音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
KREVA「行けるなら、絶対行っておけ」 大人になる世代に伝えたいこと

KREVA「行けるなら、絶対行っておけ」 大人になる世代に伝えたいこと

KREVAが20歳ころを振り返り、大人になる世代にメッセージを送った。

KREVAが登場したのは1月8日(月・祝)の成人の日にオンエアされたJ-WAVEの特別番組『J-WAVE SPECIAL SAPPORO BEER AT AGE 20, THE BEGINNING』(ナビゲーター:シシド・カフカ)だ。

30万円の機材を買った20歳のころ

番組では人生の節目でもある20歳をテーマに番組を展開。シシド・カフカはKREVAの20歳のころのエピソードについて尋ねた。

シシド:20歳のころ覚えています?

KREVA:俺は上書き人生というか、大体のことを覚えていないんです、マジで。

シシド:そうなんですか(笑)。でも、私も似ているかもな。

KREVA:覚えていないんですけど、記憶に残っているのは20歳になる直前ですね。20歳になるに際して、いまも使っている、自分を決定づけるような機材を買ったんです。AKAIのサンプラーMPC3000という機材で、名機と言われています。そのときは20歳をギリ迎えてなくて、19だったと思うんです。その機材は当時30万円したんですね。

シシド:19歳には高いですね。

KREVA:19歳じゃなくてもきっと高いですよね。

シシド:そうですね(笑)。

KREVA:「30万円か」みたいな。楽器屋さんから親に電話をかけさせられるという。ローンを自分で組めないから、親が話をしてくれないとダメみたいで。「お母さん機材を買いたいんだけど、ローンを組みたいから」「なにを買うの?」みたいになって。親はサンプラーわからないじゃないですか(笑)。

シシド:(笑)。

KREVA:説明したりしつつ、やりとりをずっと見られて、軽い儀式みたいな(笑)。通過儀礼を経て、その楽器を手に入れて使い方を覚えていって曲を作って、という20歳でした。

シシド:すでに音楽にどっぷりと浸かっていた20歳だったということですね。

KREVA:そうですね。もう「やる」と決めていました。

シシド:20歳のころは大学に通っていらしたんですか?

KREVA:行っていました。

シシド:通いながらも空いた時間はすべて音楽に費やしたという感じですか?

KREVA:裏原宿の服屋でバイトをしていたんですが、そこもヒップホップの洋服屋さんだったし、そこでそれこそ機材やレコードを触らせてもらったり、持っているお金をレコードと洋服につぎ込んでいたような、そんな20歳だったと思います。

シシド:KREVAさんの、この道をたどり始めているころですね。

「好きだ」と思えることを続けるのが大事

KREVAは、これから大人になる世代に向けて「続けることが大事」だと、メッセージを送った。

シシド:いろいろな経験をなさっていると思います。それこそバイトをしていたときもあったし、音楽に向かっていたときもあったし、学校に通っていた時期もあって、いろいろな人と接していると思います。いま20歳を迎えた方がいっぱい聴いてらっしゃると思いますが、なにか伝えたいことや教えておきたいことはありますか?

KREVA:いまの20歳はすごくうらやましいです。調べればすぐに答えにたどりつけるから。それはうらやましいなと思うので、興味があることがあったらとにかく調べて「これは好きだな」と思えるものは続けるのがすごく大事だと思います。

シシド:そうですねえ。

KREVA:続けることって、続けることでしかできないんです。やめた瞬間になくなるし。だから「ずっとその音楽を聴いているよ」とかは、けっこう簡単にできること。いや、簡単じゃないけどやりやすいことなのかなと思うんです。あと「これ好きだな」と思ったものをずっと集める、それにずっと触れる。そういう続けることは大事な気がするから、20歳ぐらいに「これだ!」というのが見つかっている、また見えてきているんだったら、それをずっと続けるというのは大事だなと思います。

シシド:確かに「好きこそものの上手なれ」「継続は力なり」という言葉があるように、本当によく言ったものですよね。

KREVA:だと思います。

シシド:好きなものを見つけたらぜひ、その「好き」を続けてほしいというお言葉をいただきました。ここでKREVAさんに20歳のころによく聴いていた曲をセレクトいただいたと思いますが、どんな曲を選びましたか?

