フリースタイルピアニストのけいちゃんが、自身のルーツや演奏時のエピソードなどについて語った。
けいちゃんが登場したのは、J-WAVEの番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(ナビゲーター:葉加瀬太郎)。オンエアは7月1日(土)。
葉加瀬:そもそもは普通にクラシックピアノを弾いていたんですか?
けいちゃん:ずっと。3歳から大学2年生ぐらいまではクラシックピアノをやっていて。
葉加瀬:それで音楽系の大学に行ったの?
けいちゃん:国立音楽大学に。
葉加瀬:ピアノ科?
けいちゃん:音楽教育です。もともとピアニストは高校生ぐらいまで目指していました。でも現実を見て。ピアノは続けたかったから、音楽の先生になろうと思ったんです。それで大学は教育科という先生を目指す学科に行きました。だけど大学に入ったら周りの人はみんな音楽をやっていたから、やっぱり演奏科っていいなと思って1年生のときに教職をやめてしまって。それでピアニストを目指すようになったという感じです。
葉加瀬:演奏活動を始めたのは大学に入ってすぐですか?
けいちゃん:大学に入っていたときもライブ自体はやっていたんですけど、本格的に始めたのは卒業してからです。
葉加瀬:どの音楽をメインにやろうと思っているんですか? YouTubeとかでいろいろ観たんだけど、映像作品みたいのも面白かったです。曲を書いて自分で演奏していて、かと思うとストリートで弾きだすとか。どの音楽もけいちゃんのなかでは一緒に存在している音楽なの?
けいちゃん:そうですね。そこに壁は存在しないというか。自分が表現したいものを好きなだけ表現したいという意味のフリースタイルがあるのかもしれないです。
葉加瀬:仲間と一緒に作っているんですか?
けいちゃん:アレンジャーさんとかも入れて、楽器隊の方とかにもお願いして。
葉加瀬:学校にいるころから、いろいろなことをやっていたんですか?
けいちゃん:音楽教育学科に入ったから、なんとか専攻といった1本の楽器だけやっている人が知り合いに多いというわけじゃなかったんです。ジャズ科とかそれこそピアノ科とか管楽器とかいろいろな友だちがいて、いろいろな演奏を聴いていたので。本当にいろいろなジャンルの音楽を聴かせてもらいました。
【ライブ写真】けいちゃん、ピアノとAR演出が絡み合う圧巻の演奏!
けいちゃん:高校生のときの修学旅行でロンドンに行きまして、ロンドンの駅にピアノが置いてあって。まさか駅にピアノが置いてあるなんて僕は知らなくて、周りの友だちから「けいちゃん弾いてみてよ」みたいな感じで促されてピアノを弾きにいって。ペダルも壊れているようなピアノです。
葉加瀬:(笑)。
けいちゃん:そこでリストの『ラ・カンパネラ』と、ゲーム音楽の『ピアノ協奏曲第1番“蠍火”』という曲を弾いたら、弾き終わったときに現地の人や観光局の方たちがワーッとなって。そういう経験をしたことがなかったんです。海外の方の歓声を聞くのもそうだし、コンサートじゃないのにこんなに人が集まってくるみたいのも初めてだったので衝撃を受けて。「こんな文化が海外にはあるんだ」というのを初めて知りました。
葉加瀬も若いころ積極的にストリートでバイオリンの演奏をしていたそうで、そのときの奇跡的な出会いを明かした。
葉加瀬:昔、代々木公園のストリートは「今日は大丈夫ですよ」みたいに、演奏が許されている期間があって。あとは西武渋谷店のA館とB館のあいだのところはいつも誰かが歌っていたんです。そのときに声をかけて、いまでも友だちだけど、ゴスペラーズですよ。
けいちゃん:え!?
葉加瀬:あそこでずっと歌っていました。あとサックスの三四朗もあそこでずっと吹いていましたし。
けいちゃん:みんなストリートを通ってきているんですね。
葉加瀬:ゴスペラーズは早稲田のコーラスの学生だったから、あそこで練習がてらずっと歌ってました。
けいちゃん:すごいつながりですね。当時は知らずに声をかけたんですか?
葉加瀬:だってデビューしてないから。世に出る前の話です。ストリートでやるのは度胸試しにもなるじゃないですか。
けいちゃん:ストリートでやっていくとコンサート会場でやるときの心持ちが変わってくるというか。いい意味で気楽にできます。
【関連記事】けいちゃん、「ピアノ演奏デート」をLiLiCoに提案! 気になる評価は
けいちゃん:中学2年生のときに、日本で開かれたピアノコンクールで全国1位になって、そのあとアジア大会が香港で開催されたので行きました。
葉加瀬:その思い出はなにか残っていますか?
