見るからに怪しくて、その人が数年後にアイドルの女の子に「宣材写真を撮る」と言ってラブホテルに連れ込み逮捕されたことから、地下アイドルに「気をつけて」と注意を促すようになりました。
津田：かつては大手芸能事務所に守られていたアイドルと、今のアイドルは、どう違うのでしょうか？
吉田：誰でもできるようになったことが大きいですよね。ただのアイドルオタクが突然「俺、アイドルグループを作る」と言ってできてしまうので。
津田：一方で、素人でもアイドルグループを作ることができるようになったので民主的になったとも言えますよね。
吉田：夢のある話でもあるし、その資格がない人がやっていることでもあります。
■地下アイドルの過酷な労働環境
吉田さんのもとには、アイドルから多くの相談が寄せられているそうです。
吉田：例えば、某地方アイドルグループの子は「給料は選抜メンバーで月に2,000円、その他のメンバーは給料なし。全メンバーが交通費自己負担。契約時に衣装代として2万円を取られ、クリーニング代は自腹。物販のときに『私たちは給料がないんだ』とグチをこぼしたらファンがそれを広めてくれて、やっと交通費が1日上限300円もらえるようになりました」とかヒドいんですよ。
津田：搾取ですね……。
吉田：ファンがプロデューサーに意見を言ったら出禁になったり、ラジオの収録にプロデューサーが来ないと思ったら、付き合っているメンバーとデートに行っていたり。ヒドいところは運営がメンバーに手を出しがちです。
津田：権力関係によってそうなりがちなんでしょうね。大手芸能プロダクションだと一人前に育てていくまでにかなりの金額を投資しているので、売れ始めて独立されてしまうと困る場合もあるけど、今の吉田さんの言ってたケースだと、運営がそんなコストもかけてないのに搾取だけするってことですよね。
吉田：最初に自分たちが投資すべきなのに、そんなに投資もせず「儲かってないからお前らに払う金がない」というルールって絶対におかしいじゃないですか。でも、今のアイドル界はこれが基準になってしまっています。
■Twitterで告発をするアイドルが増えてきた
アイドルの運営に関して、お金だけはなく、精神的にもアイドルを追い詰めてしまう状況があると吉田さんは指摘します。
吉田：暴言もあるし、「愛の葉Girls」メンバー・大本萌景さんの件だと罰金制度があったと言われています。「陰口を言ったら1〜3万円、スキャンダルを起こしたら50万円、情報漏えいをしたら50〜100万円」など、これは明らかにアウトじゃないですか。
津田：つまり告発ができないということですよね。ここ1、2年くらいはツイッターで告発をするアイドルが増えましたが。
吉田：「辞めるときに事務所で起きたことは外に漏らすな」と言われているので、「どこのグループかは絶対に言わないで」と言われますね。
津田：本来はそんなことを縛る権利は運営側にないわけですよね。でも、大人からそんな忠告をされると、ちょっと泣き寝入りしてしまうケースもあるんでしょうね。
吉田：世の中を全く知らない10代の子が「情報漏えいは禁止だ」と言われ、親にも相談できず、悩みを抱えた状態になると、事務所に言われたことを守るしかない状況になってしまいます。
■「気軽に訴えてもいい」
アイドルの過酷な労働環境は、どうすれば改善するのでしょうか。
吉田：僕は気軽に訴えてもいいと数年前から言っています。
津田：アイドルがツイッターで告発や暴露をすることは、「こういうことをやっていいんだ」と勇気付けることにもなりますよね。
吉田：告発した人を僕が情報拡散したことで、運営が謝罪したこともあります。運営は単に脅しているだけなので、本人たちがあくまで行動することが重要だと思います。
地下アイドルの現場について、考えさせられるオンエアとなりました。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名：『JAM THE WORLD』
放送日時：月・火・水・木曜 19時－21時
オフィシャルサイト：https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld
■アイドルグループの運営は「誰でもできるようになった」
愛媛県を拠点とするアイドルグループ「愛の葉Girls」の16歳のメンバー、大本萌景さんの自殺をめぐり、大本さんが強いられてきた過酷な労働環境が問題になっています。夢を持ってアイドルになったにも関わらず、なぜ、自殺という選択をしなければならなかったのでしょうか。
