TESTSETの砂原良徳(Syn)と白根賢一(Dr)がニューアルバム『ALL HAZE』への想いを語った。原点であるYMOの曲をセレクトする場面もあった。
TESTSETのふたりが登場したのは、10月23日(木)放送のJ-WAVE『GRAND MARQUEE』(ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann〈セレイナ・アン〉)のゲストコーナー。東京をGROOVEさせる音楽とカルチャー、そして日夜それを創り出す刺激的で面白い人々が集い、語らうプログラムだ。
タカノ:リリースおめでとうございます。これまで番組ではまりん(砂原の愛称)さんに結成の経緯などは伺ってきました。あらためて、白根さんがTESTSETに加わることになったきっかけを訊きたいです。
白根:流れるままに(笑)。
砂原:わかりやすく言うと(笑)、METAFIVEの後期に配信のライブがありまして。そのときに幸宏さんの体調があまりよくなくて、代打を立てる必要がありまして。そのときに幸宏さんが指名したのが、白根さんでした。その流れでこうなっているという感じです。
白根:ありがとうございます。
タカノ:幸宏さんからの直々のご指名なんですね。
セレイナ:2024年にまりんさんに『GRAND MARQUEE』へお越しいただいたときは、中国のフェスへの出演直前でした。あれが初の中国ライブだったと思いますが、そのときはどうでしたか?
砂原:人がいっぱい来ていまして。みんな僕らを観に来たわけではないと思いますが(笑)。2024年に中国に2回行きまして、ひとつはわりとニューウェイブとかそういうバンドが多く出るようなフェスで、もうひとつはもっとヒップホップやボカロ系みたいなのも出るようなライブでしたが、どちらも楽しかったです。
白根:LEDがすごかったです。めちゃくちゃでかくて。
砂原:スタジアムぐらいでかくて。あれはフルで入ったら2万ぐらい入る野外のステージでした。雨が降っていてちょっと少なかったんですが、それでもステージはすごかったですよね。
白根:すごかった。
砂原:うちらが間違って出てるんじゃないか、ぐらいの感じで。
タカノ:映像込みで。
砂原:すごかったです。あと、向こうはスタッフも非常に優秀でした。我々が使っている映像に色も完ぺきに合わせて照明を作ってくれて。非常に優秀な若いスタッフがやってくれました。
セレイナ:音楽に対する愛情があるスタッフさんなんでしょうね。中国のファンの様子と言いますか、TESTSETの音楽に対してどういうのり方をされるんですか?
砂原:僕らのことを知っている人がそんなにたくさんいる感じじゃなくて。どうだったんだろう?
白根:それぞれの楽しみ方というか踊ってらっしゃる、まあ酔っ払ってらっしゃる方もいたし、じっと聴いてくださる方もいたしね。
セレイナ:それぞれの楽しみ方をしていたと。
タカノ:中国で打ち上げとかはやられたんですか?
砂原:やりました。火鍋みたいな店に。
白根:行ったね。
タカノ:バンドメンバーのみなさんでお酒を飲んだり、お食事に行かれるんですか?
砂原:僕はほとんど飲みませんが。
白根:あとの3人はわりと朝まで飲んでましたね。
セレイナ:『Dry Action Pump』は2ndアルバムの1曲目に収録されています。アルバム『ALL HAZE』は全体を通してどういう作品になりましたか?
砂原:若手ふたりに言わせると、よりバンドっぽくなったというふうに言っています。
タカノ:LEOさんと永井さんですね。
砂原:バンドっぽくなったというか、3年やっているので段々と馴染んできて「うちら、そういえばバンドだったんだな」という(笑)。そういうふうにやっと思えるようになった、自覚が芽生えたということかもしれないです。
タカノ:前回、まりんさんに伺ったときに、全体のコンセプトをガチガチに決めてアルバムを組むというよりは、できてきた曲を並べていくみたいな制作過程が多いと聞きました。
砂原:今も変わらないです。イメージが重複しているような曲は「今回はこれはいいや」とか、なんとなく全体のバランスをみんなで考えながら選曲してやっていくという感じです。
タカノ:白根さんがこだわったポイントはありますか?
白根:1stに比べたら、よりメンバーの立ち方が入り組んできた要素が多いかな。特に僕が書いた曲とかは、言葉が誰かから入ってきて、歌っているのはまた違う人でみたいな、そういうのもあったし。
タカノ:クレジットにみなさんの名前がちりばめられていると言いますか。先ほどオンエアした『Dry Action Pump』もクレジットを見ると、みなさんの名前が並んでいます。
砂原:これはベーシックは賢ちゃん(白根)が作ってきて、それをみんなで“ごにょごにょ”したという感じです。
白根:ごにょごにょが今回多かったです。
タカノ:ごにょごにょ(笑)。データを回す感じなんですか?
