ラッパーのDOTAMA、SAM、BSCが「韻の美学」と題して、心を奪われた韻を紹介した。
3人が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。オンエアは6月27日(木)。
【SONAR MUSICは番組公式LINEでも情報発信中】
BSC:やっぱり、その人の個性がでていたほうがいいかなと。たとえば一文字で踏んでいようと10文字で踏んでいようと、その人のカラーが出ている韻。そういうのがあったりするんです。けっこうそれは重要なのかなと。「誰々っぽい韻」って意外とバレちゃったりして。
DOTAMA:僕はBSCさんがおっしゃった通りで、個性を出さなきゃって思うし、僕も20年くらい音楽をやらせてもらっているので、なるべく人が踏んでいない韻を踏もうとしています。
あっこゴリラ:それって難しいですよね。
DOTAMA:そうなんです。これだけ情報社会で、MCバトルもいっぱいあってみんなサイファーやって、みんな流暢に韻を踏んでいるから、誰も踏んでいなくてかつフレッシュでかつ「これ面白いな」って踏み方ってけっこう掘り尽くされているから難しいけど、そこをなんとか狙い定めていくということに、こだわっていますね。
SAM:僕は難しく考えていくと難しくなってしまうから、結局自分がカッコいいなって思う感性だけというか。
あっこゴリラはラッパーあるあるとして「自分のリリックでもフリースタイルでも、韻が深すぎてお客さんに伝わらない現象がある」と言うと、3人が同調する。
BSC:完全にありますね。地元の有名なライムがあって、地元ではこのサビはヤベえなってなっているけど、お客さんは一切盛り上がらないという。誰も気付けないって。悲しいけど、逆にあんまり分かられていない俺らだけ分かっている特権というか、本気のライマーしか分からないんだぜっていうのはあります。
DOTAMA:あと、シンプルに同異義語で踏んでしまうと伝わりづらいときがありますよね。僕、この間のMCバトルで完全な同音異義語を踏めて「これうまくね?」って思ったけど、母音も子音も全部同じだからお客さんが「ん?」ってなっちゃって分かりづらいっていう。
あっこゴリラ:後から振り返って「そういうことだったのか」となるというか。
DOTAMA:僕はもともとゴリゴリに韻を踏むほうではないから「奇跡的に踏めた!」っていうときはうれしいんだけど、お客さんにあんまり伝わらなくて。
BSC:踏みすぎた結果ですよね。
SAM:意味をかけるとフリースタイルとかだと伝わらないというか。例えば「ピットブル、首輪ねえ奴らがリードする」だと韻を踏んでいるけど首輪とリードをかけているのは気付いてもらえないとか。
続いて、3人が心を奪われた韻をそれぞれ3つ紹介した。
まず1つ目として、DOTAMAは、呂布カルマ「お前が俺の射程圏? じゃねえ、お前は俺の舎弟が限界」をいう韻を紹介した。
DOTAMA:これすごくないですか? これは先日行われたMCバトルで、呂布カルマさんが言ったラインで、対戦相手は東海の若手ラッパーですごく強い裂固くんでした。東海のラッパー同士が戦ったんですけど、裂固くんが「呂布カルマ、あんたの首は俺の射程圏」って言ったんです。「お前が俺の射程圏? じゃねえ、お前は俺の舎弟が限界」はそれに対して返した呂布カルマさんのワードなんですね。
あっこゴリラ:それはうまいですね。同じエリアの先輩・後輩だしね。
DOTAMA:僕、その様子を楽屋で見ていて、膝叩いちゃって。うまいって。
あっこゴリラ:これを即興でやるのがすごいですよね。
DOTAMA:超、ナイスライムだと思いました。
BSC:呂布さんはけっこうライマーですよね。
DOTAMA:辛辣なライムが目立つほうなんですけど、ガチガチに韻を踏んでいて。
SAMは、ZORNの「表参道のオープンカフェより嫁さんとの醤油ラーメン」をいう韻をセレクトした。
あっこゴリラ:これはヤバいっすね。
SAM:高級料理より大事な人と食べる料理のほうがおいしいっていう自分の身近にある半径10メートルとかのものをライムで表現しているのもそうだし、これを聴いたときに、韻が固すぎて早く曲出さないと、日本にある韻をこの人が全部踏んじゃうんじゃないかって。
BSC:その勢いありますよね。
あっこゴリラ:これはガン踏みですよね。
SAM:奥さまへの愛も溢れているし。
