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「“メタラー”の父の影響を受けて…」世界的ギタリスト・Ichika Nitoが吉岡里帆と音楽対談

「“メタラー”の父の影響を受けて…」世界的ギタリスト・Ichika Nitoが吉岡里帆と音楽対談

ギタリスト・Ichika Nitoが、vギターとの出会いを振り返り、1stアルバム『The Moon's Elbow』の制作エピソードを語った。

Ichikaが登場したのは、5月17日(日)放送のJ-WAVE『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。心地よい音楽とともに、よりよいライフスタイルを考えるプログラムだ。

世界で活躍するギタリストが番組初出演

Ichika Nitoは大阪府出身。大学在学中に投稿したギター動画をきっかけに、両手を自在に使う独創的な演奏スタイルが海外でも話題となり、その名は一気に世界へ広がっていった。繊細な感性から生まれる楽曲、唯一無二のギタースタイル、そして高度なテクニックは国内外で高く評価されている。

本番組はゲストのライフスタイルに迫る。今回はIchikaが、大学時代に没頭していたウイルス研究、リビングに2台のテレビを横に並べている理由、大好きなポケモンなどについて語る場面があった。全編はSpotifyなどのポッドキャストで配信中。

この記事では、オンエア内容の一部として幼少期の思い出や新作ミュージカルに注目したパートをテキストで紹介する。

・ポッドキャストページ

“メタラー”の父の影響を受けギターを始めた

Ichikaは2020年、英国のギター専門誌『Total Guitar』の読者投票企画「史上最高のギタリスト100選」において8位にランクイン。以降も日本発のギタリストとして、世界のトップミュージシャンからも注目を集めている。

吉岡:そもそも、日本のギタリストの方が世界で活躍されているって、本当にかっこいいですし、大快挙だと思うんですよ。今もずっと飛び回る生活なんですか?

Ichika:そうですね。これまでも25カ国くらいまわってきました。アメリカのファンがいちばん多いんですけど、南アフリカやドバイでもライブをしましたし、ヨーロッパもチェコやポーランドを含めて各地をまわったりしていて。本当にいろんな場所でライブをさせてもらっています。

吉岡:すごいです。今はちょうど日本にいらっしゃる時期なんですか?

Ichika:はい。次はヨーロッパツアーに行く予定です。

吉岡:お忙しいなか、貴重なお時間をありがとうございます。まずは、Ichikaさんの原点について伺いたいんですが、ギターとの出会いはいつごろだったんでしょうか?

Ichika:父がメタラーで、家にギターやベースが置いてあったんです。CDもハードロックとかヘビーメタルばかりで。もともとはピアノを弾いていたんですけど、小さいころから父の影響でギターにも触っていて、だんだんメタルに傾倒していきました。メタルってテクニカルな音楽が多いので、そこでいろんなテクニックを身につけていったんですけど、その一方でピアノをやっていたころに憧れていたものもありました。

Ichikaは当時を振り返り、「坂本龍一さんのように大きな楽器と向き合いながら、自分ひとりで時間や空間を作っていく姿勢に強く憧れていた」と語る。そして、「ギターでも同じような表現がしたいと思ったことが、現在のソロスタイルにつながっているのかもしれない」と明かした。

吉岡:バンドで世界中をまわっているミュージシャンの方もたくさんいらっしゃると思うんですけど、ソロギタリストとして活躍されているところに、私はすごく驚いてしまいました。

Ichika:本当にギター1本だけ持って飛行機に乗って、いろんな国へ行っているんです。そのたびに、「世の中ってすごく自由なんだな」と感じます。国境、人種、文化、いろんなものを越えていける感覚があるんですよね。僕はインストゥルメンタル、つまり歌のない音楽をやっているんですけど、アメリカでも東南アジアでも、アフリカでも、お客さんがすごくキラキラした目で聴いてくれるんですよ。どこの国でも、みんな同じように音楽を受け取ってくれる。その瞬間が毎回すごくうれしいです。そしてそれは、ひとりだからこその身軽さもあるのかなと思っています。

待望の1stアルバムは「これまでの集大成」

Ichikaは1月30日に1stアルバム『The Moon's Elbow』をリリースした。同作について「ギタリストとしての集大成を、このアルバムで一度出したいと思っていた」と明かす。

Ichika Nito - Where I Begin (official visualizer)

Ichika:活動を始めてから、1stアルバムを出すまで10年弱かかったんですね。アルバムのモチーフである「月」になぞらえて、1周回って戻ってきたけれど、また違うものが見えている。そんな作品にしたいと思って作りました。

吉岡:EPはたくさん出されていたじゃないですか。でも、アルバムにはならなかった理由って何だったんですか?

