J-WAVEで放送中の番組『JAM THE WORLD』(ナビゲーター:グローバー)のワンコーナー「UP CLOSE」。6月18日(月)のオンエアでは、月曜日のニュース・スーパーバイザー、津田大介が登場。フリーライターのオバタカズユキさんをお迎えし、早稲田大学と慶應大学という“私学の二大巨頭”を、さまざまな角度から徹底比較分析しました。
■両校とも時代によって実態が変わってきた
オバタさんの著書『早稲田と慶應の研究』(小学館新書)が話題になっています。私立大学の雄といわれるふたつの大学を徹底的に比較した内容です。
この本について、早稲田大学社会科学部出身で、現在同大学で教えてもいる津田は「自分の大学時代からすると、今、早稲田と慶應ってそんなふうになっているんだ」と目から鱗が落ちるほど両校の変化を知ることができたと話します。
オバタさん自身は上智大学のご出身。なぜ、『早稲田と慶應の研究』を書いたのでしょうか。
オバタ:一番大きい理由はジェネレーションギャップですね。今の受験生の親は私と同じくらいの50代が多いと思うんですけど、その親たちが大学生だったときと、現役の大学生の置かれている状況は、まるで違うんです。親子でジェネレーションギャップが生じている。
津田:かつての親世代の価値観で「この大学にしろ」「この学部にしろ」と言うことが、今では全く通じないわけですよね。
オバタ:はい。なので、早慶という有名なツールを使って、そのジェネレーションギャップを具体的に説明したいという目的でこの本を書きました。
20年前と比べ、早稲田や慶應はどう変化したのか。オバタさんはこう話します。
オバタ:早稲田に関しては、男子と女子で全く違います。男子は昔はバンカラというイメージがありました。
津田:僕は実際に早稲田で教えていますけど、今の早稲田の学生は超フェミニンですよね。
オバタ:見た目も中身もそうですね。
津田:中性的な男子が多いですね。優しいです。
オバタ:なので、親世代がバンカラのイメージで(早稲田を)求めてしまうと、今は全然ちがうよ、というのは大きいですね。
早稲田大学の女子学生、いわゆる“ワセジョ”も変化してきています。
津田:もともと早稲田って男女比が著しく偏っていて、昔は8対2や7対3くらいで圧倒的に男子が多い大学でしたけど、今は男女比が5対5くらいに近づいてきて。
オバタ:今は慶應よりも早稲田のほうが女子の比率が高いです。
津田:昔の早稲田は男の集団だったので、女子も男性化しないとその中のコミュニティーに溶け込めないところもあったと思うんですよね。化粧っ気もないし、他大から来る華やかな女子とは違うよね、というイメージがありました。
オバタ:現在のワセジョは、慶應ガールと見分けがつかないくらい華やかな見た目になりました。でも、話してみると、ワセジョはたくましくて、開けっぴろげで、自信がありますね。
昔は、「ワセジョはおしゃれのセンスがあまりない」と言われていたそうですが、現在はワセジョがファッション誌の読者モデルの数で1番になる場合もあるとか。一方、慶應の学生気質は、それほど変化がないとオバタさん。良くも悪くも保守的で、変わらず、伝統を大切にしていると説明しました。
■学部ヒエラルキーも変動! 就職事情は…
続いて、両校の学部ヒエラルキーの変化についての話題に。「早稲田のトップと言えば政治経済学部(以下、「政経」)」という常識が揺らいでいるそうです。
オバタ:一応、早稲田のトップは政経なんですけど、政経のなかでも一般入試で入っていないと「頭がいい」とは言われない。推薦と附属校からの内進生がとても多いので。
津田:一般入試とそうでない人の格差が生まれているわけですね。
オバタ:内部的にはそのようなことを言われています。
一方、慶應の学部ヒエラルキーは……。
オバタ:私の世代だと、慶應は経済学部が絶対的王者でしたが、今は違いますね。今は法学部が経済学部より上で、その中でもとりわけ政治学科がトップです。
津田:理由は何ですか?
