くるりの佐藤征史(Ba)が、ツアーでの各地の思い出や食のエピソード、ニューアルバム『儚くも美しき12の変奏』の制作背景について語った。
佐藤が登場したのは、2月4日(水)放送のJ-WAVE『GRAND MARQUEE』(ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann〈セレイナ・アン〉)のゲストコーナー。東京をGROOVEさせる音楽とカルチャー、そして日夜それを創り出す刺激的で面白い人々が集い、語らうプログラムだ。
佐藤:和歌山は今回で3回目になると思うんですが、初めてのライブハウスでした。秋田とかだと、たぶん同じライブハウスでしかやったことがなかったりするんですよね。行く場所も違うし、そういうのを感じられるというのがひさしぶりにあったので、うれしかったです。
セレイナ:都道府県を回っていても、まだまだ行き足りない場所がありますよね。
佐藤:行く場所が決まってくるから、行く店も同じになったら食べるものも段々と同じものばかり食べるってなっちゃって。新しいものや名物を見つけたいじゃないですか。そういうのを楽しみに回ってたりします。
タカノ:そうなんですね。今回のツアーで記憶に残っている食べ物はありますか?
佐藤:それこそ仙台だと牛タンとか、福岡なら水炊きとかイカの刺身とかあるじゃないですか。今回は秋田で、京都じゃないんですが「ザ・おばんざい」みたいな居酒屋に。おばさまたち3名が切り盛りしているところで、微炭酸のシュワシュワした濁り酒をいただいて。栓を開けるのに10分ぐらいかかったんですけど。
セレイナ:(炭酸で蓋や中身が)飛んでっちゃいますからね。
佐藤:それがちょうど開いたときに、マネージャーさんのズボンにけっこうかかったんです。そうしたらたまたま、そのズボンが白く汚れてる感じのデザインで。本気で秋田の居酒屋のお母さんが「ああ、めちゃ汚れた! 大丈夫?」って。マネージャーがちゃんと「おしゃれです」と(笑)。
タカノ:もともとのデザインがね。
佐藤:その店の何気ない、せり鍋だったり煮物が本当に最高でした。
セレイナ:地元ならではの食材をいただくのはもちろんですけど、そこで出会う人のよさに触れると思い出も変わってきますよね。
佐藤:大阪で2025年の2月に行ったときに、すごく好きなお店ができて。それも紹介してもらったところなんですけど、それが2025年中になくなってしまって。行けなくて切ないとか、そういうのもあります。
佐藤はデビュー以来初だという、ツアー中に起こした自身の失敗談を告白した。
セレイナ:名古屋公演でちょっとしたやらかし案件があったんですか?
佐藤:デビューさせてもらって28年ぐらいになるんですけど、初めてホテルの集合時間を過ぎて寝てました。初めてなんです。
セレイナ:でも、約30年のなかで初というのは全然もう。
佐藤:僕は早めに帰ったりもするので「佐藤さん、先に帰ったんだな」となって(笑)。ホテルの部屋に電話もなく、みんなちゃんと帰ってくれてたからよかったんですけど。でも、ちゃんと東京公演の最終日も(朝)6時半まで飲みました。
タカノ:しっかり楽しまれてますね。
佐藤:6時半まで飲んで、お腹が減ったので朝のファストフードを食べてから電車で帰るっていう(笑)。そういうのをやったツアーでした。でも、ちゃんと健康に気を遣っていかないとな、と思っている49歳です。
セレイナ:オンとオフが大事ですから。
タカノ:前作は『感覚は道標』です。もっくん(森 信行)さんが1回、番組に遊びに来てくれました(編注:森は2002年に脱退した、くるりの初代ドラマー。『感覚は道標』の楽曲制作にゲスト参加している)。
佐藤:お世話になりました。
タカノ:あれから2年半経ちます。我々としては今のところ、2024年から2025年にかけてリリースされた5枚のシングルと、先ほど聴かせていただいた『金星』の計6曲が聴けている状況です。アルバムは全部で12曲入りということで、全体像はどんな感じになっていますか?(編注:アルバムリリース後の現在は、他6曲も聴取できる)。
佐藤:この6曲を聴いていただいても、わりといろいろな曲があると思います。だけど、メタルがあったりとか、働く人を応援する曲があったり、もうちょっと違う方向でピアノの美しい曲があったりと、全曲個性のある曲だったりします。アルバム全体を聴いていただけるのが楽しみだなとは思っております。
タカノ:今回の制作過程というのは、どういうふうに進んでいったんですか?