けいちゃん:ひたすら練習室にこもっていました。
葉加瀬:僕もずっとコンクールを受け続けていた人生だからよくわかります。
けいちゃん:海外の方と一緒にコンクールに出るのが初めてだったんです。日本人とは違うタッチだったり音色だったりというのを初めて感じて「国によって意外と変わるんだな」と。
葉加瀬:個性もあると思うけど、確かに国民性は出てくるよね。そのときはなにを弾いたんですか?
けいちゃん:ベートーヴェンの『悲愴』の全楽章と、あと2曲弾きました。
葉加瀬:結局勝てたの?
けいちゃん:そのときは少年プロの部みたいなので5位入賞しました。
葉加瀬:自分としては成功だった?
けいちゃん:優勝したらグランドピアノがもらえたんですよ。グランドピアノほしかったなと思って(笑)。
葉加瀬:(笑)。
けいちゃん:あまり日本っぽくないなと感じたのは、丸の内のオフィス街みたいなところの外にピアノが置かれていて、通りすがりの人に『千本桜』を弾いてくれと言われて、弾いたんです。弾いているうちに集まってきた楽器を持っている方たち、クラリネットとかピアニカとか、そういった方たちがどんどんジョインしてきて「海外っぽい」となって。周りの方たちもそういう光景になったからテンションが上がってフーフー言い出して。突然始まるセッションみたいなのが印象的でした。
葉加瀬:楽しいよね。僕なんかも、それこそ若いころよくストリートで弾いていると、最近は減ったけどアンデスの笛の人たちとかがいたんだよ。ペルーの人たちがチームになって。あるいはジプシーっぽいものって言ったらいいかな。クレズマーみたいなのをやっている人たちのジューイッシュの人たちみたいな音楽とか、わりと渋谷でやっている人がいっぱいいて、よくセッションしてた。バイオリン持って行ったらどこでも飛び入りできるから。バイオリンはどこか行って「なんかやってる」と思えばケースから楽器を出せばそこでできる。でも最近のストリートピアノは許可もいらないんですよね?
けいちゃん:誰でも自由に弾いていいです。
葉加瀬:街づくりの基本みたいなことでやってるんだものね。あれは楽しいですか?
けいちゃん:楽しいですね。コンサートに普段触れないような方々とも触れ合えるのが、すごく楽しくて。そういった面ですごくピアノや音楽の魅力をダイレクトに伝えられる文化だなと思っています。
葉加瀬:普段は自分の曲を弾いたりクラシックを弾いたり?
けいちゃん:ストリートピアノを弾くときは、なるべくみなさんが知っているような耳なじみのいい曲を弾くようには意識しています。
葉加瀬:YouTubeの「雪のなかで弾いた」というのは?
けいちゃん:画家の方とコラボレーションして、その画家の方の絵に合わせて即興でピアノを弾くという企画をやったんです。蔵王で、雪がまさにふっている最中にピアノを弾きながらやったんですけど、もう寒すぎて手が痛くなってくるというか。そういう経験は初めてでした。
葉加瀬:何分ぐらい弾けました?
けいちゃん:3曲、20分ぐらいは弾けました。
葉加瀬:すごい。それは無理だよ。
けいちゃん:本当に痛くて。でも景色はすばらしかったです。アドレナリンで弾いてました。
葉加瀬:僕はJ-WAVEの生放送で富士山の山頂で弾きました。
けいちゃん:音とかって変わるんですか?
葉加瀬:変わるもなにもないですよ。体感温度5度とかですから。手が動かないし、ぎりぎりまでカイロで楽器を温めて弾いてそれを放送しましたけど、死ぬほど寒かった。蔵王はどうでした?
けいちゃん:本当にいいところでした。初めて山形県に行ったんですけど、人生で一番幸せな温泉に入りました。「これが温泉か」ってなりました。
葉加瀬:なにがいままでの温泉と違ったの?
けいちゃん:なにが違ったんでしょうね(笑)。露天風呂で感じたことのない「世界を吸い込む」みたいな感覚というか、味わったことのない感覚でした。
けいちゃんの最新情報は、公式サイトまで。
『ANA WORLD AIR CURRENT』の放送は毎週土曜日の19時から。
けいちゃんが登場したのは、J-WAVEの番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(ナビゲーター:葉加瀬太郎)。オンエアは7月1日(土)。
3歳からクラシックピアノ
けいちゃんは1996年生まれ。耳コピや立奏、マッシュアップ、即興など型にとらわれないピアノ演奏を得意とし、2019年からYouTubeでストリートピアノを演奏する動画を投稿。これまでの総視聴回数は3億回を超えるなど、抜群の人気を誇っている。また、先月はみずからボーカルを務めた新曲『シンフォニア』を配信リリースした。「シンフォニア」けいちゃん MV(映画『美男ペコパンと悪魔』主題歌)
けいちゃん:ずっと。3歳から大学2年生ぐらいまではクラシックピアノをやっていて。
葉加瀬:それで音楽系の大学に行ったの?