あっこゴリラ:普段使わない言葉で踏むのもカッコいいけど、こういう日常会話で踏むのってめっちゃいいですよね。
最後にBSCは、妄走族の『project妄』の剣 桃太郎のバース「活発に動く午前中 なんたって365連休」を紹介した。
BSC:365連休だから午前中から活発に動けると。
DOTAMA:僕もこれ20歳くらいに聴いて、このラインに超やられました。「365連休!」って憧れるって(笑)。
DOTAMA:これは2020年にリリースしたアルバム『12發』の『SORIMACHI』という曲の歌詞です。
DOTAMA:この曲はサビは言いたいことを言えない~って反町隆史さんのオマージュで、いい意味でけっこうふざけたライムばかりなんですけど、2バース目の最後の最後でこれを出してくるんです。人生、勝ち組負け組って2000年代以降に言われていて大変な時代が続いているじゃないですか。その中でふざけつつも最後はクスッと笑いつつも、いやでも俺たちあの人が言ってたじゃないかと。志村けんさんが大丈夫だって。前向きに行こうぜって。本当にいい歌詞なんですよね。いいライムであり、いい歌詞です。
続いてSAMは、JJJの「血の海に流すMy painと筏 Godもっと俺に力 どの道の果てにもEnd死が待つ」をセレクトした。
SAM:僕の中でJJJさんはリリカルな人ってイメージが強いんですけど、その中でもリリカルだし韻は固いし。ZORNさんとは違った比喩表現とかリリシストな部分が好きで。
あっこゴリラ:確かにJJJさんは絵を描いていくリリックというか。説明的でもなくて。
BSC:アートな感じがありますよね。
あっこゴリラ:ワンラインがその色を塗っているというか。それで次のラインがまた別の色になっているみたいな。JJJさんの発声って意外とはっきりされているじゃないですか。これでどストレートにいったらちょっと暑苦しいんですよ。でもこの発声方であの描き方だから。
BSC:確かにバランスがいいよね。
BSCはZEEBRAの「人ごみ掻き分けるジャングル探検隊 今日のテンション 普段の3000倍」を紹介した。
BSC:どれだけこのときテンションが高いのかって。普段の3000倍高いと。じゃ、普段はどんだけ低いんだと。いろんなことを感じさせる。
あっこゴリラ:最高だね。
BSC:俺は今日はハイテンションだぜ、止められないぜって。ありがとうございますって感じですね。
DOTAMA:名曲ですよね。これもさっきの発声の話になっちゃうんだけど、この発声のバランスがいいなって。
BSC:このバイブスでこういうワードがね。それってラッパーとかヒップホップとして大切ですよね。ギャグセンじゃないけど、ユーモアというか。
DOTAMA:これって ZEEBRAさんがKING GIDDRAの後に発表した『THE RHYME ANIMAL』アルバムに収録された曲なんですけど、日本のラッパーのすごいハードコアの再ヒットってときに「3000倍」って僕もちょっといい意味で笑ってしまって。
BSC:笑えてきちゃいますよね。
DOTAMA:底抜けに明るくて、元気さが伝わってきますよね。
心を奪われた韻の3つ目として、DOTAMAはTHA BLUE HERB の『THE ALERT』にあり歌詞「フィーゴのように落ち着き払うディーゴのようにリキッドルーム沸かす」を紹介した。
DOTAMA:固有名詞踏みってあるじゃないですか。人の名前で韻を踏む、みたいな。自分の人生で出会った固有名詞踏みでトップ5に入るくらいかっこよくて。ルイス・フィーゴってサッカー選手なんですけど、ディーゴはUKソウルミュージックのベテランのようにリキッドルームを沸かす、フィーゴとディーゴってシンプルなんですけど、有名人2人の生い立ちを見ているとめっちゃカッコいいこれって。リリース当時、ここのラインがカッコよすぎて日常でマネしてましたからね。
続いて、SAMはDaichi Yamamoto の『Blueberry』の歌詞「俺が全てって 俺が全てって 積もった不安が屋根から滑ってって」を紹介した。
SAM:「全てって」と「滑ってって」はわりとシンプルな同音異義語に対して、積もった不安が屋根からっていうリリカルな表現に、今度はメロディーで気持ちよく入ってくるというか。いろんな見せ方があってあらためて異義語が好きになるというか。