吉田さんは以前からツイッターや番組などを通じて、地下アイドルの過酷な労働環境を訴えてきました。
吉田：地下アイドルと呼ばれる人と実際に仕事で共演したときに、「これ絶対お金がまわってないでしょ」という現実と、運営の胡散臭さを目の当たりにしました。最初に仕事をした運営の人が見るからに怪しくて、その人が数年後にアイドルの女の子に「宣材写真を撮る」と言ってラブホテルに連れ込み逮捕されたことから、地下アイドルに「気をつけて」と注意を促すようになりました。
津田：かつては大手芸能事務所に守られていたアイドルと、今のアイドルは、どう違うのでしょうか？
吉田：誰でもできるようになったことが大きいですよね。ただのアイドルオタクが突然「俺、アイドルグループを作る」と言ってできてしまうので。
津田：一方で、素人でもアイドルグループを作ることができるようになったので民主的になったとも言えますよね。
吉田：夢のある話でもあるし、その資格がない人がやっていることでもあります。
■地下アイドルの過酷な労働環境
吉田さんのもとには、アイドルから多くの相談が寄せられているそうです。
吉田：例えば、某地方アイドルグループの子は「給料は選抜メンバーで月に2,000円、その他のメンバーは給料なし。全メンバーが交通費自己負担。契約時に衣装代として2万円を取られ、クリーニング代は自腹。物販のときに『私たちは給料がないんだ』とグチをこぼしたらファンがそれを広めてくれて、やっと交通費が1日上限300円もらえるようになりました」とかヒドいんですよ。
津田：搾取ですね……。
吉田：ファンがプロデューサーに意見を言ったら出禁になったり、ラジオの収録にプロデューサーが来ないと思ったら、付き合っているメンバーとデートに行っていたり。ヒドいところは運営がメンバーに手を出しがちです。
津田：権力関係によってそうなりがちなんでしょうね。大手芸能プロダクションだと一人前に育てていくまでにかなりの金額を投資しているので、売れ始めて独立されてしまうと困る場合もあるけど、今の吉田さんの言ってたケースだと、運営がそんなコストもかけてないのに搾取だけするってことですよね。
吉田：最初に自分たちが投資すべきなのに、そんなに投資もせず「儲かってないからお前らに払う金がない」というルールって絶対におかしいじゃないですか。でも、今のアイドル界はこれが基準になってしまっています。
■Twitterで告発をするアイドルが増えてきた
アイドルの運営に関して、お金だけはなく、精神的にもアイドルを追い詰めてしまう状況があると吉田さんは指摘します。
吉田：暴言もあるし、「愛の葉Girls」メンバー・大本萌景さんの件だと罰金制度があったと言われています。「陰口を言ったら1〜3万円、スキャンダルを起こしたら50万円、情報漏えいをしたら50〜100万円」など、これは明らかにアウトじゃないですか。
津田：つまり告発ができないということですよね。ここ1、2年くらいはツイッターで告発をするアイドルが増えましたが。
吉田：「辞めるときに事務所で起きたことは外に漏らすな」と言われているので、「どこのグループかは絶対に言わないで」と言われますね。
津田：本来はそんなことを縛る権利は運営側にないわけですよね。でも、大人からそんな忠告をされると、ちょっと泣き寝入りしてしまうケースもあるんでしょうね。
吉田：世の中を全く知らない10代の子が「情報漏えいは禁止だ」と言われ、親にも相談できず、悩みを抱えた状態になると、事務所に言われたことを守るしかない状況になってしまいます。
■「気軽に訴えてもいい」
アイドルの過酷な労働環境は、どうすれば改善するのでしょうか。
吉田：僕は気軽に訴えてもいいと数年前から言っています。
津田：アイドルがツイッターで告発や暴露をすることは、「こういうことをやっていいんだ」と勇気付けることにもなりますよね。
吉田：告発した人を僕が情報拡散したことで、運営が謝罪したこともあります。運営は単に脅しているだけなので、本人たちがあくまで行動することが重要だと思います。
地下アイドルの現場について、考えさせられるオンエアとなりました。
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【番組情報】
番組名：『JAM THE WORLD』
放送日時：月・火・水・木曜 19時－21時
オフィシャルサイト：https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld
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