CRCK/LCKSの小西 遼がバンド結成の経緯、そして脱退騒動の真相について語った。
小西が登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『GRAND MARQUEE』(ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann)のワンコーナー「RADIO ENSEMBLE」。アーティストがスタジオに生出演し、トークと共にオススメの楽曲をセレクトする。オンエアは6月27日(木)。
番組では6月19日にリリースされたCRCK/LCKSのライブアルバム『Rise in the East』から1曲をオンエアすることに。小西は「本当にいろいろな曲がありますが、この時間帯(※オンエアは夕方)にぜひみなさんに聴いていただけたらなと思い、この曲を選びました」と『たとえ・ばさ』を選び、ライブバージョンがオンエアされた。
Celeina:『Rise in the East』は2021年9月に開催されたワンマンライブの収録音源です。2022年に一部配信でも聴けるようにはなっていたのですが、今回のタイミングで一般流通が始まりました。
小西:しばらく前になりますが「今回のものをアナログ盤で出したりといろいろやってみませんか」という話をいただいたのと、来年僕らも結成10年ということで。
Celeina:おめでとうございます!
小西:こんなに続けるつもりなかったんですけど続いちゃったし「なんかここまで続いたらみんなでゆっくりやっていくか」という話にはバンドではなっています。その節目が見えてきたこのタイミングでライブ盤を出すと。僕らにとっても節目のライブでもあったので、このタイミングでリリースしようかなという感じでした。
タカノ:話題になったのが井上さんの脱退騒動……?
小西:この話だけで2番組枠ぐらいの話になるんですけど(笑)。
タカノ:ぜひ訊きたいです。
小西:コロナ禍があったのと、銘が30歳になるタイミングとかいろいろと重なって。バンドがすごく大きなアルバムを2枚出して、けっこうみんなが「ふう」となったタイミングと、銘が自分のソロでやっていきたいというタイミングと、コロナとがすごく重なりに重なって銘が悩んだあげく、僕に直接電話かけてきて「次のライブで脱退させてほしい」と。僕としても、絶対に誰かがそういうことを言い始めたら止めないと決めていたので「そうか」となって、そこから準備でした。
小西によると、このときに残存するはずだった4人のメンバーと、5人体制の両方でリハーサルを進めていったそう。『Rise in the East』で解散するという流れをしっかりと組み立てていたが、そのライブで驚きの出来事が起きたという。
小西:本人も「やめたくないな」という気持ちは去るときにはあるじゃないですか。でも言葉の責任をとって去るのが普通じゃないですか(笑)。すごくはしょって言うと、あまりにも音楽が楽しかったから銘はステージの途中で脱退を「やっぱり嫌だ」ってステージ上で言うという。それ自体も驚きですが、それがものすごい早さで広まってしまって。ライブが終わるぐらいのタイミングにはXにはバンバン流れ初めていて。あたかも仕込んだような「やめるやめる詐欺」みたいに広まっちゃったものだから、そこから半年ぐらいは先輩ミュージシャンや同期たちとかから「あれ、仕込んだっしょ?」って(笑)。というぐらい、本当に大変な騒ぎでした。その映像や録音のすべてがこのライブ盤にも入っています。配信では聴けない赤裸々話も全部チェックできるので、ぜひ買ってください。
タカノ:ファンとしてはすごくうれしいサプライズというか。
小西:でも最前の人とか、最初の3、4曲でぼろぼろ泣いているんです。「これが最後なんだ」と言って。それをしり目に「やっぱり(やめるのを)やめますわ」って言える銘の胆力を僕は尊敬しています。
タカノ:それだけCRCK/LCKSで奏でる音の魅力にライブ中に気づいたということですよね。
小西:それまでも面白かったんですけどそれ以来、よりバンドのアンサンブルというか演奏が強固で、すごくバンドのなかでのお互いの想いや家族感が強まりました。すごく面白い節目でしたね、なかなかないと思いますけど(笑)。
Celeina:CRCK/LCKS伝説ですね。
【関連記事】小西 遼が語る、バークリー音楽院で学んで「身になった」こと
タカノ:バリバリのジャズ畑の方だったのが、どうしてポップスバンドを?
