3.11の各地で託された「新たな悲しみを防ぎたい」という願い─CANDLE JUNEが経験を語る

キャンドルアーティストのCANDLE JUNEが、人からの学びについて語り、おすすめの楽曲を紹介した。

CANDLE JUNEが登場したのは、J-WAVE『STEP ONE』（ナビゲーター：サッシャ、ノイハウス萌菜）のコーナー「Expedia LISTEN AND LEARN」。週替わりのゲストを招き、人生で得た学びや気づきを教えてもらうコーナーだ。ここでは、3月10日（月）のオンエア内容をテキストで紹介する。

【radikoで聴く】
10日（月）OA分：https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20250310093445
11日（火）OA分：https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20250311093445
12日（水）OA分：https://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20250312093445
※それぞれ再生期限はオンエアの1週間後まで

“平和”を願うさまざまな活動で出会った人たち

CANDLE JUNEは、1994年からキャンドル制作を開始。2001年に広島で原爆の残り火とされる「平和の火」を灯して以来、戦争やテロ、災害などの悲しみの地をめぐる「Candle Odyssey」という活動を続けている。また、2011年の東日本大震災を受け、毎月11日には福島県内の各地で月命日のキャンドルナイトイベントを開催。J-WAVEでも、被災地への思いに寄り添うプログラム『HEART TO HEART』のナビゲーターを担当している。そんなCANDLE JUNEの人生に影響を与えているのは、戦争やテロ、被災地で出会うすべての人々だという。

CANDLE JUNE：何事もなければ平和な世のなかかもしれませんが、そのなかで生きている私たちは、“平和”を実感はしていないと思います。戦争やテロ、被災地域、さまざまな悲しみを経験している方々は、それでも「生きる」と決めて、支え合って助け合う。そんな人たちが作りだす平和が、もっとも実践的なものであると感じています。宗教的なものやルール的なものではなく、平和な世界を具体的にイメージできて実践できる。誰かの言うことを信じるのではなく、自分自身が作り出していく平和。そこには、そういったものがあるように思います。

「新たな悲しみを防ぎたい」という思いを託されて

国内外の戦争地域や被災地を巡るなかで、CANDLE JUNEはどのような経験をしたのだろうか。

CANDLE JUNE：長崎で出会ったお母さんたちは、私が「ニューヨークのグラウンドゼロまで灯しに行くんだ」と伝えると、握手をしながらお金を手渡してくださいました。「悲しみの家族のために、私たちのぶんまでキャンドルを作って灯してきてほしい」と託されました。「悲しみの家族の人たちのために祈りたい」という気持ちを託してくれる、こんな素敵なことはないなと思い、アメリカやその後のアフガニスタンへの旅につながりました。また、被災地域、“3.11”の各地を巡るなかでは、「3.11を忘れないでほしい」ではなく「私たちの失敗を教えてあげてほしい」（と言われました）。津波を見に行ったために、帰って来られなくなった仲間たち。「もっと、かつての学びを生かしていれば」と考えたら、「私たちのこの失敗の経験を各地が学んでくれれば、同じような悲しみが生まれない。そんなことを伝えてほしい」と、自分たちの悲しみを乗り越えるだけではなく、「新たな悲しみを防ぎたい」と願う人たち、慈愛にあふれた人たちに、私は影響を受け続けています。

CANDLE JUNEの話を聞いた番組ナビゲーターのサッシャは……。

サッシャ：僕も被災地などに行くと、自分たちも悲しい思いをしているはずなのに、「もう同じ気持ちをしてほしくない」という強さをお持ちの方が本当にたくさんいらっしゃると感じます。だからこそ“託す”ということになるのでしょうが、思いを受け取って行動に移していらっしゃるCANDLE JUNEさんもすごいなと思います。

CANDLE JUNEには選曲もしてもらう。この日、選んだのはJOHN BUTLER『Ocean』。2007年の楽曲だ。

CANDLE JUNE：車での旅が多い私はたくさんの曲をランダムにかけていますが、この曲が流れたときには気分が高揚しています。

サッシャ：確かに静かなる高揚感のある、魂を揺さぶられるような演奏ですね。

ノイハウス：本当ですね。この曲を聴きながらの運転は、気持ちがいいでしょうね。どんなシーンで聴いているのかも気になります。

J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「Expedia LISTEN AND LEARN」では、さまざまな業界のトップランナーが、これまでの経験から得た学びをシェアする。放送は月曜～木曜の9時35分ごろから。