オバタ:なぜだろうなと思ったら、内進生(が原因)なんですよね。
津田:慶應の特徴で附属校から進学してくる中でのヒエラルキーっていうのもあって、慶應義塾幼稚舎から上がっていくのが一番偉いみたいなところがある。(早稲田の政経とは逆で)慶應は一般入試で入ってきた人はヒエラルキーが低くなっている。
オバタ:基本的にはそうですね。
慶應の内進生にとって法学部政治学科が最も人気であるため、学部ヒエラルキーの変化が起こったとオバタさんは付け加えました。
学部ヒエラルキーの変動によって両校の就職先にはどのような変化が起こっているのでしょうか。
オバタ:慶應はブランド企業により強くなっている感じはありますね。「慶應病」って言葉があるらしいんですけど、ひとつの業界でもトップと言われる企業しか受けないから、ぼーっとしていると全部落ちてしまうことが昔からあるようです。企業の人事からは、慶應は5段階評価でオール4みたいな、バランスの取れた子が非常に多いという声が非常にあります。早稲田は当たり外れがすごく多い。稀に100点がいるけど、0点がけっこういると。
津田:なるほどね(笑)。
■ライバル関係、今後どうなる?
さて、「早慶戦」など常にライバル視される両校、今後どのように変わっていくのでしょうか。
オバタ:基本的にはあまり変わらないんじゃないでしょうか。慶應は伝統保守していくと思います。一貫して伝統を保守しているんですよ。
津田:慶應が守りたい部分ってどういうところなんですか?
オバタ:私が見る限りで無責任に言うと、“コスパ人生”みたいな、非常に要領よく世の中を渡っていくことに長けている、またそのような人間を生み出すシステムが公的にも非公的にもできている印象があります。
津田:早稲田はどうですか?
オバタ:けっこう、ちゃらんぽらんなんですよね。
津田:そうですよね……(笑)。
オバタ:今度、早稲田は政経の入試内容を変えて、英語の比重が非常に大きくなるんですよ。英語ができない人は政経に受からないんじゃないかな。
津田:国際教養などが入っていくことで、早稲田そのものを変えていこうとするところもあるんでしょうね。
いろいろと変わっている大学事情。もっと知りたい方は、ぜひオバタさんの著書『早稲田と慶應の研究』をご覧ください。
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【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
■両校とも時代によって実態が変わってきた
オバタさんの著書『早稲田と慶應の研究』(小学館新書)が話題になっています。私立大学の雄といわれるふたつの大学を徹底的に比較した内容です。
この本について、早稲田大学社会科学部出身で、現在同大学で教えてもいる津田は「自分の大学時代からすると、今、早稲田と慶應ってそんなふうになっているんだ」と目から鱗が落ちるほど両校の変化を知ることができたと話します。
オバタさん自身は上智大学のご出身。なぜ、『早稲田と慶應の研究』を書いたのでしょうか。
オバタ:一番大きい理由はジェネレーションギャップですね。今の受験生の親は私と同じくらいの50代が多いと思うんですけど、その親たちが大学生だったときと、現役の大学生の置かれている状況は、まるで違うんです。親子でジェネレーションギャップが生じている。
津田:かつての親世代の価値観で「この大学にしろ」「この学部にしろ」と言うことが、今では全く通じないわけですよね。
オバタ:はい。なので、早慶という有名なツールを使って、そのジェネレーションギャップを具体的に説明したいという目的でこの本を書きました。
20年前と比べ、早稲田や慶應はどう変化したのか。オバタさんはこう話します。
オバタ:早稲田に関しては、男子と女子で全く違います。男子は昔はバンカラというイメージがありました。
津田:僕は実際に早稲田で教えていますけど、今の早稲田の学生は超フェミニンですよね。
オバタ:見た目も中身もそうですね。
津田:中性的な男子が多いですね。優しいです。
オバタ:なので、親世代がバンカラのイメージで(早稲田を)求めてしまうと、今は全然ちがうよ、というのは大きいですね。
早稲田大学の女子学生、いわゆる“ワセジョ”も変化してきています。