佐藤:コンセプトは特にないんですが、制作しているあいだにできていくというか。昔だと海外でレコーディングすることも多かったので、その国の音楽と交わっていくのがコンセプトになったりとか。ちょっとたまたま買った楽器が流行って、その楽器の音色を全部に入れていくとか。そういった流行りはあったりしてコンセプトになるんですが、今回の自分のなかでのコンセプトは、岸田(繁)さんの書く歌詞が、今までなかったものになってきたなという感覚があって。今、流してもらっている『oh my baby』という曲もそうなんですが、自分のなかでちょうど20年前ぐらいなんですが『BABY I LOVE YOU』という曲が出たときに「関西人がこんなこと言えるんや」というビックリもあって。なかなか「ベイビー」って関西人は言えなくて(笑)。
タカノ:言わないんですね(笑)。
佐藤:もちろん、歳を経てというか、今まで絶対に歌詞にしてこなかったような視点のあり方とか。そういうものが、自分のなかで新しいなと思って。まだ聴けないんですが、1曲目に入っている曲の歌詞もアルバムに入れてほしいなとか、そういうやり取りもあって。やってることはそんなに変わらないんですけど、自分のなかでは新しいくるりになったなというのはあって。それが始まりのコンセプトみたいなものでもあったかなとは思います。
セレイナ:今、Spotifyだとトラックリストだけは見られるので、タイトルだけは見られます。今おっしゃった1曲目は『たまにおもうこと』というタイトルです。
佐藤:別にネタバレじゃないんですけど、ふたりで作業していたときに「インタールード(幕間)的なものでもいいかな」とか言っていたんですけど、「これ、歌詞、なんかあったらいいな」と。その歌詞を読みながら、たまにちょっとだけメロディーがありながら、弾き語ったデモとして残ってたやつが、そのまま曲に使われています。
セレイナ:デモのまま? 本RECではなくて。
佐藤:曲の一部になってたりするので、それも楽しみにしていただけたら。
タカノ:そのときの空気感がね。
佐藤:普通にしゃべってますからね(笑)。
佐藤:そんなにはないんですが、学生時代に東京にライブに来るとか、「フジロック」に初めて出たあとにレコーディングがあるとか、そういうときってお金がないから泊まれないじゃないですか。ホテルとかも取れないから、大学生で長野県から来てた友だちの友だちが、ちょうど池袋線の練馬と新宿線の沼袋のあいだに住んでたんです。初めてライブで東京に行くというときも、そのツテを使ってその家に泊まりに行かせてもらっていて。そこまで地価が高いところではなかったので、家が広くて。でも、駅から遠かったので、新宿線の沼袋から歩くか、もしくは練馬からバスに乗ってその近くまで行くのかというのがあって、それで練馬をよく使ってました。
佐藤はさらに、西武池袋線と楽曲制作に関するエピソードも披露した。
佐藤:東長崎の近所でも1回レコーディングしたことがあって。『リアリズムの宿』という映画の挿入歌『家出娘』を録ったんですが、まあ予算がなくて10万円で録らないとダメで。コントラバスとかをレコーディングしないといけないから、そのスタジオに行ったんですけど、スタジオなのに玄関が50センチ四方とかしかなくて。こんな小さいところにブースがあるんだろうか……と思ったスタジオでレコーディングしたことを今、思い出しました。
タカノ:西武池袋線エピソードをひねり出していただきました。
セレイナ:思い出がある沿線ということですね。
佐藤:西武線は自分たち関西人からしたら、黄色い電車とか通っていたじゃないですか。だから『Shall we ダンス?』を観て、「どこの駅なんやろう?」って思ったりとか。初めて東京に出てきて見たときに「あ、この線なんや」と思ったりした記憶があります。
くるりの最新情報は公式サイトまで。
J-WAVE『GRAND MARQUEE』は月~木曜の16時30分~18時50分にオンエア。
佐藤が登場したのは、2月4日(水)放送のJ-WAVE『GRAND MARQUEE』(ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann〈セレイナ・アン〉)のゲストコーナー。東京をGROOVEさせる音楽とカルチャー、そして日夜それを創り出す刺激的で面白い人々が集い、語らうプログラムだ。
デビュー28年にして初めてのやらかし!?