小西:そもそもCRCK/LCKSが所属しているAPOLLO SOUNDSのボスである阿部 淳さんという方に、僕がバークリーに行っているころから「小西くん、なにか一緒に仕事しようね」とお声がけいただいていて。そのタイミングで阿部さんはうちのCRCK/LCKSのボーカルの小田と一緒に仕事をしていました。帰国するタイミングで「小西ちょっと、小田と面白いことやってみない? 一夜限りでいいから」と言われて「じゃあせっかくだから小田は歌を歌うし、みんなで曲を持ち寄って一夜限りのバンドを組んでみようよ」という、ただの思いつきというか、本当に一晩のお祭りみたいな感じでした。ベースは一代前になりますがモノンクルの角田隆太と、石若と井上を呼んで「一晩やってみようよ」と言ったら楽しくなっちゃったので、じゃあ本腰を入れていまの日本のポップスというのをしっかり、この形式でやってみるのは面白いのかもしれないと思って。どちらかというとそこからアクセルを踏んでいったような形です。だから「ポップスをやろう」が先にきていませんでした。「面白い面子でなにかやってみようよ」というノリ感だけでスタートしたのが最初でした。
タカノ:そこからポップスというテーマというかコンセプトというか、そこには想いがありますか?
小西:当時のベースの角田を除いて、僕らはいわゆるポップスバンドというか、そもそもバンドみたいなものを組んだ経験がなかったんです。それぞれジャズやクラシックがベーシックにあって。高校のときに軽音でバンドを組むといった経験を長くすることがなかったので、ちょっと初期衝動に立ち返るみたいなのも興味としてみんなあって始まりました。というのと僕個人としては一応ジャズ畑とはいえ、1930年代はジャズがその当時のポピュラーミュージックでした。ジャズはその当時のヒットソング、ミュージカルのヒットソングを取り上げて演奏したりもしていました。いまとなっては別ジャンルに聴こえてはいますが、そもそもは当時のポピュラーミュージックとすごく近しい存在だったジャズ、という感覚が自分のなかにあって。いまのポップスをちゃんと勉強してみたいな、という気持ちもありました。
タカノ:ジャズ畑で培った技術や感性の部分が曲に現れています。僕も初めて聴いたときに「なんだろう? このひと味もふた味も違うようなひねりのある感じ」というところがすごく刺さりました。
小西:ほかのみんなはわかりませんが、僕はひねくれてはいたので(笑)。一筋縄では作らない、というのは当時の自分のなかにはありました。
CRCK/LCKSの最新情報は、公式サイトまで。
小西が登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『GRAND MARQUEE』(ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann)のワンコーナー「RADIO ENSEMBLE」。アーティストがスタジオに生出演し、トークと共にオススメの楽曲をセレクトする。オンエアは6月27日(木)。
再生は2024年7月4日(木)28時ごろまで
やっぱり脱退しない─楽しすぎたステージ
CRCK/LCKSは2015年結成。ボーカル・キーボードが小田朋美、ドラム・石若 駿、ギター・井上 銘、ベース・越智俊介、そしてサックス、ボコーダー、キーボードを小西が担当している。小西はバンドのリーダーを務めつつ、ソロプロジェクト象眠舎主催。さらにChara、中村佳穂、TENDREなどのサポートメンバーとしても活躍している。番組では6月19日にリリースされたCRCK/LCKSのライブアルバム『Rise in the East』から1曲をオンエアすることに。小西は「本当にいろいろな曲がありますが、この時間帯(※オンエアは夕方)にぜひみなさんに聴いていただけたらなと思い、この曲を選びました」と『たとえ・ばさ』を選び、ライブバージョンがオンエアされた。
再生は2024年7月4日(木)28時ごろまで
小西:しばらく前になりますが「今回のものをアナログ盤で出したりといろいろやってみませんか」という話をいただいたのと、来年僕らも結成10年ということで。
Celeina:おめでとうございます!
小西:こんなに続けるつもりなかったんですけど続いちゃったし「なんかここまで続いたらみんなでゆっくりやっていくか」という話にはバンドではなっています。その節目が見えてきたこのタイミングでライブ盤を出すと。僕らにとっても節目のライブでもあったので、このタイミングでリリースしようかなという感じでした。
タカノ:話題になったのが井上さんの脱退騒動……?