けいちゃん:国立音楽大学に。
葉加瀬:ピアノ科?
けいちゃん:音楽教育です。もともとピアニストは高校生ぐらいまで目指していました。でも現実を見て。ピアノは続けたかったから、音楽の先生になろうと思ったんです。それで大学は教育科という先生を目指す学科に行きました。だけど大学に入ったら周りの人はみんな音楽をやっていたから、やっぱり演奏科っていいなと思って1年生のときに教職をやめてしまって。それでピアニストを目指すようになったという感じです。
葉加瀬:演奏活動を始めたのは大学に入ってすぐですか?
けいちゃん:大学に入っていたときもライブ自体はやっていたんですけど、本格的に始めたのは卒業してからです。
葉加瀬:どの音楽をメインにやろうと思っているんですか? YouTubeとかでいろいろ観たんだけど、映像作品みたいのも面白かったです。曲を書いて自分で演奏していて、かと思うとストリートで弾きだすとか。どの音楽もけいちゃんのなかでは一緒に存在している音楽なの?
けいちゃん:そうですね。そこに壁は存在しないというか。自分が表現したいものを好きなだけ表現したいという意味のフリースタイルがあるのかもしれないです。
葉加瀬:仲間と一緒に作っているんですか?
けいちゃん:アレンジャーさんとかも入れて、楽器隊の方とかにもお願いして。
葉加瀬:学校にいるころから、いろいろなことをやっていたんですか?
けいちゃん:音楽教育学科に入ったから、なんとか専攻といった1本の楽器だけやっている人が知り合いに多いというわけじゃなかったんです。ジャズ科とかそれこそピアノ科とか管楽器とかいろいろな友だちがいて、いろいろな演奏を聴いていたので。本当にいろいろなジャンルの音楽を聴かせてもらいました。
【ライブ写真】けいちゃん、ピアノとAR演出が絡み合う圧巻の演奏!
ロンドンで出会ったストリートピアノ
けいちゃんはストリートピアノに出会ったきっかけを明かした。けいちゃん:高校生のときの修学旅行でロンドンに行きまして、ロンドンの駅にピアノが置いてあって。まさか駅にピアノが置いてあるなんて僕は知らなくて、周りの友だちから「けいちゃん弾いてみてよ」みたいな感じで促されてピアノを弾きにいって。ペダルも壊れているようなピアノです。
葉加瀬:(笑)。
けいちゃん:そこでリストの『ラ・カンパネラ』と、ゲーム音楽の『ピアノ協奏曲第1番“蠍火”』という曲を弾いたら、弾き終わったときに現地の人や観光局の方たちがワーッとなって。そういう経験をしたことがなかったんです。海外の方の歓声を聞くのもそうだし、コンサートじゃないのにこんなに人が集まってくるみたいのも初めてだったので衝撃を受けて。「こんな文化が海外にはあるんだ」というのを初めて知りました。
葉加瀬も若いころ積極的にストリートでバイオリンの演奏をしていたそうで、そのときの奇跡的な出会いを明かした。
葉加瀬:昔、代々木公園のストリートは「今日は大丈夫ですよ」みたいに、演奏が許されている期間があって。あとは西武渋谷店のA館とB館のあいだのところはいつも誰かが歌っていたんです。そのときに声をかけて、いまでも友だちだけど、ゴスペラーズですよ。
けいちゃん:え!?
葉加瀬:あそこでずっと歌っていました。あとサックスの三四朗もあそこでずっと吹いていましたし。
けいちゃん:みんなストリートを通ってきているんですね。
葉加瀬:ゴスペラーズは早稲田のコーラスの学生だったから、あそこで練習がてらずっと歌ってました。
けいちゃん:すごいつながりですね。当時は知らずに声をかけたんですか?
葉加瀬:だってデビューしてないから。世に出る前の話です。ストリートでやるのは度胸試しにもなるじゃないですか。
けいちゃん:ストリートでやっていくとコンサート会場でやるときの心持ちが変わってくるというか。いい意味で気楽にできます。
【関連記事】けいちゃん、「ピアノ演奏デート」をLiLiCoに提案! 気になる評価は
ピアノコンクールで海外へ
けいちゃんは修学旅行でロンドンを訪れる前の初めての海外旅行の思い出を語った。けいちゃん:中学2年生のときに、日本で開かれたピアノコンクールで全国1位になって、そのあとアジア大会が香港で開催されたので行きました。
葉加瀬:その思い出はなにか残っていますか?