KREVA:いま本当に便利で、20歳のときは1996年で「1996 ヒップホップアルバム」みたいなので調べたらバーッと出てくるんです。そのなかで「わあ、これ!」と思ったのは、ジェイ・Zの『Dead Presidents』という曲。それは当時12インチのレコードで出ていたんです。そのインスト、いわゆるカラオケでいろいろなグループがライブしていたなと思って。みんな自分の曲を持っていないから、外国のアーティストのインストを2枚使って、ちょっと構成変えたりしながらライブをするというのがあったんです。ジェイ・Zの『Dead Presidents』が一晩で、違うグループで2回流れたりとか、そのくらい人気の曲だったんです。プラス「自分の好きな曲ってまさにこういうの」というものがすごく詰まっているなといま聴いて思いました。すごく切ないループでドラムがハードで、あとはラップという。『Dead Presidents』はレコードでしか存在していないので、いまでもそのレコードをたまに聴いたりしますが、ジェイ・Zが歌い直した『Dead Presidents II』というのが世に出ていて、みんなすぐ聴けると思うのでそれを聴いてもらえたらいいかなと思います。



KREVA:「Dead Presidents」は死んだ大統領という意味で、死んだ大統領というのはお金のスラングというか。亡くなった大統領たちがアメリカの米ドル紙幣になっていくじゃないですか。それでDead Presidentsイコールお金で「お金を稼ぐぜ」という歌です。

年齢を重ねるにつれ、考え方はどう変化?

現在47歳になるというKREVAは、20歳のころからの心境や考え方の変化について語った。

KREVA:責任感はどんどん強くなっていると思います。

シシド:いろいろなお仕事をしていろいろな方と関わるなかで、責任感というのはどうしても生まれてきますよね。

KREVA:フェスとかに出ても、余裕で最年長だったり最多出場だったりとか、そんなことになってしまいました。

シシド:下の世代がどんどん入ってくると、自分の歳を感じますよね。

KREVA:なんか「うわあ」ってなりますね(笑)。

シシド:(笑)。でもやっぱり、KREVAさんはものすごくいろいろな方と音楽を一緒に作ってらっしゃるじゃないですか。だからそういう若い世代の感覚というのも、わりと素直に受け入れられる感じですか?

KREVA:いや、俺は「好き」がすごく狭いんです。

シシド:そうなんですか? 意外です。

KREVA:なんでもかんでも受け入れられるということはないですね。だから頑張ってます(笑)。

KREVAは子どもなら怪我を気にせずにできるような行為も、大人になると「滑る、転ぶ、痛いなどたくさん知っている」といった状況からブレーキがかかってしまい、実行に移せなくなることがあると語った。

KREVA:それはかしこくなって危険を回避したとも言えるんだけど、行ったらなにも(危険なことが)起こらなかったチャンスも逃しているな、という感覚もあります。

シシド:それは絶対にそう。だからこそ、本当に「好き」が心のなかにフッと入ってこられる、いろいろな感覚が入ってこられる20歳のみなさんが、いまのうちにいろいろな経験をしてほしいなと思います。

KREVA:本当にそうです。しかもさっきも言ったように調べられるから、そこで危険回避できることもあるじゃないですか。それで調べて行けるんだったら絶対に行ったほうがいいと思います。行けるなら絶対行っておけと思っています。

KREVAの最新情報は、公式サイトまで。

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン
番組情報
J-WAVE SPECIAL SAPPORO BEER AT AGE 20, THE BEGINNING
2024年1月8日(月・祝)
20:00-21:55