くるりは2025年11月から2026年1月31日まで「くるりツアー25/26 〜夢のさいはて〜」を実施。佐藤はツアーでの思い出を語った。佐藤:和歌山は今回で3回目になると思うんですが、初めてのライブハウスでした。秋田とかだと、たぶん同じライブハウスでしかやったことがなかったりするんですよね。行く場所も違うし、そういうのを感じられるというのがひさしぶりにあったので、うれしかったです。
セレイナ:都道府県を回っていても、まだまだ行き足りない場所がありますよね。
佐藤:行く場所が決まってくるから、行く店も同じになったら食べるものも段々と同じものばかり食べるってなっちゃって。新しいものや名物を見つけたいじゃないですか。そういうのを楽しみに回ってたりします。
タカノ:そうなんですね。今回のツアーで記憶に残っている食べ物はありますか?
佐藤:それこそ仙台だと牛タンとか、福岡なら水炊きとかイカの刺身とかあるじゃないですか。今回は秋田で、京都じゃないんですが「ザ・おばんざい」みたいな居酒屋に。おばさまたち3名が切り盛りしているところで、微炭酸のシュワシュワした濁り酒をいただいて。栓を開けるのに10分ぐらいかかったんですけど。
セレイナ:(炭酸で蓋や中身が)飛んでっちゃいますからね。
佐藤:それがちょうど開いたときに、マネージャーさんのズボンにけっこうかかったんです。そうしたらたまたま、そのズボンが白く汚れてる感じのデザインで。本気で秋田の居酒屋のお母さんが「ああ、めちゃ汚れた! 大丈夫?」って。マネージャーがちゃんと「おしゃれです」と(笑)。
タカノ:もともとのデザインがね。
佐藤:その店の何気ない、せり鍋だったり煮物が本当に最高でした。
セレイナ:地元ならではの食材をいただくのはもちろんですけど、そこで出会う人のよさに触れると思い出も変わってきますよね。
佐藤:大阪で2025年の2月に行ったときに、すごく好きなお店ができて。それも紹介してもらったところなんですけど、それが2025年中になくなってしまって。行けなくて切ないとか、そういうのもあります。
佐藤はデビュー以来初だという、ツアー中に起こした自身の失敗談を告白した。
セレイナ:名古屋公演でちょっとしたやらかし案件があったんですか?
佐藤:デビューさせてもらって28年ぐらいになるんですけど、初めてホテルの集合時間を過ぎて寝てました。初めてなんです。
セレイナ:でも、約30年のなかで初というのは全然もう。
佐藤:僕は早めに帰ったりもするので「佐藤さん、先に帰ったんだな」となって(笑)。ホテルの部屋に電話もなく、みんなちゃんと帰ってくれてたからよかったんですけど。でも、ちゃんと東京公演の最終日も(朝)6時半まで飲みました。
タカノ:しっかり楽しまれてますね。
佐藤:6時半まで飲んで、お腹が減ったので朝のファストフードを食べてから電車で帰るっていう(笑)。そういうのをやったツアーでした。でも、ちゃんと健康に気を遣っていかないとな、と思っている49歳です。
セレイナ:オンとオフが大事ですから。
岸田繁の歌詞に"今までなかったもの"を感じた
番組ではここで、くるりの『金星』をオンエア。同曲は2月11日にリリースとなった、くるり15枚目のオリジナルアルバム『儚くも美しき12の変奏』に収録されている。くるりが2026年2月11日(水)にリリースする、15枚目のオリジナルアルバム『儚くも美しき12の変奏』のジャケットアートワークと収録内容が公開されました!https://t.co/MPSOXAKWr9 pic.twitter.com/mJ6T30nUTK
— くるり Official (@qrlinfo) December 5, 2025
佐藤:お世話になりました。
タカノ:あれから2年半経ちます。我々としては今のところ、2024年から2025年にかけてリリースされた5枚のシングルと、先ほど聴かせていただいた『金星』の計6曲が聴けている状況です。アルバムは全部で12曲入りということで、全体像はどんな感じになっていますか?(編注:アルバムリリース後の現在は、他6曲も聴取できる)。
佐藤:この6曲を聴いていただいても、わりといろいろな曲があると思います。だけど、メタルがあったりとか、働く人を応援する曲があったり、もうちょっと違う方向でピアノの美しい曲があったりと、全曲個性のある曲だったりします。アルバム全体を聴いていただけるのが楽しみだなとは思っております。
タカノ:今回の制作過程というのは、どういうふうに進んでいったんですか?
