J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。8月9日(水)のオンエアでは、「起業がプロ野球球団を持つための条件」というテーマで、東京大学出身で千葉ロッテマリーンズでは投手として活躍、現在は江戸川大学スポーツ経営学の教授・小林 至さんにお話を伺いました。
■球団買収に立ちはだかる大きな壁
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの前澤友作社長が、ツイッターで参入希望を表明してから大きな反響を呼んでいる「プロ野球球団の買収」の話題。
そもそも、企業がプロ野球の球団を買収しようとしたとき、どのような壁が存在するのでしょうか。業界の暗黙のルールや買収の先に待つ球団経営の実情に迫りました。
サッシャ:前澤社長は球団を買収することができると思いますか?
小林:一般的にM&A(企業の合併や買収)の交渉は水面下でおこなわれるのですが、前澤社長が自ら公に発信したことを考えると、現時点で買収はないでしょう。プロ野球12球団のうち、どこかが売却する意思があってはじめて話が進みますし、12球団の応援がないといけない。そのことから考えると、12球団の中に参入することはないだろうと思います。
近年の例では、ソフトバンク、楽天、DeNAと新たな企業がプロ野球に参入しています。その場合と、今回の前澤社長の参入希望とでは、どのような違いがあるのでしょうか。
小林:ソフトバンクや楽天、DeNAが参入したときは、球団が売却する意思がありました。例えば、ソフトバンクが参入した場合は、球団経営権を持つダイエーが産業再生機構への支援を要請し経営が苦しくなったという状況、楽天の場合は「近鉄バッファローズ」と「オリックス・ブルーウェーブ」が合併したことを受け、1球団増やさないといけない状況でした。
今は12球団で「売却したい」と希望を出す球団はなく、「球団を手放さざるを得ない状況」ではないので、他企業がプロ野球球団に参入するのは難しいと、小林さんは解説しました。
■球団を持つためのプロセスとは?
企業が球団を持つためには、どのような条件が必要なのでしょうか。
小林:買収できる球団がいることを前提として、まずは当該球団との意思の疎通をおこない、その後、野球協約に則りオーナー会議において12球団中9球団の合意が必要となります。しかし、実際は全球団一致での合意が必要ですね。
プロ野球参入の合意が得られると、今度は10年間の預託金として25億円と、参入に伴う費用として5億円がそれぞれ必要になります。その後、NPB(日本野球機構)で参入審査委員会を設置し、そこで審査されることになると説明しました。
■企業が球団参入したい理由は?
企業がプロ野球球団を持ちたくなる大きな理由は、小林さんによると「社会的信用を伴う認知」。
小林:球団を持つと、企業のブランド力は桁違いに増えます。話題性とは違い、信用を伴うことは企業にとって最も大事なことですよね。過去、ロッテが有名な菓子メーカーになったことも、日本ハムが日本を代表する食肉会社になったことも、プロ野球球団を持ったことがきっかけでした。
企業が12球団に参入することは、日本だけではなく世界的な信用度を持つことに繋がります。現時点で球団参入は厳しいそうですが……今後どうなるのでしょうか。動向に注目です!
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
■球団買収に立ちはだかる大きな壁
ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイの前澤友作社長が、ツイッターで参入希望を表明してから大きな反響を呼んでいる「プロ野球球団の買収」の話題。
【大きな願望】プロ野球球団を持ちたいです。球団経営を通して、ファンや選手や地域の皆さまの笑顔を増やしたい。みんなで作り上げる参加型の野球球団にしたい。シーズンオフ後に球界へ提案するためのプランを作ります。皆さまの意見も参考にさせてください。そこから一緒に作りましょう! #ZOZO球団
— Yusaku Maezawa 前澤友作 (@yousuck2020) 2018年7月17日
そもそも、企業がプロ野球の球団を買収しようとしたとき、どのような壁が存在するのでしょうか。業界の暗黙のルールや買収の先に待つ球団経営の実情に迫りました。
サッシャ:前澤社長は球団を買収することができると思いますか?
小林:一般的にM&A(企業の合併や買収)の交渉は水面下でおこなわれるのですが、前澤社長が自ら公に発信したことを考えると、現時点で買収はないでしょう。プロ野球12球団のうち、どこかが売却する意思があってはじめて話が進みますし、12球団の応援がないといけない。そのことから考えると、12球団の中に参入することはないだろうと思います。
近年の例では、ソフトバンク、楽天、DeNAと新たな企業がプロ野球に参入しています。その場合と、今回の前澤社長の参入希望とでは、どのような違いがあるのでしょうか。
小林:ソフトバンクや楽天、DeNAが参入したときは、球団が売却する意思がありました。例えば、ソフトバンクが参入した場合は、球団経営権を持つダイエーが産業再生機構への支援を要請し経営が苦しくなったという状況、楽天の場合は「近鉄バッファローズ」と「オリックス・ブルーウェーブ」が合併したことを受け、1球団増やさないといけない状況でした。
今は12球団で「売却したい」と希望を出す球団はなく、「球団を手放さざるを得ない状況」ではないので、他企業がプロ野球球団に参入するのは難しいと、小林さんは解説しました。
■球団を持つためのプロセスとは?
企業が球団を持つためには、どのような条件が必要なのでしょうか。
小林:買収できる球団がいることを前提として、まずは当該球団との意思の疎通をおこない、その後、野球協約に則りオーナー会議において12球団中9球団の合意が必要となります。しかし、実際は全球団一致での合意が必要ですね。
プロ野球参入の合意が得られると、今度は10年間の預託金として25億円と、参入に伴う費用として5億円がそれぞれ必要になります。その後、NPB(日本野球機構)で参入審査委員会を設置し、そこで審査されることになると説明しました。
■企業が球団参入したい理由は?
企業がプロ野球球団を持ちたくなる大きな理由は、小林さんによると「社会的信用を伴う認知」。
小林:球団を持つと、企業のブランド力は桁違いに増えます。話題性とは違い、信用を伴うことは企業にとって最も大事なことですよね。過去、ロッテが有名な菓子メーカーになったことも、日本ハムが日本を代表する食肉会社になったことも、プロ野球球団を持ったことがきっかけでした。
企業が12球団に参入することは、日本だけではなく世界的な信用度を持つことに繋がります。現時点で球団参入は厳しいそうですが……今後どうなるのでしょうか。動向に注目です!
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番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
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