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吉岡里帆、永野の映画監督デビュー作『MAD MASK』の感想を明かす「永野さんご本人より永野さんらしい」

吉岡里帆、永野の映画監督デビュー作『MAD MASK』の感想を明かす「永野さんご本人より永野さんらしい」

ピン芸人の永野が、初監督作品『MAD MASK』の制作エピソードや反響について語った。

永野が登場したのは、6月21日(日)放送のJ-WAVE『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。心地よい音楽とともに、よりよいライフスタイルを考えるプログラムだ。

芸人・永野が挑んだ映画制作の裏側

永野は1974年、宮崎県生まれ。1995年にピン芸人として活動をスタート。テレビ、YouTube、ラジオなど幅広い分野で活躍している。芸能界きっての映画ファンとしても知られ、映画への深い愛情を発信し続けてきた。さらに、2025年7月公開の『MAD MASK』で映画監督デビューを果たした。

本番組はゲストのライフスタイルに迫る。今回は永野が、次回作への意欲、芸人のキャンプ動画に対する怒り、今の暮らしでほしいアイテムについて語る場面があった。全編はSpotifyなどのポッドキャストで配信中。

この記事では、オンエア内容の一部として、映画『MAD MASK』の制作エピソードや、映画祭での反響にまつわるパートをテキストで紹介する。

・ポッドキャストページ

デビュー当時の不安を救った永野からの言葉

番組の冒頭、吉岡は「実は、永野さんとの思い出がひとつありまして」と明かし、自身のデビュー当時を振り返った。

吉岡:私、2013年デビューなんですけど、永野さんの「ラッセンネタ」はたしか2015年ぐらいに発表されましたよね。そのころ、永野さんは朝の情報番組にもたくさん出演されていて。

永野:はい、出てましたね。

吉岡:私は民放ドラマに初出演したタイミングで、その宣伝か何かで初めて情報番組に出たんです。でも、緊張しすぎて萎縮してしまって、何をしていいかわからず固まってたんですよ。そうしたら永野さんが気づいてくださって、「大丈夫。そのままで絶対大丈夫だから」って声をかけてくださったんです。私、あれを今でも忘れていなくて。そのままでいる努力というか、「染まらないぞ」ってあのとき思ったんですよね。

永野:あの、今の音源、テープでもらっていいですか? 死ぬときに流してもらおうかな(笑)。

吉岡:(笑)。本当に大事な思い出なんです。今でもすごく真摯に、大事に思ってます。当時は何も言えない自分がすごく嫌で、怖くて。「テレビに向いてないんだ」って思っていたくらい緊張しいだったので、「もうダメなんだ」って感じていたときに言われた言葉だったんです。すごく刺さりました。

永野:ありがとうございます!

吉岡:今回、永野さんがラジオに来てくださるということで、どんな方なんだろうと思って、いろいろ調べたりインタビューを読んだりしたんです。そうしたら、ものすごく信念の強い方なんだって気づかされて。いろんな感動があったので、今日はそういう話も交えながらお話ししたいと思います。

ラテンアメリカ最大のジャンル映画祭で快挙

永野の映画作品『MAD MASK』は、自身の頭のなかにあるイメージを映像として具現化するために初監督へ挑んだブラックコメディだ。

【永野初監督作】映画『MAD MASK』予告|U-NEXT・Prime Videoで配信中|金子ノブアキ/アイナ・ジ・エンド/D.O/戸塚祥太(A.B.C-Z)/セイジ(GuitarWolf)/斎藤工

物語は、バーに来た客を殺害して顔の皮を剥ぎ、それをマスクとしてかぶる猟奇殺人鬼の男を描く。ある日、男がいつものように皮を身につけた瞬間、悪夢のような映像が脳内へ流れ込み始める。やがて彼は目の前で起きている出来事が現実なのか、それとも妄想なのか、その境界を見失っていく。

永野:『MAD MASK』は映画『MAD MAX』をもじったんですよ。

吉岡:やっぱり、本当にそうだったんですね。

永野:内容を少し言うと、人の皮をかぶるような猟奇的な人物が追われる話なんです。そこで「マスク」が出てくるので、シャレっ気も込めて『MAD MASK』にして撮らせていただきました。

2026年5月、ブラジルで開催された世界的ジャンル映画祭・ファンタスポアにおいて、『MAD MASK』がベスト・ミッドナイター・フィルム(ミッドナイト部門最優秀作品賞)を受賞した。日本人として初の快挙であり、同賞はミッドナイト部門における最高賞にあたる。ファンタスポアは、南米最大級のファンタスティック映画祭のひとつとして知られている。

吉岡:ホラー、SF、カルト、グロテスクな描写からファンタジーまで幅広いジャンルを扱う映画祭で、かなり強敵も多かったと思います。報告を聞いたときはいかがでしたか?