佐藤:コンセプトは特にないんですが、制作しているあいだにできていくというか。昔だと海外でレコーディングすることも多かったので、その国の音楽と交わっていくのがコンセプトになったりとか。ちょっとたまたま買った楽器が流行って、その楽器の音色を全部に入れていくとか。そういった流行りはあったりしてコンセプトになるんですが、今回の自分のなかでのコンセプトは、岸田(繁)さんの書く歌詞が、今までなかったものになってきたなという感覚があって。今、流してもらっている『oh my baby』という曲もそうなんですが、自分のなかでちょうど20年前ぐらいなんですが『BABY I LOVE YOU』という曲が出たときに「関西人がこんなこと言えるんや」というビックリもあって。なかなか「ベイビー」って関西人は言えなくて(笑)。
oh my baby
佐藤:もちろん、歳を経てというか、今まで絶対に歌詞にしてこなかったような視点のあり方とか。そういうものが、自分のなかで新しいなと思って。まだ聴けないんですが、1曲目に入っている曲の歌詞もアルバムに入れてほしいなとか、そういうやり取りもあって。やってることはそんなに変わらないんですけど、自分のなかでは新しいくるりになったなというのはあって。それが始まりのコンセプトみたいなものでもあったかなとは思います。
セレイナ:今、Spotifyだとトラックリストだけは見られるので、タイトルだけは見られます。今おっしゃった1曲目は『たまにおもうこと』というタイトルです。
佐藤:別にネタバレじゃないんですけど、ふたりで作業していたときに「インタールード(幕間)的なものでもいいかな」とか言っていたんですけど、「これ、歌詞、なんかあったらいいな」と。その歌詞を読みながら、たまにちょっとだけメロディーがありながら、弾き語ったデモとして残ってたやつが、そのまま曲に使われています。
セレイナ:デモのまま? 本RECではなくて。
佐藤:曲の一部になってたりするので、それも楽しみにしていただけたら。
タカノ:そのときの空気感がね。
佐藤:普通にしゃべってますからね(笑)。
予算10万円、玄関50センチ四方のスタジオで録音
この日の『GRAND MARQUEE』では「西武池袋線」を特集。佐藤は同線にまつわるエピソードを語った。佐藤:そんなにはないんですが、学生時代に東京にライブに来るとか、「フジロック」に初めて出たあとにレコーディングがあるとか、そういうときってお金がないから泊まれないじゃないですか。ホテルとかも取れないから、大学生で長野県から来てた友だちの友だちが、ちょうど池袋線の練馬と新宿線の沼袋のあいだに住んでたんです。初めてライブで東京に行くというときも、そのツテを使ってその家に泊まりに行かせてもらっていて。そこまで地価が高いところではなかったので、家が広くて。でも、駅から遠かったので、新宿線の沼袋から歩くか、もしくは練馬からバスに乗ってその近くまで行くのかというのがあって、それで練馬をよく使ってました。
佐藤はさらに、西武池袋線と楽曲制作に関するエピソードも披露した。
佐藤:東長崎の近所でも1回レコーディングしたことがあって。『リアリズムの宿』という映画の挿入歌『家出娘』を録ったんですが、まあ予算がなくて10万円で録らないとダメで。コントラバスとかをレコーディングしないといけないから、そのスタジオに行ったんですけど、スタジオなのに玄関が50センチ四方とかしかなくて。こんな小さいところにブースがあるんだろうか……と思ったスタジオでレコーディングしたことを今、思い出しました。
家出娘
セレイナ:思い出がある沿線ということですね。
佐藤:西武線は自分たち関西人からしたら、黄色い電車とか通っていたじゃないですか。だから『Shall we ダンス?』を観て、「どこの駅なんやろう?」って思ったりとか。初めて東京に出てきて見たときに「あ、この線なんや」と思ったりした記憶があります。
くるりの最新情報は公式サイトまで。
J-WAVE『GRAND MARQUEE』は月~木曜の16時30分~18時50分にオンエア。
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番組情報
- GRAND MARQUEE
-
月・火・水・木曜16:30-18:50
-
タカノシンヤ、Celeina Ann
