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アイドル・西田藍が語る「ハーフ」としての生き方

アイドル・西田藍が語る「ハーフ」としての生き方

タイムフリー

J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」(月曜担当ナビゲーター:津田大介)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。12月5日(月)のオンエアでは、ハーフで、アイドル兼ライターとして活躍している西田藍さんをお招きして、自身のブログで綴った「純粋な日本人にはなりたくてもなれない」という言葉の真意や、昨今話題になっている「二重国籍」問題などにも触れつつ、お話を伺いました。

民進党・蓮舫代表の二重国籍問題が記憶に新しい中、ある25歳の女性が書いたブログが話題になりました。名前は西田藍さん。アメリカ人のお父さんと日本人のお母さんをもち、アイドルやライターとして活動しています。

「ホンシェルジュ」というサイトで書かれた「幻想のなかの日本人――ハーフの表象」と題した記事では、「純粋な日本人にはどんなになりたくてもなれない」という、日本に生まれたハーフの人ならではの複雑な思いが綴られ、その反響の大きさから朝日新聞などでも取り上げられました。津田いわく、この記事はネットでも大いに話題となったそうです。

西田さんがこの記事を書いたのは、蓮舫議員の二重国籍問題というよりも、「普通の日本人が二重国籍をどうとらえているか? 何が問題なのか?」と思ったことや、自身が考えていた以上に二重国籍が珍しいことであることに気づき、ハーフに関連した本を読んで紹介したのがきっかけだったと言います。

近年「ハーフ」という表現自体が差別的とみなされることもあり、「ダブル」という言葉に置き換えられたりすることもありますが、西田さんは、当事者で「ハーフ」という表現に悪いイメージを持っている人は少なく、比較的ポジティブな意味合いが強いように感じているそうです。

日本で生まれ育った西田さんですが、幼稚園の時に鏡をみて「私だけ顔立ちが違う」と感じたのが、ハーフであることを初めて認識した瞬間だったそうで、その後、年齢を重ねるごとに周囲の反応などから意識するようになったそうです。ご自身は「差別的」とはそれほど強く感じなかったと言いますが、その一方で、学校の中で「ガイジン」とか「外国に帰れ」といったからかいがあった事実も明かしています。

西田さんは日本の教育を受け、日本の文化以外は知らない“純粋な日本人”と信じて生活してきた反面、思春期になると「日本人ってなんだろう?」と悩むようになり、日本の国籍法について調べた際に、日本では1985年まで父方が日本人でない限り日本国籍を付与しない法律があったことなどを知ったことで、「昔ながらの考え方の人たちにとって、自分は一生日本人として扱ってもらえない存在なんだな」とアイデンティティの喪失を感じたそうです。

アイドルをやる前は、高校を中退しほぼニートのような生活をしていたという西田さんですが、「引きこもりでもOK」という募集要項を見て「人生が変わるかも」と思い、アイドル・オーディションを受けることに。その後、アイドル活動の自己PRの延長線上で文章を書く機会を得たことが、ライター活動へと繋がります。アイドルやライターというコミュニティに属し、仕事をして初めて、ハーフであることは、同じようなタレント、モデルが多くいる世界ではあまり目立たないばかりか、自分の売りになるということにも気付いたそうです。

現時点で彼女が訴えたいことは、「ここにいるよ」という極めてシンプルなものでした。色々なルーツを持つ人が、日本社会の一員であることをまずは認識することで「今後どうしていくか?」という議論が生まれる、だからまずは知ることが大事だと言います。

最後に、西田さんに将来の展望を伺いました。

「長生きをしたいです。引きこもりの頃に『未来は無いな』と思っていたので、なるべく社会の中で自分がお金を稼いで生きていきたい。生きていくとか社会で認められるということが、そのままアイドル業やライター業に繋がっています。隙間から漏れているようなものを私の言葉で社会に伝えられるなら、それを有効活用していきたいです」(西田さん)

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:平日 20時-22時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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