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「水道水の味を説明する」に吉岡里帆も驚き! 鈴木ジェロニモに聞く、“本当の言葉”へのこだわり

「水道水の味を説明する」に吉岡里帆も驚き! 鈴木ジェロニモに聞く、“本当の言葉”へのこだわり

ピン芸人・鈴木ジェロニモが、「説明」から生まれるおもしろさや言葉について語った。

鈴木が登場したのは、12月21日(日)放送のJ-WAVE『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。心地よい音楽とともに、よりよいライフスタイルを考えるプログラムだ。

ゲストのライフスタイルに迫る

鈴木ジェロニモは1994年生まれ、栃木県出身。2022年からピン芸人として活動をスタート。YouTubeチャンネルでは、あらゆるものを説明する動画を投稿し、話題を集めている。歌人としても活動するとともに、J-WAVEではナビゲーターとしても活躍中だ。

本番組はゲストのライフスタイルに迫るのが特徴。今回は鈴木が、ルームシェアでの自炊生活や、人との出会いによって生じたファッションへの意識の変化、それに伴う家電への関心を語った。また、彼が感じたラジオという媒体特有の空気感についても、独自の言葉でトーク。Spotifyなどのポッドキャストでも楽しめる。

この記事では、内容のごく一部である、彼の言葉に注目したパートをテキストで紹介する。

・ポッドキャストページ

ラジオで見つけた「新しいビジュアル」

初対面のふたり。吉岡は、ある驚きがあったという。

吉岡:お部屋に入ってきてくださった瞬間、私が緊張を取るために使っている精油の香りをピタリと言語化してくださり、びっくりしました!

鈴木:普段、J-WAVEの『GURU GURU!』(毎週月曜〜木曜 22時〜24時)という番組の収録で来させていただくことがけっこうあるんですけど、そこでは嗅いだことのない匂いだったので、なんだろうと思って「青い花の香りがしますね」と言ったんですよね(笑)。

吉岡:ラジオ前は、特にはじめましての方と話すときって、どうしても緊張してしまうんですね。緊張を取るためにローズとゼラニウムが混ざっているピュアな精油を付けていて、その香りを言い当てられてしまいました(笑)。まずは、ご出演されている『GURU GURU!』がどんな番組なのか、ご紹介をお願いします。

鈴木:『GURU GURU!』は月曜から木曜の22時から24時放送の番組です。僕が担当しているのは3分間のコーナー「鈴木ジェロニモ 半径3mの不明を説明」でして、2024年の1年間は「鈴木ジェロニモ半径3mの違和感短歌」でした。「不明を説明」のコーナーでは、たとえば「パン」がテーマの1週間の場合、何かしらのパンを食べてそれを説明して、スタジオのナビゲーターの方に当ててもらいます。

吉岡:なるほど。実際にレギュラーで担当されてみて、ラジオの楽しさってどういうところにありますか?

鈴木:お笑い芸人としてライブに出るときって、自分の全身が舞台に出ている状態でお客様に受け入れていただくという、見た目の情報から入るんですよね。一方で、ラジオに出させていただくと「ジェロニモさんって声がいいですよね」と言っていただくことが多いんですよ。お笑いライブに出ているときと同じ声のはずなのに、声がいいと言っていただく機会はラジオのほうが明らかに多いんです。

吉岡:たしかに、いい声!

鈴木:もうひとつ新しいビジュアルを身につけられているような気がして、常に新鮮でうれしいです。

説明することが「おもしろい」と感じる理由は?