津田:もともと早稲田って男女比が著しく偏っていて、昔は8対2や7対3くらいで圧倒的に男子が多い大学でしたけど、今は男女比が5対5くらいに近づいてきて。
オバタ:今は慶應よりも早稲田のほうが女子の比率が高いです。
津田:昔の早稲田は男の集団だったので、女子も男性化しないとその中のコミュニティーに溶け込めないところもあったと思うんですよね。化粧っ気もないし、他大から来る華やかな女子とは違うよね、というイメージがありました。
オバタ:現在のワセジョは、慶應ガールと見分けがつかないくらい華やかな見た目になりました。でも、話してみると、ワセジョはたくましくて、開けっぴろげで、自信がありますね。
昔は、「ワセジョはおしゃれのセンスがあまりない」と言われていたそうですが、現在はワセジョがファッション誌の読者モデルの数で1番になる場合もあるとか。一方、慶應の学生気質は、それほど変化がないとオバタさん。良くも悪くも保守的で、変わらず、伝統を大切にしていると説明しました。
■学部ヒエラルキーも変動! 就職事情は…
続いて、両校の学部ヒエラルキーの変化についての話題に。「早稲田のトップと言えば政治経済学部(以下、「政経」)」という常識が揺らいでいるそうです。
オバタ:一応、早稲田のトップは政経なんですけど、政経のなかでも一般入試で入っていないと「頭がいい」とは言われない。推薦と附属校からの内進生がとても多いので。
津田:一般入試とそうでない人の格差が生まれているわけですね。
オバタ:内部的にはそのようなことを言われています。
一方、慶應の学部ヒエラルキーは……。
オバタ:私の世代だと、慶應は経済学部が絶対的王者でしたが、今は違いますね。今は法学部が経済学部より上で、その中でもとりわけ政治学科がトップです。
津田:理由は何ですか?
オバタ:なぜだろうなと思ったら、内進生(が原因)なんですよね。
津田:慶應の特徴で附属校から進学してくる中でのヒエラルキーっていうのもあって、慶應義塾幼稚舎から上がっていくのが一番偉いみたいなところがある。(早稲田の政経とは逆で)慶應は一般入試で入ってきた人はヒエラルキーが低くなっている。
オバタ:基本的にはそうですね。
慶應の内進生にとって法学部政治学科が最も人気であるため、学部ヒエラルキーの変化が起こったとオバタさんは付け加えました。
学部ヒエラルキーの変動によって両校の就職先にはどのような変化が起こっているのでしょうか。
オバタ:慶應はブランド企業により強くなっている感じはありますね。「慶應病」って言葉があるらしいんですけど、ひとつの業界でもトップと言われる企業しか受けないから、ぼーっとしていると全部落ちてしまうことが昔からあるようです。企業の人事からは、慶應は5段階評価でオール4みたいな、バランスの取れた子が非常に多いという声が非常にあります。早稲田は当たり外れがすごく多い。稀に100点がいるけど、0点がけっこういると。
津田:なるほどね(笑)。
■ライバル関係、今後どうなる?
さて、「早慶戦」など常にライバル視される両校、今後どのように変わっていくのでしょうか。
オバタ:基本的にはあまり変わらないんじゃないでしょうか。慶應は伝統保守していくと思います。一貫して伝統を保守しているんですよ。
津田:慶應が守りたい部分ってどういうところなんですか?
オバタ:私が見る限りで無責任に言うと、“コスパ人生”みたいな、非常に要領よく世の中を渡っていくことに長けている、またそのような人間を生み出すシステムが公的にも非公的にもできている印象があります。
津田:早稲田はどうですか?
オバタ:けっこう、ちゃらんぽらんなんですよね。
津田:そうですよね……(笑)。
オバタ:今度、早稲田は政経の入試内容を変えて、英語の比重が非常に大きくなるんですよ。英語ができない人は政経に受からないんじゃないかな。
津田:国際教養などが入っていくことで、早稲田そのものを変えていこうとするところもあるんでしょうね。
いろいろと変わっている大学事情。もっと知りたい方は、ぜひオバタさんの著書『早稲田と慶應の研究』をご覧ください。
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【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
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