BSC:メロディー込みの韻とかもありますよね。簡単でみんなが踏める韻でもそういうところで違いをみせる。おしゃれですね。
BSCはICE BAHN の『SPECIAL THANKS』の歌詞「今後未来もどうか乞うご期待 こうと決めたらこう動きたい」をセレクトした
あっこゴリラ:これはドン踏みってやつですね。
BSC:FORKさんのバースです。これは今度会ったらリスペクトを伝えます。固すぎです。しかも気持ちいいっていうか、別に悪い言葉を使っているわけではなく。
あっこゴリラ:FORKさんって、韻と言えば、って方ですよね。
BSC:間違いない。
DOTAMA:個性ですね。何だかんだ自分の個性をデコレーションするためのものなのかなと。技術であり自分の個性を出すもの。ラッパーなので。韻を踏まなくてもラップはできるっていう理論はあるし、僕はそれを尊重するんですけど、韻を踏んだほうがいい意味でより楽にはなると思うし。自分のスキルも主張できるし、かつ最終的には自分のキャラクター、アイデンティティを出せるのが一番いいのかなと。それが韻なのかなと思っています。
SAM:やっぱり温かいあとだったり、体が冷えたあとだったりっていう、人生の爪痕を小節に詰めたアートだと思います。
BSC:美学かは分からないけど、今から始められるもの。踏めるもの。アスファルトと同じで、地を踏み出せば踏めるもの。音源を作るには音とか必要だけど、それも必要ない。一番手軽。コンビニよりももっと間近にあるもの。韻は自分が求めているなら、あなたのものです。
DOTAMA主宰の3マンライブ「社交辞令vol.33」が9月4日(水)に東京・Spotify O-EASTで開催される。
音楽を愛する全ての人と作り上げる(超)進化型音楽番組『SONAR MUSIC』の放送は毎週月曜日から木曜日の22時から。
3人が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:あっこゴリラ)。オンエアは6月27日(木)。
【SONAR MUSICは番組公式LINEでも情報発信中】
韻を踏む上で、最も重要だと思うこと
韻の楽しさ、面白さ、素晴らしさについて、ラッパーのDOTAMA、SAM、BSC、そしてあっこゴリラが語り合う。まず、話題は「韻を踏む上で、最も重要だと思うこと」について。BSC:やっぱり、その人の個性がでていたほうがいいかなと。たとえば一文字で踏んでいようと10文字で踏んでいようと、その人のカラーが出ている韻。そういうのがあったりするんです。けっこうそれは重要なのかなと。「誰々っぽい韻」って意外とバレちゃったりして。
DOTAMA:僕はBSCさんがおっしゃった通りで、個性を出さなきゃって思うし、僕も20年くらい音楽をやらせてもらっているので、なるべく人が踏んでいない韻を踏もうとしています。
あっこゴリラ:それって難しいですよね。
DOTAMA:そうなんです。これだけ情報社会で、MCバトルもいっぱいあってみんなサイファーやって、みんな流暢に韻を踏んでいるから、誰も踏んでいなくてかつフレッシュでかつ「これ面白いな」って踏み方ってけっこう掘り尽くされているから難しいけど、そこをなんとか狙い定めていくということに、こだわっていますね。
SAM:僕は難しく考えていくと難しくなってしまうから、結局自分がカッコいいなって思う感性だけというか。
あっこゴリラはラッパーあるあるとして「自分のリリックでもフリースタイルでも、韻が深すぎてお客さんに伝わらない現象がある」と言うと、3人が同調する。
BSC:完全にありますね。地元の有名なライムがあって、地元ではこのサビはヤベえなってなっているけど、お客さんは一切盛り上がらないという。誰も気付けないって。悲しいけど、逆にあんまり分かられていない俺らだけ分かっている特権というか、本気のライマーしか分からないんだぜっていうのはあります。
DOTAMA:あと、シンプルに同異義語で踏んでしまうと伝わりづらいときがありますよね。僕、この間のMCバトルで完全な同音異義語を踏めて「これうまくね?」って思ったけど、母音も子音も全部同じだからお客さんが「ん?」ってなっちゃって分かりづらいっていう。
あっこゴリラ:後から振り返って「そういうことだったのか」となるというか。
DOTAMA:僕はもともとゴリゴリに韻を踏むほうではないから「奇跡的に踏めた!」っていうときはうれしいんだけど、お客さんにあんまり伝わらなくて。
