J-WAVE土曜深夜の番組「BOOK BAR」(ナビゲーター:大倉眞一郎 ・杏)。4月23日のオンエアでは、シンガーソングライターの大森靖子さんがおすすめの本を紹介してくれました。
大森さんといえば、今年2月に最新アルバム「TOKYO BLACK HOLE」をリリースしました。完全生産限定盤は、なんと、昨年10月の出産の瞬間までの1ヶ月間を綴った200ページに渡るボリュームたっぷりの書き下ろしエッセイ付き。「異常な文章のうまさ。20代の人が書いたとは思えない」と、大倉眞一郎も絶賛していました。
そんな大森さんが紹介したのは、東村アキコさんの自叙伝的な漫画『かくかくしかじか』。大森さんにとって、東村さんのイメージは、エネルギッシュでポジティブで、色々なものを鮮やかに切り取る方。「だから、楽しく読めるけど、グサグサくる表現がたくさんあった」(大森さん)とのことでした。
主人公は美術予備校から美大に行きますが、美大でサボってばかり。サボりつつ言うセリフ「美大に行ったぐらいでは何にもならないよ」に、ご自身も同じような経路を辿ってきたため、グサグサときたそうです。
「この予備校の先生が、私の予備校の先生に似ているんですよ。とにかくスパルタで、とにかく描かせて絵に向かい合う姿勢を養うという。私の恩師も精神論しか教えてくれなかったんです。東村さんは宮崎の予備校だけど、私は愛媛。やっぱり愛媛とか宮崎とかから東京の大きい予備校の集団に勝たせるためには、そうするしかなかったんですよね」(大森さん)
大森さんが特に印象に残っているのは、先生が「描けッ。とにかく描くことに向き合え」といって描かせるというシーン。「私だったら『歌え』とかに置き換えられると思うんです。ひたすらやり続けて、その努力を重ねるしかないので、一番印象に残ったシーンではそのことを確認できました」と大森さんご自身の活動と重ね合わせました。
ナビゲーターの2人は、短編作品を紹介。大倉のおすすめは『居心地の悪い部屋』(翻訳:岸本佐和子)。「装丁からすでに居心地の悪い雰囲気が漂っている1冊で、11の嫌な気持ちを味わえる、おすすめの海外物入門編。いわば『岸本ベスト』。いずれの話も感動するというよりは、奇妙、不条理などの感情が残ります」(大倉)。
杏のおすすめは『東京物語』(著:奥田英朗)。主人公の田中くんと奥田さんはプロフィールが似ているので、奥田さんの自叙伝的な意味合いもあるのでは? とのこと。両者とも1959年生まれなので、同世代の人には懐かしいと思いながら読めて、若い世代の人には当時の話が新鮮に思えるかもしれません。
あまり本になじみのない人でも、短編なら読みやすいのでは。さて、次回はどんな本が登場するか…来週の放送をお楽しみに!
【関連サイト】
「BOOK BAR」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/bookbar/
大森さんといえば、今年2月に最新アルバム「TOKYO BLACK HOLE」をリリースしました。完全生産限定盤は、なんと、昨年10月の出産の瞬間までの1ヶ月間を綴った200ページに渡るボリュームたっぷりの書き下ろしエッセイ付き。「異常な文章のうまさ。20代の人が書いたとは思えない」と、大倉眞一郎も絶賛していました。
そんな大森さんが紹介したのは、東村アキコさんの自叙伝的な漫画『かくかくしかじか』。大森さんにとって、東村さんのイメージは、エネルギッシュでポジティブで、色々なものを鮮やかに切り取る方。「だから、楽しく読めるけど、グサグサくる表現がたくさんあった」(大森さん)とのことでした。
主人公は美術予備校から美大に行きますが、美大でサボってばかり。サボりつつ言うセリフ「美大に行ったぐらいでは何にもならないよ」に、ご自身も同じような経路を辿ってきたため、グサグサときたそうです。
「この予備校の先生が、私の予備校の先生に似ているんですよ。とにかくスパルタで、とにかく描かせて絵に向かい合う姿勢を養うという。私の恩師も精神論しか教えてくれなかったんです。東村さんは宮崎の予備校だけど、私は愛媛。やっぱり愛媛とか宮崎とかから東京の大きい予備校の集団に勝たせるためには、そうするしかなかったんですよね」(大森さん)
大森さんが特に印象に残っているのは、先生が「描けッ。とにかく描くことに向き合え」といって描かせるというシーン。「私だったら『歌え』とかに置き換えられると思うんです。ひたすらやり続けて、その努力を重ねるしかないので、一番印象に残ったシーンではそのことを確認できました」と大森さんご自身の活動と重ね合わせました。
ナビゲーターの2人は、短編作品を紹介。大倉のおすすめは『居心地の悪い部屋』(翻訳:岸本佐和子)。「装丁からすでに居心地の悪い雰囲気が漂っている1冊で、11の嫌な気持ちを味わえる、おすすめの海外物入門編。いわば『岸本ベスト』。いずれの話も感動するというよりは、奇妙、不条理などの感情が残ります」(大倉)。
杏のおすすめは『東京物語』(著:奥田英朗)。主人公の田中くんと奥田さんはプロフィールが似ているので、奥田さんの自叙伝的な意味合いもあるのでは? とのこと。両者とも1959年生まれなので、同世代の人には懐かしいと思いながら読めて、若い世代の人には当時の話が新鮮に思えるかもしれません。
あまり本になじみのない人でも、短編なら読みやすいのでは。さて、次回はどんな本が登場するか…来週の放送をお楽しみに!
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「BOOK BAR」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/bookbar/
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