けいちゃん:ひたすら練習室にこもっていました。
葉加瀬:僕もずっとコンクールを受け続けていた人生だからよくわかります。
けいちゃん:海外の方と一緒にコンクールに出るのが初めてだったんです。日本人とは違うタッチだったり音色だったりというのを初めて感じて「国によって意外と変わるんだな」と。
葉加瀬:個性もあると思うけど、確かに国民性は出てくるよね。そのときはなにを弾いたんですか?
けいちゃん:ベートーヴェンの『悲愴』の全楽章と、あと2曲弾きました。
葉加瀬:結局勝てたの?
けいちゃん:そのときは少年プロの部みたいなので5位入賞しました。
葉加瀬:自分としては成功だった?
けいちゃん:優勝したらグランドピアノがもらえたんですよ。グランドピアノほしかったなと思って(笑)。
葉加瀬:(笑)。
さまざまな場所で演奏
ショッピングモールや商店街、都庁の展望台といったさまざまな場所で演奏をしてきたというけいちゃんは、思い出深いエピソードを語った。けいちゃん:あまり日本っぽくないなと感じたのは、丸の内のオフィス街みたいなところの外にピアノが置かれていて、通りすがりの人に『千本桜』を弾いてくれと言われて、弾いたんです。弾いているうちに集まってきた楽器を持っている方たち、クラリネットとかピアニカとか、そういった方たちがどんどんジョインしてきて「海外っぽい」となって。周りの方たちもそういう光景になったからテンションが上がってフーフー言い出して。突然始まるセッションみたいなのが印象的でした。
葉加瀬:楽しいよね。僕なんかも、それこそ若いころよくストリートで弾いていると、最近は減ったけどアンデスの笛の人たちとかがいたんだよ。ペルーの人たちがチームになって。あるいはジプシーっぽいものって言ったらいいかな。クレズマーみたいなのをやっている人たちのジューイッシュの人たちみたいな音楽とか、わりと渋谷でやっている人がいっぱいいて、よくセッションしてた。バイオリン持って行ったらどこでも飛び入りできるから。バイオリンはどこか行って「なんかやってる」と思えばケースから楽器を出せばそこでできる。でも最近のストリートピアノは許可もいらないんですよね?
けいちゃん:誰でも自由に弾いていいです。
葉加瀬:街づくりの基本みたいなことでやってるんだものね。あれは楽しいですか?
けいちゃん:楽しいですね。コンサートに普段触れないような方々とも触れ合えるのが、すごく楽しくて。そういった面ですごくピアノや音楽の魅力をダイレクトに伝えられる文化だなと思っています。
葉加瀬:普段は自分の曲を弾いたりクラシックを弾いたり?
けいちゃん:ストリートピアノを弾くときは、なるべくみなさんが知っているような耳なじみのいい曲を弾くようには意識しています。
葉加瀬:YouTubeの「雪のなかで弾いた」というのは?
けいちゃん:画家の方とコラボレーションして、その画家の方の絵に合わせて即興でピアノを弾くという企画をやったんです。蔵王で、雪がまさにふっている最中にピアノを弾きながらやったんですけど、もう寒すぎて手が痛くなってくるというか。そういう経験は初めてでした。
大雪の中で即興ピアノに合わせて絵を描く天才がヤバすぎたw
けいちゃん:3曲、20分ぐらいは弾けました。
葉加瀬:すごい。それは無理だよ。
けいちゃん:本当に痛くて。でも景色はすばらしかったです。アドレナリンで弾いてました。
葉加瀬:僕はJ-WAVEの生放送で富士山の山頂で弾きました。
#jwave #富士山 #葉加瀬太郎 最新AL「JAPONISM」リリース記念 富士山山頂でのバイオリン生演奏企画!スタッフ全員無事に下山。たくさんの応援メッセージありがとうございました! pic.twitter.com/3wPeJqHkLE
— J-WAVE SPECIAL PROGRAM (@jwave_2019) August 21, 2013
けいちゃん:音とかって変わるんですか?
葉加瀬:変わるもなにもないですよ。体感温度5度とかですから。手が動かないし、ぎりぎりまでカイロで楽器を温めて弾いてそれを放送しましたけど、死ぬほど寒かった。蔵王はどうでした?
けいちゃん:本当にいいところでした。初めて山形県に行ったんですけど、人生で一番幸せな温泉に入りました。「これが温泉か」ってなりました。
葉加瀬:なにがいままでの温泉と違ったの?
けいちゃん:なにが違ったんでしょうね(笑)。露天風呂で感じたことのない「世界を吸い込む」みたいな感覚というか、味わったことのない感覚でした。
けいちゃんの最新情報は、公式サイトまで。
『ANA WORLD AIR CURRENT』の放送は毎週土曜日の19時から。
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