YouTubeチャンネル『鈴木ジェロニモ』では、「耳かき」「スイカ」「パクチー」などさまざまなモノを鈴木が説明する動画が公開されている。大きな反響があった「水道水の味を説明する」を視聴した吉岡は、「いまだかつて、水道水をあそこまで細かく説明した方は誰もいないと思います」と感想を語った。

水道水の味を説明する

吉岡:自分の体・心・頭が思うことを言語化して、人に聞いてみてもらおうと試みた方は、たぶんいないと思います。

鈴木:たしかに、そうですね。

吉岡:私、最初は動画をすごく真顔で観ていたんですよ。笑わせようとされると、つい笑っちゃうタイプなんですけど、ジェロニモさんの動画って、別に笑わせようとしているわけじゃないじゃないですか。なのに、最後に笑っちゃいましたね(笑)。おもしろかったです!

鈴木:ありがとうございます!

吉岡:すごく具体的なんだけど人が気づいてない角度で、なおかつ「この人は本当にそう思ってるんだろうな」という実感があるんですよね。以前、町田 康さんがゲストでいらっしゃったときに「本当の話がいちばんおもしろい」とおっしゃっていたんですけど、説明でもこんなにおもしろいんだなって思いました。



鈴木:うれしいですね。本当の話とか、本当の言葉っていうのは、自分もすごく意識していることです。たとえば、お笑い芸人として舞台に立ってネタやトークをするとき、「こんなに突飛なことを言うんだ」という距離の出し方って、常識というラインからどれだけ上に飛ばせるかという競技っぽくなるんですよね。僕のやっている「説明する」は、常識というラインから下に掘っていくみたいな感覚でして。最終的には地中深くの言葉を出してきたら、結果的に上に飛ばした言葉と同じだけ常識と離れてるんですよね(笑)。

吉岡:まさしくそういう感じです! なんで笑っちゃうのか言語化が難しかったんですけど、下に掘られていたんですね。本当なんだけど異次元に連れて行かれるような感じがして、脳がほぐれていく感覚がありました。アロマとか瞑想に近い“何か”を感じましたね(笑)。

「しっくりくる言葉」がやってくる瞬間がある

2024年11月に発売された鈴木の著書『水道水の味を説明する』(ナナロク社)には、歌人・穂村 弘が寄稿している。一見すると無機的な題材を、独特の視点をかたどった言葉で表現する「説明する」シリーズは、鈴木の活動を象徴するものだ。鈴木は当時を振り返り、「自分ではおもしろいと思ったが、誰が観るのだろうと思いながら投稿した。すると意外にも、さまざまな人がたくさん観てくれた」と語る。

鈴木:そこから出版社の方に声をかけていただいて書籍化されて。それがきっかけでお話しする場に呼んでいただいたりして、説明するという行為によって、自分がものすごく速く走れる車に乗らせてもらっている感じがあります。自分の足では届かないようなところに、「説明」が連れて行っている感覚があるんですよね。

鈴木は、お笑い芸人的な発想で話を誇張し、どこまで話題を上方向に飛ばせるかといったことを、あえてしていないという。内容を脚色し、校正したうえで伝えるのではなく、「無意識から生まれる言葉をそのまま伝える」ことを重視していると続ける。

鈴木:結果的に、それがいろんな方に観てもらえているので、最近は常に無意識です。そこがある意味、自分らしいし、そこをみんなが観てくれている状態なのかなと感じています。

吉岡:小説家の方がゲストにいらっしゃることがあるのですが、ほとんどの方が口を揃えて「自分の作品がコントロールできない。なかにいる登場人物たちが物語を動かす」とおっしゃるんですね。ジェロニモさんもインタビューで「この言葉の次にはこれがくるはずだ、という予感があるんでしょうか?」という質問に、「自分があるシーンを短歌にしようと思った時点で、すでに世界としての答えは決まっている。これが答えだったんだと納得する瞬間がくる。パズルみたいな感覚なんですよね」とおっしゃっていて。みなさん、着地点を決めているのではなくて、答えを手繰り寄せているんだなと感じました。

鈴木ジェロニモの最新情報はX公式アカウント(@suzukigeno)まで。

『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、心地よい音楽とともに、より良いライフスタイルを考える。オンエアは毎週日曜18時から。

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