砂原:そうですね。あとは、たとえばギターを録るときに「ああでもない、こうでもない」「もっとこう弾いてくれ」と文句を言いながら(笑)。あとは歌詞とかを「これ違うからこれにしたい」と言ってみたり。さっき言ったごにょごにょ具合が以前よりも多くなったという。そこがバンドっぽいという感じなんだと思います。
タカノ:これは「ここで完成」というのが、すごく難しそうだなと思います。
白根:おっしゃるとおりです。
砂原:それはものを作っているとなんでもそうなんです。どこが完成なのかというのはね。
セレイナ:デモがすでに完成していても、実際にレコーディングに入ってどんどん変わっていって、ずっとごにょごにょし続けるみたいなパターンもありますか?
白根:曲によってですね。わりと最初のデモの段階で最終形ができている人もいれば、延々とごにょごにょ(笑)。最終的に全然違う形態になっているとかも、もちろんありました。
タカノ:その過程もファンとしては知りたいな、みたいな気持ちもあります。
セレイナ:今年初開催となった、日本最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」でシンボルアーティストに選ばれたりと、YMOがあらためて広い世代で注目を集めています。ここでYMOを知り尽くしたおふたりに、「今こそ聴いてほしいYMO」ということで、1曲ずつ選んでいただきました。これは難しい決断だったと思います。
白根:難しかった。
セレイナ:まずは白根さんからお願いします。
白根:YMOの『NICE AGE』です。
セレイナ:こちらを選ばれた理由は?
白根:先日、DJを頼まれて、ドーナツ盤のこれをかけたら意外とすごく盛り上がって。盛り上がってというか、僕がいちばん盛り上がっていたんですけど(笑)。あまり深い意味はないです。ただ、この曲のクレジットを見ると高橋幸宏さんと坂本龍一さんの共作で、いろいろグッとくるものがあります。
タカノ:色あせないですよね。
セレイナ:こちらは1980年リリースの『増殖』に収録されている1曲です。
タカノ:続いてまりんさんが選んだ、今こそ聴いてほしいYMOを教えてください。
砂原:僕が選んだYMOの曲は『マス』です。
タカノ:選曲理由は?
砂原:エレベーターで「何かけるんですか?」と言われて「うーん」と考えて、とっさに『マス』という曲名を言ったら賢ちゃんが「実は俺、それにしようと思ったんだけど」と言われて。
白根:いちばん好きなんですが、ゴールデンタイムだからもうちょっと間口が広いほうがというか、勝手な僕の自主規制をしていたんですが、すんなり『マス』で。全然、空気が読めない感じですみません。
砂原:賢ちゃんが選ぼうとしていたと言っていたので、せっかくの偶然だからそれにしてくれということで、これを選びました。
タカノ:通じ合った感じもします。
砂原:独特な雰囲気がこのアルバムにはあります。
タカノ:この時間帯に聴くのもいいですね。おふたりにとってテクノの魅力とは?
砂原:魅力はいっぱいあります。楽器が弾けなくてもできるし……まあそれだけかな(笑)。
白根:バリバリ弾いてるじゃない。
砂原:楽器弾けなくてもできるよ。
セレイナ:入り口は、ということですね。
白根:何をもってテクノというかは別としても、ロックとかポップスとかに喜怒哀楽があるとすれば、テクノってそれ以外の感じたことがない気持ちというのかな。まったく非日常な世界に連れて行ってくれる、僕にとってはそういう「踊れる音楽」ですね。なんちゃって(笑)。
タイトル:‘LIVE ALL HAZE’
開催日:2026年1月30日(金)
会場:EXシアター六本木
開催時間:開場18:00 / 開演19:00
料金:¥8,000(1D別) / 全席指定
オフィシャル先行受付中 ※11/3(月祝)23:59まで
▶︎ https://eplus.jp/testset/
INFO:https://www.red-hot.ne.jp/play/detail.php?pid=py27387
TESTSETの最新情報はX公式アカウント(@testset_2022)まで。
J-WAVE『GRAND MARQUEE』は月~木曜の16時30分〜18時50分にオンエア。
TESTSETのふたりが登場したのは、10月23日(木)放送のJ-WAVE『GRAND MARQUEE』(ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann〈セレイナ・アン〉)のゲストコーナー。東京をGROOVEさせる音楽とカルチャー、そして日夜それを創り出す刺激的で面白い人々が集い、語らうプログラムだ。
2024年に行った中国でのライブを振り返る
TESTSETは2021年、高橋幸宏率いるMETAFIVEのメンバーだった砂原とLEO今井(Vo/Gt)に、GREAT3・白根、相対性理論・永井聖一(Gt)を迎えて結成した4人組バンド。2022年より本格的にライブ活動を開始し、10月22日(水)に2ndアルバム『ALL HAZE』をリリースした。タカノ:リリースおめでとうございます。これまで番組ではまりん(砂原の愛称)さんに結成の経緯などは伺ってきました。あらためて、白根さんがTESTSETに加わることになったきっかけを訊きたいです。
白根:流れるままに(笑)。
砂原:わかりやすく言うと(笑)、METAFIVEの後期に配信のライブがありまして。そのときに幸宏さんの体調があまりよくなくて、代打を立てる必要がありまして。そのときに幸宏さんが指名したのが、白根さんでした。その流れでこうなっているという感じです。
白根:ありがとうございます。
タカノ:幸宏さんからの直々のご指名なんですね。
セレイナ:2024年にまりんさんに『GRAND MARQUEE』へお越しいただいたときは、中国のフェスへの出演直前でした。あれが初の中国ライブだったと思いますが、そのときはどうでしたか?