永野:うれしかったですね。もちろん、受賞自体はうれしかったんですけど、この映画、本当にお金がなくて。インディーズで作ったので、メンバーはすごいんですけど予算がなくて。よく映画って「○○映画祭入選」って宣伝文句あるじゃないですか。だから、僕らも海外映画祭にどんどん出して、どこか引っかかったら箔がつくかなって考えてました。でもお金がないから、5つくらいしか出せなかったんですよ。入選はしても受賞まではいかなくて。出演している金子ノブアキくんとも、「我々って永遠に評価されないんですね」なんて冗談を言ってました。

永野は「失礼な話ですけども」と前置きをしつつ、受賞の報告を受けた際は「思わず笑ってしまった」と当時の心境を明かす。

永野:まったく知らないブラジルの映画祭だったので、「地球の裏側で評価されたぞ!」って金子くんと笑っていて。それで、斎藤 工くんに連絡したんです。「ブラジルで受賞しました」って冗談っぽく送ったら、工君が調べてくれて「永野さん、笑いごとじゃないです。これ、すごい映画祭です」って。調べたらラテンアメリカ最大級のジャンル映画祭だったんですよ。

吉岡:すごいところに入っちゃいましたね。

永野:日本人の受賞者ももちろんいますけど、僕が受賞したミッドナイトフィルム部門は3年前にできた新設部門なんです。聞いたら、この映画祭のなかでももっともカルトで過激で実験的な作品を、夜中に観客が観る部門らしくて。そこで最優秀作品賞を取ったので、すごくうれしかったですね。ファンタスポアの肝になるような部門ですし、お客さんからの人気もかなり高かったと聞きました。

表現の転換点となった「もっと振り切れ」の言葉

『MAD MASK』はミッドナイトシネマの極致ともいえる作品で、「違法スレスレの匂いがする」「危うさすら感じるほどスタイリッシュ」といった評価を集めている。吉岡は、そうした作品性を踏まえ、「かなりギリギリのラインを狙っていましたよね?」と、その方向性について切り込んだ。

永野:ギリギリはけっこう狙いましたね。以前、自分が原案を担当した『MANRIKI』(2019年公開)って映画があったんですけど、そちらも斎藤 工君と金子ノブアキ君が出演していて、東映さんも関わっていた作品だったんですね。その映画のラッシュ(試写)を観たときに、大人たちから「これはちょっと攻めすぎだ」みたいなことを言われたんです。だけど、僕としては「そうかな?」と思っていて。でも、当時はまだその世界で意見できる立場でもなかったし、ちょうどラッセンネタの時期でもあったので、「ラッセンの人が映画を撮った」みたいな見られ方もありました。そのときに、今でも忘れられない言葉があって。アメリカの映画祭に出品した際、審査員から「もっと振り切ってほしかった」と言われたんですよ。

映画『MANRIKI』予告 2019年公開

吉岡:そうだったんですね。

永野:「見ている人に対して落としどころを作るのがエンターテインメントだ」と言われたときに「う~ん」と思っていたんです。さらに、振り切れていないと言われて「二度と人の言うことは聞くもんか」と思いました。だから今回は大手を入れず、インディーズで知り合いだけ集めて撮りました。

吉岡:私、永野さんがお好きだというスティーヴン・キング監督の『地獄のデビル・トラック』の話を伺っていて。あれって、スティーヴン・キング自身が「もう自分の作品は自分で撮ったほうがいい」と思って撮った作品ですよね。しかも「私の作品より私らしい」とまで言っていて。それってまさに『MAD MASK』なのかなと思ったんです。映画を観たときに、「永野さんご本人より永野さんらしい」というくらい、永野さんの感覚が抽出されているように感じました。

永野:本当にうれしいです。

吉岡:今って、すごくコンプライアンスが意識される時代じゃないですか。永野さんも実は悩みながら発言されたりしているのかな、と少し気になっていたんです。でも永野さんだから、絶対そんなことないだろうとも思っていて。自由にやりつつ、ちゃんと考えている方なのかなと思っていたんですけど、映画を観たら「いや、そんなレベルじゃない」というむき出し感があって(笑)。

永野:ありがとうございます!

吉岡:普段の毒なんてかわいいものだったんだな、というのを一気に浴びた感じがしました。

永野の最新情報はグレープカンパニーの公式サイトまで。

『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、心地よい音楽とともに、より良いライフスタイルを考える。オンエアは毎週日曜18時から。

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