Ichika:自分はかなり完璧主義なところがあって、1stアルバムという存在が自分のなかで大きすぎたんですよね。もちろん、何度も作ってはいたんですけど「まだ足りない」「これはアルバムじゃない」と思ってしまって。作っては壊してをずっと繰り返していました。でも、活動を始めたころは20代前半の大学生で、今もまだ30歳なんですけども、そのあいだにもいろんなことがあって。そこでようやく「別に完璧である必要はないし、それも含めて人間なんだ」と思えるようになったんです。

吉岡:すごく誠実な方ですね。

Ichika:ありがとうございます。

吉岡:せっかくなのでまだまだいろいろお話を伺いたいんですが、今日はギターをスタジオに持ってきてくださっているんですよね。せっかくなので、Ichika Nitoさんにスタジオライブを披露していただきたいと思います。

Ichika:以前、吉岡さんがNujabesをお好きだとお見かけしたので『reflection eternal』をやります。

番組ではIchika Nitoによるスタジオライブをオンエアした。

I play Nujabes

作品に「物語性」が強い理由は?

Ichikaは、ヘビーメタルやハードロックにルーツを持ちながらも、坂本龍一や久石 譲からも大きな影響を受けているという。一見すると対極にあるようにも感じられる音楽性だが、吉岡はIchikaのあるインタビューを読み、「ファンタジーや物語性のある世界観が好き」という言葉に強く共鳴したと語った。

吉岡:Ichikaさんのインストには起承転結があるというか、物語みたいに感じられるんですね。空想の世界やファンタジーを愛している理由をぜひ教えてほしいです。

Ichika:音楽より先に、物語や本が好きだったんですね。トーマス・A・バーロンの『マーリン』(主婦の友社)シリーズだったり、ミヒャエル・エンデの作品も子どものころからずっと読んでいて。特にエンデの作品にはすごく影響を受けていますね。なかでも『モモ』(岩波書店)がすごく好きです。

吉岡:素晴らしいですよね。読んだことあります。

Ichika:本当にいいですよね。あれって、大人になってからも得るものがある作品だと思うんです。子どもながらに感じていたのは、「時間」って営みであって、生命そのものなんだな、ということでした。時間を大切にしないと、たぶん何も残らないんだろうなと思っていて。そういう時間を、もっと美しく装飾できるものが音楽なんじゃないかと思って、そこから音楽に興味を持った部分もありました。

吉岡:そういうことなんですね。あと、「曲ができてから、その曲によって生まれる感情を感じ取ってタイトルをつける」とお話しされていましたけども、基本的にはまず曲を作って、あとから物語を感じていくタイプなんですか?

Ichika:そういうことが多いですね。逆に頭のなかにストーリーが先にあって、「それをどう音に落とし込むか」を考えることもあります。やり方はいろいろなんですけど、必ずどこかに物語はあります。あと、さっき吉岡さんがおっしゃっていたように、インストって聴き手に委ねられる部分も大きいと思うんです。もちろん、全部のインストがそうというわけではなくて、想像しやすいインストとそうじゃないものもある。自分としては、聴いてくれた人に「同じ景色」を見てほしいわけではないんですけど、それぞれの人が世界を想像しやすいような音楽を作りたい気持ちがすごくあります。だから、自分の音楽には物語性が強いのかもしれません。

吉岡:そういうことなんですね。ありがとうございます。

Ichika Nitoの最新情報は公式サイトまで。

『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、心地よい音楽とともに、より良いライフスタイルを考える。オンエアは毎週日曜18時から。

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