砂原:人がいっぱい来ていまして。みんな僕らを観に来たわけではないと思いますが(笑)。2024年に中国に2回行きまして、ひとつはわりとニューウェイブとかそういうバンドが多く出るようなフェスで、もうひとつはもっとヒップホップやボカロ系みたいなのも出るようなライブでしたが、どちらも楽しかったです。
白根:LEDがすごかったです。めちゃくちゃでかくて。
砂原:スタジアムぐらいでかくて。あれはフルで入ったら2万ぐらい入る野外のステージでした。雨が降っていてちょっと少なかったんですが、それでもステージはすごかったですよね。
白根:すごかった。
砂原:うちらが間違って出てるんじゃないか、ぐらいの感じで。
タカノ:映像込みで。
砂原:すごかったです。あと、向こうはスタッフも非常に優秀でした。我々が使っている映像に色も完ぺきに合わせて照明を作ってくれて。非常に優秀な若いスタッフがやってくれました。
セレイナ:音楽に対する愛情があるスタッフさんなんでしょうね。中国のファンの様子と言いますか、TESTSETの音楽に対してどういうのり方をされるんですか?
砂原:僕らのことを知っている人がそんなにたくさんいる感じじゃなくて。どうだったんだろう?
白根:それぞれの楽しみ方というか踊ってらっしゃる、まあ酔っ払ってらっしゃる方もいたし、じっと聴いてくださる方もいたしね。
セレイナ:それぞれの楽しみ方をしていたと。
タカノ:中国で打ち上げとかはやられたんですか?
砂原:やりました。火鍋みたいな店に。
白根:行ったね。
タカノ:バンドメンバーのみなさんでお酒を飲んだり、お食事に行かれるんですか?
砂原:僕はほとんど飲みませんが。
白根:あとの3人はわりと朝まで飲んでましたね。
2nd『ALL HAZE』をリリース
TESTSETは10月22日(水)に2ndアルバム『ALL HAZE』をリリース。番組では収録曲の『Dry Action Pump』をオンエアした。Dry Action Pump
砂原:若手ふたりに言わせると、よりバンドっぽくなったというふうに言っています。
タカノ:LEOさんと永井さんですね。
砂原:バンドっぽくなったというか、3年やっているので段々と馴染んできて「うちら、そういえばバンドだったんだな」という(笑)。そういうふうにやっと思えるようになった、自覚が芽生えたということかもしれないです。
タカノ:前回、まりんさんに伺ったときに、全体のコンセプトをガチガチに決めてアルバムを組むというよりは、できてきた曲を並べていくみたいな制作過程が多いと聞きました。
砂原:今も変わらないです。イメージが重複しているような曲は「今回はこれはいいや」とか、なんとなく全体のバランスをみんなで考えながら選曲してやっていくという感じです。
タカノ:白根さんがこだわったポイントはありますか?
白根:1stに比べたら、よりメンバーの立ち方が入り組んできた要素が多いかな。特に僕が書いた曲とかは、言葉が誰かから入ってきて、歌っているのはまた違う人でみたいな、そういうのもあったし。
タカノ:クレジットにみなさんの名前がちりばめられていると言いますか。先ほどオンエアした『Dry Action Pump』もクレジットを見ると、みなさんの名前が並んでいます。
砂原:これはベーシックは賢ちゃん(白根)が作ってきて、それをみんなで“ごにょごにょ”したという感じです。
白根:ごにょごにょが今回多かったです。
タカノ:ごにょごにょ(笑)。データを回す感じなんですか?