小西:この話だけで2番組枠ぐらいの話になるんですけど(笑)。
タカノ:ぜひ訊きたいです。
小西:コロナ禍があったのと、銘が30歳になるタイミングとかいろいろと重なって。バンドがすごく大きなアルバムを2枚出して、けっこうみんなが「ふう」となったタイミングと、銘が自分のソロでやっていきたいというタイミングと、コロナとがすごく重なりに重なって銘が悩んだあげく、僕に直接電話かけてきて「次のライブで脱退させてほしい」と。僕としても、絶対に誰かがそういうことを言い始めたら止めないと決めていたので「そうか」となって、そこから準備でした。
小西によると、このときに残存するはずだった4人のメンバーと、5人体制の両方でリハーサルを進めていったそう。『Rise in the East』で解散するという流れをしっかりと組み立てていたが、そのライブで驚きの出来事が起きたという。
小西:本人も「やめたくないな」という気持ちは去るときにはあるじゃないですか。でも言葉の責任をとって去るのが普通じゃないですか(笑)。すごくはしょって言うと、あまりにも音楽が楽しかったから銘はステージの途中で脱退を「やっぱり嫌だ」ってステージ上で言うという。それ自体も驚きですが、それがものすごい早さで広まってしまって。ライブが終わるぐらいのタイミングにはXにはバンバン流れ初めていて。あたかも仕込んだような「やめるやめる詐欺」みたいに広まっちゃったものだから、そこから半年ぐらいは先輩ミュージシャンや同期たちとかから「あれ、仕込んだっしょ?」って(笑)。というぐらい、本当に大変な騒ぎでした。その映像や録音のすべてがこのライブ盤にも入っています。配信では聴けない赤裸々話も全部チェックできるので、ぜひ買ってください。
タカノ:ファンとしてはすごくうれしいサプライズというか。
小西:でも最前の人とか、最初の3、4曲でぼろぼろ泣いているんです。「これが最後なんだ」と言って。それをしり目に「やっぱり(やめるのを)やめますわ」って言える銘の胆力を僕は尊敬しています。
タカノ:それだけCRCK/LCKSで奏でる音の魅力にライブ中に気づいたということですよね。
小西:それまでも面白かったんですけどそれ以来、よりバンドのアンサンブルというか演奏が強固で、すごくバンドのなかでのお互いの想いや家族感が強まりました。すごく面白い節目でしたね、なかなかないと思いますけど(笑)。
Celeina:CRCK/LCKS伝説ですね。
ポップスバンドになった経緯
音楽の名門、バークリー音楽大学でサックスプレイヤーとして主席相当で卒業した小西がポップスバンドとしてCRCK/LCKSで活動することになった経緯を語った。【関連記事】小西 遼が語る、バークリー音楽院で学んで「身になった」こと
タカノ:バリバリのジャズ畑の方だったのが、どうしてポップスバンドを?
小西:そもそもCRCK/LCKSが所属しているAPOLLO SOUNDSのボスである阿部 淳さんという方に、僕がバークリーに行っているころから「小西くん、なにか一緒に仕事しようね」とお声がけいただいていて。そのタイミングで阿部さんはうちのCRCK/LCKSのボーカルの小田と一緒に仕事をしていました。帰国するタイミングで「小西ちょっと、小田と面白いことやってみない? 一夜限りでいいから」と言われて「じゃあせっかくだから小田は歌を歌うし、みんなで曲を持ち寄って一夜限りのバンドを組んでみようよ」という、ただの思いつきというか、本当に一晩のお祭りみたいな感じでした。ベースは一代前になりますがモノンクルの角田隆太と、石若と井上を呼んで「一晩やってみようよ」と言ったら楽しくなっちゃったので、じゃあ本腰を入れていまの日本のポップスというのをしっかり、この形式でやってみるのは面白いのかもしれないと思って。どちらかというとそこからアクセルを踏んでいったような形です。だから「ポップスをやろう」が先にきていませんでした。「面白い面子でなにかやってみようよ」というノリ感だけでスタートしたのが最初でした。
タカノ:そこからポップスというテーマというかコンセプトというか、そこには想いがありますか?
小西:当時のベースの角田を除いて、僕らはいわゆるポップスバンドというか、そもそもバンドみたいなものを組んだ経験がなかったんです。それぞれジャズやクラシックがベーシックにあって。高校のときに軽音でバンドを組むといった経験を長くすることがなかったので、ちょっと初期衝動に立ち返るみたいなのも興味としてみんなあって始まりました。というのと僕個人としては一応ジャズ畑とはいえ、1930年代はジャズがその当時のポピュラーミュージックでした。ジャズはその当時のヒットソング、ミュージカルのヒットソングを取り上げて演奏したりもしていました。いまとなっては別ジャンルに聴こえてはいますが、そもそもは当時のポピュラーミュージックとすごく近しい存在だったジャズ、という感覚が自分のなかにあって。いまのポップスをちゃんと勉強してみたいな、という気持ちもありました。
タカノ:ジャズ畑で培った技術や感性の部分が曲に現れています。僕も初めて聴いたときに「なんだろう? このひと味もふた味も違うようなひねりのある感じ」というところがすごく刺さりました。
小西:ほかのみんなはわかりませんが、僕はひねくれてはいたので(笑)。一筋縄では作らない、というのは当時の自分のなかにはありました。
CRCK/LCKSの最新情報は、公式サイトまで。
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2024年7月4日28時59分まで
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番組情報
- GRAND MARQUEE
-
月・火・水・木曜16:00-18:50
-
タカノシンヤ、Celeina Ann