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『晴れ、そしてミサイル』戦場カメラマン・渡部陽一が、その言葉に込めた思い

『晴れ、そしてミサイル』戦場カメラマン・渡部陽一が、その言葉に込めた思い

戦場カメラマンの渡部陽一さんが、人生に影響を与えた出会いについて語り、おすすめの楽曲を紹介した。

渡部さんが登場したのは『STEP ONE』のワンコーナー「Expedia LISTEN AND LEARN」(ナビゲーター:サッシャ、ノイハウス萌菜)。ここでは1月22日(月)のオンエア内容をテキストで紹介する。

【radikoで聴く】
22日(月)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20240122093456
23日(火)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20240123093446
24日(水)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20240124093417
25日(木)OA分:https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20240125093638
※それぞれ再生期限はオンエアの一週間後まで。

「戦場カメラマンになる」決意のきっかけは

1972年生まれ、静岡県富士市出身の渡部さんは、学生時代から世界の紛争地域を専門に取材を続け、そこで暮らす人々の「生きた声」に耳を傾けて写真を撮り続けている。独特な語り口調と優しいキャラクターで、メディア人気も高い存在だ。

そんな渡部さんの人生に影響を与えたのは、アフリカ中東部ルワンダ内戦で、戦闘に巻き込まれた子どもたちとの出会いだという。約30年前にアフリカ中東部ルワンダ内戦で戦闘に巻き込まれた子どもたちとの出会いが「戦場カメラマンになるターニングポイントになりました」と話す渡部さんは、当時はバックパッカーとしてジャングルで暮らす狩猟民族の方たちへ会いに行ったと語った。

渡部:そのジャングルを移動しているときに、ルワンダ内戦の民族紛争が飛び火をした少年兵たちに遭遇しました。その少年兵たちが村の集落を次々と襲っていて、そのなかで巻き込まれた子どもたちの状況、それをカメラに収めようとしたんですけど、僕自身も襲撃を受けてしまい、持っているものすべて、キャッシュまで奪われてしまった。もちろんカメラも奪われてしまいすべてがなくなったんですけど、そこから日本に帰国して「アフリカのジャングルのなかで、子どもたちが泣いていた」「戦争が起こっていた」と言葉で伝えていったとしても、なかなか理解してもらうことができなかった。それが「自分が撮った写真を見ていただければ、子どもたちの声に気づいてもらえる」「カメラマンとして、子どもたちの声を写真で届ける」という鉄の柱が、僕自身に打ち込まれた瞬間でした。

サッシャ:そういう形で戦場カメラマンになったんですね。もともとカメラマンをやっていて、その流れで取材先として戦場に行って、そこから戦場によく行く人だと思っていたらそうじゃなくて、学生のときはまったくカメラマンではなくて、出会った人たちがきっかけだったっていうのは存じ上げませんでした。

ノイハウス:そこから決意をして……。毎回、自分の命もリスクしつつの難しいお仕事じゃないですか。その勇気はすごいですね。

サッシャ:そうですね、いまでこそ誰もがスマホを持って写真を撮って、ウクライナやガザにしても、そういう写真って上がってるじゃないですか。でもちょっと前までは誰かが身を挺して行って、写真なり映像を撮ってこないと現状がまったくわからなかった時代が、ずっとあったわけですよね。そういう意味では渡部さんをはじめ、こういった方たちの本当に純粋な思いのおかげで、我々はたくさん情報を知ることができた。改めて感謝でございます。

日本も戦場も、人々の思いや「日常」は同じ

渡部さんには毎日選曲もしてもらう。この日選んだのはSIA『Chandelier』。
渡部:世界中をカメラマンとして回っているときに、空港にたくさんデューティーフリーのお店があるんですけど、この曲が至る所で流れていたんですね。すごく耳に残っていたので「一体どんな曲なんだろう」と調べていくとビデオクリップが出てきたんですけど、それが強烈なインパクトを突きつけてきて、目が離せない映像だったんです。ミュージックビデオの映像美に、僕はもう釘付けでした。ぜひお聴きください。

そんな渡部さんの著書『晴れ、そしてミサイル』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が、現在発売中だ。
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渡部:この書籍のタイトルを「どういうことなんだろう?」と、疑問に思う方も多いと思います。戦場カメラマンとして、紛争地の最前線に立って驚いたことがあるんです。それは戦場という前線であっても、そこには必ず1つ屋根の下で、家族、子どもたちが繰り返される日常を過ごしていること。その時間は日本の私たちの暮らし、子どもたちが両親に感じている温かい気持ち、両親が子どもたちに感じている愛情とまったく変わらない。思い合っている気持ち、子どもたちへの思い、これは日本でも戦場でもみんな変わらなかった。戦場では突然、日常の中にミサイルが打ち込まれてくるという悲しみはあります。ただこうした温かい気持ちというものは、戦場に立たされている家族や友人のなかにも普通に存在していること、これがカメラマンとしていちばん驚いたことなんです。これがタイトル『晴れ、そしてミサイル』に込められた思いです。

紛争中のガザ地区で、笑顔で猫にエサをやる人たちの動画を見たというサッシャは、「悲しいことが起きていても日常は続いていて、そのなかには小さな笑顔もある」と、渡部さんに共感。「衝撃的なタイトルですが、写真1つひとつに込められた思いを見てみたい1冊です」と、渡部さんの著書に期待を寄せてコメントした。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「Expedia LISTEN AND LEARN」では、さまざまな業界のトップランナーが、これまでの経験から得た学びをシェアする。放送は月曜~木曜の9時35分ごろから。

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2024年1月29日28時59分まで

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番組情報
STEP ONE
月・火・水・木曜
9:00-13:00