砂原:そうですね。あとは、たとえばギターを録るときに「ああでもない、こうでもない」「もっとこう弾いてくれ」と文句を言いながら(笑)。あとは歌詞とかを「これ違うからこれにしたい」と言ってみたり。さっき言ったごにょごにょ具合が以前よりも多くなったという。そこがバンドっぽいという感じなんだと思います。
タカノ:これは「ここで完成」というのが、すごく難しそうだなと思います。
白根:おっしゃるとおりです。
砂原:それはものを作っているとなんでもそうなんです。どこが完成なのかというのはね。
セレイナ:デモがすでに完成していても、実際にレコーディングに入ってどんどん変わっていって、ずっとごにょごにょし続けるみたいなパターンもありますか?
白根:曲によってですね。わりと最初のデモの段階で最終形ができている人もいれば、延々とごにょごにょ(笑)。最終的に全然違う形態になっているとかも、もちろんありました。
タカノ:その過程もファンとしては知りたいな、みたいな気持ちもあります。
YMOを知りつくすふたりが、YMOの楽曲をセレクト
「音楽の原点はYMO」とインタビューなどでたびたび語っている砂原と白根。そこで番組では、ふたりにYMOの楽曲をそれぞれセレクトしてもらった。セレイナ:今年初開催となった、日本最大規模の国際音楽賞「MUSIC AWARDS JAPAN」でシンボルアーティストに選ばれたりと、YMOがあらためて広い世代で注目を集めています。ここでYMOを知り尽くしたおふたりに、「今こそ聴いてほしいYMO」ということで、1曲ずつ選んでいただきました。これは難しい決断だったと思います。
白根:難しかった。
セレイナ:まずは白根さんからお願いします。
白根:YMOの『NICE AGE』です。
セレイナ:こちらを選ばれた理由は?
白根:先日、DJを頼まれて、ドーナツ盤のこれをかけたら意外とすごく盛り上がって。盛り上がってというか、僕がいちばん盛り上がっていたんですけど(笑)。あまり深い意味はないです。ただ、この曲のクレジットを見ると高橋幸宏さんと坂本龍一さんの共作で、いろいろグッとくるものがあります。
タカノ:色あせないですよね。
セレイナ:こちらは1980年リリースの『増殖』に収録されている1曲です。
タカノ:続いてまりんさんが選んだ、今こそ聴いてほしいYMOを教えてください。
砂原:僕が選んだYMOの曲は『マス』です。
タカノ:選曲理由は?
砂原:エレベーターで「何かけるんですか?」と言われて「うーん」と考えて、とっさに『マス』という曲名を言ったら賢ちゃんが「実は俺、それにしようと思ったんだけど」と言われて。
白根:いちばん好きなんですが、ゴールデンタイムだからもうちょっと間口が広いほうがというか、勝手な僕の自主規制をしていたんですが、すんなり『マス』で。全然、空気が読めない感じですみません。
砂原:賢ちゃんが選ぼうとしていたと言っていたので、せっかくの偶然だからそれにしてくれということで、これを選びました。
タカノ:通じ合った感じもします。
砂原:独特な雰囲気がこのアルバムにはあります。
タカノ:この時間帯に聴くのもいいですね。おふたりにとってテクノの魅力とは?
砂原:魅力はいっぱいあります。楽器が弾けなくてもできるし……まあそれだけかな(笑)。
白根:バリバリ弾いてるじゃない。
砂原:楽器弾けなくてもできるよ。
セレイナ:入り口は、ということですね。
白根:何をもってテクノというかは別としても、ロックとかポップスとかに喜怒哀楽があるとすれば、テクノってそれ以外の感じたことがない気持ちというのかな。まったく非日常な世界に連れて行ってくれる、僕にとってはそういう「踊れる音楽」ですね。なんちゃって(笑)。
ライブ情報
アーティスト:TESTSETタイトル:‘LIVE ALL HAZE’
開催日:2026年1月30日(金)
会場:EXシアター六本木
開催時間:開場18:00 / 開演19:00
料金:¥8,000(1D別) / 全席指定
オフィシャル先行受付中 ※11/3(月祝)23:59まで
▶︎ https://eplus.jp/testset/
INFO:https://www.red-hot.ne.jp/play/detail.php?pid=py27387
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J-WAVE『GRAND MARQUEE』は月~木曜の16時30分〜18時50分にオンエア。
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2025年10月30日28時59分まで
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番組情報
- GRAND MARQUEE
-
月・火・水・木曜16:30-18:50
-
タカノシンヤ、Celeina Ann