BSC:踏みすぎた結果ですよね。
SAM:意味をかけるとフリースタイルとかだと伝わらないというか。例えば「ピットブル、首輪ねえ奴らがリードする」だと韻を踏んでいるけど首輪とリードをかけているのは気付いてもらえないとか。
続いて、3人が心を奪われた韻をそれぞれ3つ紹介した。
まず1つ目として、DOTAMAは、呂布カルマ「お前が俺の射程圏? じゃねえ、お前は俺の舎弟が限界」をいう韻を紹介した。
DOTAMA:これすごくないですか? これは先日行われたMCバトルで、呂布カルマさんが言ったラインで、対戦相手は東海の若手ラッパーですごく強い裂固くんでした。東海のラッパー同士が戦ったんですけど、裂固くんが「呂布カルマ、あんたの首は俺の射程圏」って言ったんです。「お前が俺の射程圏? じゃねえ、お前は俺の舎弟が限界」はそれに対して返した呂布カルマさんのワードなんですね。
あっこゴリラ:それはうまいですね。同じエリアの先輩・後輩だしね。
DOTAMA:僕、その様子を楽屋で見ていて、膝叩いちゃって。うまいって。
あっこゴリラ:これを即興でやるのがすごいですよね。
DOTAMA:超、ナイスライムだと思いました。
BSC:呂布さんはけっこうライマーですよね。
DOTAMA:辛辣なライムが目立つほうなんですけど、ガチガチに韻を踏んでいて。
SAMは、ZORNの「表参道のオープンカフェより嫁さんとの醤油ラーメン」をいう韻をセレクトした。
あっこゴリラ:これはヤバいっすね。
SAM:高級料理より大事な人と食べる料理のほうがおいしいっていう自分の身近にある半径10メートルとかのものをライムで表現しているのもそうだし、これを聴いたときに、韻が固すぎて早く曲出さないと、日本にある韻をこの人が全部踏んじゃうんじゃないかって。
BSC:その勢いありますよね。
あっこゴリラ:これはガン踏みですよね。
SAM:奥さまへの愛も溢れているし。
あっこゴリラ:普段使わない言葉で踏むのもカッコいいけど、こういう日常会話で踏むのってめっちゃいいですよね。
最後にBSCは、妄走族の『project妄』の剣 桃太郎のバース「活発に動く午前中 なんたって365連休」を紹介した。
BSC:365連休だから午前中から活発に動けると。
DOTAMA:僕もこれ20歳くらいに聴いて、このラインに超やられました。「365連休!」って憧れるって(笑)。
JJJはリリカルだし韻は固い
心を奪われた韻の2つ目として、DOTAMAは、般若の「俺等は生まれた事自体 敗北か? あの人が言ってた『だいじょぶだぁ』」を紹介した。DOTAMA:これは2020年にリリースしたアルバム『12發』の『SORIMACHI』という曲の歌詞です。
DOTAMA:この曲はサビは言いたいことを言えない~って反町隆史さんのオマージュで、いい意味でけっこうふざけたライムばかりなんですけど、2バース目の最後の最後でこれを出してくるんです。人生、勝ち組負け組って2000年代以降に言われていて大変な時代が続いているじゃないですか。その中でふざけつつも最後はクスッと笑いつつも、いやでも俺たちあの人が言ってたじゃないかと。志村けんさんが大丈夫だって。前向きに行こうぜって。本当にいい歌詞なんですよね。いいライムであり、いい歌詞です。
続いてSAMは、JJJの「血の海に流すMy painと筏 Godもっと俺に力 どの道の果てにもEnd死が待つ」をセレクトした。
SAM:僕の中でJJJさんはリリカルな人ってイメージが強いんですけど、その中でもリリカルだし韻は固いし。ZORNさんとは違った比喩表現とかリリシストな部分が好きで。
あっこゴリラ:確かにJJJさんは絵を描いていくリリックというか。説明的でもなくて。
BSC:アートな感じがありますよね。
あっこゴリラ:ワンラインがその色を塗っているというか。それで次のラインがまた別の色になっているみたいな。JJJさんの発声って意外とはっきりされているじゃないですか。これでどストレートにいったらちょっと暑苦しいんですよ。でもこの発声方であの描き方だから。
BSC:確かにバランスがいいよね。
BSCはZEEBRAの「人ごみ掻き分けるジャングル探検隊 今日のテンション 普段の3000倍」を紹介した。
BSC:どれだけこのときテンションが高いのかって。普段の3000倍高いと。じゃ、普段はどんだけ低いんだと。いろんなことを感じさせる。
あっこゴリラ:最高だね。
BSC:俺は今日はハイテンションだぜ、止められないぜって。ありがとうございますって感じですね。
DOTAMA:名曲ですよね。これもさっきの発声の話になっちゃうんだけど、この発声のバランスがいいなって。
BSC:このバイブスでこういうワードがね。それってラッパーとかヒップホップとして大切ですよね。ギャグセンじゃないけど、ユーモアというか。
DOTAMA:これって ZEEBRAさんがKING GIDDRAの後に発表した『THE RHYME ANIMAL』アルバムに収録された曲なんですけど、日本のラッパーのすごいハードコアの再ヒットってときに「3000倍」って僕もちょっといい意味で笑ってしまって。
BSC:笑えてきちゃいますよね。
DOTAMA:底抜けに明るくて、元気さが伝わってきますよね。
心を奪われた韻の3つ目として、DOTAMAはTHA BLUE HERB の『THE ALERT』にあり歌詞「フィーゴのように落ち着き払うディーゴのようにリキッドルーム沸かす」を紹介した。
DOTAMA:固有名詞踏みってあるじゃないですか。人の名前で韻を踏む、みたいな。自分の人生で出会った固有名詞踏みでトップ5に入るくらいかっこよくて。ルイス・フィーゴってサッカー選手なんですけど、ディーゴはUKソウルミュージックのベテランのようにリキッドルームを沸かす、フィーゴとディーゴってシンプルなんですけど、有名人2人の生い立ちを見ているとめっちゃカッコいいこれって。リリース当時、ここのラインがカッコよすぎて日常でマネしてましたからね。
続いて、SAMはDaichi Yamamoto の『Blueberry』の歌詞「俺が全てって 俺が全てって 積もった不安が屋根から滑ってって」を紹介した。
SAM:「全てって」と「滑ってって」はわりとシンプルな同音異義語に対して、積もった不安が屋根からっていうリリカルな表現に、今度はメロディーで気持ちよく入ってくるというか。いろんな見せ方があってあらためて異義語が好きになるというか。
BSC:メロディー込みの韻とかもありますよね。簡単でみんなが踏める韻でもそういうところで違いをみせる。おしゃれですね。
BSCはICE BAHN の『SPECIAL THANKS』の歌詞「今後未来もどうか乞うご期待 こうと決めたらこう動きたい」をセレクトした
あっこゴリラ:これはドン踏みってやつですね。
BSC:FORKさんのバースです。これは今度会ったらリスペクトを伝えます。固すぎです。しかも気持ちいいっていうか、別に悪い言葉を使っているわけではなく。
あっこゴリラ:FORKさんって、韻と言えば、って方ですよね。
BSC:間違いない。
韻とは、人生の爪痕を小節に詰めたアート
最後にあっこゴリラは3人に「韻の美学とは?」と質問する。DOTAMA:個性ですね。何だかんだ自分の個性をデコレーションするためのものなのかなと。技術であり自分の個性を出すもの。ラッパーなので。韻を踏まなくてもラップはできるっていう理論はあるし、僕はそれを尊重するんですけど、韻を踏んだほうがいい意味でより楽にはなると思うし。自分のスキルも主張できるし、かつ最終的には自分のキャラクター、アイデンティティを出せるのが一番いいのかなと。それが韻なのかなと思っています。
SAM:やっぱり温かいあとだったり、体が冷えたあとだったりっていう、人生の爪痕を小節に詰めたアートだと思います。
BSC:美学かは分からないけど、今から始められるもの。踏めるもの。アスファルトと同じで、地を踏み出せば踏めるもの。音源を作るには音とか必要だけど、それも必要ない。一番手軽。コンビニよりももっと間近にあるもの。韻は自分が求めているなら、あなたのものです。
DOTAMA主宰の3マンライブ「社交辞令vol.33」が9月4日(水)に東京・Spotify O-EASTで開催される。
音楽を愛する全ての人と作り上げる(超)進化型音楽番組『SONAR MUSIC』の放送は毎週月曜日から木曜日の22時から。
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2024年7月4日28時59分まで
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